拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

インパクトがコンパクトにまとまってるんだ

2006-12-31 19:54:50 | 音楽
今年も今日で終わりだし、もう一発残ってるSMAPベスト盤収録曲へのコメントを載せておこうと思う。1999年~2000年に発売されたシングルへのコメント。ではどうぞー。

■「Fly」(1999年)
スマップの曲にしては難易度高めのファンクでジャジーなアダルト歌謡(?)。サビの「♪君は今すぐ飛び立てるのさ」の部分のリズムがやや難ですな。というわけで、グループ内一の歌唱力を誇るキムタクの声が全編通して鮮明に聞こえてきます。歌い叫んでおります。中居君とか、この曲サビ絶対歌えないんだろうなぁ(いや、知らないが)。シングル曲の中では一番渋い。私立探偵濱マイクが街を駆けて行く図が頭に浮かぶ。エレピとホーンがこれまた渋さを演出。曲の終わり方も洒落ている。よくこんなのシングルにしたよな。デビュー曲の「Can't stop!!-LOVING-」から最も遠いところにあるシングル曲って感じ。

■「Let it be」(2000年)
凄い曲名だが私はこの、スマップの「Let it be」の方が断然好きさ(言っちまった…)。ノリノリダンスチューン「ダイナマイト」系列の曲調が超好み。音自体はハウスっぽかった「ダイナマイト」とはちょっと違うが聴いてる間のワクワク感は共通。曲全体を支配しているスピード感を煽るスリリングなストリングスがかっこいい(ジャミロクワイっぽいと言ってしまえばそれまでだが…)。イントロから終わりまで全速力で突っ走ってる感じなので曲自体もあっという間に終わっちゃう印象。何一つ無駄なメロが無い!全てのフレーズが絶妙に繋がっていく!だからついつい何度もリピートしちゃう。やっぱスマップはこの疾走感だよ…頼む、こういうゴージャスなオケでテンポの速い曲、またシングルにして下さい…。「ありがとう~」とか行儀よく歌ってる場合じゃありません。

■「らいおんハート」(2000年)
『Vest』に収録されているのはこの曲まで。当時ブームの真っ只中だったR&B風のバラードである。作詞は脚本家野島伸司。「君を守るため そのために生まれてきたんだ」というストレートすぎるフレーズを持つこの曲は「夜空ノムコウ」以来の100万枚突破。そしてこの曲がリリースされた数ヵ月後に衝撃のキムタク結婚のニュースが流れ、「なんだよっ結局キムタクの結婚祝いソングみたいじゃねーか!」という形でさらに盛り上がった感のある、そんな曲。個人的見解だがこの曲以降のスマップのシングルは途端に打率が下がる。「らいおんハート」はメロディー自体は王道だが如何せん歌詞が好みじゃなさすぎる。「♪もしも子供が生まれたら世界に二番目に好きだと話そう」のくだりは絶句である。上手くいえないけど…家族に順番付けんなよ…。野島伸司はドラマの脚本だけ書いててくれりゃあいいよー(野島の詩集も痛かった)。あ、でも肝心の脚本も『ストロベリーオンザショートケーキ』の後はずっと不発でしたね。むしろ名曲なのはカップリングの「オレンジ」だろう。シングルでもないのに妙に有名で、カラオケでもよく歌われている、哀愁溢れるメロディーが涙腺を揺るがす名バラード。

ふう、やっと最後まできました。どーですか、『Vest』聴きたくなってきましたか?え?ならない?ちくしょー。大急ぎで振り返ってみて、とにかく名曲がゴロゴロしているなぁと感動しました。スマップのメンバーと周りのスタッフの素晴らしい集中力によって生み出された名シングルたちを収録した『Vest』。私の好きな曲は90年代中期の曲に大体集中してるかな。きっとそれは多くの人がそうかも。スマップがちょうど昇っていく時期に、曲のクオリティもどんどん上がっていったのだ。ここに収録されたのは2000年のシングルまで。もう6年も経っている。6年の間にSMAPはさらに進化したが、個人として一番成長したのは草なぎではないだろうか。ドラマ「僕の生きる道」で実力派俳優ぶりをみせつけ、バラエティーではチョナン・カンに変身しハングルをマスター。最近ではキムタクが主演映画で、「イケメンパイロット」でも「ピアニスト志望の若者」でも「優しい美容師」でも「型破りな検事」でも「取手君」でも「ハウル」でもない、俳優としての新境地を開拓したようだし…。SMAPは常にその活動範囲を広げ続けている。
あ、それと気づいたこと。じっくり耳を傾けるまではキムタクが多くのソロパートを歌ってるもんだと思ってたけど、香取も結構ソロ多いのね。しかも曲の中で一番良いメロディー(主にBメロ)はことごとく香取。「ダイナマイト」「Let it be」の香取のソロはピンっと一本の糸を張るような感じで曲を上手く引き締めている(気がする)。すばらしー。

追記
今年は「ガキの使い」で年越しだー。素敵ー。そしてその後はもちろんテレ東系列の今田・東野司会の特番を朝までダラダラと見るのさー。私の大好きなケンコバは出るかなぁ…。

