拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

ううん、なんでもない

2007-02-27 19:43:17 | 音楽
宇多田の新曲をサクっとフラゲしてきた。なんか久々に売れそうな良い曲だ。「Passion」を聴いた瞬間「うわ、凄い私好み!宇多田よくやった!…でも…こーれは売れねぇだろ~」と思ったが、新曲「Flavor of Life」は普通にポーンと売れそうな感じ。さっきからずっと聴いてるが…宇多田が本気でメロディアスなバラード作るとこんなエラいことになるんだなぁと少々、いや、かなり感動しちゃうよ。やっぱ格が違う。こんなに琴線にダイレクトに響いてくる言葉とメロディーを生み出せるのは選ばれた人だけだ。ん?私が宇多田ファンだからそう思うだけだろ?ってか。当たり前じゃーん(おい)。まぁ私は、宇多田ヒカルの音楽をただの流行モノとしか聴かない人達と比べたら遥かに彼女の才能を理解してると思うけど(といいつつ「teaveling」が出るまで私は宇多田の曲をきっちり聴きこんでなかった。この人の何が凄いのか気づかなかった。遅せぇ)。少なくとも『花より男子』パート1のテーマ曲だった大塚愛の「プラネタリム」よりは完成度高いでしょ。…って失礼だね、いろんな意味で。あの曲に激しく心揺さぶられた人ももちろん沢山いただろうに。私は一秒も揺さぶられなかったけど。荒れることを知らない海のようだったけど。
タワレコで買ったのだが、売れまくってるのかそれとも入荷枚数が少ないのか、棚に並んでいたのはたったの4枚であった。売れるだろうなぁ。ていうか売れなかったらマズいよな。ドラマ『花より男子2』でかーなりオイシイ使い方されてんだもんな。毎回ハイライトで、しかもフルサイズであの曲が流れる。話的に一番盛り上がる瞬間に「♪ありがとうと~」って流れてくる。この待遇。
それにしてもこの曲、歌い出しのキー低いな。「友達でも恋人でもない中間地点で」の「で」が多分一番低いが、この部分はラルクやルナシーを原曲キーで歌う私ですらやや出しづらい。音域の広さはさすが宇多田。そんな難易度の高い歌を彼女が歌番組で披露する様はとてもスリリングだ。作詞・作曲・アレンジ面では周りをよせつけない才能を発揮しまくる宇多田だが、肝心の生歌はあまり安定していない。ていうかフラフラ。昨日のHEY×3なんか、もう、声震えすぎ!でもその震えまくりの声が曲調にピタっとはまってるので良いのだ。生放送のMステが楽しみだな。どんな歌声を聴かせてくれるんだろ。
ドラマで毎週流されていて、歌番組でも披露されるのは「Flavor of Life」のバラード版。柔らかなストリングスをフィーチャーしたしっとりアレンジが素晴らしいが、このバラード版じゃない、通常版(?)も甲乙付けがたいぐらい良い。いつも通り彼女自身がプログラミングした神経質だけど何故かふわふわほわほわした打ち込み音が心地よい。耳を澄ます度にトラックに埋もれていた新しい音を発見できるような摩訶不思議アルバム『ULTRA BLUE』が大好きな私にはたまらんアレンジである。でもあの頃よりさらに進歩してる気もするな。耳なじみがよくなってる気がする。より整合性が増してるというかなんというか。これからの季節にはバラードよりもこっちの方が合ってるかもね。でもドラマにはバラードが合ってる。
それにしてもさ、まだ24歳なのに「Flavor of Life」=人生の味を歌にしようと思うなんて。本当に濃い人生送ってるよなぁ。忘れてたけど飛び級とかコロンビア大入学とか売り上げ700万枚とか全米デビューとか卵巣の手術とか結婚とか、わけわからんぐらいいろんな経験してますな。

専務、再起不能。

2007-02-26 15:41:07 | テレビ
さて、今週も『華麗なる一族』の感想を。誰にも求められて無いだろうが記録として。何せこんなに色んな意味で楽しめる連ドラに出会ったのは本当に久々なもので。怒涛の展開だったな、今回…。

●大介が鉄平を可愛がれない心情を家族の前で暴露。その時の北大路の顔が例によって凄かった。彼の顔芸は最高潮に達した。しかしおそらくこれが彼のピークなわけもなく、来週にはあっさり今回を越える凄い顔を見せてくれることだろう。でも、鉄平への憎悪に似た思いを語った瞬間ふと振り返るとそれまでいなかったはずの鉄平が立っていた…という展開は笑いました。「ブーッ!」と吹き出しました。最高。これぞ『華麗なる』。「うぬぉあぁ!本人が立ってる!!」と驚愕の目をする北大路。「俺ってそんなに嫌われてたんだ…」と塞ぎこむ鉄平。傷心の鉄平は夜風にあたりに行くが、愛妻に「あなたは沢山の人に好かれてるじゃありませんか」と励まされ、復活。しかし、直後に大事件が…!

