マカオのカジノで大もうけや! ボンクラギャンブラー賽の踊り その2

2020年07月25日 | 海外旅行
 前回(→こちら)の続き。
 
 マカオで一勝負の兵站として、シェラトン・マカオホテル・コタイセントラルを選択した私。
 
 セール価格で安く泊まれたのだが、それと釣り合わぬ豪華さ。
 
 香港では『罪と罰』のラスコーリニコフが、ババア殺害計画を練っていた屋根裏部屋みたいなところで寝ていたのだから、その落差から感激もひとしおである。
 
 さあ、いよいよカジノで勝負だ。
 
 ここまで、ホテルまでバスに乗ったら「降ります」というのを運転手のじいさんになぜか無視されマカオの彼方にまで運ばれそうになったり、カードキーがこわれてて部屋を閉め出されたり。
 
 さらには支払いの段に、財布を入れていた貴重品入れが「ガチャピンの巾着」だったため、受付のお姉さんに、
 
 「シェラトンにガチャピンで来るなよ!」
 
 と、ゆかいに笑われたり(言葉はわからないが、絶対そうつっこんでいた)、ちょっとしたトラブルはあったものの、なんとかしのいで、いざ本番である。
 
 戦いに備えて、とりあえず勝負のルールを決めることにする。
 
 カジノはいいが、私は勝負師ではなく、そもそも資金もたいしてない。
 
 ふつうにダラダラと遊んだところで楽しめるかどうかは疑問だし、勝ち目も薄かろう。
 
 そこでメリハリをつけるために、決まり事を作ることにしたのだ。
 
 それは、「資金は1万円で、問答無用の一発勝負」。
 
 これである。
 
 私はこう見えて、ギャンブルとは無縁だ。麻雀、パチンコ、競馬、競輪に株などマネーゲームの類もまったく手を出したことがない。
 
 これでは戦略など練りようがないし、ビンボーなので長期戦も無理。
 
 ならば、これはもう1万円一本勝負しか策がない。
 
 ただ、これは単に私が素人で貧民というだけでなく、論理的帰結でもある。
 
 いまさら解説するまでもないが、ギャンブルというのは「胴元しかもうからない」システムになっている。
 
 テラ銭が引かれるため、回数をこなせばこなすほど、確率論的には勝率が下がるのだ。
 
 確率的に不利なら、長期戦は死、あるのみ。
 
 ならば、数的不利側は絶対に「一発勝負」で挑むべき。これはこちらの気質的にも、数学的にも、まったくもって正しい戦略なのだ。
 
 そこで1万円1回こっきり。勝てば、それを資金に時間で2時間、遊べるだけ遊ぶ。
 
 2時間たったら、どれだけ勝ってても強制終了。
 
 元金の1万円まですったら、それもお終い。ATMに走って補給とかは無し。
 
 おとなしく帰って寝る。一発目に負けても、もちろんそれでおしまい。
 
 要するに、1万円でやれるだけやって、それ以上マイナスにはしないところで撤収。
 
 まあ、そう簡単にやめられるかはわからないけど、とりあえずそういうルールで。
 
 これなら、負けても泥沼にはまることはなさそうだし、まあ1万円くらいなら「入場料」として許容範囲である。
 
 なにより「男は黙って一発勝負」というストイックさがいいではないか。
 
 こうして私は
 
 「確率論的に正しいチキン戦法」
 
 をひっさげて、もっとも広くて豪華と思われる「ホテル・ベネチアン」のカジノに降り立ったのである。
 
 次回、いよいよ勝負の幕が開く! わけなのだが、これが我ながらものすごい想定外の結果が待っているとは、このときは知るよしもなかったのであった。
 
 
 (続く→こちら
 
 
コメント
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