●今日の一曲
「ラブリー」/小沢健二




いいともモノマネ2006―そして伝説へ…

2006-12-28 20:27:59 | テレビ
数ある年末の特番の中で長年に渡ってチェックし続けているのが「笑っていいとも!年忘れ(又はクリスマス)特大号」の後半のものまね歌合戦のコーナー。昔は3時間の長丁場を全部見るのが当たり前だったが近年はものまねコーナーだけをチェックしている。つまらんものまねはとことん寒いが気合い入ってる人のモノマネはとことん凄い、年末を締めくくるのに欠かせないコーナー。ココリコが「笑っていいとも」を卒業した時は悲しかったよ。あの二人が一年で一番輝く瞬間はものまね歌合戦じゃないか。特に田中のデューク更家、湯浅卓は衝撃だった…。普段のいいともではやる気無さそうにぼんやりしてるSMAP中居が男を見せる(?)コーナーでもあるね。「一人で『世界に一つだけの花』」や「ギター侍」、そして今年の「小梅大夫」などなど、毎年きっちりとSMAPのリーダー兼ジャニーズきってのバラドルぶりを誇示してくれる。
そんなものまねコーナーで今年新たな伝説が生まれた。ダウンタウン松ちゃんのジュディ・オング、浜ちゃんのつのだ☆ひろ、鶴瓶の「渚のハイカラ人魚」、ココリコ田中の宗方コーチなどと並んで語り継がれるであろう伝説を「いいともものまね」史に刻んだのは爆笑問題の二人。もともと彼らのものまねの爆発力には定評があった。吉川ひなのに扮してなぜか「ミニモニ。」の曲で踊ったり、マイケルジャクソンになって赤ん坊を落とそうとするパフォーマンスを再現したり、t.A.T.uブームの頃には本人たちに代わってタモリの前で土下座し、ドタキャンしたことを陳謝したり。ココリコと並んで毎年きっちり笑わせてくれるものまねコーナーの重鎮(?)である彼らが今年のネタに選んだのは漫画・映画共に大ヒットした話題作『DEATH NOTE』。

太田デスノート(youtube)

全く、CGなんて使わず、最初から太田をリュークに選んでおけばよかったんだよ(笑)。『DEATH NOTE』の主要キャラの死神・リューク。痩せ型の体型、猫背気味の姿勢、バラエティ番組で日常的に見せるひょうきんかつ奇怪な動き…太田、どれをとってもリュークにぴったり。太田リュークが登場した際の観客は悲鳴のような歓声を上げるが、そりゃ、あんなもの生で見たら恐ろしいだろう。笑うより前に悲鳴かも。でもまぁ視聴者は爆笑、でしょう。「お前の名前をデスノートに書いてやろうか!」ってそれじゃあデーモン小暮閣下だよ(笑)。出演者及び観客を散々ビビらせ笑わせたタイミングで今年暴露本『ふぞろいな秘密』で騒動を巻き起こした石原真理子に扮した田中登場。リンゴと暴露本を手に「あなたの名前をここに書いてあげましょうか!?」。…とにかくさまざまなネタが渦巻く力作ものまねである。名前を書かれたら死ぬデスノートに対して、名前を書かれたら芸能人としての立場がヤバくなる石原の暴露本。死神リュークの大好物で、作中の重要な場面で必ず登場してくる果物・リンゴに対して、石原の出世作『ふぞろいな林檎たち』。『DEATH NOTE』の主人公・月もよくリンゴ片手にリュークと会話していたな…。リンゴ片手に暴露本に名前を書こうとする田中に対して太田リュークが「若気の至りだったんだー!」と抵抗。芸能人にとって暴露本に名前を書かれる事はデスノに名前書かれることよりも怖いのだ、ある意味。そういえば映画の『DEATH NOTE』でリュークの声を担当した中村獅童も不倫騒ぎ起こしてたなぁ。本当、ネタ満載。さすが時事ネタに強い爆笑問題。
映像は爆笑問題の出番が終わったところで途切れているが、番組はそのまま続く。そこもまた最高だった。他の出演者に混じって画面に映りこむ太田リューク。あのヴィジュアルインパクトは直接スポットライトを浴びなくても強烈で、その場を完全に持っていってしまっていた感があった(そういう意味では今年の香取慎吾扮する美輪明宏も過激だが)。伝説、でしょ。

追記
元X JAPANのYOSHIKIと元LUNA SEAのSUGIZOとGacktが新バンドを結成するらしい。…が、YOSHIKIはこだわり過ぎて5年もX JAPANのCDを出さなかった人らしいからな。他の二人もアクが強そうだし、上手く行きそうな気が全くしないんだがどうなるんでしょうか。ちゃんとCD出るのか?でも久々に表舞台でSUGIZO見れるのはなんだか良いね。

●今日の一曲
「Baby once more」/SUPERCAR

カゾクヲギセイニシタクナケレバ…―『PLUTO』4巻レポート

2006-12-26 21:46:03 | 漫画
浦沢直樹著『PLUTO』4巻の通常版が発売されたので購入。私は今年の初めごろからビッグコミックオリジナル本誌でこの漫画の連載を追いかける派に転身したので、4巻の収録内容の大部分は既読だった。既読だったが、何度見ても衝撃的な内容である。以下、ネタバレありで書くので未読の方はご注意を。



