拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

先生、春の「クレヨンしんちゃんSP」は必見です

2006-03-23 20:07:56 | テレビ
『クレヨンしんちゃん』が今年で放映15周年を迎えるそうだ。それを記念して4月から、アニメを放送しているテレビ朝日で『クレヨンしんちゃん テレビ15周年カーニバル』が始まるらしい。おぉ!PTAに叩かれ続けた問題児がついにここまで来たか。最近はご無沙汰だったものの、かなり初期から見ていた往年のファンとしては感慨深いものがある。というかとても冷静ではいられない。私もこのカーニバルに参加しなくては。ということで数年ぶりに今年のしんちゃん映画を劇場まで足を運んで見に行くことに今決めた。2002年の『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』以来である。あの時はうっかり劇場で泣いてしまったが今回はどうなることやら。
テレ朝の公式HPによると、カーニバルの一環として早速4月1日に『伝説を呼ぶ15周年150分スペシャル』が放送されるらしい。スペシャルの内容がなかなか凄まじい、ファンならずとも必見の内容となっている。毎年春のスペシャルでは、前年に公開された劇場版を放映する。これは今年も変わらないが、今年はスペシャルイヤーとしてなんと記念すべきアニメ第一話「おつかいに行くゾ」と、しんちゃんが愛犬シロを拾うエピソード「子犬を拾ったゾ」も併せて放映されるというのだ。これはかなりレアである。
『クレヨンしんちゃん』は青年誌に掲載されている漫画である。よって元々子どもを読者として想定していない漫画である。当初はおそらく、「大人の世界に無垢なフリしてきわどいツッコミを入れる悪ガキ」というようなコンセプトだったのだと思う。初期の1~3巻あたりを読めばわかるが、はっきり言ってしんちゃんのメインのファン層である幼稚園児~小学校低学年の子どもが読んで理解できる内容ではない。しんちゃんが本屋に行くエピソードでは、いきなり「スコラ」を立ち読みしている。ヤクザ顔の園長先生が初登場する回ではしんちゃんが顔を見るなり「地上げ屋さんだ!」と突っ込み、友だちの風間君が「とうとうこの幼稚園も地価高騰の波に!」と、1巻が発売されたバブル期ならではの突っ込みで震える。しんちゃんのギャグもなかなかきわどく、現在のノリしか知らない人なら驚くだろう。読み返すたびに思うのだが、こんな漫画をアニメ化し、月曜夜7時という時間帯に放送するという無茶を誰が考えたのだろう。初期のアニメでは、漫画のきわどいノリがそのままで放送されていたが、「下品」「子ども向きではない」等苦情が殺到してからはややソフトになり(それでも苦情は今でも止まないのだが)、一気に人気に火がついた。映画第一弾が公開されたころには、パンツを脱ぐ等お下品さはそのままでも、「スコラ」がアイドルの写真集になるなど、青年誌のノリや匂いが消えた。子どもでも面白さが容易に理解できるアニメに変貌した。そして、変貌前に放映されたアニメはほぼ封印状態になった。夏休み等に「しんちゃん」が再放送されたとしても、初期の分は絶対に放送しないし、DVD化もされていない。ビデオ化はされているが、収録されていない話も所々ある。それゆえ初期のあのマニアックでさえあった「しんちゃん」を懐かしむファンは多い。そんなところに初期アニメの再放送ときた。
まあ、「おつかいに行くゾ」「子犬を拾ったゾ」は元々あの頃の青年誌のノリが強いとはいえないエピソードではある。しかし、当時の空気感はそのままだと思うし、なによりしんちゃんの声が今と全然違う。声優は同じだが(矢島晶子さん)まだ模索中だったのだと思う。あの独特の声が生み出される前のしんちゃんが15周年記念で地上波に解き放たれる。4月1日のスペシャルは必見である。

さて、しんちゃんは5歳だから普通に成長したとすると…20歳!?

