拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

接吻劇場

2007-09-27 17:28:51 | L'Arc-en-Ciel
ラルクのツアー『THEATER OF KISS』のチケットが無事確保できた。地元の日本ガイシホール(旧名古屋レインボーホール)2days、両方行けるぜー!前回みたいに浜松まで行かなくて良いなんて素敵!レインボーホールなら最短30分で行けるぜぇ。
先行予約で申し込んだ公演全てが当選したので「今回倍率低かったのか?」と思ったけど、mixi見てると代々木や埼玉などは激戦だったみたいだね。大阪城ホールでも外れてる人が。逆に名古屋外れたって人は見ないなぁ(当たったって人もあんまり見ないけど)。名古屋は二日とも平日だから…というのもあるのだろう。ただ見てる限りでは、大体一人1~2公演ぐらいは当選している模様。殆どの人が「アリーナツアーでこんなにハズれるとは…!」とショック受けてたけど、「ハズれた」と言いつつも一応みんなチケット手に入れてるじゃないのよさ。しかし中には全滅したって人もちらほら。何のためのファンクラブなのかしらん?1公演に絞った人の当選率の高さと沢山申し込んだ人の当選率の低さを見てると、少しはダフ屋対策してるのかな?でも既にヤフオクに出てるしなぁ…。腹立つー。
さてさて、ライブは来年1月30、31日。この日はちょっと気になる事があって。1月29日がhydeの誕生日なのさ。去年の東京ドームのライブではyukihiroとkenの誕生日が重なってたので(一日遅れだったが)、サプライズで誕生日を祝う一幕があったようだが、30日のライブで何かあったりするかも?前回は「誕生日をサプライズで祝いますよ~」という告知のチラシが椅子に置かれてたらしいが、今回も何かあるかも?……ただ、hydeの生年月日は公式では未だに「?」なんだよな。昔『ロッキングオンジャパン』であっさり生年月日を白状したんだけど、公式では一応秘密。だからサプライズとか一切無いかもしれない、うん。ドームのライブでは、じいさんみたいな口調で「めでたいねぇ~いいねぇ…誕生日かぁ~」と呟いてたから、何かあると良いのにね。
チケット確保出来たら次に気になるのは席。今回S席A席の区分が無いから期待です。とはいえレインボーホールはそこまで大きな会場ではないのでスタンド席でも余裕で楽しめるけど。夏のアクトシティ浜松のような「え、3階なのにステージ超近いんですけど(ステージから放り投げられたバナナが届く距離)」という状態は無理だとしても、一万人も入らぬ小さめな体育館だからね、虹ホールは。そいえば今回のツアー、あの席あるかな…「ブリージア席」。アリーナとスタンドの中間に設置されてる、端から見てると妙に危なっかしいやつ……。
ライブでは新しいアルバムの曲を披露するんだろうな。パイプオルガンの音色が美しすぎるバラード「雪の足跡」また聴きたいなぁ…夏ムード全開の「Pretty girl」も…。ツアータイトル的に「接吻」やるかも?と思ったが、本人達がこの曲の存在を覚えていない可能性が高いな。久々に虹ホールに来るんだから「虹」も聴きたいぞ…あ、日本ガイシホールだっけ(しつこい)。
今回名古屋の倍率が低かったのは、「ガイシホール=旧レインボーホール」の認識が浸透してなかったからなんじゃないかと…「は?何処?」みたいな。最近本当に酷いよね、買収。「名古屋市民会館」→「中京大学文化市民会館オーロラホール 」とか…意味不明っす。中京大学の近隣にあるわけでもないのに。ホール使うのは中京大学だけじゃないぜ?紛らわしい! 