まあ、なんというか、こうなることは手塚治虫による原作を読んだ時からなんとなく予想はできていたが、アトム君、死にました。どうみても普通の少年、しかしその体内には科学力の粋を集めた様々な機能を装備する、日本・科学庁産ロボット・アトム。4巻ではアトムが遂に謎のロボット「プルートゥ」と直接対決。そして即、撃沈。よっぽど両者の持つパワーの差があったのだろう。対面した瞬間にプルートゥが巻き起こしたと思われる大波に飲み込まれ、アトムは力尽きた。目をぱっちりと開けたまま動かなくなったアトムは、ズタズタにぶっ壊れるよりも無残に見える。ついさっきまで、勇敢に敵に立ち向かっていたはずなのに…そう、「勇敢」に。アトムはかなり正義感たっぷりの性格にプログラムされているようで、何か大変な事件が起きていることを感知したらすぐさま駆けつけてくる。足についているであろうジェット噴射機能を使ってぶっ飛ばしてくるのだ。見た目普通の少年のアトムが下半身からジェットを噴射して空を飛びまくってる図は、『ドラゴンボール』で悟空たちが使う「舞空術」みたいでなかなか爽快。カッコイイぞ、アトム君!でも死んじゃうんだよなー。アトムはプルートゥに倒された他のロボットたちとは違い、バラッバラに粉砕してしまったわけではないのでやりようによっては再生できそうな気もするが、『PLUTO』三巻によると「電子頭脳は壊れ方によっては二度と再生できない」「直っても別のロボットになる」とのこと。手塚治虫による原作では天馬博士によって修理され、アトムは復活するが、ビッグコミックオリジナルにのった最新号の『PLUTO』で天馬博士は「アトムを治す気はない」という旨の発言をしている。こんな可愛いロボットを…壊れっぱなしにすんなよー…。
天馬博士といえば4巻の表紙を堂々と飾っている。初登場時から各方面で指摘されているとおり雰囲気が『新世紀エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウにそっくりで、表紙の絵なんて今にも「そのための科学庁です」とか喋りだしそうなぐらいだ。しかし、碇ゲンドウ自体が手塚治虫の『鉄腕アトム』に登場する天馬博士をモデルにして作られているというのも、もしかしたらあるのかもしれない。ゲンドウ、天馬博士の両者は所謂マッドサイエンティストのイメージを持っている。愛する人にもう一度会いたくて(ゲンドウの場合は妻、天馬の場合は息子)科学の力を駆使した暴挙に出る、という点が共通する。なる程、「科学の力で心を埋めようとする男」というキャラクターには、ああいう重苦しいルックスと口調が似合う、ということだな(マジ?)。んー、でも本当に思えてきた。「ゲンドウのモデルが天馬博士」説。エヴァに詳しい人が聞いたら怒るかな?
4巻は「アトム死す!」以外にも見所がいっぱい。個人的にはACT.30「キンバリーの三博士」の巻がネタ満載で大好き。自分の生みの親である博士を失い大暴走するロボットエプシロン(人命救助のためとはいえ、人間を無理矢理家から引っ張り出し、そのままドイツ―ギリシャ間をひとっ飛び)、そんなエプシロンに冷静に「生身の人間を連れて飛んでくる距離じゃないな」と突っこみを入れるヘラクレス、小型とはいえ誘導光熱弾を手で握りつぶし、強引に爆弾処理を行うゲジヒト…全編通してシリアスなノリが貫かれているのにこの回はどうしても笑ってしまうよー。
さて、かなり気が早いが5巻の表紙を予想してみる。4巻に早くも天馬博士が登場してしまったおかげで5巻の表紙が誰になるのか全く読めない。有力なのはおそらく5巻で大変なことになるヘラクレスか、華のあるイケメンエプシロンか。華は無いけどダリウス14世やお茶の水博士もありうるかもしれない。ルックスに特化して言えばこの漫画に出てくる誰よりも可愛い(なんてったてテディベア)Dr.ルーズベルトはどうだろうか。それとも、まさかまさかの弟者?さすがに実態のはっきりしてないプルートゥが表紙を飾ることなんてないよね…。

あ、そういえば浦沢直樹繋がりで『20世紀少年』の話でも。よくわからんが、今回からタイトルが『21世紀少年』になるんだって…?私、本誌立ち読みしながら泣きそうになったよ。だって、ケンヂですら「ともだち」の正体を「わからない」なんて言うんだよ!?そりゃあ無いよ。あんなに頼もしくともだちと会話してたじゃーん。やっぱ、ダメか?『20世紀少年』、やっぱ再起不能なのか!??

●今日の一曲
「OBLAAT」/hide

「行きずりの女と寝たよ!」

2006-12-25 21:11:12 | テレビ
今年のM-1グランプリが昨日終わった。リアルタイムで見れなかったのは残念だが大会自体はとても楽しめたのでよしとしよう。私がまともに若手芸人の漫才ネタを見るのは年に一度のM-1のみ。出演する芸人たちの芸風がどんななのかは過去にM-1に出たことのある人以外は全くわからないので毎年結構新鮮に楽しんでいる。今回ぶっちぎりで優勝した感のあるチュートリアル、昨年のM-1で披露した「バーベキューの串の刺し方」のネタもかなり楽しめたが、今年披露したネタたちはそれを余裕で上回る出来。あぁ、この冬一番の笑いをありがとう…。
チュートリアルは今年はもちろん、去年も何気に審査員のダウンタウン松ちゃんからの評価が高かった。振り返ってみれば彼らがM-1で披露したネタたちは「ガキの使いやあらへんで」でダウンタウンの二人が見せるフリートークになんとなく雰囲気が似ている。先述の「バーベキュー」のネタ、ボケ担当の徳井さんがバーベキューの具を串刺しにする順番に異常に執着する、というネタなのだが、あれは「ガキの使い」でのトークの、視聴者からの質問に松ちゃんが面白おかしく回答する、というパターンに似ている。「松本さん流のバーベキューの具の刺し方を教えてください」という質問に松ちゃんが答える、みたいな。そして今回の「冷蔵庫」「ちりんちりんが盗まれた」の両ネタは、浜ちゃんが何気なく話したエピソードに松ちゃんが過剰に反応するパターンに似てる気が。まともな浜ちゃんの発言を松ちゃんワールドの常識と照らし合わせて松ちゃんが大騒ぎするパターン(こういうのは「ごっつええ感じ」のコントでもよく見られた私の大好きなパターンだ)。もちろんダウンタウンとチュートリアルの二人のキャラは全然違うのでネタ自体は当然別物になるのだが、なんとなく同じ匂いを感じた。松ちゃん好みのネタだったのかもしれないな。M-1の雰囲気は異様なもので、松ちゃんが「面白いですねぇ…」とポツリと発言しようものならスタジオ内で「おぉ~」という反応が返ってくる。松ちゃんからの支持、登場順、ボケ担当の徳井さんの暴走ぶり、つっこみ担当の人(福井さん…だったか?)がオロオロしながらも時折見せる冷めた表情。あらゆる要素が絡み合い、爆発した結果生まれた大爆笑の末の、完全優勝。チュートリアルというコンビについてよく知らないのでなんともいえないが、彼らは2001年の第一回大会にもM-1の決勝戦に出場し、惨敗していたという。コツコツと場数を踏んでM-1グランプリ対策を練りに練って、遂に手にした優勝、という感じなのかな…。
あまりの完全優勝で他のコンビがすっかり霞んでしまった感があるが、他のコンビだって別に楽しめなかったわけではない。最下位だったポイズンガールバンドも私は結構楽しんだぞ。マグロ履いちゃうなんて…。芸風からみてトップバッターという位置があまりにも不運だったが、そもそもM-1向きのネタをするコンビじゃないってのもあるよな。ああいうのは20分以上ずーっと見てるとどんどん面白くなってくる「トランス漫才」タイプ(そんなジャンルあんのか?)なのかもしれない。トータルテンボスの優しい店長ぶりも光ってたし、ザ・プラン9の5人漫才も、なんだかんだで終始笑わせてくれたではないか。笑い飯や麒麟も普通に面白かったし(彼らが優勝する時は来るのか!?)。でも、彼らの熱い漫才よりも、毎年恒例となった表彰式での、オートバックスの住野社長と松ちゃんの握手の方が面白かった気がしないでもない(マジ?)。
さて、優勝したチュートリアルは今後どんな活躍を見せるのだろうか。先ほどyoutubeで彼らの他の漫才を見たのだが、どうやらM-1で披露した妄想が暴走するタイプの漫才が彼らの全てではないようだ。しかし彼らをM-1でしか知らない人達(関西圏に住んでる人以外は殆どそうでしょ)にはすでに徳井さん=妄想キャラという図式が出来上がってしまった感がある。それぐらい豪快な妄想ぶりだった。とりあえず年末年始はお笑い番組にひっぱりだこだろうから、体と顔のテカリに気をつけて頑張って欲しい。