先生、「アニマックス」を観察してみました

2006-03-22 22:24:28 | テレビ
ここのところ忙しかったが今日は予定が無かったので、テレビに張り付き朝10時からCSのアニメ専門チャンネル「アニマックス」をぶっとおしで見てみた。3年前にケーブルテレビに加入し、アニマックスが見れるようになって以来はじめての試みである。
加入当時、あらゆる年代の懐かしアニメが見放題で軽く感動したのを覚えている。とくに嬉しかったのはドラゴンボールZ。地上波では殆ど再放送されなかったので7、8年ぶりの再会である。しかも毎日放映される。しばらく夢中で見ていたが、最終回を迎えても翌日からまた第一話…というように何度もループ放送してだんだん飽きてきた。最近はもっとひどい。現在「ドラゴンボールZファイナルバトル編」ということでセル編~魔人ブウ編を放送中であるが、この「ファイナルバトル編」をループしているのだ。もっともこのループ放送は、人気アニメのみに適用されるので誇りに思うべきでもあるが、しつこすぎる。
話がそれた。アニマックスぶっとおし視聴した話だった。朝10時から夜8時半までたまに休憩しながら見続けた。様々な出会いがあった。普段見ないようなアニメや知らないアニメに出会った。漫画では読んだことがあるけれどアニメは初めて、というものもあった。軽くレポートしようと思う。

10:00~「ちびまる子ちゃん」
おなじみのアニメ。今回はまる子がお花見に行く話。まるちゃんが父ヒロシとともにお花見スターに祭り上げられる様が笑える。
10:30~「Dr.スランプ アラレちゃん」
あのオープニングテーマ曲(「ワイワイワールド」)を聴くだけで楽しくなってくる。とにかくポップで楽しい。鳥山先生自身がポップなんだろ多分。
11:00~「スラムダンク」
これもオープニングテーマが良い。ちなみに「♪キミが好きだ~と」の方でなく「♪絶対に~だ~れも~」の方。でもアニメ自体は動きが変すぎて笑える。桜木の中の人(=ドラゴンボールのトランクス)の熱演は素敵だが。
11:30~「超GALS!寿蘭」
『りぼん』を買ってたころ人気だった漫画のアニメ化。アニメになってたんだな。元気な渋谷ギャルが主人公の物語。こういうアニメは時代の色が出るなあ。でもパラパラはまだ余裕で健在みたいですが。
12:00~「機動戦士ガンダム」
見るのはこれで二回目。う~む、わけわからじ。とりあえずアムロぐらいは知ってるけども。ここからストーリーやキャラがまったくわからない作品が増えるので感想も適当である(これ以前も適当だが)。
12:30~「かいけつゾロリ」
ゾロリの声が「おっは~」の山ちゃんこと山寺宏一だということはわかった。
13:00~「ホイッスル!」
サッカーアニメ。ジャンプの漫画だったらしい。軽く調べてみたら原作の連載開始が「HUNTER×HUNTER」と近かった。ただそれだけのこと。
13:30~「元祖天才バカボン」
イヤミとかチビ太でねーなあと思いながら見ていた。後で「あいつらは『おそ松君』のメンバーか」と気づいた。無知な私。
14:00~「レディジョージ」
見たことも聞いたこともないアニメ。『キャンディキャンディ』と作者が同じらしい。まあそういう系の話なんだろう。なんか舞台イギリスだった。
14:30~「BLACK CAT」
これもジャンプ漫画。読んだことは無いけど存在は知っていた。パクり漫画として一時期槍玉に挙がってたからね。
15:00~「アニメっこMAX」
アニマックス製作の幼児向け番組。
16:00~「ちびまる子ちゃん」
CSのレギュラー番組は大抵2~3回再放送される(リピート放送)。まるちゃんの場合はこの時間が本放送で朝10時がリピート分である。
16:27~「Dr.スランプアラレちゃん」
ギャグはナマモノ、いくら鳥山先生が偉大でもこれは避けられない。笑えるときも結構あるけどね。
16:55~「カッパの飼い方」
癒し系アニメ?放送時間5分足らず。こんな可愛いカッパならぜひペットにしてぇ~!
17:00~「ドラゴンボールZ」
魔人ブウが生みの親である魔導士バビディを葬り去る話。ここからブウの暴走が始まる。
17:30~「かいけつゾロリ」
これ絵本持ってた!今気づいた。
18:00~「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
「こち亀」である。初めてアニメみた。結構面白かった。
18:30~「おねがいマイメロディ」
サンリオの人気うさぎキャラ、「マイメロディ」が主人公のアニメ。はいはい可愛い可愛い。
19:00~「交響詩篇エウレカセブン」
ロボットアニメ。なんか音楽が異様にカッコいいんだが。
19:30~「HUNTER×HUNTER グリードアイランド篇」
うーん何度見てもキルアの声に免疫ができないなあ。相方のゴンは結構はまってるだけに勿体無い。原作の「グリードアイランド篇」はかなり好きなエピソードだが、アニメだとあの入り組んだ設定の説明が結構省かれててちょっと物足りないな。