「天の光はすべて敵、ですか?」

2007-09-24 20:39:03 | テレビ
『天元突破グレンラガン』、ついに来週で最終回、ですか…。本当、リアルタイムで半年間ずっと見続けてきたアニメって初めてだから感慨深い。毎週夢中になって見てたから、終わっちゃうと虚無感に襲われそうだな(笑)。どんな困難に見舞われても全てを「気合い」で解決する、今時珍しすぎる怒涛かつ王道な展開に、何度も励まされましたよ…。毎週、見終わった後しばらくドキドキしてるもの。
このアニメは4部構成。全27話が4つのパートに分けられている。アニメのテーマの一つに「世代交代」があるようで、それは各パートの作風に現われている。1話~8話にあたる第1部は70年代の熱血アニメのテイストで描かれており、毎回毎回気合いの入った名ゼリフと、無鉄砲すぎる戦闘シーンがいっぱい。問答無用でテンションが上がるパートであった。9話~16話の第2部は、80年代のロボットアニメのテイスト。1部よりもシリアスな展開であるが、戦闘シーンは1部より迫力とスケールがさらに増しており、爽快感すら味わえる。17話~22話の第3部は90年代のロボットアニメのテイスト。1・2部とはガラっと作風が変わり、人間ドラマの要素が加わってさらにシリアスになったものの、1・2部で張られていた伏線が次々に回収されて行き、このアニメのストーリー構造が明らかになっていく様に舌を巻いた。普通に観てたら「伏線」だと全く気付かないものばかりだったので、1・2部を新たに見直すと、なかなか刺激的だったり。そして現在放送中の、23話から最終話までの第4部は、現代のアニメ。第1部が泥んこ遊びに見えるような、技術を総決算したような、「これ…映画かよ!!」とつっこみたくなるような、やり過ぎ一歩手前の戦闘シーン満載である。巷では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』の戦闘シーンがやたらと絶賛されているが、それなら子供向けアニメでここまでやった『グレンラガン』に対してもっと騒ぐべきだと思うんだけどなー。
以上のように、たった27話に日本のアニメ史を凝縮した、とにかく無茶なアニメ『グレンラガン』。製作者の「あぁ、エピソード詰めたいけど時間が足りねぇぇ!!」という叫びが毎回伝わってくるぐらい展開が速いが、その分間延びすること無いので良い。当然「ここもっと深く掘り下げて欲しいなぁ」と思う点もいくつかあるが、そんなの、やってる場合じゃないんだろうなぁ。初期の段階から「気合いと勢いの多寡が勝負を左右する」というこのアニメのルールを明確に提示し続けたお陰で、「掘り下げ不足」の件は諦めがつく気がするよ。枝葉や飾りは振り切って一本道を突き進むのがこの世界の正義なんだよね…。その分、構成が本当によく練られているから、過去のストーリーを復習すると本当に面白い。第一話冒頭なんてもう何度見たことか。
「勢い」と言えば、『グレンラガン』を毎週見続けて思ったのだが、このアニメ、毎回ラスト3~4分の勢いが凄まじい。特にシリアス展開に入り始めた2部以降に顕著なのだが、序盤を見ていて「ん?なんか今週つまんないかも?」と思っていても、後半に入り、ラスト4分ぐらいに突入すると、気付けば画面に張り付いてしまっている。押し切るんだよな、勢いで。ラスト4分だけを集めて編集した映像でも作りたくなるぐらい、秀逸なストーリーの締め方だなぁと毎回思う。大体の場合、脇役のヴィラルが全てを持っていくね。昨日なんてさ…。

というわけで、ラスト1回となったこのタイミングで言っても仕方のないことではあるが、おすすめです、『グレンラガン』。時間ができたら全話レビューでも書こうかねぇ。既にDVDレンタルは始まってるんじゃないかしら。ニ○ニ○動画で観るという手もあるし、10月からは早くも深夜の再放送が決定している。もう再放送…?エヴァンゲリオンみたいだねぇ。とりあえず第一話は必見。



夜明けの鐘

2007-09-19 10:58:32 | L'Arc-en-Ciel
19日未明にラジオでオンエア解禁されたラルクの新曲「DAYBREAK'S BELL」を聴きまくっていたら夜が明けてしまっていた。うん…眠れなくなってしまったよ、曲が良過ぎて。一応ライブで一度だけ聴いたことある曲だから、曲の輪郭ぐらいは把握してたつもりだったけど、やっぱラジオでちゃんと聴くと印象変わりますな。ライブで聴いた時は「え、こんな暗い曲をアニメ(「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」)のオープニングに使っちゃうの(笑)?」と思うぐらいダークな曲に感じたけど、ラジオでフルで聴いたら、マイナー調なんだけどそれなりにポップに聴こえた。キーボードの入り方とメロディー展開がどこか初期ラルクっぽい。初期ラルクの曲を、今の4人の実力で迫力満点に演奏してる感じ?先日買った15周年ライブに収録されてた、現在のラルクが演奏するインディーズ時代の代表曲「Dune」、あれと似た雰囲気を新曲「DAYBREAK'S BELL」からも受け取った。個人的にライブDVDの中でもその「Dune」演奏シーンが屈指のお気に入りシーンなので新曲もツボにハマってしまったよ。本当、待ってたよ、疾走感のある暗い曲。2004年に「READY STEADY GO」で活動休止明けして以来、もう殆どパワフルで明るい曲しかシングルに切らなかったしね。「MY HEART DRAWS A DREAM」のような伸びやかで開放的なメロディーもラルクの王道だけど、こういうダークなのもラルクの王道の一つ。出だしは抑え目にジワジワと進み、サビで一気にドーンと爆発するパターンね。今回出だしとサビの部分のテンションが全然違う。「そこまで行っちゃう?」みたいな。特に「My wishes over their airspace」の部分ね。いかにもラルヲタが喜びそうなメロディーだよここは。
まだ解禁されたばかりだけあっていくら聴いても全く飽きないなぁ。本当、このダークな雰囲気ツボだよ。今回久々にリズム隊が強調されてんのも良いね。作曲者は一応ギターのkenなんだけど、シリアスなキーボードの印象がやたらと強い分、彼は今回かなり控えめだ。その分ベースとドラムが大暴れ。打楽器なのに旋律のように聴こえる、手数の多い演奏を聴かせるyukihiroを堪能できるぞ。故にハードロック好きには「音が軽い」と突っこまれそうなんだけど、軽さを補うのはこのバンドはベースの役割だからね。…ベースさぁ…シングルでは久々にうねりまくってるぞ!最高。疾走感のある曲でこういう演奏聴かされるともうひれ伏すしかないぜ。ツボです、このベース。ラジオ音源なのに主張がしっかり聴き取れる。CDになったらどうなるの?失禁モノなんじゃないの?殆どドラムを無視して好き勝手動いてる(どういうベーシストだよ…)。でもサビに入る直前はちゃんとドラムに合わせて曲をグイっと締めている。
歌詞は久々に反戦ムード全開。これはhydeのソロアルバム『Faith』の世界観だな。あの時はほぼ英語詞だったが、今回は日本語なので直接耳に飛び込んでくる。「とにかく戦争は絶っっっっ対、嫌!!」みたいな。タイアップになってるガンダムとも関連してんのかな?というかガンヲタはこれ聴いてどう思うんだろうね。アニメに合ってるかどうか、ガンダム全く知らないから私にはわからないや。
 