以下youtubeよりチュートリアルのネタ
2006年決勝「冷蔵庫」
2006年最終決勝「ちりんちりんを盗まれた」
2005年のM-1「バーベキュー」

●今日の一曲
「君と僕の6ヶ月」/SMAP

スッパマンじゃない~

2006-12-23 23:30:06 | 音楽
今日は毎年恒例のさんま&SMAP特番がやってましたね。あれの放送があると一気にクリスマス→年越しという感じ(でもまだクリスマス前)。なんか毎年ゲストが無駄に増えてる。そしてゲストの多さに比例して面白さが薄れていっている。7~8年前、スタジオを飛び出しさんまとSMAPのメンバーが観光バスに乗り込み、放送ギリギリのバカトークしながら生放送してた回があったのだが、その時が最高に面白かったなぁ。あの密室感。つーか問題発言に随時モザイク(?)をかけれるような制御装置、あれだけでも復活してくれないもんかな…。あの番組についてはまた機会があれば後日感想などを書きます。今日はまたまたSMAPのベスト盤『Vest』収録曲にコメント。実はもう一ヶ月前には記事は完成してたので、コピペするだけなのでラクチンです。師走なのでラクな道へ…。

今日扱うのは1997年~1998年の曲。国民の大半がSMAPのメンバー全員の名前を言える状況になり、人気が不動のものになると、彼らはグループ単位だけではなく個人としての活動もさらに活発化させていく。5人それぞれの得意分野を活かして、ドラマにCMにバラエティーにと大活躍。どんな役をやらせてもカッコよくキメてしまう「視聴率男」木村。紅白で白組の司会まで務めてしまった「ジャニーズ初のバラドル」中居。ワインへの愛が暴走し、ソムリエの資格をとってしまった「エレガンス男」稲垣。着実に俳優としてのキャリアを積む「いいひと」草なぎ。女性ファンだけでなく子供からも支持を得た「慎吾ママ」香取。まさに「FIVE RESPECT」である。

■「Peace!」(1997年)
とにかくオケがかっこいい。イントロから飛ばしまくりのブラス隊、終始鳴ってるパーカション、要所要所で良い音を奏でるエレピ…素晴らしい仕事。ツッタカツッタカ走るリズム隊も聞き逃せないポイントである。あぁ…ジャニーズのグループとはとても思えないこの本格派ぶり。メロディーのキレも抜群だなぁ…。歌詞がなんだか地味だが足りてない歌声は健在。完璧なオケとの対比がこれまた素敵なんだ…。こういうフュージョンっぽい曲これ以降シングルで出てないなぁ。寂しい(そればっか…)。

■「夜空ノムコウ 」(1998年)
これはもう説明不要でしょうか。誰もが認めるスマップの代表曲の一つ。長いため息のようなメロディーと哀愁溢れまくりの歌詞が、青春時代を過ぎて間もない青年の心の奥のやらかい場所にヒットしまくりました。キムタクによるBメロ、キマりすぎです。これが出た頃私は小6。「あの頃の未来に僕らは立っているのかな」というスガシカオ作詞の名フレーズの意味を理解するには若すぎました。さてさて、私は数年後、この曲の主人公のような切ない気分に大共感してたりするのでしょうかねぇ…それは避けたいような。でもこの曲の魅力をダイレクトに受け止めてみたいような…。いや、いかんいかん。バックで「ピロ~」と鳴ってる電子音がかなりツボ。そういえばこの曲のアレンジを担当しているchokkakuという人、スマップの曲には何曲も関わっているおなじみのスタッフなのだが、私の大好きなラルクとも仕事をしたことがあるのだ。名曲「虹」のアレンジに参加してたりする。他にもありとあらゆるミュージシャンと仕事をしている、邦楽界の影の重鎮である、chokkaku。ヒットの影にchokkakuあり。

■「たいせつ」(1998年)
「夜空ノムコウ」の次ということで何となく印象が薄れがちのシングルだが、私は「夜空~」よりこちらのがやや好き。名曲「しようよ」を彷彿とさせる、流れるメロディーとノリノリなテンポを楽しめる傑作ホーンポップ。同じ平仮名4文字繋がりということで、私は勝手に二部作ととらえている。「しようよ」でギクシャクしてた二人のその後、みたいな。ギクシャクした関係をなんとかするため「とにかく話をしよう」としていた二人だが、「たいせつ」ではすっかり仲直りして「たぶん言葉よりも分かりあえる」状態に。「しようよ」では「目をみればわかるなんて ちゃんと言わなきゃわからない」。「たいせつ」では「君の目は宝石」。「僕らもまた新しい出来事に試されに行こう」の部分がかなり好き。でも曲の最後のフレーズ、「♪人はsupermanじゃない~」のくだりは何度聴いてもいただけないな。有名だけど、「スッパマンじゃない」にしか聴こえないから、あれ。アラレちゃんかい。


