▼いまも、地球物理学やエネルギーをめぐる世界最大級の学会「AGU」に参加するためサンフランシスコにいるのですが、日本から連絡がありました。
その連絡とは、以前にこの地味ブログですこしだけお伝えした「硫黄島、小笠原諸島をめぐる、にっぽん丸クルーズ」について「詳しい情報が公開になりました」ということです。
すなわち受付が始まったのですね。
クルーズは来年の5月です。
関心があるひとは、ここを見てください。
そして、お申し込みやお問合せ先は、0120-791-211(商船三井クルーズデスク)、携帯やPHSの場合は、03-5114-5280 だそうです。
▼この航海中、ぼくが3回、連続して講演し、みなさんと一緒に深く考える予定になっています。
これはある日突然、商船三井から申し出がありました。
商船三井のなかで、硫黄島の英霊のために何かできないかという志を持つようになった人々がいて、この企画が始まったようです。
硫黄島は、今も変わらず立ち入り禁止の島ですから、にっぽん丸は硫黄島にできるだけ近づいて、そこから祈りを捧げます。
また、このにっぽん丸クルーズはふだん、エンタテインメント中心のクルーズだということで、パンフレットを見ると、参加者の全員紹介のページには確かにぼくの名と写真もあるのですが、肝心の小笠原諸島と硫黄島クルーズのページには、ぼくの写真はなく、フランス人のエンタテイナーの方の写真だけがあります。「あくまでエンタテイナーの紹介で、青山さんはエンタテイナーではいらっしゃらないから」という趣旨の説明がありました。
もちろん、ぼくはエンタテイナーでは、まったく、ありませぬ。
ただ、ひょっとしてパンフを見て「あれ? 青山サンがいない」と混乱するひともいらっしゃるのではないかと、すこしだけ危惧するのですが、ぼくは間違いなく乗船し、みなさんとお会いします。
▼こうしたクルーズで硫黄島が初めて取りあげられることには、おおきな、深い意義を感じます。
「こんなこともあるのか」という驚きが、正直な気持ちです。
船乗りでもある青山千春博士は、強く支持しています。
洋上に出る講演会ですから、さまざまな面で余裕のあるひとでないと、なかなか参加できないと思います。
ぼく自身も、多くの日程を犠牲にせねば実行できません。
しかし、後世のわたしたちのためにこそ落命された硫黄島の英霊のみなさまのすぐ近くで、それも深きも深い記憶が眠る海から、数多くのみなさんと共に祈りを捧げる機会が、まさか生まれるなどと想像もしていませんでした。
英霊を取り戻すための最大の力は、日本国民の関心の高まりです。
全くおつきあいの無かった企業にも、こうした関心を持って、ご自分の仕事を通じて貢献しようとする人々がいたことには、勇気づけられます。
▼硫黄島はほんらい、美しき日本の島々、小笠原諸島のひとつです。
小笠原諸島が2011年に世界遺産に指定(登録)されたのは、国民のひとりとして大きな喜びですが、そのとき硫黄島のことがほとんど語られなかったことを、無念にも思っていました。
まるで、その無念を天がちらりとだけご覧になって用意してくださった珍しき機会のようにも、こころの内で感じています。
参加されるかたがたには、小笠原の島々と海の豊穣(ほうじょう)な、日本らしい麗しさも、ゆっくりと味わっていただきたいと願っています。
フェアな愛国者で知られる作曲家のご夫妻が、すでに申し込まれたとも聞きました。
、このかたは、かつては日本のポップスの代名詞のようだった作曲家にして、現在は壮大なゲーム主題曲で若い世代にも隅々まで知られた作曲家です。
この一身が縮むような光栄ですが、硫黄島のみなさまに、この日本を代表する愛国者を間近にご紹介できるのを、夢のように、うれしく思っています。