●大事件。ついに…ついに高炉爆発しましたねぇ。鉄平、そして沢山の工員たちの夢の結晶、そして阪神特殊製鋼の世界進出の最大の要となる高炉完成まであと一ヶ月という所で、まさかの大爆発事故。む、無念すぎるー。この展開は前もって知っていたのだが、実際みるとやっぱり衝撃。ショック。高台にある自宅の広大な庭園にいた鉄平と妻が突然の爆発音に驚き振り返ると、絶賛工事中の高炉が真っ赤な炎を吹いている!それを見た瞬間ダッシュして現場へ駆けつける鉄平(そのダッシュしてる様はキムタクにしてはかなりカッコ悪かったが、熱血ぶりは十分伝わってきた)。事故の様子は鉄平の自宅からも見えるぐらいだから、当然万俵家の人間もそれぞれ自宅の窓から事故現場を見て、呆然。特に鉄平の弟、銀平は「あっは~ん!」と妙な奇声を上げながら泣き叫ぶ。鉄平とは正反対で冷静沈着な銀平だが、心の底では鉄平に憧れ、高炉建設にも特別な思い入れがあっただけにね…。対して大介は自身の銀行を守るために阪神特殊製鋼を倒産させる計画を立てていたため、爆発の炎をギラギラした眼差しで眺めながら「天は私に味方をした…!」…なんか今回は閻魔大王みたいだったな。

●現場に駆けつけた鉄平はその大惨事ぶりに言葉を失った。高炉から避難しようとする工員たちに容赦無く覆いかぶさってくる炎。その炎の中には六平直政演じる源さんもいた。炎に包まれながら、「若(鉄平のこと)!こんなことで高炉建設をあきらめたらアカンで!!」と叫ぶ。あぁ…ベタベタだが、わかりやす過ぎるが…泣ける。もう泣かずにはいられなかった。初登場時は鬼の形相を浮かべ、「鉄鋼がナンボのもんじゃコラァァ!」と鉄平にメンチ切ってた(あ、そこまでは言ってなかったか)源さんがいろいろあって鉄平の協力者になってくれた途端にコレだよ…。

●大事な高炉が爆発し、どうみても終幕と思われる鉄平だが、予告によると彼は阪神銀行相手に裁判を起こすっぽい?裁判…『白い巨塔』を思い出すね。3年前のドラマ版で一番好きなのは財前の裁判シーンだったなぁ。弁護士ミッチーが素敵でさぁ。一方『華麗なる』の弁護士役は萩原聖人。『若者のすべて』以来のキムタクとの共演である。

●もう最近ずーっと将軍が出てこなくなったが、さすがにもうどうでもよくなってきた。でも相子様もあんまり出なくてそれはそれは寂しかったな。そろそろあのイヤミの極みの「相子節」を聞きたいのだが。

●成宮君演じる鉄平の部下が発する毎度おなじみのセリフ(というか叫び)「専務(鉄平のこと)ーーーーー!」が聞けるとなんか安心する。いっつも「せんむーーーーー!」って言いながら走ってくるんだよあいつ(笑)。他に各キャラのお決まりのセリフは
二子「鉄平お兄様…」
早苗「私は万俵鉄平の妻です」
美馬「恐ろしい人だ…」
万樹子「この家は狂ってます!」
といったところだろうか。万樹子といえばこの役を演じる山田優は美人でスタイルもいいのに演技が…だな。このドラマに出てる女優さんはベテラン勢以外は全員演技が微妙だが、山田優は際立っている。酔ってる演技なんて、「またお酒を飲んでらしたんですか?」ってセリフがなかったら「あ、酔ってんだ」ってわからなかったよ…。

●華麗なる万俵家のモデルとなった岡崎家の敷地の現在。兵庫県の子どもたちにはおなじみの遠足スポットになってるそうです。
須磨離宮公園

●岡崎家について詳しく解説されてます。
「系図で見る近現代」
第34回まさに“華麗なる一族” 銀行・損保に君臨した神戸の岡崎財閥 そして、岡崎家の現在 

アクトシティ浜松

2007-02-21 21:09:38 | L'Arc-en-Ciel
今年一年分の運を使い果たしてしまったかもしれない。ラルクの今年の6~8月の全国ホールツアーのチケットが当たったのである。いやぁ…衝撃だよ。いくらファンクラブ先行予約だからって言ってもホールツアーだし。あのラルクがホールですよ?去年の秋東京ドーム2daysで合計11万人動員したラルクが(こんなこと出来るバンド、日本にはラルクの他には片手で数えられる数ぐらいしかいない。サザン、ミスチル、B'zぐらいだろう)。「○○市民会館」とかそういう地味なハコでラルクがライブやるなんて。レア過ぎる。でも当たった…8月6日の浜松公演。はっきりいって家からかなり遠く、ちょっとした小旅行だ。でもそんなのどうだっていいのだ。あーもう。楽しませてもらうぜ。死ねないぜ、夏まで。これを励みに日々の勉強などを頑張っていこう。あぁ…当日何着ていこうかなー…。
ていうか80%ぐらい諦めてたから本当にびっくり。「当選しないだろうけど一応エントリーしとかなきゃ」的に応募したんだよな。今回の全国ホールツアーの日程は去年の秋に発表された。全国30箇所を回るロングツアー。しかしなぜか東京・大阪・名古屋はスルーで、普段殆ど行かない地方の小さいホール中心のツアーだったので心底「めんどくせぇ…」と思ってしまった。とりあえず自分が行けそうな場所は岐阜の長良川国際会議場と静岡の浜松アクトシティぐらいなのでそこを狙ったのだが、やっぱりいくら地方といえどもラルヲタの熱狂度を考えるとホールのライブのチケットが簡単に手に入るとは到底思えず…だって虹ホ(名古屋レインボーホールのこと。名古屋のアリーナクラスのライブ会場はここだけ。ちなみに「レインボーホール」だけあって、フランス語で「虹」を意味するラルクアンシエルはここでライブをすると必ずネタにしてくれる模様)ですら大激戦なんだから。でもまぁ一応岐阜と浜松のライブの予約にエントリーした。そしたら浜松当たってたんですよー。浜松…新幹線で通り過ぎたことはあるが上陸したことは無い。つーか「アクトシティ浜松」って…何処だ。と思ったらJR浜松駅から徒歩5~10分くらいだそうだ。で、JR名古屋駅から浜松までは約90分。ふーん。遠いねぇ…。それにしてもアクトシティ浜松、大ホールでも座席数2336席しかないんだ!少な!よく当たったな。意外に穴場だったのか?長良川は外れたし。