●今日の一曲
「the Fourth Avenue Cafe」/L'Arc~en~Ciel

鶴舞公園へあと少し/浦沢テレビ出演/あの人の見解

2006-12-22 22:32:10 | 日記
今日は冬至です。これからゆず風呂に入ります。でもその前に記事の更新です。えへ。

●今日からしばし冬休み。しかし休みだからと言ってダラダラとしていられない。やらなくてはならないこともやりたいことも多すぎる。まあ、朝早起きしなくていいのでそれは嬉しいが。今日は早速朝からダラダラ起きて、鶴舞の図書館へ。卒論用に使えそうな資料などを探していろいろとコピーしていた。その間終始ipodで、先日作った「曲名50音順プレイリスト」を、鼻歌を歌いたくなるのを必死で堪えながら聴いていた(「ガキの使いやあらへんで!」の「図書館でサイレント」ゲームみたいだった)。予想以上にあの50音順プレイリストは楽しめたのだ。曲の繋がりや流れなど一切無視で50音順に組んだプレイリストなので自分の大好きな曲達が、意表をつく曲順で出てくる。スマパンの「Perfect」~hideの「ピンクスパイダー」の流れは鳥肌が立った。まったく、ipod万歳である。ややめんどくさい資料コピー作業もはかどりまくりでした。その後JRの駅に入っているドトールでツナとチーズのいかにもカロリー高そうなホットサンドを食べながら資料をパラ読みしつつ一服。そしてそのまま熱田にある名古屋市内で一番大きいブックオフに行き(店に入ったら店内BGMがオザケンの「ラブリー」で超ビックリ)、例によって一昔前の音楽雑誌コーナーを覗き、1998年3月の「音楽と人」を購入。ラルクが表紙。ちょうど『HEART』の頃だ。インタビュアーが市川哲史なのが嬉しい。あと、250円CDコーナーで初期のLUNA SEAのアルバム『IMAGE』を購入。家で聴いてみたが、荒削りすぎる河村隆一ことRYUICHIの声が耳に受け付けず、一周聴いてリタイヤ。ブックレットに載ってるメンバーの写真もなんだか怖い。このアルバムが発売された1992年当時は当たり前だったかもしんないけど、今見ると怖すぎるヴィジュアル。私には誰が誰だか見分けがつかないな。ドラムの真矢さん、太ってないよ…。

●NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組に浦沢直樹が登場するらしい。来年の1月18日放送。今年の春に突然『20世紀少年』の連載を中止させた浦沢だが、この番組ではその中止後の浦沢の仕事ぶりを取材したものになっているという。これはかなり興味深いぞ…。多くの『20世紀少年』読者を絶望させつつ、その一方の『PLUTO』では読者を大いに盛り上げていた浦沢。その裏側に迫るんだってさ。絶対見届けなきゃ。ちなみに浦沢のテレビ出演は小泉総理の息子の番組『孝太郎ラボ』以来である…なんであの番組に浦沢が出たんだろうなぁ…。

●【松本のひとりごと】

SIN 97/3/12 06:26:37

罪を憎んで音を憎まず。良い音楽を創る人=品行ほうせいとである、必要はないが、罪は罪として、償い、反省してきて、下さい。だが、バンドは1人でやってんじゃねぇぞって事はいいたい。また、残されたメンバーの怒りははかりしれないが、社会的責任をまっとうした後は、くだらん、外野に左右されず、再び、濁りなく、音を創り、聴かせて欲しい。

これはhideの公式HPに掲載された生前のhideによる日記。日付から見て、これは当時、ドラマーが覚せい剤所持騒動を起こし活動休止に追い込まれたラルクに対してのメッセージだろう。ラルクとhideの交流の話は殆ど聞かないから結構貴重かも。なんというか、本当に良い人だったんだろうなぁ、hideという人は…泥酔さえしなければ。


●今日の一曲
「公園へあと少し」/THE MAD CAPSULE MARKETS

『PLUTO』最新号レポート―つーか4巻の表紙、お前かよ

2006-12-20 22:01:19 | 漫画
今日は久々にビッグコミックオリジナル最新号に載った浦沢直樹作『PLUTO』のコメントを。今回はなかなか自分好みの展開だったのでコンビニの雑誌コーナーで何度も読み返してしまった。以下ネタバレありでいろいろと書きます。




