拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

先生、春は『SLAM DUNK』の季節です

2006-03-20 16:03:14 | 漫画
今日は漫画『SLAM DUNK』についてちょろっと書こう。毎年この時期になるとなぜか読み返してしまう漫画である。中学の頃から、「春休みといえばスラダン全巻読み直し」な私である。大好きな漫画は数あれど、涙を流すほど感極まってしまう漫画はスラダンだけである。普段映画やドラマなどで涙を流すことは滅多に無い私だが、『クレヨンしんちゃん』映画版9作目&10作目とこのスラダンは見返す度に涙してしまう。熱き名作。
『DRAGON BALL』とともにジャンプの人気を支えた『SLAM DUNK』の魅力といえば何といっても「迫力満点のバスケ試合シーン」と「数え切れない程出てくる個性豊かなプレイヤー達」、これに尽きるだろう。作中に登場するバスケットの試合シーンは話が進む程勢いを増し、12巻から始まる地区予選の決勝リーグ戦以降は息を呑んでページをめくってしまうほどの熱を帯びている。で、その熱が涙を誘うわけだ。私は二度目のVS陵南高校戦とインターハイのVS山王工業戦で泣きましたよ。殆どのファンはこのどちらか、特に後者で涙したんじゃないかな。
そしてキャラの魅力。自らを「天才」と称するパワフルなお調子者ヤンキー桜木をはじめ、唯我独尊男流川、ゴリラダンク赤木、宮城「はぇぇ~!電光石火だ!」リョータ、苦悩の元MVPシューター三井、メガネ君小暮など、個性的な主役チーム湘北高校のメンバーの他にも、各ライバル高校のプレイヤー達が数え切れないほど出てくる。かなり沢山のプレイヤーが出てくるので、どんな読者でもお気に入り選手が2~3人は見つかるだろう。ちなみに私は海南大付属のキャプテン牧、天才3ポイントシューター神(じん)、調子のりすぎ・でもジャンプ力は本物清田信長が好きだ。つーか海南が好きなんだよな。もちろん湘北を応援しながら読むのだが。湘北で一番好きなのは桜木である。どうやらお調子者キャラが好みのようだ。ちなみに作者井上雄彦さん(通称イノタケ)は、スラダンの主人公を当初流川にする予定だったそうだ。実際彼のデビュー作は流川を主人公にしたバスケ漫画『楓パープル』だった。しかし流川のキャラは万人受けしづらかったため、読者人気を狙ってはじけたキャラの桜木を主役にしたらしい。この主役交代は大成功だったと思う。桜木はバスケ初心者だから、経験者は絶対にやらない単純なミスを多々犯してしまうが、逆にヤンキー時代に培った脚力・体力を生かし、経験者の予想を超える思わぬ活躍を見せることもある。敗戦確実の状況で桜木がキーマンとなり、逆転劇を演出する様が読者の胸を打つのだ。そんな桜木の魅力がこの漫画をここまでのヒット作にしたのだろう。
作品に登場するキャラ達は殆どがバスケの実力者である。読みながら時に「平凡なヤツはどうやったって才能あるヤツには勝てないんだなぁ」と思うこともあるが、要所要所で才能<努力の描写がある。3ポイントシュートの成功率は、元MVPだったとはいえブランクのあった三井より、一日500本のシュート練習を欠かさない神のほうが高かったり、インターハイ行きをかけた試合を決めたのは努力男・小暮の一発だったり、ラストの試合の最大の名場面は桜木によるパワフルでド派手な「スラムダンーク!」ではなく、二万本の猛特訓の末に身につけた地味な右45度ジャンプシュートである。
書いてるうちに続きよみたくなってきた。さて、読むぜ~。