夏の飲み物にアイランはオススメである。
「アイラン」とはトルコの定番ドリンクで、ヨーグルトを水で割って、泡立つくらいにかき混ぜ、塩をお好みの量入れるとできあがり。
日本だとヨーグルトは甘いイメージがあるから、最初は抵抗があるかもしれないけど、なれるとサッパリした飲み心地でハマる。
私もトルコ旅行の際に飲んでみて、意外にイケるやんと驚いたもの。
トルコのヨーグルトはかなり濃厚で、飲むだけでなく、料理などにも使う万能調味料というあつかいだから、塩味でも違和感はないのだ。
肉料理や野菜の揚げもの、果てやパスタやパンにまでかけて食べるというのだから、日本でいう醤油のようなものであろうか。
私も現地の食堂で「イスケンデル・ケバブ」なる羊肉料理をいただいたが、そこには山盛りのヨーグルトが、どっせいとばかりに乗せられていた。
これが、サワークリームのようなコッテリした酸味があって、かなり美味かったんだけど、とにかく濃くて途中から胸焼けを起こしてしまった。
さすがにもてあました私が、
「ヨーグルトやのに重いなあ。トルコ人どんだけヨーグルト食うねん。わけ行っても、わけ行ってもヨーグルトって、ワシャ山頭火か!」
なんてボヤきまくっていたら、あまりにその様子がおかしかったのか、それまで無表情に立っていたギャルソンのおにいさんが笑い出したほどだった。
そういや、日本語はわからんでも「ヨーグルト」はわかりますもんな。
こっちのレストランかカフェでバイトしてて、異人さんがメシ食いながら、
「ショウユ……ナントカカントカ、ショウユ……、ドウタラコウタラ、ショウユ……ショウユ……ショウユノー!!」
とか悲しそうに言うてたら、そら笑いますわな。
高橋由佳利先生の名作『トルコで私も考えた』(最近、新刊が出てうれしい)によると、トルコのヨーグルトに近いのは、あの羽生善治九段もCMに出ていた「明治ブルガリアヨーグルト」だそう。
なもんで、私もそれにあやかって明治のを使っているんだけど、ゆかり先生のダンナさん(トルコ人)によると、商品名に納得がいかないとか(笑)。
そりゃ、あんだけあらゆる料理に使ってるのに、日本ではトルコにヨーグルトのイメージなんて全然ないから、なんでやねんでしょうねえ。
そんな「トルコ発」のヨーグルトドリンク「アイラン」は飲みやすいうえに、水分と塩分と栄養を一気に補給でき、夏バテや熱中症対策にもグッド。
「えー? ヨーグルトがしょっぱいのー?」
という偏見をはずせば、ヘルシーでおいしく、この季節にピッタリの飲み物なのです。