今回、久々に物語の舞台が日本のトーキョーシティーに戻ってきた。ここ最近はずっと主人公のロボット刑事ゲジヒトのいるユーロ連邦が物語の舞台だったが、今週はアトムの妹・ウランが再登場。多分しばらく舞台はトーキョーシティーになり、ゲジヒトはしばしおあずけだと思われる。『PLUTO』の世界でアトムやウラン、お茶の水博士が住んでいる街・トーキョーシティーは、一見漫画の外にも実在する現代の大都市の様相が広がってるのだが、細部で「アトムワールド」な未来アイテムが使われている。例えば、飛び降り自殺防止システム。トーキョーシティーには目に見えない電磁波ネットなるものが張られており、高い所から飛び降りたとしても絶対に助かるシステムになっているそうだ。それから今週号でウランが座っていたトーキョーシティーの小学校にある未来型ブランコ。ブランコと言っても鎖の部分が存在せず、腰掛部分が宙に浮いていてなんだか奇妙。でも可愛い。現実的過ぎず、適度にメトロポリスな匂いがする、このバランス感覚がとても好き。
さて、そんなトーキョーシティーで再びウランの物語。謎の怪物ロボット・プルートゥに兄・アトムを殺され(今春、この「アトム死す!」という大ネタバレを堂々と電車の中吊り広告に載せていた小学館は、どうかしてる)、すっかり落ち込んだ様子のウラン。彼女を見ながら、可哀想に思いつつ「ロボットでも落ち込むんだ、さすが高性能」と感心する小学校の先生たち。そんな先生たちを見て、校長先生が「こういう時はロボットも人間も関係ない」という旨の発言で一喝。この校長先生、「伴先生」と呼ばれていたが、もしかしてもしかすると「ヒゲオヤジ」?「ヒゲオヤジ」とは、手塚治虫のあらゆる漫画でチョイ役・脇役として登場している人気(?)キャラクター。本名「伴俊作」。もちろん本家「鉄腕アトム」にも登場しているが、浦沢版にも出てきました。浦沢版のヒゲオヤジ、ルックスが『MONSTER』のライヒワイン先生にしか見えないがあれはファンサービスか何かだろうか。あと、ウランの小学校には「坂本」というロボット先生もいた。もちろん金八先生のパロディー。「私のような旧式ロボットでも(アトムの死は)悲しい」と呟く…。
落ち込むウランだが、以前から感じ取っていた不思議な「小さな動物がブルブル震えているような」感覚をまたもや受信。彼女には悲しんでいる動物や人間の気持ち…負の感情を感じとる能力が備わっているようで、街中をかけまわり、負のオーラを発している動物や人間を助けて回る。弱っている子猫、いじめを苦に自殺しようとしている少年、散歩に連れてってもらえない犬、財布を落とした老人…。しかし彼らに一通り手を貸しても、まだ感じ続ける負のオーラ。感じるままに歩き、たどり着いたところはある少年のお墓。墓に刻まれている名前は「天馬飛雄」…。天馬博士の息子であり、アトムを造る際にモデルとなった少年でもある。そのお墓の前で、ウランは何を読み取るのか…。
うー、また面白くなってきた。やっぱアトム・ウラン・天馬博士が絡んでくると俄然面白くなる。天馬博士といえばやっと発売された『PLUTO』最新刊で表紙を飾っている。初登場の頃から「碇ゲンドウ過ぎる」と指摘されていたが、表紙も相変わらずのゲンドウぶりで笑える。つーか表紙お前かよ、みたいな。前巻のラストのコマで登場したキャラが次巻の表紙を飾るという法則はあっさり崩れた。じゃあ5巻の表紙は思い切ってDr.ルーズベルトにしてほしいな。可愛いじゃん、クマのぬいぐるみが表紙なんて。ちなみに単行本は例によって1400円もするおまけ付き豪華版が先行発売。通常版は来週発売。年末は出費がかさむので今回は豪華版スルー。今回は小学館の戦略には乗せられないぜ。4巻の内容は全部知ってるし、急いで買うことはない。手に入れたらまたレポート記事書きますよ。
来週は『20世紀少年』がやっと再開、年始は早くも『PLUTO』の続きが登場。「2006年は色々やらかしちゃったけど、年末年始の浦沢直樹は一味違うぜ」ってな感じで今日の記事をしめたいと思います。
 

●今日の一曲
「Daphne Descends」/smashing pumpkins(『Adore』)

hit me baby one more time

2006-12-19 21:50:14 | 音楽
U2を一日中聴いていたが少しだけ一休みして、先ほどからなんとなくブリトニー・スピアーズのベスト盤『MY PREROGATIVE』を聴いている。ブリトニーのアルバムは一応全部リアルタイムで聴いていたので、ベストを聴くことでその当時の記憶が走馬灯のように蘇ってくる。だいたい中学~高校時代の記憶がブリトニーとともに駆け巡る。記憶といってもそんなに真剣にブリを聴いてたわけじゃないからそんなにディープな記憶は出てこないけど。2003年に4枚目のアルバム『In The Zone』を発売してからオリジナルアルバムを出していないブリトニー。プライベートがやたらと混み入ってて忙しいのはわかるが、そろそろ新作出してくれないと寂しいではないか。デビューした頃から2003年までの数年間は、バリバリと活動しまくりでリリースラッシュだったのにね。
ベストを聴いていて衝撃を受けたのは、ブリトニーのデビュー曲にして多分一番有名な曲「Baby One More Time」が発売されたのが、なんと8年も前だったということ。1998年。私が中1の頃ですか。そんなに昔でしたか…。自分としてはこの曲を全く古く感じておらず普通の感覚で聴いていたが、冷静に考えるとこの曲はやっぱり「過去のもの」だ。今現在の全米でNo.1になる曲で、こんなにメロディアスで、R&Bやヒップホップの影響も強調されていないダンスポップ多分無いはずだから。…とは言っても今全米で流行ってる女性アーティストがわかんないけどね(ビヨンセとかファーギーはもう古いのか?少なくともブリトニー級のポップ・イコンはまだ現われてはいないはず)。「Baby One More Time」から8年。これぐらいの曲なら今ではもう日本人歌手でも普通に歌ってる(多分)。この曲をあまり古く感じなかったのは、私のポップスに対する感覚が8年前で止まっているからかもしれないな。
ということはブリトニーもデビューから8年。彼女は本当に話題の事欠かないアイドルだった。デビューした瞬間にトップアイドルに駆け上がった彼女は常に話題が絶えなかった。同じくアメリカのトップアイドル、インシンクのジャスティン・ティンバーレイクと交際宣言したり、婚約したり、破局したりした。酔った勢いで幼なじみと結婚したり、その翌日に「あれは無かったことにして」と離婚したりした。日本人ファンにストーカー的に付き纏われ、訴訟を起こしたりした。子持ちバックダンサーと電撃結婚し、歌手活動を休業してもパパラッチに追い回され、彼女の暮らしぶりは度々メディアで報じられた。「もう追い回さないで…」とメディアで涙ながらに訴えたこともあったが最近は第二子が誕生。幸せいっぱいと思われた矢先、現在旦那とは離婚調停中だという。…書いててなんだかよくわかんなくなってきたぞ。
アルバムを出せば世界中でバカ売れ。しかし映画に出るとラジー賞(逆アカデミー賞)を総なめ。若い女の子のファッションリーダー的存在にもなり、露出度の高い衣装を着れば「若者に悪影響」と叩かれた(「toxic」や「I'm a slave 4 U」は「エロかわ」どころではない。本場アメリカは凄い…)。まるで若い頃の女帝・マドンナのように。マドンナといえば3年前のMTVアワード。ブリトニーはステージでマドンナとキスを交わし、新旧ポップスターの夢の競演を果たした。その時はブリトニーのライバル、クリスティーナ・アギレラもその場にいて、マドンナは彼女にもキスをしたのだが、話題はどうしてもブリトニーに集中した。翌日の世界各国の新聞はマドンナ×ブリの2ショットで溢れた。勿論日本も。このマスコミの取り上げられ方は、マドンナ以来の世界的ポップスターに地位に唯一ブリトニーだけが辿りついた事の証明だろう。「♪I'm a slave for you~」なんて歌っちゃうんだぜー?少し前にニュース番組で、アンチアメリカのアラブ系兵士に取材し、レポーターが兵士の部屋でブリトニーのポスターを見つけ「彼女はアメリカ人ですが(しかもブッシュ支持者)」と突っ込むと、「彼女だけは特別さ」と答える、というシーンを見た時は驚いたけど妙に納得してしまったな。
どうしても音楽以外の話ばかりになってしまうな。話をベスト盤の事に戻そう。ベスト盤はかなり王道な選曲で、代表曲は全て網羅している。ブリトニーの全楽曲の中で私が一番好きな「toxic」も勿論収録。大学受験の頃、「toxic」だけを一日中聴いていたことがあるぐらい好き(ちょうど酔っ払い結婚→翌日離婚をしたころかな)。でも二番目に好きな、3rdアルバム『Britney』収録の「Anticipating」が入ってなくてガッカリ。ベスト盤は『Britney』からの選曲が結構多いのに、残念。歌詞が英語なのででたらめに空耳で歌ってる。全曲歌えるのが凄い。
最近では下着を着けずにクラブやカジノで遊びまくってるところをパパラッチされたブリトニー。「Outrageous」の歌詞「トレンチコートに下着姿 これからフリークショーの始まり」(和訳)よりもひどいじゃないか。パンツぐらい穿けよ。