24時間アニメが放送されている。今の時間帯は「犬夜叉」が放送されているようだ。番組表によると、朝5時~6時は「キテレツ大百科」「元祖天才バカボン」らしい。
素敵なテレピチャンネルだと思う。


先生、何が起きても気分はへのへのカッパです

2006-03-21 23:34:11 | テレビ
去年の秋から「ドラゴンボールZ」のDVDが毎月3巻ずつリリースされている。以前完全受注限定生産でリリースされた10万円のDVDボックス1・2のバラ売りである。当時「10万って!買えるわけねー!」と悲しい思いをしたのを思い出す。そんな大金払えないし、しかもDVD買ってまで見たいシーンはほんの少しだし、ということで当然のように購入を見送ったが、今回のバラ売りでようやくDVDをとりあえず1枚手に入れることが出来た。
アニメ「ドラゴンボールZ」の特徴と言えばなんといっても「無駄な引き伸ばし」「ヘンな絵」、これに尽きる。まず「引き伸ばし」。原作の「ドラゴンボール」の連載は毎週15ページほど。アニメではその15ページを元に30分のアニメを作るのだが、これはどう考えても無茶な話で。当時の少年ジャンプの読者たちは掲載された「ドラゴンボール」をおそらく1~2分…ひょっとしたらもっと短い時間で読んでいたと思う。戦闘シーンが多くセリフが少ないので物凄いスピードで読めてしまうのだ。そんなものを元に30分(CMなどを入れるともっと短いね)のアニメを作らなければならない。「それなら原作3~4話をまとめて一回分のアニメを作ればいいじゃん」と誰でも思うが、そうすると原作にアニメが追いついてしまうのでそれはできない。よって、原作にはない回想シーンを挿入したり、オリジナルのセリフを挿入したり、「かめはめ波」を物凄いスローモーションで打たせたりするという「引き伸ばし」が行われるのだが、これがもう本当につまらなくて。「は~やく次の展開に移ろうよ~~~~」と毎週のようにイラついていたのを覚えている。特にカリスマ宇宙人フリーザとの最終決戦。「『ナメック星消滅まであと5分』とか言ったくせに何週引き伸ばす気だコラ!」という無数のツッコミが入ったであろう。このへんの話はアニメで見ないほうが懸命。原作は最高だからそっちのみで十分。そして「ヘンな絵」。毎回異なる作画チームの監督さんによっては「おお!鳥山先生と同じ絵だ!」という絵を描く人から「え?これベジータ?」という違和感を与えるヘンな絵を描く人まで様々。鳥山先生の絵をアニメで描くのは相当難しいのか、後者の場合が多い。フリーザ編なんて殆ど…。ちなみに、最後の魔人ブウ編では上手い絵に頻繁にお目にかかれる。
冒頭の話に戻る。DVD発売。全部は買えないしいらない(フリーザ編…てもういいか)ので、発売スケジュールと収録内容を確認しながらどの巻を買うか決めることになる。今の所買ったのは記念すべき第一巻。特別好きな話というわけではないけれどかなり重要なエピソードが多いので購入。海ガメと遊ぶ悟飯が死ぬほど可愛い。あと、なぜか茶髪のベジータが笑える。修正したほうがいいって(笑)。あと買う予定なのはフリーザ斬殺の回と悟飯覚醒の回、あとは最終回か…少ないな。これらの回の魅力についてはまた後日書く予定。

