ダイエットに失敗して、リバウンドしてしまった女性に朗報です

2021年06月02日 | モテ活

 「ダイエットに失敗した女の子が、好みやね」

 学生時代、学食でごはんを食べているとき、そんなことを言ったのは友人クロベ君であった。

 先日、この冬から春にかけて発動された「体重レインボー作戦」により、3か月で5キロの減量に成功した私。

 ただ、こういうときコワイのは「リバウンド」であり、ホッとして気がゆるんだり、ガマンの反動でドカ食いなど、あっという間に元に戻ってしまうというのは、よくあること。

 これはもう、人間の業とでもいうべき法則であって、

 「食が細くて、太りたいのに太れない」

 という、ぶんなぐ……うらやましい体質の人以外、だれもがこの、

 「ダイエット→リバウンド→リバウンド(∞)」

 という無間地獄からは、逃れられない運命で、人類の夢「永久機関」の開発は、このあたりにカギがあるのではないだろうか。

 とまあ、人はちょっとやせたといって、そこで安心してはいけない。

 ダイエットで肝心なのは、体重を落とすのは道半ばで、もっとも大事なのは、

 「そこからこれをキープする」

 これは「試験合格」「就職」「結婚」など、人生の様々な

 「これにて完了」

 とガッツポーズしたところですぐに襲われる、おそるべき現実でもあるのだ。

 なんて、めんどくさい話をしていると、せっかくダイエットが成功したのに、なんだか気分も盛り上がらないが、ここにひとつ、

 「せっかくダイエットしたのに、すぐに元に戻っちゃったよー」

 と泣く女性の方々に、いい知らせがある。

 それが、クロベ君言うところの「リバウンド萌え」という存在だ。

 「萌え」のファンタジーは人様ざまである。

 単純に「顔」がいいとか、女性の「胸」や「尻」に反応する人もいれば、ちょっとひねって、うなじや足首。

 眼鏡がいいとか、二次元サイコーとか、靴屋でハイヒールを見ると興奮するとか。

 はたまた中島らもさんが、エッセイで紹介していたような、

 

 「女装して部屋で編み物をしていると、そこに軍服姿の女が入ってきて、『おまえは編み物が下手だ!』と罵倒されながら、椅子ごとけり倒されないと燃えない」

 

 という、ツイストの効きまくった人というのも存在する。

 「けり倒されると燃える」

 ではなく、

 「けり倒されないと燃えない」

 というところが、なんとも味わい深いところである。人間って、いいな。

 かくして、ファンタジーは人の数だけ存在するわけだが、クロベ君の場合は「リバウンド萌え」。

 リバウンド萌え。

 といわれても、ちょっと意味がわからないところもあり、はて湘北高校の桜木花道選手のファンなのかいなといえば、そうではなく、彼は基本的に、ポッチャリ系の女性が好きなのだ。

 世に「ポッチャリ好き」というのは結構いるもので、男女も問わないようだが、友のケースは少しばかりひねりがあり、

 「リバウンドして、ポッチャリ」

 これでないと、ダメらしい。

 限定付ポッチャリ。

 そこを普通のポッチャリでは、いけないのかと問うならば、

 「ボクはな、元からちょっと二の腕とかプニプニした子が好きやねん」

 わかるよ。やせすぎの子って、案外魅力感じへんこともあるからね。

 「でやな、そういう子がダイエットして、ちょっとやせて、そのまま細身で行くのかと思いきや、なんやかやあって、結局元に戻っちゃいました」

 まあ、よくあるよなあ。

 「それくらいの肉付きの女の子にグッとくるんや。すごく、かわいらしいねん」。

 一回リバウンド経由。

 なんだかまわりくどい気もしないでもないが、それに意味はあるのかといえば、友は声を荒げて、

 「全然、違うがな!」

 メッチャどなられてしまった。

 「ただのポッチャリやと、アカンのや。リバウンドして、その一回やせた後に、もう一回ついた、肉とアブラがええんですやん」。

 彼は身も世もなくという風情で、天をあおぐと、

 「わかってないなあ。これやから、素人は困るんや。ポッチャリ好きいうたら、プニプニしてたら、なんでもええと思ってるんやからなあ」

 これでもかというくらいに、あきれられてしまった。

 さすが玄人はちがう。

 というか、なんの玄人かはよくわからないが、というか、この話、なんでオレが説経されてるんやろ。

 なんにしても、男のこだわりというのは様々ではあり、ダイエットに失敗した女性にとっては、希望のある話と言えるのではあるまいか。たぶん。

 

 

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