スリットの隙間から愉しい夢を見る

2006-12-15 21:53:06 | 音楽
スマップベスト盤『Vest』収録曲へのコメント。今回は1996年~97年編。キムタクに次ぐ人気を誇った森君の脱退というグループ最大の危機が襲い掛かってきた1996年のスマップ。歌も踊りも上手く、顔つきもジャニーズアイドルというよりはメンズ誌のモデルみたいな男前・森君が抜けることによってスマップはしばらくキムタクの一人勝ち状態に。また、一人抜けたことによってより際立ち始めた5人のメンバーの見事にバラバラの個性を強調し、唯一無二のグループとしての地位を固めた。今でも続く人気番組『SMAP×SMAP』が始まったのもこの頃。

■「青いイナズマ」(1996年)
森君脱退後初めてのシングル。これぞアイドル!な安定感のある王道のポップスに仕上がっている。この曲で有名なキムタクによる「Get you!」が聴けますねー。「青いイナズマ」を提供した林田健司という人は他にも「$10」「君色想い」「KANSHAして」などの名曲を手がけている。スマップの歴史に無くてはならない存在の一人。つーかこの人の曲全部好きだ。こんなに好みだと、林田氏自身の作品も聴いてみたほうがいいかもな。メロディーの展開がとにかく王道で、優等生なポップス、という感じだが、歌詞はなんだか悶々としていて面白い、かな。最近歌詞カード見て気づいたのだが、サビ、「青いイナズマが僕を責める」なんだね。これが発売されてから10年強、ずーっと「僕を攻める」だと思ってた。そうか、責任を求められてるのか、青いイナズマに…。

■「SHAKE」(1996年)
森君の脱退を乗り越え、初の5人でのシングル「青いイナズマ」が大ヒット。キムタク主演のドラマ「ロングバケーション」は視聴率30%を越え、さらにこの年にスタートしたバラエティ番組「SMAP×SMAP」も大好評。スマップが芸能界の頂点に上り詰めた瞬間でしたね、この頃は。それにトドメをさすようなこの曲、「SHAKE」。軽快なピアノにキムタクによる巻き舌「♪トゥルルルルルルルルル~イエ~!」が飛び込んできて、そのまま軽快なシンセに乗ってラストまで突っ走る、当時のスマップのイケイケぶりをまさに象徴するような曲。「チョベリベリ最高ヒッピハッピシェイク」なんてぶっとんだ歌詞も「アリ」にしてしまったのが当時のスマップ。今でもよく覚えているが、この曲がTV初披露された翌日、学校では早くもクラスメートたちがこの曲を歌いまくってた。とにかくキャッチーすぎるのだ、「SHAKE」は。もう、どこでもかかってたよね…。

■「ダイナマイト」(1997年)
「SHAKE」の流れをくんだイケイケポップス。いやーこれはもう個人的にスマップシングル曲No.1(No.2は「どんないいこと」)。とにかく音が好みなもので。この曲で鳴っている全ての音に乾杯。特にBメロのストリングスヒット!あー、なんて華麗なんだ!この音にふれたくてついつい何度もリピートしちゃう、中毒性高すぎの名曲。もうすぐこの曲が世に出てから10年ですか。ひぇぇぇ~。そういえばイントロや間奏で聞こえてくる、切り刻まれた変な声の主、あれは当然中居君だよね?中居君の声をサンプリングしたんだよね?あれを入れるセンスが素晴らしいと思う、よ。曲の後半に登場する男性コーラス「♪dynamite honey danger in the night~」の軽やかさも耳を惹きつける。

■「セロリ」(1997年)
山崎まさよしの楽曲のカバー。草なぎ主演ドラマ「いいひと」の主題歌だったこともあり、曲の歌い出しは草なぎソロから始まるのだが…微妙だぁ。キムタクや森君以外のソロパートはシングルではちょっと辛いぞ。まぁ、音程が取り辛いメロディーだしちょいとハネたリズムだし、しょうがないのか?でもその分親しみやすさは抜群。カラオケでちょいと歌いたくなるまったりな名曲。安定感のあるキムタクのソロパートは相変わらずかっこいいですな。「恋人同士といっても所詮他人同士なんだからお互い尊重しましょうよ」な内容の歌詞は真っ当な主張だが、基本的に「みんなのもの」でいることを強いられるアイドルが歌う内容としては結構シビアである。何度聴いてもポヤ~ンとしてるムード満点のイントロに耳を奪われる。