先生、春は『SLAM DUNK』の季節です

2006-03-20 16:03:14 | 漫画
今日は漫画『SLAM DUNK』についてちょろっと書こう。毎年この時期になるとなぜか読み返してしまう漫画である。中学の頃から、「春休みといえばスラダン全巻読み直し」な私である。大好きな漫画は数あれど、涙を流すほど感極まってしまう漫画はスラダンだけである。普段映画やドラマなどで涙を流すことは滅多に無い私だが、『クレヨンしんちゃん』映画版9作目&10作目とこのスラダンは見返す度に涙してしまう。熱き名作。
『DRAGON BALL』とともにジャンプの人気を支えた『SLAM DUNK』の魅力といえば何といっても「迫力満点のバスケ試合シーン」と「数え切れない程出てくる個性豊かなプレイヤー達」、これに尽きるだろう。作中に登場するバスケットの試合シーンは話が進む程勢いを増し、12巻から始まる地区予選の決勝リーグ戦以降は息を呑んでページをめくってしまうほどの熱を帯びている。で、その熱が涙を誘うわけだ。私は二度目のVS陵南高校戦とインターハイのVS山王工業戦で泣きましたよ。殆どのファンはこのどちらか、特に後者で涙したんじゃないかな。
そしてキャラの魅力。自らを「天才」と称するパワフルなお調子者ヤンキー桜木をはじめ、唯我独尊男流川、ゴリラダンク赤木、宮城「はぇぇ~!電光石火だ!」リョータ、苦悩の元MVPシューター三井、メガネ君小暮など、個性的な主役チーム湘北高校のメンバーの他にも、各ライバル高校のプレイヤー達が数え切れないほど出てくる。かなり沢山のプレイヤーが出てくるので、どんな読者でもお気に入り選手が2~3人は見つかるだろう。ちなみに私は海南大付属のキャプテン牧、天才3ポイントシューター神(じん)、調子のりすぎ・でもジャンプ力は本物清田信長が好きだ。つーか海南が好きなんだよな。もちろん湘北を応援しながら読むのだが。湘北で一番好きなのは桜木である。どうやらお調子者キャラが好みのようだ。ちなみに作者井上雄彦さん(通称イノタケ)は、スラダンの主人公を当初流川にする予定だったそうだ。実際彼のデビュー作は流川を主人公にしたバスケ漫画『楓パープル』だった。しかし流川のキャラは万人受けしづらかったため、読者人気を狙ってはじけたキャラの桜木を主役にしたらしい。この主役交代は大成功だったと思う。桜木はバスケ初心者だから、経験者は絶対にやらない単純なミスを多々犯してしまうが、逆にヤンキー時代に培った脚力・体力を生かし、経験者の予想を超える思わぬ活躍を見せることもある。敗戦確実の状況で桜木がキーマンとなり、逆転劇を演出する様が読者の胸を打つのだ。そんな桜木の魅力がこの漫画をここまでのヒット作にしたのだろう。
作品に登場するキャラ達は殆どがバスケの実力者である。読みながら時に「平凡なヤツはどうやったって才能あるヤツには勝てないんだなぁ」と思うこともあるが、要所要所で才能<努力の描写がある。3ポイントシュートの成功率は、元MVPだったとはいえブランクのあった三井より、一日500本のシュート練習を欠かさない神のほうが高かったり、インターハイ行きをかけた試合を決めたのは努力男・小暮の一発だったり、ラストの試合の最大の名場面は桜木によるパワフルでド派手な「スラムダンーク!」ではなく、二万本の猛特訓の末に身につけた地味な右45度ジャンプシュートである。
書いてるうちに続きよみたくなってきた。さて、読むぜ~。