『Queen of Hip-Pop』/安室奈美恵

2007-09-18 19:29:25 | アルバムレビュー
『Queen of Hip-Pop』/安室奈美恵

1. Queen of Hip-Pop ★★★★
強気なシンセとキックが冒頭から鳴り響き、切なさと力強さを備えた安室のボーカルが絡む。アルバムの導入として完璧である。シンセが抜ける少々寂しげなブレイク部分も聴き所。「夢は見るんじゃない 手にするのがstyle」というフレーズ、小室時代の某大ヒット曲を思い出す。

2. WANT ME, WANT ME ★★★
三味線と尺八のような音がループする、オリエンタルというか中東を思わせる、スピード感溢れる曲。一歩間違えば「買い物ブギ」(歌:笠置シヅ子)になりそうなコミカルさを孕んでいるが、スリリングなキックと悩ましげな歌詞が曲をカッコよく繋ぎ止めている。

3. WoWa ★★
マーチのリズムに乗って「踊ろう踊ろう」とひたすら誘う。こういう曲最新アルバムにもあったなぁ。最新アルバムに入ってた曲に比べて可愛らしくノリやすい。

4. I Wanna Show You My Love ★★
歌詞はファンに向けての「応援ありがとう」のメッセージだろうか。曲も、ライブでのコール&レスポンスが想起される部分が沢山ある。低い声でじわじわと攻めて来て、曲の温度が高まっていくにつれて声もどんどん高くなっていく。

5. GIRL TALK ★★★★
J-POPシンガー安室と、彼女が好むR&Bがごくごく自然に折衷され、とても聴きやすい音楽に昇華された。冒頭のレコード再生直前のノイズの後に流れる古めかしいストリングスがふと飛び込んでくる部分がなかなか感動的。トラックがかなり緻密に作りこまれているのでカラオケバージョンも聴いてみたいが、安室の歌も素晴らしい。力一杯歌い上げたり囁いたりと変幻自在である。

6. Free ★★
ややダークで、重低音とトリッキーなシンセが胸に響く曲。地を這うようにジリジリと攻めるが、サビは宙に浮かぶような妙な浮遊感がある。地味な印象を抱きやすい曲だが、終盤の一瞬フワっと舞い上がるボーカルは必聴。安室本人が作詞。タイトル通り、周囲にとらわれず自由にやっていく宣言をしている。

7. My Darling ★★★★
ロックスターの彼氏にメロメロになってる女の子、という内容の歌詞なので、ディストーションギターが要所でピロピロガーガー鳴る。荒っぽい男もボーカルで参加。男のノリが滑稽でちょっと笑える。ややハードロックテイストの曲の中で、可愛らしく歌ったり荒っぽく歌ってみたりと、様々なアプローチが成されている。「millionどころじゃないbillionうならせるアラブのセレブも驚く成り上がり」というフレーズの押韻が秀逸(?)。詞曲共に、ブラックミュージックの味が散りばめられたこのアルバム中で異色の存在。ロック好きには色んな意味で楽しめるだろう。