♪夜逃げする~

2006-12-13 22:31:41 | 音楽
トリビュートアルバム。功績のあるミュージシャンに対して称賛するために作られるコンピレーションアルバム。普通、複数のアーティストによって対象となるアーティストの曲をカバーしたものを中心に収録される。そんなトリビュートアルバムの中で、日本で一番売れたのは、実はhideへのものである。hideの死からちょうど一年後の1999年5月2日に発売された『hide SPIRITS』。これは日本で唯一売り上げがミリオンを突破したアルバム。そんなに売れてたとは知らなかったが、参加しているミュージシャンを冷静に振り返ってみると納得。YOSHIKIや全盛期のGLAY、LUNA SEA、布袋に清春などなど、豪華なメンツが揃っている。アルバムを聴くと、それぞれが意外なほど素直に原曲をカバーしているのに驚く。アレンジの方向性が殆ど変わっていないというか、無難にして王道なカバーが多いような。ヘタにいじって駄曲にしちゃうよりはいいのだろうが、原曲のイメージを消し去るような強引なカバーの方が、hide本人が聴いて一番喜ぶ気もする。
しかし思うのだが、生前のhideってこんな風に沢山のアーティストから何かをトリビュート―捧げられるような人だったのだろうか?もちろん彼は人望があって、後輩の面倒などもよくみる、誰にでも慕われる兄貴的存在だったというのは沢山のインタビューを読めばわかる。でもhideは後輩たちを少しも上の立場から見ていなかったはずだ。むしろ同じ舞台でライバルとして競い合っていたぐらいだ。hideが表舞台に引っ張ってきたLUNA SEAやGLAYは、hideに負けず劣らずの勢いで活動していたし。参加ミュージシャンの多くがhideと親しい間柄にいた人々であるこのアルバムは、YMOやはっぴいえんどや尾崎のトリビュート盤とは違い、「トリビュート」とという言葉が全くしっくりこないんだよね…。hideが生きてたら絶対に出なかっただろうしね。
ダラダラと書いてきたが、ここで『hide SPIRITS』に収録されている曲の中で印象に残ったものを数曲紹介しようと思う。

■布袋寅泰/「ROCKET DIVE」
アレンジは殆どhideの原曲と同じだが、この人の歌声とギターの力は凄い。何の違和感もなく「ROCKET DIVE」を自分のモノにしております。これぞ「ギタリズム」(?)。間奏、ハジけまくりだ。布袋バージョンの間奏にあわせてhideが踊る姿も見てみたいところ。なお、この曲の最後には、布袋が作ったであろう歌詞が付け加えられている。「さらば赤い髪のエイリアン 君の作ったロケットに愛を込めてアディオス」。

■清春/「Beauty&Stupid」
この人もあの特徴的なビブラート声で、このスケベな曲を歌いこなしている。例によってアレンジが原曲とそう遠くないため、清春の声をたっぷりと味わうことができる。ファンにはたまらないのだろう。そして清春の声が苦手な人にとっては別の意味でたまらないのだろう。

■コーネリアス/「ピンクスパイダー」
ナイーブな文系ミュージシャンにも関わらずヴィジュアル界の大物hideと某音楽史で対談した猛者、コーネリアス。元々はhideがコーネリアスファンだったことで実現した対談。その対談後にhideがコーネリアスの曲をリミックスした縁で参加が決定したのだろう。このトリビュートアルバムに参加しているメンツの中で、コーネリアスは明らかに浮きまくっている。当たり前だ、ヴィジュアル系だらけなんだから。洋邦問わずありとあらゆるジャンルの音楽を聴きまくっていたhideならではの交流だろう。で、この「ピンクスパイダー」も変化球すぎて浮きまくり。インストだよ…。「ピンク」という言葉にインスパイアされたらしく、随所にピンクな声が挿入され、あのイントロのかっこよすぎなリフが音飾を取り払われ丸裸にされ、ゆるやかにうねる。そして終盤に響き渡るhideの「♪ピンク!」というボーカル。hideは生前「自分の曲を他人のリミックスさせるのは、可愛い娘を知らない男の家に一晩泊まらせにいくほどスリリングなこと」と語っていたが、コーネリアスの家に泊まった「ピンクスパイダー」は…。これ、hideが聴いたら一番喜ぶ作品だと思うぞ、確実に。コーネリアスのアルバム『POINT』の布石になっているような音なのも興味深い。

■LUNA SEA/「SCANNER」
hideの書く歌詞はスケベだったり前向きだったり後ろ向きだったり攻撃的だったり四字熟語が多様されてたりどこかコミカルだったり、とにかくパターンが多いわけだが、「SCANNER」は結構コミカルな詞の部類に入ると思う。で、そんな歌詞を河村隆一のあのねちっこく艶っぽく伸びやかなボーカルで歌われたら…笑うしかない。私は「♪荷物まとめ夜逃げする~~」で爆笑しました。河村のキャラとhideの詞のギャップが凄いわ、これ。hideが歌うと普通にかっこいいんだけどね。しかもアレンジが妙に重心の低いシリアスなものになってて、それはとても好みなのだが…やっぱ「SCANNER」の歌詞とのギャップがありすぎて笑える。ある意味必聴。

■OBLIVION DUST/「限界破裂」
このアルバムのベストトラックだと思っている。大胆すぎるアレンジに好感大。スピード感ソリッド感満載の原曲だが、よくこんなに静かな作りにしようと思ったな。「限界破裂」なのに序盤、普通に聴き入っちゃったし。


曲目
1. Introduction
2. ROCKET DIVE(布袋寅泰)
3. Beauty&Stupid(清春,SHOJI)
4. TELL ME(kyo&TETSU)
5. ピンクスパイダー(SIAM SHADE)
6. LEMONed I Scream(shame)
7. ピンクスパイダー(コーネリアス)
8. FLAME(ZEPPET STORE)
9. SCANNER(LUNA SEA)
10. DOUBT’99(BUCK-TICK)
11. ever free(トランスティック・ナーヴ)
12. 限界破裂(オブリヴィオン・ダスト)
13. MISERY(GLAY)
14. CELEBRATION(I.N.A.,PATA,heath)
15. GOOD-BYE(YOSHIKI)

追記
今日hideの誕生日らしい。