マシュマロみたいな公家女

2007-02-18 22:31:35 | テレビ
今週も『華麗なる一族』感想をダーッと書きます。思いつき&大急ぎでガンガン書いてるのでかなり荒っぽいですが。

●鉄平の父、大介がギバちゃん演じる大同銀行頭取と対峙するシーンで見せた「よぉっしゃあ!見つけたでぇ!この銀行喰ったる!喰ったるでぇぇ!」とでも言いたげな力強い眼光の迫力に圧倒されつつも笑いをこらえる。そんな大介と蜘蛛がカマキリを捕えるイメージ映像がシンクロ。銀行を守るという目的のために手段を選ばず、巧妙な計画を張り巡らす大介。対して一途に高炉建設のために突っ走る鉄平。あ、でも鉄平の「高炉を予定より早く完成させる計画」は激し過ぎてさすがにときめいたね(笑)。がんばれ鉄平!作業員の事何にも考えてくれてない無慈悲すぎる計画だけど!気合いで突っ走れ(でも最終的には…)!今までは脇目もふらず突っ走る鉄平に対して「ちょっと経営者としてどうなの?感情的になりすぎだよ…」と思ってたが、銀平の「信念と理想のない企業に人はついていかない」というセリフは、そんな熱すぎる鉄平が沢山の人々に慕われる理由をきっちりと説明しているようでなんか良かったな。

●鉄平の妹、二子の見合いの相手は総理の甥にして阪神特殊製鋼のライバル会社・帝国製鉄の社員だという。もちろん彼との縁談を計画したのは万俵家の執事にして大介の愛人・相子。さっすが相子様、帝国製鉄の社員が身内になれば鉄平の会社を必要以上に邪魔することも無くなるはずだもんねぇ。大川が亡くなった以上、次なる後ろ盾が…って阪神特殊製鋼を潰すつもりなんだっけ、大介は。てことは後ろ盾のためじゃないよな。いやぁ、勝負師だ…狂ってる。ある意味鉄平よりも熱いぞ。阪神特殊製鋼を潰す計画は相子にすら「え、マジ?」みたいな顔をさせてたしな。それにしても相子様が見合いを嫌がる二子に言った「あの煙突(阪神特殊製鋼の)から煙が見えなくなったらお寂しいでしょう?」は名言だな。名言メーカーだな、相子様は。極度のブラコン、そして特殊製鋼工員の四々彦と交際中の二子に物凄くダメージを与えるであろうお言葉。ていうか相子出番少なかったな。

●山田優の「この家は狂ってます!」がやーっと登場。なんでこのセリフが3話の次回予告に出てきたんだろう…。でも狂ってるよね。早く出なさいこんな家。

●六平さん…いい味出してたな。泣けるぜ。あの顔で怒鳴られたら失禁しちゃいそうな迫力があるけど。最後の作業員のオッサン大行進のシーンはベタ過ぎ&オッサンの数多すぎでちょっと笑っちゃったけど良いシーンだよ…ね?オッサンといえば西村雅彦演じる阪神特殊製鋼常務の必死な感じも良かったなぁ。あの人いっつも鉄平の横でテンパッてばっかりですが。

●「大介、公家の女の肌はマシュマロのようになめらかだな」とは鉄平な祖父である先代の敬介の弁。ちなみに公家の女=大介の妻。ありとあらゆる人々に、先代の敬介と鉄平はルックスや仕事の才能などがそっくりだと指摘されまくり(そして重要なのは、この二人だけが将軍に選ばれた男であるという事実!)。ということは大介は、鉄平とよく似た顔をした実父から例のセリフを言われたということになる。そりゃあ鉄平を可愛がれないハズだよ…。

●次回予告…ついに高炉爆発!?なんか凄そう!必見だ!っていうか無惨だ!あんな素敵な六平スマイルを見れたばかりなのに。二週連続将軍無しってどういうことだよ!やっぱ大企業の専務が鯉に相談なんてマズイのか?それとも「いかにもロボットっぽい」という視聴者の意見に突き動かされた?うーむ…。来週も将軍出る幕なさそうだしなぁ。

今週の名言
「あの煙突から煙が見えなくなったらお寂しいでしょう?」(高須相子)
「大介、公家の女の肌はマシュマロのようになめらかだな」(万俵敬介)