先生、『PLUTO』新刊まであと十日です

2006-03-19 23:14:13 | 漫画
「浦沢直樹が手塚治虫に挑戦!」の漫画『PLUTO』の最新刊が発売される3月30日まで十日を切った。1年ぶりの新刊。連載を雑誌で追いかけてる人から本当に些細なネタバレをチラチラと聞いてしまったため期待が高鳴りっぱなしである。高鳴りを抑えるため、先程既刊の1~2巻と原作の『鉄腕アトム 地上最大のロボット』を読み返した。
突然だが、『PLUTO』を楽しく読むためには絶対に原作もあわせて読むべきだ。なんといっても第一巻と同時発売された豪華版コミックには、付録として原作コミックが付いているのだから。きっと作者は、原作を読んだ結果読者に芽生えた先入観を利用して作品を描いてるはずである。私は『PLUTO』の先の読めない展開に我慢ならず、続きが読みたくてしょうがなくなり、とりあえず原作があるのだからそっちで先の展開を確認しよう、と思って原作に手を出したのだが、本当に色々と驚いてしまった。まず原作に対して。あのページ数であらゆるメッセージを誰にでも伝わるようにわかりやすく詰め込むなんて離れ業、凄すぎ。恥ずかしながら手塚作品は『BLACK JACK』と『火の鳥』数巻しか読んでいない私が言うのもアレだが。『BLACK JACK』も一話完結なのに一つ一つが物凄いボリュームだもんなあ。うーん手塚読破したい。でも時間がないわ。そして浦沢さん。シンプルなストーリーをあそこまで膨らませるなんて何という妄想、いや想像力。膨らませすぎて相変わらず伏線を張り巡らせている。『PLUTO』の先の展開をなんとか予想するために原作を読んだのだが、浦沢さんが張った伏線の手がかりになるようなものは原作には何一つなかった。わかったのはこの先出てくるロボットの名前ぐらいだろうか。逆に「エプシロンのエピソードとか、浦沢さんはどう描くんだろう?」等キリの無い妄想があふれ出すばかりだ。原作のストーリー展開をしっかり踏みつつオリジナルのエピソードをバンバン詰め込む浦沢さん版アトム。浦沢さんはリメイクの際、初めは絵柄を手塚版アトムに忠実にしたものにする予定だったそうだ。しかし手塚プロダクションサイドから、「どうせやるなら浦沢さんの絵柄で勝負して欲しい」という要請があり、二巻の表紙にもなっている美少年アトムくんが生まれた。原作のようにビュンビュン空を飛んだり、「人間を襲うロボットなんて悪魔だい!」等のセリフを発するのが想像できないほどの知的美少年ぶり。この先敵のロボットと戦うシーンは確実に出てくるだろう。どんな風に描くつもりなんだろう、浦沢さん。
冒頭でも書いたが、ビッグコミックオリジナルで連載を追いかけている奇特な友人から聞いた些細なネタバレ情報によると、エプシロンはもう浦沢版に登場していて、見た目は『MONSTER』のヨハン似らしい。ヨハン顔…「物凄い裏のあるルナティック野郎」的なイメージが芽生えたような芽生えないような。


条件反射で思い出すあの淡々とした日々のこと

2006-03-18 19:16:52 | 日記
パブロフの犬の実験。犬にエサを与える際にベルを鳴らす、というのを続けると、犬はベルの音を聴いただけで「エサや!エサやで!」と思って唾液を滴らすという実験。今日はそれに絡めた話を書く。私は昔エリッククラプトンの「LAYLA」を携帯の着メロにしていた時期があった。その当時、バイト先がかなり人手不足で、急に店長から「明後日入ってもらえないか?」という旨の電話が掛かってくることが多々あった。それが相当鬱陶しかったため、私は「LAYLA」が鳴る度にため息を漏らしていた。今でもテレビなどであのイントロが聴こえてくると反応してしまう。「えぇ~…明日は家でダラダラしようと思ってたのに~」…あのときの思いが蘇るのだ。「LAYLA」は私にとって「鬱曲」である。着メロにする前は好きだったはずなのにね。
このように、聴くとすぐさま反応してしまう曲がいくつもある。色々と掘り返される様々な思い出。感動的な出来事とか、悔しかった事、衝撃的だった事が、曲を聴くだけで呼び戻される。他に、感情の伴う出来事を思い出させる曲ばかりではなく、わりと乾いたものを呼び戻す曲もある。たとえばザ・ミュージック(というバンド名。イギリスの若手)の2ndアルバム『Welcom to the north』を聴いていると、自動車教習所に通っていた日々が蘇ってくる。
自動車教習所に通ったのは去年の夏休み。夏休みといっても学校の関係でかなり長かったため、季節は秋だった。さっさと免許を取りたかったため殆ど毎日通った。毎日自宅から教習所までの約2・5キロの道のりを、自転車こいで淡々と通っていた。淡々。そう、思い返せばあの日々ほど「淡々」という言葉が似合う日々も無い。自動車学校が一年のうちで比較的空いているという秋に通ったため、教習の予約も割合スムーズに取れたし、学科の広い教室はいつもガランとしていた。通常は二人一組で行うという「高速教習」(高速道路で遠くまで行くので、行きと帰りで運転役を変える)も一人だった。一人で往復乗れて得をした。それでも狭い待合室は結構混んでいた。ジュースを飲みながらのんびり教習の時間を待とうと思っても、タバコの煙の臭いが充満しているためちょっと居辛かった。待合室に限らず、学科の教室以外の場所はどこもタバコ臭かった。服にタバコの臭いが付くのはどうしても避けられなかった。一日2時間まで技能教習が受けられるので、さっさと免許を取りたい私は、時間に余裕のある日はたとえ3~4時間待つことになってしまっても2時間乗っていた。その間は教習所のすぐ近くにあるブックオフで立ち読みしたり、目の前にあるショッピングセンター内のマックや喫茶店でぼーっとしつつ学科の勉強をしていた。…
このような日々のBGMとなったのが先述のアルバム『Welcom to the north』である。教習時間以外はなぜかこればかり聴いていた。車を運転するときにはカーステでこのアルバムばかりをかけるのが良いかもしれない。教習所時代を思い出して、初心を忘れず、より安全運転を意識できると考えるからだ。