8. Ups & Downs duet with Nao'ymt ★★★★★
このアルバムのハイライト。男性シンガーと共演した、優しく温かいミディアム曲。共演したNao'ymt、繊細で柔らかな美声の持ち主である。この男、近年の安室に大量に詞・曲を提供し続けているソングライターでもある(このアルバムだと1.3.6.8.12)。何者だよコイツ…才能ありすぎ。歌詞も良い。「mama always said to me 'stay strong'」なんてフレーズを安室に歌わせるなんて…Nao'ymtの狙い通り、ホロリとしてしまったではないか。

9. I Love You ★
軽やかで可愛らしいポップソング。歌詞も非常に女子っぽい。でもアルバム全部聴いた後でこの曲をもう一度聴くと「ブリっこめ…」という感じである。鳴ってる音がどこかクリスマスっぽい。

10. ALL FOR YOU ★★
明らかに浮いている壮大なバラード。ブラックミュージックの香りがしない。いかにも「ドラマタイアップ用に作っときました」的な曲である。良い曲だけどこのアルバムに入れられてもなぁ…単体で聴くのが望ましい。

11. ALARM ★★★
メロディー皆無の、ひたすら静かにクールに攻める曲。これをシングルに切った安室及びスタッフって一体…殆ど売れてないはず。「もう売れ線は出しません」という意思表示のつもりだったのだろうか?でも安室は歌唱力あるからここまで単調な曲歌わせるのは、いくらカッコよく仕上がってても勿体ない。

12. No ★★★
極太シンセと観衆の手拍子と強気のメッセージ。このアルバムのエンドロールのような曲である。中盤の「say」のループがちょっと笑えるけど、基本的にはクールな曲。Noと言えない日本人なんて言わせません。ラストの「NaNaNaNaNaNa…」もオズマよりカッコいいっす。この曲が終わって数十秒後に始まるシークレットトラック優しいバラードも聞き逃せない。歌詞的にタイトルは「YES」か?これを「ALL FOR YOU」の替わりに入れればよかったのに。

総評★★★☆
本場のブラックミュージックとメロディアスなJ-POPを混ぜ合わせた結果たどり着いた音楽=hip-pop。「ヒップポップ」…言いたいことは伝わるが妙に恥ずかしい響きである。でもこれ以上に適切な言葉無いか…。ブラックミュージックとポップスを合体させたものとしては最新作『PLAY』の方が完成度が高い。合体させたというよりは、単調なメロディーをぐいぐい歌うリズム重視の曲・メロディアスで切ないR&B・踊れるダンスナンバーがそれぞれ混在している感じである。曲によってJ-POP好きには「メロディー無いじゃん!」、ブラックミュージック好きには「歌謡曲じゃん」と様々な方向からツッコまれそうなアルバムだが、「Queen of Hip-Pop」「GIRL TALK」「Ups & Downs」辺りは双方のリスナーも楽しめるだろう。捨て曲・手抜き曲は特に無く、一曲一曲丁寧に緻密にこだわって作られた痕跡がある。安室(と謎の男・ Nao'ymt)は何気にエイベックスの良心と言えるかもしれないな…。

 