額縁を選ぶのは他人

2007-02-15 19:00:12 | 音楽
時期的にちょっと微妙な話題だが、2006年に発売されたアルバムの中で聴いたのは宇多田ヒカルの『ULTRA BLUE』である。発売直後にもこのアルバムを支持しまくる熱い記事を書いたが、まだまだ書きたい事は沢山ある。ありすぎてまとめきれなかったが今日はまたあのアルバムについて書いてみる。
個人的にダントツで最高傑作だと感じている、今でもよく聴く宇多田の4作目。あのアルバム収録曲はまず単純にメロディが良い。流暢に流れてるように聞こえて実はかなり突拍子もない展開を運ぶメロディ。良く言えば斬新、悪く言えば唐突すぎ。故にちゃんと歌おうとすると、その慌ただしいメロディ展開にかなり戸惑う。宇多田がSMAP×SMAPに出演した際、カラオケでよく宇多田を歌うという香取が「『なんでこの音からこの音に繋がっていくのかわからない!』と歌ってていつも思う」と宇多田の曲の難易度を的確に語っていたのが印象的である。ついでに中居が「音が急に上がったり下がったりする。『ここで上がるか?普通!』ってタイミングで」とコメントしていたが、これも的を得た表現だろう。「traveling」とか「Can you keep a secrete?」とか激しいよね。
「人が作り得るメロディはもう出尽くした」という意見には私もほぼ同意で、実際音楽を聴いてて「この曲どっかで聴いた事あるな。新曲のはずなのに」とか「よくある展開だな。耳タコできそう」とか「このバンド同じような曲ばっかりだ…」と思う事は多々ある。さらにネット上で「○○という曲は△△に酷似してる。盗作!」と具体的に挙げられているものを聞き比べてみると、「全くのオリジナルなメロディを生み出すのにはもう限界があるのだなぁ…」と寂しく思う事もしばしば。でも宇多田の作る曲は軽々と越えるのだ、限界を。誰も聴いたことのない革新的なメロディを作ることのできる数少ないアーティスト。「Keep Tryin'」なんて歌いだしから衝撃である。あんなにフラッフラ揺れながら希望を鳴らす音楽を聴いた事が無かった。
歌詞の世界も過去最高に研ぎ澄まされている。ふざけてるのか真面目なのかわからない言葉使いで描かれる日常風景を通して真理を射抜く歌詞は、宇多田と同世代の「作詞もできるアーティスト」と比べるのも怖れ多いぐらいだ。同世代どころか上の世代にも、「誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ それでも扉の音は鳴らない」とか「幸せとか不幸だとか基本的に間違ったコンセプト」とか「クールなポーズ決めながらずっと戦ってた」とか「冷静な眼差しでこの地上の陰と陽 左右に掻き分けてく」なんて書ける人がいるかどうか。酸いも甘いも味わい尽くした泉谷しげるの曲みたいな世界感を、身近な単語でポップに表現している宇多田。どう軽く見積もっても6馬身ぐらい周りのアーティストの先を行ってる(?)。
アルバム収録曲の「海路」、そしてシングルにもなった「COLORS」には、宇多田のアーティストとしての意思表明みたいなフレーズが出てくる。

「いいじゃないか キャンバスは君のもの」(「COLORS」)
「額縁を選ぶのは他人」(「海路」)

「私は自由に作品を作るので、後は個人で好き勝手に解釈してください」宣言。確かに彼女はインタビューで自分の作品について、核心に触れる事を多くは語らない。やたら作品について説明したがるアーティストが多い中、彼女は本当に語らないのだ(だから宇多田が雑誌に載ってても大体は立ち読みで済ます)。受け手は彼女の作品に好きな額縁を付けて勝手に楽しんだり批評したりすればいいのだ。
「額縁を選ぶのは他人」…これラルクのtetsuにプレゼントしたいフレーズだな。「ヴィジュアル系」呼ばわりされるのはさぞ不快だろうが、勝手に言わせておけばいいじゃん、もう…。

そいえばしょこたんの新曲「ストロベリmelody」、結構売れてるみたいですね。昨日は発売日ということで一日に86回もブログを更新し、必死に新曲をアピールしていたしょこたん。全部見させていただきましたよ、ええ。あの曲普通に良い曲なので買ってみようかなぁ…。10位以内に入るといいねー。