大事なこと言い忘れてた。『Welcom to the north』は名盤です。このバンドの1st『THE MUSIC』もまた名盤です。ストレートなバンド名ゆえネットで検索しにくい。

先生も「軍儀」嗜んでみますか?

2006-03-17 15:20:08 | 漫画
『HUNTER×HUNTER』に「軍儀」という将棋やチェスに似た架空の盤上遊戯が出てくる。主人公と敵対する組織のボスが「暇つぶし」と称して興じるゲームである。将棋等と一緒で、駒を動かして王を詰めば勝ち。将棋等と違うのは、ゲーム開始前の駒の配置がきまっておらず、自分の陣地内で自由に駒を置くことができることと、駒を3枚まで重ねることができること。ゆえに「立体的な視点が必要となる」かなり複雑なゲーム。この「軍儀」の詳しいルールは作品中では具体的に説明されておらず、ただキャラ同士の緊迫した対局模様が描写されるだけだ。別に「軍儀」のルールが明かされる事は作品展開になんら支障はない。要は、「盤上遊戯の天才」というキャラを演出するためには、実在するゲームを使うよりも、それっぽいゲームを自分で考えた方が自由にキャラを動かせて都合が良い、という作者の意向が働いているのだろう。実際『ヒカルの碁』なんかにはかなりのツッコミが入ったようだし。
架空の遊戯なので、作中では架空の専門用語が飛び交う。と言っても将棋にも出てきそうな用語もあるのでなんとなく想像はできる。「高矢倉」とか。3枚まで駒を重ねることが出来るので、読み駒は「1-6-2」「3-5-1」となる。最後の数字が、積み重ねた駒が何段目にあるかを表している。駒の動きの法則などは具体的に示されていないため、「軍儀」の詳しいルールは全く不明だ。いくらゲームを考案するのが好きな作者だからって(グリードアイランドは凄かった。あのエピソードが一番好きだ)作者自身もそんなに細かいルールまで決めてないだろう。そんなの考える暇あったら連載進めろって感じだし。
そんな全くルールのわからない「軍儀」のルールブックを、作品中の対局のやりとりを手がかりにしたうえで勝手に作成してしまおうという試みがネット上で成されている。「軍儀223」というサイト、これがまた凄くて。よくぞまあ、こんな少ない情報と豊かな妄想力でルールを細かく練り上げたな!と衝撃を受けた。漫画読んでいなくても、盤上遊戯が好きな人なら楽しめそうなサイトである。必見です。駒の動きは作品中の描写やチェス・将棋を参考にしながら細かく定義している。細かすぎて理解するのにかなり時間がかかるが。
このサイトによると、作品中に出てくる駒は「兵」「槍」「砦」「馬」「弓」「忍」「筒」「砲」「侍」「小」「中」「大」「謀」そして王将である「帥」の14種類。駒は重ねることができるので、例えば「馬」の上に他の駒を乗せることで攻撃パターンが広がったりする。漫画で主人公サイドが現在戦っている敵達のボスは「王」を名乗っており、その下に軍団長・兵隊長などが組織されているため、このゲームの展開が今後の伏線になっているかもしれないし、「この駒がこのキャラの行く末を表している?」などとあれこれ妄想することも可能。全く関係ないという可能性も大いにあるけど。


