「オチないんかい!」という関西人について、大阪人が対処法を考えてみた その3

2021年11月24日 | ちょっとまじめな話
 前回(→こちら)の続き。
 
 「話にオチないんかい!」
 
 そう関西人がつっこみがちというイメージがあるけど、それは果たして本当なのか。
 
 いわゆる「オチのない話」問題は、
 
 
 「句読点の有無」
 
 「サービス精神」
 
 「エンタメ体質」
 
 
 これがあるかないかが本質であって、関西人がどうとか、話の中身が「おもろい」かどうかとか、実はそれほどにはメインの理由ではないのでは?
 
 実際、前回も言ったが、著作の中で「オチがない話」に憤っている西原理恵子さんは高知出身だし、オーケン東京人。
 
 その他でも、特に関西人じゃない人の本や、ラジオなどでも同じようなことを言っている人は結構いる。
 
 ツイッターやインスタグラムにあがっている、夕焼け食事の写真。
 
 また、心象風景をつづったポエムなどが不評なのは、内容うんぬんじゃなくて、そのひとりよがりゆえに、
 
 「受け手のことを、あまり考えているように見えない題材」
 
 そこにガッカリしてしまう。
 
 そしてそれは、おそらく関西人のそれが、あけすけで目立つだけで、どの地域の、どの国の、どこの民族にもきっと一定数いるはず。
 
 空気を読んで、それを黙っているだけで。
 
 だから、関西では、いやそれよりもっと広く西原さんやオーケンのような「サービス精神」を重視する人と話すときは、軽くでいいから起承転結オチを用意するといい。
 
 むずかしく考える必要はない。
 
 私の見立てでは、「オチ」とは「プチズッコケ」とか「プチ自虐」でいいのだ。
 
 ブログを書くコツなどを指南した本や、サイトなどで必ず出て来るのは、
 
 「失敗談など自虐を書け。自慢話は厳禁」
 
 これは、その攻撃的舌鋒が売りである斎藤美奈子さんも強調しておられた、「読んでほしい文章」の必須中の必須要項。
 
 逆にいえば、これさえ入れておけば、お手軽に話が収まるという便利アイテムでもある。
 
 だれかと話すときは、話のところどころと最後に、プチ自虐を入れる。
 
 たとえば、私が大学時代遭遇した、
 
 
 「この服、いい色でしょ。昨日買っちゃった」
 
 
 という報告なら、そこにもうひとつ増しで、
 
 
 「でも、ちょっと高かったんだよねー。しばらく、3食カップ麺生活かも」
 
 
 とか、プラスアルファがあれば、
 
 
 「ファッションはお金かかるもんね。でも、似合ってるからええやん。その服で、オシャレにチキンラーメン食うたらええねん(笑)」
 
 
 なんて会話が多少スムーズにつながる。
 
 あるいは、
 
 
 「高かったんだよねー」
 
 
 の後に、やはりそこで終わらず、
 
 
 「散財したなあ。ところでさあ、今までで一番高い買い物って何? これ、やっちまったわーみたいな」
 
 
 なんて、相手に「パス」をまわすとか。
 
 こんなもんで、いいんじゃないかなあ。
 
 聞いていて「オチがない」と感じる話は、とにかく、
 
 
 「買った」
 
 「行った」
 
 「話した」
 
 
 みたいに、「それだけでおしまい」という終わり方に、強く感じる。
 
 なんだか、すごい急ブレーキをかけられたようで、つんのめり方がハンパではないと。
 
 とにかく、言いっぱなしにしないことが大事。
 
 なんにしろ、「オチのない話」の本質は、「おもしろくない」よりも、
 
 「句読点とサービス精神の欠如
 
 が問題なのだ。
 
 そこを押さえたうえで、話のおりおりと最後に「プチズッコケ」を入れれば、だいぶ景色が違って見える。
 
 むこうがあなたに好意的ならば、その「オチ」だけで
 
 
 「あなたを楽しませたかった」
 
 「聞いてくれてありがとう」
 
 
 という感謝の意味として伝わるはず。
 
 その意味で、「オチ」とは内容よりも、文章でいう「句読点」であり、これがあることによって、
 
 
 「自分の聞いてほしい話は終わったよ、ありがとう」
 
 
 という想いが伝わる。
 
 まあ、食事でいう「ごちそうさま」みたいなもんです。
 
 「今、自分のターンは終わった」ことを伝え、「次どうぞ」と会話の橋渡しをする。
 
 「オチ」を求める人は、おたがいの、その気持ちを重視しているのだから。
 
 なんだか、大げさみたいだけど、「オチ」を求める人の考え方をポジティブに表現すると、たぶん、そういうことなんですよ。
 
 え? それでも「おもんない」「オチないの、サブいわー」とか言ってくる人がいる?
 
 うーん、それはもう関西人がどうとか以前に、
 
 「ただのデリカシーがない人」
 
 だから、単純に距離を置いてつきあうのが、いいんじゃないでしょうか。
 
 でも若いと、しょうがないかもなー。
 
 私なんかも、10代のころは
 
 
 「世界でおもしろいことを言えるのは、オレ様ダウンタウンだけ」
 
 
 とか本気で思ってたし。
 
 たぶん、今のヤングたちも、大して変わらないでしょう。そら偉そうに、「オチないんかい!」とか言いますわ。
 
 うん、サラッと書いてるけど、尿もれるほど恥ずかしいぞ。ザッツ黒歴史
 
 ただ、そんな自意識過剰男子にとっても、「サービス精神」とか「感謝の心」があったのも本当。
 
 だからまあ、そういう人は大人になったら、当時のことを思い出して、布団の中で「あああああ!」とか、もだえてるから、そのとき笑ってあげましょう。
 
 
 
 

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