●今日の一曲
「マルコポーロ故郷に帰る」/宮崎吐夢

あの頃みんな若かった―『CHRONICLE 0-ZERO-』

2007-02-13 22:28:29 | L'Arc-en-Ciel
1994年のラルクのビデオシングル「眠りによせて」から1996年の「Lies and Truth」までのPVを収録したDVD『CHRONICLE 0-zero-』をフラゲしてきた。まだドラムがsakuraだった頃の初期ラルクファンはもちろん、最近ラルクを知った人も過去を知るために是非とも手に入れておきたいPV集。結成から15年のキャリアを積んだ現在に10年以上前の、バリバリヴィジュアル系だったころの映像作品を発売してしまうとは、ラルクもやること大胆だなぁ。youtubeが完全に浸透し、ミュージシャンのPVなど見ようと思えばいつでも見れる時代にこのようなPV集の需要がどれだけあるのかは疑問だが、やはりファンとしては一本の作品集として手元に置いておきたいので商品化は嬉しい。あぁ…みんな…若い(笑)!hydeさんは半端じゃなく美しい。あれはもう女性だ。そしてtetsuが怖い。
ところで今回発売された『CHRONICLE 0-zero-』、実はこのシリーズの1と2は既にとっくに発売されている。「HONEY」から「Driver's High」までのシングルのPVを収録した『CHRONICLE』と、「LOVE FLIES」から「STAY AWAY」、そしてベスト盤のみに収録の名曲「Anemone」のPVを収録した『CHRONICLE 2』。所謂ラルク全盛期にこの二つのPV集は発売されていたのだ。両者とも、ただPVを寄せ集めただけではなく、観るものをファンならずともビックリさせるようなとんでもない内容となっている。ナンセンスの極地とハイグレード映像美を誇るPVが奇跡的に絡み合った『CHRONICLE』と、ブラックユーモア満載の『CHRONICLE 2』。そしておまけとして収録される歴代傑作CM集(彼らのCMは傑作揃い。この頃の彼らの戦略は凄いな)。もう、こんなにキレのあるセンスが炸裂してるPV集はないぞ。本当。それなのに『CHRONICLE 0-zero-』は至って普通。肩透かしを喰らうくらいな普通のPV集。確かにジャケットを飾るピーナッツの意味不明さは「さすがラルク!」なのだが(ナッツ菓子=「懐かし」説が有力)、若干期待はずれである。当時のCMも収録されてるけど、まだこの時代は電通や博報堂と組んで革新的な宣伝戦略をしてなかった頃だから割と普通の新曲告知だ。あ、でも「風に消えないで」のCM中に次のシングル「flower」の宣伝をサブリミナル的にねじ込む手法や、ナレーションに『ちびまる子ちゃん』でおなじみのTARAKOを起用して視聴者を無理矢理振り向かせるという手法にはこだわりを感じる。
「虹」以降のこだわりぬかれた映像作品と比べればかなり見劣りするものの、初期ならではの勢いと「トホホ…」な感じ、そしてなにより美人なhydeが素敵である。以下、数曲にコメント。

「Blurry Eyes」
記念すべきデビュー曲。私は誰とカラオケ行っても大体この曲を歌うので、私の身の回りの人々にはすっかりおなじみだと思われる。PVの見れる機種で歌えばその場にもれなく笑いをもたらす万能曲。目を疑う程の美女っぷりが際立つhyde、口開けて上を向く瞬間が怖いtetsu、マダムっぽいken、普通に男前のsakura、「見よ!!」とばかりに踏まれるエフェクター、回る回るメリーゴーランド…ツッコミどころ満載…いやでも曲自体は本当に名曲で、未だに「これが一番好き」ってファンも多い。アコギが奏でるバッキング、饒舌すぎるベース、ドラマチックな曲構成。初期ラルク史に渾然と輝くエヴァーグリーンソング。

「夏の憂鬱」
これ、アルバムバージョンとシングルバージョンがえらい違いで。「♪It's just time to say good bye~」という歌い出しが優雅なシングルバージョンの方が好きだなー。この曲、あのユーミンも「独特過ぎる憂いがある」と絶賛しておりました。PVの方は例の歌い出しの部分がこれまた劇的。hydeの登場の仕方、ビビるわ。ファンの間では有名なkenの半ケツが見れるので興味ある人は是非見てみるといいね。

「flower」
この時期のPVにしては完成度高め。びっくりするぐらい映像が綺麗になってる。ヘドバンしまくりながらハーモニカ吹きつつ歌うhydeの頸を心配しつつその映像美と名曲に酔いしれる。檻の中から歌い叫ぶラルク、という感じだが、実はラルクが居る側が檻の外だという説もある。後半のブリッジ部分で突然出てくるウサギが可愛い。この曲でラルクはブレイクしましたねー。ラルクがメジャーと繋がった瞬間。私のラルク好きもここから始まった。


さて、トータルタイムは64分とパッケージに書いてあるのにプレーヤーの表示では52分となってるので「これは隠しトラックがある」と思っていろいろいじくってたら、やっぱありました。まだ見つけてない方は是非試してみてください。自分で探したい方は以下読まないでください。



①ソングリストの「Vivid colors」にカーソル合わせて「←」キーを押すと同曲の別バージョンのPVが見れる。
②「Lies and Truth」にカーソル合わせて「→」キーを押すと、アルバム未収録なのが意味不明な名曲「Brilliant Years」がバックで流れる中、貴重な過去のオフショット集が見れる。

