前回(→こちら)の続き。
ここまで第二外国語はなにを選ぶべきかで、人生の先輩としてアドバイスを送っている。
前回は
「中国語を取れば単位取得が楽で、大学生活は勝ち組」
という意見を述べたのであるが、単位を取るのが楽な言語は、もうひとつあると言われていた。
それはスペイン語である。
というと、スペイン語なんてドイツ語やフランス語よりも、もっとなじみがないのではないか。
なんて言われそうであるが、いやいや、なかなかこれがどうして、語学学習者の間では、
「ヨーロッパ系言語で、日本人が1番学びやすいのはスペイン語」
という説が、まことしやかに流れていたのである。
これにはわりとキチンとした根拠があり、まずスペイン語は発音が楽。
英語のあのネチャっとした発音や、ドイツ語の巻き舌、フランスの鼻から抜ける母音。
などなど、外国語学習者の前に立ちはだかるのは、日本語になじみのない発声法だが、スペイン語にはそういった癖があまりないらしい。
「わたし」を意味する「YO」、そのまま「よ」で通じる。
「comer」(食べる)もそのまま「コメール」、「Ajo」(にんにく)もそのまま「あほ」と平坦に読めばよい。
単語がスペルそのままで、読めるというのもいい。
英語の「knife」はどう見ても「ナイフ」とは読めないし、「dangerous」を「デンジャラス」と発音するのは、かなりアクロバティックである。
実際、英語が母語のイギリス人ですら、
「ウチらの言葉の発音、マジおかしくね?」
問題にしているくらいだ。
その点スペイン語は、ドイツ語の「eu」で「オイ」などといった、めんどい規則が少ない。
書いてあるとおりに読めば、だいたいが通じるというのだから、もう涙が出るほどありがたい。
スペイン語がいいというもうひとつの理由は、
「中南米ひとりじめ」
日本ではサッカー以外で、あまりなじみのない中南米諸国であるが、これが言語的にはスペイン語がメッチャクチャに強い。
なんといっても、ブラジル(ポルトガル語)以外ではほぼ全域、スペイン語が公用語なのだ。
しかも、スペイン語とポルトガル語は、標準語と関西弁くらいの差しかないから、ブラジルでもスペイン語はけっこう通じる。
つまりは、スペイン語さえマスターすれば、中南米諸国で旅行や仕事をするのに無敵ということだ。
彼の地では英語の通用度が低いので、
「え? 英語しかしゃべれへんの? フッフッフ、そんなん中南米では、ただの迷子やで」
英語帝国主義者どもに、一泡吹かせてやれるのである。
バックパッカーの中には
「英語ともうひとつといわれれば、スペイン語を選ぶ」
という人も多い。
世界一周をするという人は、まず南米から入って、スタートでスペイン語を学んでから、他の国に出るという人もいる。
なんといってもアメリカでは、これから非白人人口が、白人人口を超えると言われている。
トランプ大統領の「メキシコ人追い出す」発言は、そのことにビビってのもの。
そうなると、プエルトリカンなどスペイン語を使う人が、USAのマジョリティーになる可能性もあるのだ。
もちろん、大学の授業レベルでは、「旅行先でもペラペラ」なんてのは無理でも、発音が楽ということはスピーキングで有利ということ。
基礎単語になじんでおく程度でも、たぶんフランス語やドイツ語よりは通じる度合いが高いはず。
英語みたいに
「コーヒー? OH! 《カフィー》のことですねAHAHAHA!」
なんて笑われて赤っ恥ということにもなりにくいのだ。
学びやすく、ひそかに使用人口も多いスペイン語、おススメです。
(ドイツ語編に続く→こちら)