引き裂かれる男

2007-09-17 01:14:44 | 音楽
平井堅の新曲「fake star」を最近聴きまくっている。やっぱ平井堅はバラードではなく、こういう4つ打ちでノリの良い、しかし憂いのあるような曲が最高に似合うよなぁ。「瞳をとじて」とかは「歌上手いけど眠くなる曲だ~」という感じだったし。この新曲「fake star」とか「LOVE OR LUSTとかが平井堅の真骨頂だよきっと。声質的にバラードが求められるんだろうけど、バラードばっかりじゃつまんないっす。ずっと前に出たリミックスアルバムも、原曲よりも素晴らしかったと思う。
「fake star」、曲自体凄くよくできてるが、やっぱり歌詞に耳が行ってしまう。意味深過ぎやしませんか、平井さん。ヒット曲「POP STAR」と対になっているという「fake star」。私は初めて新曲のタイトルを知った時、「俺、昔爽やかに『ポップスター』宣言したけど、本当は全然爽やかじゃないんです。ドロドロなんです。ていうかスターってのは俺だけでなく、み~んな本性を世間に隠してる『作り物』なんだぴょ~ん」的な、暴露ネタ満載の内容の曲を想像したんだけど、曲をちゃんと聴くと、ちょっと違ったみたいだ。
確かに曲の大部分では、本性を隠さなければならないポップスター事情を書いているし、「化けの皮をはがしてやる」「who is a fake star?」「That's you」と、「お前は所詮フェイクスター。バレてるよ」と煽る。さらに「過去を切り捨て顔を変えても未来が忘れない」と整形手術批判、イメージ戦略や宣伝のために「プライベイトも切り売り」する行為も暴露し、「ポップスター=必死の努力で仕立てられた作り物」の図式を立てている。ただ、終盤にはこんなフレーズが登場する。「wanna be a pop star,but he's a fake star」…この「fake star」という曲は、ポップスターの裏側を書いたのではなく、ポップスターになりたくてたまらないのに、本性を隠してばかりいるせいでフェイクスターにしかなれない男の物語?「ポップスターになりたいよぉ」と爽やかに歌っていた「POP STAR」と対になっているというよりは、根本は同じ?曲の最後のフレーズは「who is a fake star? that's me」。堂々とフェイクスター宣言。でも本当は、いつ世間にバレるかわからない嘘を吐く事に疲れた。自身を偽らずに曝け出した上でポップスターになりたい…まぁ、違ってても、ただのポップスターの裏側の物語よりも面白いからいいや、個人的に。
「fake star」が偽りの自分をさらけ出したい欲求を歌った曲だとすると、面白いと同時にこんな曲を書いた平井堅をなんとなく心配してしまうね。何か、曝け出したくても出来ない爆弾でも抱えているんじゃないかって。…想像はつくけど。もちろん歌詞なんてアーティスト・平井堅の創作に過ぎないと言ってしまえばそれまでだけどさ、ミュージックステーションのHPにある、出演者たちの手描きのコメントが読める「アフターMステ」というコーナーで、平井はこんなことを書いている。「僕の引き際はいつがいいでしょうか?」…これは危機的状況だっ!引く気か?本気か?平井堅!?「フェイクスターを続けるのは無理。でもポップスターにもなれないなら…」とか、そういうことか!?……いかん、勝手に盛り上がってしまった。 
「fake star」のカップリングには、「POP STAR×fake star(MASH UP version)」を収録。二曲を合わせてリミックスしたものである。ポップスターとフェイクスターの間で引き裂かれる平井堅の苦悩を象徴しているような曲である。



『脳子の恋』

2007-09-14 07:15:53 | 漫画
松尾スズキ監修の季刊誌『honnin』を読んだ。宮崎吐夢氏の連載『本当にあった面白くない話』のために毎号立ち読みしている雑誌だが、今回はもう一つ楽しみな連載作品が。中川翔子が描いたホラー漫画『脳子の恋』、です。ついに漫画の連載まで始めてしまったしょこたん。この漫画には原作者が付いているので彼女のオリジナル作品ではないが、本人も「話が作れない…」と嘆いてたことだし、処女作は作画に徹するのがベストだろう。ただ原作者の井口昇氏は・・・AVの監督じゃねーか(笑)!松尾スズキの過去のエッセイに名前が出てきたので彼の事はなんとなく知ってはいたが、なかなかハードな作品をお撮りになられているようで…。ちなみに松尾も彼の作品にチョイ役で出演したそうだ。刺激だけを求めてAV観てる人には問答無用で「早送り」されてしまうような場面にちょろっと出たらしい。そこで松尾は「どーせ早送りされるんだから、ふざけた演技しちゃえ」ということで、「俺と別れてくれ」というセリフを「俺と別れてペロンチョ」と言い換えるなど暴走。監督の井口氏もそれをOKにするという脱力ぶり…ってかなり脱線してしまった。そう、AV監督が原作者なもんだから、まぁ、普通の漫画ではないわけです。
しょこたんの絵はブログで度々紹介されてるが、こういうストーリー漫画(24ページ)の形で見るのは初めて。絵は、漫画の素人としては上手いが、プロの漫画としては……って感じ。あれだね、週刊少年ジャンプの新人作家の漫画みたいだね。少年マガジンやサンデーの新人の絵はデビュー作ながらもある程度のレベルを保っているが、少年ジャンプの場合、たとえ絵が下手でも、他に何か一つでも長所があれば雑誌掲載させるじゃん。ギャグの勢いがいい!とか、ひたすら熱い!とか。現在活躍してるジャンプのベテラン作家とマガジン・サンデーのベテラン作家のデビュー作を読み比べてみると、ジャンプ作家はマガジン・サンデー作家より明らかに絵のクオリティが劣る(例外:鳥山明)。でも勢いだけは良くて面白い。しょこたんの今回の漫画もそんな感じである。楳図かずおの影響を直で受けた絵柄ではあるが、主人公の女の子は色っぽくてとても可愛い(サービスカットも満載)。ページによって女の子の顔が変わったりしているものの、勢いがあるのであんまり気にせず読ませてくれる。絵柄の古臭さも気にならないぐらい、ノリと勢いで描いてるよコレ。でも構図とかもっと工夫して欲しいな。ページ数が足りなかったのか、後の方は無理矢理詰め込んだ感が否めない。某キャラの登場シーンにもっと大きなコマとページ数を使って大胆に見せてくれるともっとよかったかも。