ねえ先生……『NANA』です

2006-03-16 18:47:26 | 漫画
今日は新刊がでたということで今一番売れている漫画『NANA』についてネタバレ有りで書きます。このたび初版の部数が『ONE PIECE』を抜いたそうで。確かに本屋さんはどこも山積みだった。4月からアニメ化するし、この先さらに売れていくだろう。集英社ってコミック本に関しては本当にほぼ無敵だな…漫画コーナ-のメインは殆どジャンプコミックか『NANA』か『花より男子 完全版』に占拠されているような。で、『NANA』15巻。いつも思うけれども、矢沢あいは一つの事件に対する各登場人物の思惑やスタンスをきっちり描き分けていて凄い。きっと登場人物たちの性格設定を物凄く細かく考えているのだろう。今回は殆どタクミオンステージで、彼の策士ぶりでストーリーをクールにスイスイ進めていた。というか作者はタクミ大好きなんだろうな。15巻ではかなりおいしい役回り。仕事におけるどんなトラブルも解決してバンドを支えつつ引っ張る無敵男、でもそのかわり女にだらしない、という欠点があった以前のタクミだが、じつはその女たらしぶりが武器になることが最新刊でわかった。ハチとの関係がもし無かったとしたら、あっさり売れっ子女優とのことをマスコミに売ってレイラとレンをフォローしてただろう。タクミ、持ち駒多すぎである。今回の15巻のラストには連載時には無かったシーンが追加されている。一番気になる、「ナナとハチは最終的にどうなるの?」という疑問のヒントになるような重要なシーンである。これまたいろいろと想像できそうな意味深さ。タクミの髪が短いよ!バンド解散しちゃったの?作者によれば次回からまた新展開になるらしい。未来の断片が少しでも明かされることを願う。新展開ってことはモノローグがハチからナナにまた交代するということだろうか。ハチ主観だとナナがカッコいいヒーロー風に見える場面が多くなるが、ナナ主観だとナナはかなり脆く描かれる。後者がナナの真実だから当たり前だけど、これからさらにシリアスになっていくのだろうか。いよいよナナが精神的に壊れていく(壊れるよね?モノローグを追っていく限りでは)様が描かれるってことかな。楽しみ。折込チラシによれば次号の「クッキー」本誌には別冊付録でノブの半生を描いた『NOBU』が付くらしい。それより話を進めろ、と言う気がしないでもないが、でも楽しみ。『NAOKI』はナオキの周りの人々の過去を彼の目線から見た話だったけれど、今回はご本人メインの話だ。ポップな彼の過去が意外にも暗いノリだったら面白い。



先生、5月は昼ドラに注目です!夏目先生!

2006-03-15 17:40:27 | テレビ
うーん先生!今日は先生関連のニュースです。人気脚本家宮藤官九郎さんが5月下旬スタートのTBS系列の昼ドラの脚本に挑戦するらしいんです。とは言っても先生には彼が一体どんな人物か知る由も無いでしょう。宮藤さんという人は、2000年4月から放送された『池袋ウエストゲートパーク』というドラマを皮切りに、数々の連ドラの脚本を手がけた、劇団「大人計画」所属の脚本家兼俳優さんです。彼のドラマは視聴率がとれないかわりにコアなファンが付く、というのが特徴で、2002年のドラマ『木更津キャッツアイ』なんていまだに続編が作られるほどの人気。私も大ファンでしたよ、『タイガー&ドラゴン』というドラマを見るまではね。あのドラマ、珍しく視聴率獲ったり、各所で「2005年のベストドラマだ!」なんて言われたりした評価の高いドラマだったんですけど、どーも好かなかった。主人公の身の回りで起きる珍事件を、古典落語の演目に絡めてテンポよく展開させる異色のドラマなんだけども、なんか毎回綺麗にまとまりすぎてましてね。私は彼の作品の爆発的にふざけたノリが好みだったもので。あのドラマでは爆発してなかったように思うのです…ってすみません先生!そろそろ本題に入らねばなりませんね。
その、宮藤さんが手がける昼ドラのタイトルが『吾輩は主婦である』なんです。おわかりですね?先生が大きく関連したドラマなのです。その内容は、「ごく普通の主婦に、夏目漱石が乗り移り、次々とトラブルを解決する」というものらしいのです。主演は斉藤由貴と及川光博。うーん、このふざけ加減、久々に私好みのクドカンドラマが見られる予感…。クドカンドラマの傾向から言って、先生の作品のセリフからの引用が脚本にバンバンでる予感がします。あの名台詞がとびだすやも。可愛い猫まででてきたりして。先生の傑作『夢十夜』映画化とともに、2006年は先生が久々にどーんとメディアに出る年になりそうです。去年の単発ドラマ『夏目家の食卓』以来ですかね。というわけで先生。先生が題材となったドラマが制作されると知っただけで先生の下まで飛んできました。時間を割いて頂いて有難う存じます。では。


