拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

先生、夢なら夢のままで構いません

2006-03-03 22:15:22 | 音楽
今日は陽射しがとても柔らかい。陽射しだけなら絶好のひなたぼっこ日和だが少し風が冷たい。時折突風が吹く。なので屋外でのんびりするのはムリ。でも電車に乗ってしまえば風なんて関係ない。平日の昼間、日あたりの良いガラガラの電車に乗り、こんな穏やかな時間に合うような曲をipodから選び、目的地に着くまでしばし憩う。
さて、今日電車の中で選んだ曲はたった2曲である。その2曲を延々リピートして聴いて過ごした。ラルクの「抒情詩」と小沢健二の「夢が夢なら」。
前者は去年の5月にリリースされた超ド級の名バラードである。聴いた瞬間「ちょっっ!何の前触れもなくこんな名曲出されても…受け止めきれねー!!」という状態になり、しばらくは冷静にこの曲を聴けなかったのを覚えている。イントロ無しでいきなり始まる歌。その歌のバックで穏やかに鳴っているオーボエの調べ。色気を醸し出し合いながら丁寧に絡みあう歌と演奏。「hydeの魅力を真に表すのはこんな壮美な世界観のバラードなんだ!」という作曲者kenの叫びが聴こえてきそうな、奇跡のような一曲である。今日電車に揺られながらこの曲を聴き、穏やかな気持ちをさらに冗長させられ、本当に心地よかった。逆に物凄く鼓動が高鳴っているときにこれを聴くとさらに高鳴るんだよな。気分が落ち着いてくるのではなく。自分にとってラルクの名曲とは、聴いた後に、聴く前に抱いていた感情をどんどん増幅させられる作用がある麻薬だ。関係ないけどこの曲プロモーションビデオも秀逸で。早くDVD化してくれないかな。
後者の小沢健二の曲は同じメロディーが連なり、だんだん曲が盛り上がっていくボレロ風の穏やかな曲。四季折々の風景を描写した歌詞が美しい名曲。この歌詞に、今日のような「電車で春うらら」気分にぴったりの歌詞がある。「岸辺に立つ緑若く5月/電車のガラスは涼しげなスクリーン/真っ白に嵩張る雲の流れ/映し川を越えてく私鉄」…この部分を今日みたいな日に電車でのんびり聴くと幸せな気分になる。さすが名作詞家小沢。
以上の二曲を延々リピートしていて、この二曲にはよく似たフレーズが出てくることに気づく。ラルクの曲の「夢なら夢のままでかまわない」と小沢の「夢が夢ならそれでも構わない」。歌詞の文脈を考えると二つは決して同じ意味で使われているわけではないのだが、ちょっとした発見をした気分。何気なく選んだ曲だったはずなのに。