燃えろウェイン・アーサーズ 2001年デビスカップ決勝 オーストラリアvsフランス

2017年12月11日 | テニス

 流行語大賞といえば思い出すのは、ウェインアーサーズである。

 というと

 

 「それ、だれやねん」

 

 つっこまれそうであるので、ここに説明しておくと、ウェイン・アーサーズとはオーストラリアテニス選手

 一時期は、テニス界最速最強といわれたビッグサーブを武器に、レイトンヒューイットパトリックラフターらがいた、第何期目かわからないオーストラリア黄金時代、ナショナルチームでも活躍した男だ。

 のあるオージー選手の中で、飛び抜けて見た目普通とか、自己最高ランキングが44位とか、初優勝までデビューから15年もかかったとか、グランドスラムの最高成績が4回戦とか、実はダブルスのスペシャリストとか。

 そんな、私のような「地味な選手萌え」にはたまらない男なのだが、そうでない人からしたら、失礼ながらもう全力で「知らんがな」な選手である。

 そんな華なき男のウェイン・アーサーズが、なんでそろそろ年の瀬というこの季節、記憶に残っているのかと問うならば、話は2001年にさかのぼる。

 年も押し迫った12月初旬のこと、私は友人クニジマ君と家で一杯やっていた。

 テニスファンの彼となれば、当然となるのはテニス界のことであり、その日も、



 トーマスエンクヴィストウェインフェレイラの、どっちを評価すると、より玄人のテニスファンっぽいか」 



 なんて話で盛り上がっていたのだが、そこで友がこんな声をあげたのだ。



 「あ、そういや、今ってデ杯決勝やってるんちゃう?」



 おお、そういえばそんなイベントもあったなあ。たしか今年は、オーストラリアフランスで決勝やってるんちゃうかったっけ。

 パトリックラフターレイトンヒューイットの、世界ナンバーワンの2枚看板が売りのオーストラリア。

 セバスチャングロージャンエースにそえ、渋い実力者のそろうテニス大国フランス。

 これがチーム戦を行うとなれば、盛り上がらないはずがない。

 すぐさまパソコンを起動させると、テニス関係のページをめぐってデ杯の情報を仕入れはじめたが、この年の決勝戦は、期待にたがわぬ激戦となっていた。

 オーストラリアはラフターとヒューイットが単複戦うが、フランスはグロージャンを中心に、ニコラエスクデセドリックピオリーヌ、ファブリスサントロという布陣で挑む。

 会場はオーストラリアのホーム。全豪オープンが開催されているロッドレーバーアリーナに、天然芝を敷いてフランスを迎えうった。

 開幕戦で、エスクデがフルセットの末、敵のエースであるヒューイットを破るという金星をあげると、オーストラリアも負けずにラフターがグロージャンをストレートで倒し、エース破り返し

 デ杯のともいえるダブルスでは、ピオリーヌ&サントロ組が、ラフター&ヒューイット組のグランドスラム優勝者コンビを粉砕。

 さすが、ダブルスはスペシャリストのサントロを擁するフランスが強い。

 アウェーの不利さをものともせず、2勝1敗と先に優勝に王手をかける。

 ただオーストラリアも、地元の観客の前で、むざむざ敗れるわけにもいかない。

 3日目第1試合のエース対決では、ヒューイットがグロージャンを、なんと6-36-26-3のストレートで一蹴してしまう。

 勝負は2勝2敗最終シングルスにもつれこんだわけだが、試合経過を観ながら私とクニジマ君は、これは恐れていたことになりそうだぞと目を見合わせたのだ。


 (続く→こちら
 



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