この昼ドラや『夢十夜』の映画化『ユメ十夜』公開で、本当に今年小さな漱石先生ブームが来るような気がしてならない。去年『春の雪』で三島が少し流行ったように。『ユメ十夜』は、10本の短編映画を若手からベテラン・大御所の監督まで計10人の映画監督(その中には劇団大人計画主宰の松尾スズキの名も)が製作を担当するオムニバス形式らしい。どうなることやら。ただ確実に『夢十夜』の文庫本は少しは売れるんじゃないかな。出来れば新潮のが売れて欲しい。そして同時収録の地味なる傑作『文鳥』も読まれてほしい。
もしブームが来ても先生的には「やれやれ」といったところだろうか。千円札が先生から野口英世に変わった時、先生はきっとホッと胸を撫で下ろしたのではないかな。

先生、このごろ流行りの女の子について

2006-03-14 16:14:38 | 音楽
このごろ流行りの女の子
露出が多めの女の子
こっちを向いてよ
「倖田さーん」

というわけで、今日は最近物凄い勢いでメディアに出まくってる倖田來未氏について書こう。なんでも3月初めにだしたベストアルバムが既に98万枚売れたそうな。なにそれ。最近では規格外の景気のよさではないだろうか。というかこのベスト盤、たった3ヶ月の間に連発しまくったシングルを全て(12曲だって。先生、信じられん)収録したという、一時期(98~99年)のラルクもびっくりの内容である。ラルクは連発しまくったシングルを2枚のアルバムに分散して売ってたけど、倖田來未は全部一枚にまとめて売っちゃった、という。で、そのベストアルバムが、一週間で98万売れた、という。平井堅ファンの私の友人が自嘲気味のメールを送ってきた。
「平井堅様の10年間<倖田の3ヶ月」
10年分のシングルを収録した平井さんのベストアルバムと、倖田が3ヶ月連続で出した曲を収録したベストアルバムの一週間の売り上げを比べると、平井さんのがわずかに負けてるんだってさ。うーん売り上げねえ…。地味でもないけど派手でもない売り上げの現在のラルクやスピッツが好きな私には至極どうでもいい話題だな。でもこうやって不等号で表現されると面白いですな。
というわけで売れまくりの倖田さん。でも私は彼女の曲として頭に浮かぶものがほとんどない。「キューティーハニー」のカバーぐらいだ。あとはなんとなく耳にしたことはあっても曲名知らなかったり。私が遅れているのだろうか。3ヶ月に出しまくったというシングルもよくわからない。いや、そうでもない。MTVやスペースシャワーTVでよくPVが流れてたのを眺めてた。でも肝心の曲は耳に残っていない。「エロかっこいい」と評されるパフォーマンスも、PV見る限りでは「騒ぐほどのものかなぁ?この程度ならブリトニーとかアギレラがとっくの昔からやってたのでは?」という感じ。あ、そういうアメリカっぽいのを日本人、しかも普段は親しみやすい喋りをする女の子がやるから受けるのか。で、そのようなエロかっこいい」感じになんらかの魅力を感じた人が98万人いたのだな(PVを全部収録したDVDまでCDに付いてくるってさ)。
そんなわけで、自分の中ではぼんやりとした存在で、世間での倖田ブームは完全に傍観気味なのだが、実は一曲だけお気に入りの曲があるのだ。実は。去年の春頃、やはりMTV等で見たのだが、硬派な男のラッパー(ケムマキという人)をフューチャーした「Hot stuff」という曲だけは結構好きなのだ。これは耳に残ったし、PVが流れているのを見かけたらきちんと最後まで見てた。この曲、バックのトラックがかなりかっこいいヒップホップである。ラッパーも良い味だしてると思う(ただ、ラッパーって洋邦問わず皆同じに見えるけども)。あまり印象に残らないポップスばかり歌わずに、こういうハードな曲を沢山だせばいいのに、そのほうがきっと本人の魅力を引き出せているだろうに、と個人的に思った。でもそういうのばっかだったらここまでブームになってないか。まあテレビ見る限りでは本人凄く楽しそうだからいいんだけどもね。

今日は時事ネタ書きました。岡田あーみんの事をまた書こうとしたけど、あんまり世間からずれるのも厭じゃないですか。