拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

ねえ先生……『NANA』です

2006-03-16 18:47:26 | 漫画
今日は新刊がでたということで今一番売れている漫画『NANA』についてネタバレ有りで書きます。このたび初版の部数が『ONE PIECE』を抜いたそうで。確かに本屋さんはどこも山積みだった。4月からアニメ化するし、この先さらに売れていくだろう。集英社ってコミック本に関しては本当にほぼ無敵だな…漫画コーナ-のメインは殆どジャンプコミックか『NANA』か『花より男子 完全版』に占拠されているような。で、『NANA』15巻。いつも思うけれども、矢沢あいは一つの事件に対する各登場人物の思惑やスタンスをきっちり描き分けていて凄い。きっと登場人物たちの性格設定を物凄く細かく考えているのだろう。今回は殆どタクミオンステージで、彼の策士ぶりでストーリーをクールにスイスイ進めていた。というか作者はタクミ大好きなんだろうな。15巻ではかなりおいしい役回り。仕事におけるどんなトラブルも解決してバンドを支えつつ引っ張る無敵男、でもそのかわり女にだらしない、という欠点があった以前のタクミだが、じつはその女たらしぶりが武器になることが最新刊でわかった。ハチとの関係がもし無かったとしたら、あっさり売れっ子女優とのことをマスコミに売ってレイラとレンをフォローしてただろう。タクミ、持ち駒多すぎである。今回の15巻のラストには連載時には無かったシーンが追加されている。一番気になる、「ナナとハチは最終的にどうなるの?」という疑問のヒントになるような重要なシーンである。これまたいろいろと想像できそうな意味深さ。タクミの髪が短いよ!バンド解散しちゃったの?作者によれば次回からまた新展開になるらしい。未来の断片が少しでも明かされることを願う。新展開ってことはモノローグがハチからナナにまた交代するということだろうか。ハチ主観だとナナがカッコいいヒーロー風に見える場面が多くなるが、ナナ主観だとナナはかなり脆く描かれる。後者がナナの真実だから当たり前だけど、これからさらにシリアスになっていくのだろうか。いよいよナナが精神的に壊れていく(壊れるよね?モノローグを追っていく限りでは)様が描かれるってことかな。楽しみ。折込チラシによれば次号の「クッキー」本誌には別冊付録でノブの半生を描いた『NOBU』が付くらしい。それより話を進めろ、と言う気がしないでもないが、でも楽しみ。『NAOKI』はナオキの周りの人々の過去を彼の目線から見た話だったけれど、今回はご本人メインの話だ。ポップな彼の過去が意外にも暗いノリだったら面白い。