季刊誌なので続きが読めるのは12月。まぁ、忘れたころに出るのだろう。『脳子の恋』、注目である。


TIME SLIP

2007-09-13 08:23:22 | L'Arc-en-Ciel
ラルクのライブDVD『15th L'Anniversary Live』を手に入れた。昨年11月25・26日に東京ドームで行われた、結成15周年を記念して行われたライブ。そのライブの二日目の模様を完全収録、さらに、初日にだけ行われた曲も余すところなく収録した豪華DVDである。「タイムスリップして15年の歴史を振り返る」をテーマにした選曲は、ヒット曲の数々を網羅。さらに「これを嫌いなラルヲタなんていないだろ」というような名曲や、今日まで音源化されていないインディーズ時代の幻の曲までも登場。これ以上なにを望めばいいんだ!?というような、文句無しのセットリストである。さらに、殆どのラルクのDVDでバッサリとカットされているMCも今作ではきっちりと収録。貴重だ。全ラルヲタ必携だな。パッケージも可愛いしねぇ。白いケースに金色でロゴが刺繍してある黒のリボンが巻きついてる。ケースには苺と10匹の蟻のイラスト。オヤジギャグに徹しております。とにかく見所満載なので以下、まとめ。

[disc1]
●序盤の「Lies and Truth」「夏の憂鬱」「All Dead」にいきなり感動。初期ラルクの繊細な表情の曲が、現在の強度を増したタフなラルクによって蘇っている。「Lies~」から「夏の憂鬱」への繋がりの良さは失禁モノである。

●デビューアルバム収録「White Feathers」の「羽は広がらず落ちていく」の「落ちていく」の部分を歌うhydeが凄い。なんだあの声!あの部分だけリピートして何度も聴きたくなるような迫力。

●「本日はラルクアンシエルがご主人様に御奉仕いたします」という執事風のMC多数。執事っぽいお辞儀も連発。楽しそうだなぁ。

●「ご主人様も案外エッチが好きなようで」というMCに導かれ登場した「metropolise」のDVD収録が喜ばしい。今までずっと「隠れた名曲」扱いだったからね…。

[disc2]
●インディーズ時代に出たアルバムの中から「Dune」「Voice」、さらに一切音源化されていない「I'm in pain」を披露。「Dune」「Voice」はイントロが流れた時「まさかコレが聴けるなんて!」という歓声が上がっていたが、「I'm in pain」はよっぽどコアなラルヲタしか知らない曲なので、全く盛り上がっていないのが笑える。私も曲名ぐらいしか知らなかった。また、「タイムスリップ」がテーマなので、hydeはインディーズ時代着ていたような、白いドレスのような衣装を着ている。東京ドームであの格好をしたhydeが見れるなんてねぇ。ちなみに他のメンバーは普通の衣装。tetsuとかがデビュー当時の衣装着たら爆笑モノだから当然か。

●hyde、「Killing me」でステージを飛び降りる。慌てて追いかけるスタッフと、スタッフなど気にもとめずに客席と絡むhyde。客、狂乱。

●yukihiroがいつものポワンとした「ひらがな口調」で感動的なMC連発。感慨深いねぇ。

●tetsu、嬉々としながらもはや完全に色褪せた「ハンカチ王子」のモノマネを披露。

●hyde、ブレイクダンスを披露させられる。

●25日はyukihiro、26日はkenの誕生日が祝われる。この時期は二人の誕生日が見事にかぶっているのだ。サプライズで「♪happy birthday~」と歌うhyde。そしてドラム、ギターの形をした大きなケーキを、ラルクのあまり可愛くないマスコットキャラ・シエルちゃんが持ってくる。ラルクでは類を見ないような温かなムードに包まれ見ていて微笑ましい。自分が計画したのに「めでたいねぇ~…いいねぇ…誕生日かぁ…」としみじみするhyde。

●おそらく次のアルバムに収録されるであろう新曲「bye bye」もライブで披露されたが、DVDに収録されたのは途中まで。しかもyoutubeを彷彿とさせる映像・音声で収録。いきなり画面がyoutubeの画面みたいになっちゃって。…おあずけってことですね。