●今日の一曲
「夏の憂鬱」/L'Arc-en-Ciel

『超電導カンタムロボ』

2007-02-09 17:11:27 | テレビ
『超電導カンタムロボ』というアニメをご存知だろうか。アニメ『クレヨンしんちゃん』の初期に登場した劇中アニメで、『アクション仮面』と並んでしんちゃんお気に入りのテレビ番組の一つ。ちなみに『アクション仮面』は特撮モノで、『カンタムロボ』はアニメらしい(まぁ、我々視聴者にとってはどっちもアニメにしか見えないわけだが)。アニメ『クレヨンしんちゃん』のDVD1巻、2巻、4巻に収録されている。
『超電導カンタムロボ』は初期の『クレヨンしんちゃん』のスペシャルで過去三回にわたって登場した。劇中劇にもかかわらずきちんと主題歌が用意されておりストーリーも作りこまれ、最終回ではなんとなく泣ける(マジ?)という、妙に気合いの入った作品。『しんちゃん』のアニメスタッフが「普通のギャグアニメだけじゃなくて、派手なロボットアニメも作りてぇ!」と思い立ち制作されたようなクオリティの高さである。所々に『マジンガーZ』や『機動戦士ガンダム』など過去の名作ロボットアニメを思わせるシーンが挿入されていて、製作陣のハシャギっぷりが伝わってくる。ロボットアニメだけではなく、日本の様々なアニメクラシックスから名場面やセリフを引用している。
しかし必殺技がふざけてるとしか思えないような内容だったり、カンタムロボの秘密基地が奈良の大仏型だったり、物凄く変なポーズでロボットが立ち止まったりと、『クレヨンしんちゃん』の世界ならではのバカバカしさは健在。カンタムロボ及びそれを操縦する山田ジョン少年がパワーアップのための「超化」の際に「チョーーーー!」と叫ぶたびに爆笑だよ。物語は終始シリアスなトーンで貫かれているため、そのバカバカしさは膨れ上がるばかりだ。カンタムと山田ジョン少年の心温まる友情や、悪の権化が放つセリフも熱すぎて笑える…。
正義のヒーローが登場するアニメにありがちなベタな熱さと、そんな熱さをあっさり相対化して笑ってしまうクールさ。この二つの要素の同居は見ていて本当に可笑しい。「大人が見ると熱すぎて思わず笑ってしまう、しかし子供たちは何故かそれを真剣に見てしまう」という多くの子供向けSFアニメを見事にパロディー化しているからだ。こんなアニメを単独で放送するのはもちろん不可能で、『クレヨンしんちゃん』の劇中劇というポジションだからこそ出来たことだろう。こんなスパイスの効いたメタ・子供アニメを許容できる『クレヨンしんちゃん』の懐の深さは異常だ。他にそんなアニメ見当たらない。
過去三回の放送でアニメの序盤~最終回を見事に描ききった『超電導カンタムロボ』。しんちゃんの母・みさえは初期の頃は「やれやれ、またアニメ見てる…」と呆れ気味でしんのすけを見守っていたのだが、最終回ではうっかり号泣。ふざけるところはふざけつつ、あくまでも普通のSFアニメとして通用するようなクオリティで丁寧に作られたこのアニメには時に大人がハっとさせられるセリフが所々に散りばめられている。ハっとさせられるか爆笑させられるかは紙一重なのだが。「ロボットが感傷的になっちゃ可笑しいかい?」というセリフなど、胸にひっかかるけどやっぱ笑える…。

以下、youtubeで見つけたので貼っておく。どれもおすすめ!

『超電導カンタムロボ』
このアニメの主題歌。王道な曲調&歌詞と、カッコイイんだかなんなんだかわからん映像(「♪夢と希望があるかぎり」の所…)がヤミツキに。

『無敵のカンタムロボだゾ』
記念すべき初登場。初っ端からぶっとばしております。「ヒューマロボノイド」という概念及びネーミングが素晴らしい。筋トレみたいなことをすると必殺技を繰り出せるという妙なシステムにもこだわりを感じる。

『カンタムロボも大好きだゾ』
「男版クララ」みたいな少年を励まそうとする山田ジョンに対してカンタムロボが言うセリフ、「難しい問題だね。機械なら緩んだネジをしめればいいけれど、人間の心はそうはいかないからね」が切なすぎる。とっておきの必殺技「超電導あんま」を繰り出した後の疲れ果てたカンタムロボの姿には最強ギャグアニメ『クレしん』スタッフならではの意地を感じさせるマヌケさ。「人類が生きていることこそが、自然破壊の元凶なのだ!」というマジメなセリフを言うカンタムロボの敵にして兄、カイザムロボにも注目。

『カンタム最後の戦いだゾ』
最終回にして最高傑作。ギャグとシリアスのバランスが絶妙で、笑えばいいのか泣けばいいのか…いや、笑えるんだけどね。笑える名ゼリフ、珍必殺技がこれでもかという程満載。豪快なロボットアクションも過去最高。「もうパワーアップしていくだけの殺し合いはたくさんだ!」というセリフは世界に響かせたいメッセージ。まさかのカンタムJrも登場。山田ジョン少年の「カンタムもやることやってたんだね」「可愛いなぁ!ちょっと重いけど」は名言。

…こんな記事書いて、果たして誰か賛同してくれるのだろうか(笑)。本当に面白いよ?カンタムロボ…。

●今日の一曲
「花葬-1014 mix-」/L'Arc-en-Ciel
ラルクの名曲「花葬」をドラムのyukihiroがリミックス。原曲のアレンジを一瞬忘れるほどトリップ感がある。まったくの別の曲に生まれ変わっているがこれはこれで大好き。バンド内にこんなに優秀なリミキサーがいるなんて、やっぱラルクは凄いぞ。

文末に華を*゜ー゜)つ 

2007-02-08 20:30:53 | 日記
少し前まで私は人にメールを送る際、絵文字顔文字を一切入れなかった。どんなタイミングでどんな絵文字を入れりゃあいいのかよくわからなかったし、ずらりと並ぶ絵文字一覧から使いたいものを選ぶのも面倒だし(ソフトバンクの絵文字無駄に多すぎ。他の会社はどうなんだろう?)、第一恥ずかしい。メール本文に星やらハートやらを挿入して人に送るのには物凄く抵抗がある。というわけで高校1年で携帯を使い始めた頃からずーっと使わずにいた。
人から貰うメールを見て「おぉ、なんか絵文字色々使ってるなぁ」と思うことはしょっちゅうだったが、自分が送る分には絵文字顔文字無しで全く不都合がなかった。だがある時、メールし始めて間もない人に「…怒ってる?不機嫌?」と返信されてきた事があった。そう指摘されて始めて、自分の送るメール本文はかなりそっけないものだと気付いたのだった。その時は「別に全然不機嫌じゃないけど」とだけ本文に書いて返信したのだが、相手はその返信メールにすら「冷ややかさ」を感じたそうだ。
「冷ややか」と言われてもそれでも絵文字を使う気にはなれなかったが、最近は顔文字ぐらいなら少々使うようになった。使ってみると、なるほどこれは便利かもしれない。何か頼みごとされた時や誘われた時、これまで「いいよー」の4文字で済ませていたが、文末に例えば「(*д*)」なんかを挿入することで、なんとなく楽しさが生まれる。手軽に可愛いさをプラスできる…って今更だよね、普段から顔文字活用してる人から見れば。
とにかく最近「もっと早く使っておけばよかったなぁ」と軽く後悔している顔文字だが、私が使うのは主にたった二種類である。