「1/2」

2007-09-11 20:18:41 | 音楽
youtubeで中川翔子が来週リリースするアニソンカバーアルバム第二弾に収録される、『るろうに剣心』オープニングテーマだった「1/2」のPVを見た。…良いじゃんこれ!!凄く良いよ?前回のカバーアルバムに収録された『ドラゴンボール』エンディングテーマ「ロマンティックあげるよ」を聴いた時は「うーん、あんまりハマってないな…」と思ったが、今回のはバッチリだと思う。ザックリとしたバンドサウンドとしょこたんの声が妙にハマってる。「空色デイズ」の時も思ったけど、この人の声とロックって意外に合うんだなぁ。というか、ロックに合うように努力して歌ったんだろうな。アニソンカバー第一弾を聴いた時、曲ごとに声の表情をきちんと変えてて「やるなぁ」と思ったが、あの時のように頑張ったのだろう。あのアルバムに入ってた曲はキラキラ打ち込みアイドルポップが中心だったが、今作では割とワイルドなアレンジだったりするのかな?収録曲は「1/2」「テレポーテーション~恋の未確認」しか知らないけど楽しみ。
…まぁ、私がしょこたん版「1/2」を気に入ったのは、原曲及び『るろ剣』に全く思い入れが無いからかもしれません。というかむしろ、原曲を歌う川本真琴さんのあの可愛らしすぎる声に、当時小学生ながらも嫌悪感を覚えました(笑)。忘れもしないよ、初めて彼女の歌声を聴いた時のことは。今から約10年前、NHK-FM「ミュージックスクエア」で彼女のデビュー曲「愛の才能」を聴いたのだ。「ミュージックスクエア」、最近は全く聴いていないのでよくわからないが、私が聴いてた96~97年頃は、チャートに入るようなヒット曲から少々マニアックな曲まで、幅広く邦楽を楽しめる番組であった。私がラルクを好きになるきっかけとなった「flower」「Lies and Truth」に出会わせてくれた、今の自分にとって、とんでもないぐらい重要な番組でもある。今でも普通に聴くバンド・スーパーカーやGRAPEVINEの曲に出会ったのも「ミュージックスクエア」が最初だった(実際好きになったのは高校生になってからだけども)。
で、川本真琴の「愛の才能」…そのブリッブリな声は一発で好き嫌いが分かれるものだろうが、私は本当にダメだったなぁ。独特過ぎる詞の世界観も受け入れがたく、「ありゃ~…苦手だ…ムリだ…」と。当時同じく好きになれなかった華原朋美と似たような嫌悪感を抱いてしまった。最近になってデビュー曲「愛の才能」が岡村ちゃんプロデュースだったことを知り、私の周囲にいる「素晴らしいはずの岡村ちゃんの世界にどうしても踏み込めない人」の気持ちが、逆説的によ~くわかったりしたね。
とにかくまぁ、私はしょこたん版をかなり気に入りましたが、繰り返すが、原曲及び『るろ剣』に思い入れのある人にとってはキツいだろう(そういう意味で前回の「ロマンティックあげるよ」は個人的にキツかった)。私は読んだことないしな、『るろ剣』。「1/2」についてちょろっと調べてみたけど、これは『るろ剣』の39話~82話のオープニングテーマだったんだね。同時期のエンディングテーマは誰が歌ってたんだろう………ってラルクかよ(苦笑)!!「the Fourth Avenue Cafe」。アニメを見ていなくとも、「あの事件」のせいでたった4週しか使用されなかったことはラルヲタならみんな知ってる。ちなみに使われてたのは39話~42話だってさ。でも、たった4週しか流れなかったのにしょこたんは覚えてたみたいよ。彼女が愛聴しているという『るろ剣』の全主題歌を集めたアルバムについて「ラルクさんのフォースアベニューが入ってないのが寂しい」とか書いてたし、ブログに(笑)。本気で寂しいのか、皮肉か、どっちだよ、コラ。

それにしてもあれだね、「1/2」の歌詞、「お前は人類補完委員会か!」とツッコミたくなるね。

っていうか川本真琴って、宇多田ヒカルと誕生日同じなのか!興味深いね。「1/2」と宇多田の「DISTANCE」って曲は、もう見事なまでに逆の思想を持ってるから。

「笑えばいいと思うよ」

2007-09-05 18:02:59 | 映画
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』を見て来た。平日だというのに映画館「109シネマズ名古屋」は物凄い人の群れ!さすがエヴァ、人気は衰えを知らないねぇ。大学生らしき人ばっかだったな。高校生もちらほら(学校は?)。いかにも「ヲタク」な人は寧ろ少なかったよ。そういえば映画館に隣接するライブハウスで今夜、元エグザイルのボーカリストがライブやるみたいだ。駐車場にツアーの機材積んだトラックが停まってた。