「(*д*)」と「*゜ー゜)つ」。

前者は某友人の影響で使いはじめ、後者はネットかどっかから引っ張ってきたもの。この二つの中から状況に合ったものを選択して使っているが、その線引きはあまりにも曖昧だ。「(*д*)」は嬉しい時も驚いた時も、そして何でもないときも使えてかなり重宝している。
「ねむいよー(*д*)」
「しらないよー(*д*)」
「好きー(*д*)」
「嫌!(*д*)」
…便利だ(笑)。ある意味百面相である。
「(^0^)/」や「(:_;)」などの王道の顔文字は、なぜか照れ臭くてまだ使えない。嬉しい時、悲しい時に使える便利な顔文字であることはわかるが、そういう気持ちをメールでストレートに表現するのは照れる…。実生活でも自分の感情をわかりやすく表出させるのは苦手だからね。故に笑ってんだかなんだかわかんない「(*д*)」は本当に役に立っている(may99さんありがとー)。
結局私にとって顔文字はメールしてる時の気分を表すのではなく、本文に花を添えるだけの存在なのかもしれない。でもあんまりごちゃごちゃするのも嫌なので「(*д*)」と「*゜ー゜)つ」のシンプル顔文字二進法。「*゜ー゜)つ」などは使い道が本当に不明なので何の脈絡もなく、文末に思いつきで挿入することが多い。…あ、お茶出す時とか使うね。
*゜ー゜)つ旦

余談だが、最近流行ってるギャル文字、あれもメールを楽しくするためにやってるのだろうが、あれ、私が高校生の頃に流行らなくてよかったー。周り見てるとギャル以外の子も普通に「ぁたUわ」とか使ってるもんな。絶対馴染めん。「デコメール」なんて言語道断ですよ。


●今日の一曲
「time will tell」/宇多田ヒカル
初期の宇多田はあんまり聴かないけどこれは好きだ。宇多田の曲の中でおそらく最もまろやかな声質で歌われる「♪きっときっときっと~」はシビれます。

N-1グランプリ/最右翼

2007-02-06 17:15:43 | テレビ
●昨日の「くりぃむナントカ」面白かったなー。M-1グランプリで勝てなかった芸人達が漫才以外の芸で対決する「N-1グランプリ」。「頭を叩いた時の音の大きさ」「メンバー紹介で芸人だけスルーされた時のリアクション」「相方がスベった時のフォロー」などなど、些細ながらもテレビの世界で生きていくには重要な芸を披露し、その完成度を競う。出演者はバナナマン、おぎやはぎ、次長課長、品川庄司、タカアンドトシ。審査員は過去に本家M-1を制したますだおかだ、ブラックマヨネーズ、チュートリアルが務めていた。
「相方がすべった時のフォロー」で必死に誘い笑いをし、無理矢理に場を笑わせようとする次長課長の河本や、「え、これウケないんですかぁ!?」とわざとらしく盛り上げようとするおぎやはぎのやはぎなども最高だったが、「M-1グランプリの審査員」に完璧になりきり、「いやぁ、全体的にまとまってましたねー、もう一本見たいですー」等とそれっぽいコメントを残すチュートリアルの徳井さんが一番面白かったかもしれない。徳井さんに対抗して必死に「40秒の使い方完璧」「おーもしろいですねぇ…」とシンスケや松ちゃんのモノマネを披露するブラマヨも良かったが。徳井さんは常に「手元の資料を見る」など、M-1審査員ぽい細かな仕草をしていたため最終的に審査員-1グランプリに選ばれてしまっていた。まぁ、遠い将来彼があの席に座ってる可能性も無くはないよね。審査員-1グランプリで徳井に負け、嫉妬したブラマヨは「沢山女泣かせた甲斐あったな」と毒づくのだった。ま、徳井は男前だから行きずりの女と寝まくってても全然おかしくないね。

●「BLACK BOX」という、LUNA SEAの写真集+インタビュー本を手に入れた。ファン(あ、違う「スレイヴ」か)必携アイテムなのだろうが、内容量の割にはブックオフで500円と安かったので、ファンとまではいかないけど買ってみた。5人のメンバーそれぞれの生い立ちや、初期LUNA SEAの活動歴を本人たちが詳細に語っていてかなり興味深い。ミスタードーナツ片手にルナシー加入を志願しに行ったRYUICHI猛者だな。音楽の授業、特にリコーダーが大嫌いで、「笛じゃ困っちまう」と演奏を拒否したベースのJもわけわかんなくて素敵だ。SUGIZOの鬱屈した青春時代は共感出来ないような出来るような複雑な感じ。
しかし、インタビューはおもろいけど写真集は絶句だ。嫌という程伝わってくる彼ら独自の濃厚な美意識にはある意味舌を巻くが…つ、ついて行けねー!赤い着物を身に纏い、女装を披露するSUGIZOは確かに綺麗だが怖いよ(笑)。まぁでも美しく女装するのは歌舞伎など日本の伝統芸能では当たり前、世界に誇れる立派な日本文化だからな。ということは、歌舞伎のように完璧に女装して美しくあろうとするヴィジュアル系というのは、日本の音楽界の中で「演歌」と並ぶ最右翼のジャンルなのかもしれない。近年、日本のヴィジュアル系バンドが海外でも人気を集め始めた理由がわかった気がする。ただアメリカやイギリスの先駆者の真似してロックやってるだけじゃアジア人が世界で勝てるわけないよねー。
ここの所ブックオフでまるで失われた時間を取り戻すかのようにLUNA SEA関連の物を買ってるなぁ。半年ぐらい前まではこんな状況、全く考えられなかったよ…。

●今日の一曲
「ROSIER」/LUNA SEA
LUNA SEAで一番好きだなー多分。問答無用のかっこよさ。PVも当時としては斬新だったんだろうなー。ってこの映像貼るの二回目だ…どんだけルナシー推してんだ自分(笑)。でもまぁ、私と同様にこのバンドに偏見持ってた人になんらかの感情が芽生えればいいなぁ…という意味を込めて貼っておこう。

花咲く命或る限り

2007-02-04 18:55:59 | 音楽
「世界に一つだけの花」を聴いている。ご存知SMAP最大のヒット曲にして、子供からお年寄りまで誰もがなんとなく口ずさめる文字通り「みんなのうた」。私の祖母もテレビでこの曲を聴いては「良い曲だわねぇ~」としみじみしている。当然SMAP本人達にとっても大事な曲のようで、香取慎吾に至っては「SMAPで一番好きな曲」と公言するほどである。
ではSMAPファンにとってこの曲の存在はどうなのだろう。大ヒット曲だし、ライブではファンもあの例の振り付きで踊るし、それなりに思い出深い曲なのだろうが、やはり「良い曲だけどもっと名曲なのは他にあるよね」的に思ってるだろうな…。ファンというものはそのアーティストのメジャーな曲よりもマニアックな曲を好むというのは当然だ。私だってラルクの「HONEY」より「TIME SLIP」や「fate」が好きだし、スピッツなら「チェリー」より「スピカ」や「夜を駆ける」だ。宇多田なら「Automatic」より「日曜日の朝」だし、SMAPなら「感じやすい不機嫌」や「お茶でもどうかな」が素晴らしい。
…話が逸れた。今日の記事の中心ははあくまでも「世界に一つだけの花」だった。まあ、それ聴いてて。あの曲は元々15枚目の「Drink!SMAP」収録曲で、草剪が俳優として飛躍するきっかけとなったドラマ「僕の生きる道」のためにシングルとして切られたもの。当時平井堅のお陰でちょろっと流行った2ステップを取り入れたり、ケツメイシを向かえてレゲエを歌ったりと、その時代の流行をスマートに取り入れつつも、アイドルとしての彼らのキャラを立たせることを忘れない丁寧な作りが印象的な、名曲だらけの「Drink! smap」。正直「世界~」よりも良い曲一杯詰まっていると思うのだが、ドラマのテーマに合わせてあれが選ばれたのだろう(「僕の生きる道」に「JIVE」や「FIVE RESPECT」はミスマッチどころの騒ぎではない)。アルバム聴くときはたいていスキップするほどどうでもよろしい曲だ。SMAPの曲にしてはアレンジが無難すぎるし…。
でも今日、きちんと聴いてみたら、気付いたことがあった。それは多くの人はとっくに気付いてるかもしれないけれど、あまりちゃんと聴かなかった私は初めて気付いたことだ。
もともと違う者同士が競争し、相手を蹴散らしてトップを獲ろうとすることを高らかに否定し、個人個人を認め合うことを歌う「世界に一つだけの花」。サビの「ナンバー1にならなくてもいい もともと特別なオンリー1」は、この曲が幅広い世代に受け入れられた要因となった決定的なフレーズだ。しかしこのフレーズは「皆が各々オンリー1を目指したら秩序が無くなる」とか「ナンバー1を否定することは資本主義を全否定すること。それでは社会は成り立たない」とか「苦しい競争から逃げようとしてるだけ」等というように、「甘い考えだ」と批判する声が発売した頃から一部で後を絶たなかった。でもさー、あの歌詞で「ナンバー1でなくオンリー1」を許されてるのは「花」だ。蕾ではなく、途中で萎れることなくきちんと花開くことができた存在。少なくとも花を咲かせなければナンバー1を捨ててオンリー1で居ることは許されない。歌詞に「頑張って咲いた花はどれも綺麗だから仕方ないね」とあるように、花を咲かせるまでは競争してでも頑張ることが前提の「オンリー1」だ。
だからこの歌はシビアだ。花を咲かせる努力をしない者には「オンリー1」権は与えられていない。以前はどう見てもスーパースターのSMAPが「ナンバー1にならなくてもいい」と歌うことに抵抗があったのだが、案外、長年芸能界で荒波に揉まれ続け、立派な花を咲かせた彼らにこそ相応しい曲なのかもしれない。
長々とくだらん私の物思いを読んでいただいてありがとうございます。ぺこりー。

●今日の一曲
「IN FEAR OF FEAR」/BAUHAUS

追記
タカアンドトシのトシ、タコの赤ちゃんみたいで好き。