で、肝心の映画だが…エヴァを全く観たこと無い人でも普通に楽しめるし、バッチリ観た人にはまた別の楽しみもある。そんな映画だった。やたらと評判や興行成績がいいのは当たり前だね。
やっぱ「序」だけあって、大まかな流れはテレビ版と変わってなかった。映画見てて思い出したのだが、私、エヴァの序盤、あんまり好きじゃなくて。もちろん今回の映画の目玉である「ヤシマ作戦」は好きだが、そこまで思い入れのある戦いでも無いし………いやいや、でも面白かったぜ、映画の「ヤシマ作戦」。特に綾波レイファンには堪らないんじゃないかな。テレビとは違い、大画面で彼女をじっくり堪能できるんだから。
ネタバレになるから絶対言えないけど、衝撃シーンがいくつか。ていうか冒頭にびびったのだが……あれは、ストレートに受け取っていいのかな?他にもテレビ版を思い出しつつ振り返って行くと、物凄い秘密が浮かび上がってきそうな予感がしてならない意味深な場面が大量に。特にゲンドウの発言はいちいち怪し過ぎる。どっかに今作での彼の発言集ないかな。
あと…これは多分ネタバレじゃないから書いてOKだと思うけど、渚カヲル出て来た(事前に散々「出る」って煽られてたから出るのは知ってた)。またよくわからん事を喋っていたが、彼の発言を分析すると……とにかく随所に気になるシーンとセリフがあったんだけど、やっぱり今回の劇場版って……まぁいいや。
あ、宇多田ヒカルによる主題歌は超ハマってた、映画に。びっくりした。凄いシンクロ率だった。あれで最後に「残酷な天使のテーゼ」とかが流れたら絶対台無しになってたと思う。

今作「序」を見て、その続編「破」をとにかく早く見たくなった。最後に予告が流れたが、ばっちり出てたぜ、アスカ・ラングレー。予告見た限りではテレビ版とガラッとストーリー変わるようでかなり期待。…うん、予告見てる時が一番ドキドキしたな(笑)。そしてどうやら新キャラも出るようで……。

俺は熊

2007-09-04 14:07:53 | 日記
約一年前から宇多田ヒカルのWEB日記に頻繁に登場するようになった、彼女の私物の大きなくまのぬいぐるみ「くまちゃん」、可愛いなぁ…。去年、誕生日プレゼントとして貰ったらしいくまちゃん。元からぬいぐるみに話し掛けるクセがあったらしい彼女は、可愛いくまちゃんにも日常的に話し掛けまくり、日記にもくまちゃんとのやりとりを載せたりし始めた。初めて宇多田とくまちゃんの会話が日記に載った時はファンの間で「宇多田、大丈夫か??」と騒然となったが、今ではすっかり名物となっている。アップされてるくまちゃんの写真、めちゃくちゃ可愛いもんな。
ぬいぐるみにも関わらず、人格を持つくまちゃん。もちろんそれは宇多田によって作られたものだが、日記を読んでいると、まるで本当に生きているかのように思えてくるから不思議。妙に神経質で小さな事で落ち込むが立ち直りも早い、たまに毒舌で鋭い事を言う、体がでかい事がコンプレックス、枕が大好き…これがくまちゃん。そんなくまちゃんと宇多田のやりとりは、時に哲学的だったり時にバカバカしかったりと、目が離せない。更新された日記を読んで、くまちゃんが載ってないとがっかりしちゃう事も。最近はくまちゃんの写真を撮る事にも慣れて来たのか、本当、まるで生きてるかのようにポーズをセッティングして撮ったりしてるんだよな。レコーディングスタジオでのくまちゃんを撮ったやつは可愛いしおもろいし…機材の前に座ってるくまちゃんの写真。「え、今ミックス中?くまちゃん仕事もバリバリこなすのか…?」って感じで素敵でした。さすが元カメラマンの妻。
去年宇多田が全国ツアーを行った際は、「くまちゃんの旅日記~大阪篇~」などと、各地でくまちゃんの様子がレポートされた。宇多田とくまちゃんの珍道中…というか、くまちゃんはホテルにあるふっかふかな枕にしか興味示してないし(笑)。「大阪はいいところだね、ひかるちゃん。まくらさんがいるよ!」…こういうのばっか。でも、これでくまちゃんファンになったんだよなぁ、私。
このくまちゃんは勿論去年宇多田が出したシングル「ぼくはくま」を作るきっかけとなった。「夜はおやすみまくらさん 朝はおはようまくらさん」という歌詞はくまちゃんの枕好きから来ている。枕にすりよって眠るのが大好きらしいのだ。あ、宇多田本人も枕フェチとか言ってたな。やっぱ分身だ、くまちゃん。
先週発売の「オリコンスタイル」掲載のインタビューでは、宇多田がくまちゃんへの想いを詳しく語っていた。「くまちゃんに出会って、初めて誰かに甘えることが出来た」という要旨の発言には「そんなに心の支えになってたのか、ぬいぐるみが…」と驚かされたとともに、彼女の数奇な人生に思いを巡らせてしまった。面白い人だね、宇多田さん。
というわけで、もしくまちゃんを見たこと無い人はぜひ宇多田の日記を見てみよう。初めは「なにやってんのコイツ!?」って思うだろうけど、それはファンですら思った事だから、ね。ちなみにくまちゃんの頭部周りは100cm!かなりでかいっす。