拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

Trance ASIA vie PARIS

2008-04-30 19:22:12 | L'Arc-en-Ciel
気付いたらラルクのアジアツアー「TOUR 2008 L'7~Trance ASIA vie PARIS~」(長いってば!)がスタートしていた。4月19日に上海、26日に台湾。それぞれ16000人、17000人を動員したらしいアジアツアー。海外ライブだから情報が入りにくいし、中国語のホームページ見てもよくわかんないしでいまいちどんなライブかわからない。日本のメディアでも全然扱われないしね…。なんかでも、どうやら最近開設されたラルクの公式My spaceと同様、海賊風のデザインのステージセットらしい。海を渡るツアーだもんね。もぅ、相変わらず素敵じゃのう…。 
ライブを見た中国人が日本語で頑張って書いたであろうブログとかみてると微笑ましい。ていうか感動だよ。ラルク好きなあまり日本語を学ぶって偉いよ…。MUSICA編集長の鹿野もアジアツアーに同行してるらしいが、彼も「ラルクのライター」として中国のファンには有名らしく、声をかけられまくったという(スペシャで番組やってたから顔も知られてるらしい)。みんな通販とかでMUSICAをゲットして、隅々まで読みまくってんだってさ。海外でも評価される=優れてるとは言わないけど、こう、言葉の壁を越えて愛されるバンドって素敵ですよ、やっぱ。
あと海外で残ってるのは香港・ソウル・パリ。中でもメモリアルなパリ公演は、全国5箇所のシネコンで生中継されることが決定。真夜中の映画館でラルクのライブ…素敵だ!でもこれ名古屋飛ばしなのよ…。ミッドランドスクエアシネマという立派なシネコンがあるのにさ。おとなしくDVD化を待つしかない。
日本での公演は東京ドーム3daysと京セラドーム(大阪)2days。さすがにソールドアウトはしなかった模様。このご時世にドーム5回分はちょっとねぇ…。まぁでも、激戦だったホールやアリーナツアーの時と違って、行きたい人は全員行けそうな感じで良いんじゃないですかね。このライブ逃したら次いつ見れるかわかんないし、東京ドームライブの評判が良すぎたらあっという間に大阪の分は入手困難になるかも(その逆もあるだろう)。私は未だに迷っている。勿論行きたい。行くとしたら大阪だけど、大阪って遠くないけど近くもないんだ…。新幹線使えば一時間弱だけど金かかるし…チケット代自体が高いし…。学生にはきっついのさー。それに大事な試験の前だしね…しかしなかなか踏ん切りがつかぬ。答えが出ぬ。これがシャウアプフが言うところの思考の甘い罠ってやつか。
…でもまあ行かないわな。試験前だし。アリーナやホールツアーの思い出だけで生きてくよ。で、試験終了後にあるhydeのソロライブに、チケット取れたら行ってみようかと。全国6ヶ所のZEPPでそれぞれ6~8公演ずつライブをする、全46公演という狂ったスケジュールのツアーをするhyde。「行きたい人皆がチケットを取れるように」とこんなツアーを企画したらしいが、私はおっさんの体力が微妙に心配だよ、39歳なのに…(笑)。
というわけでラルヲタのくせにイマイチ盛り上れていない「TOUR 2008 L'7~Trance ASIA vie PARIS~」。ラルク史に残る大イベントになるかもしれないけど、やっぱ地元にラルクが来なければ蚊帳の外だよ…。でも、アジアのファンは、ずっとこんな歯痒い思いをしていたんだね…。

少年メリケンサック×少年レントゲンが見たい

2008-04-28 00:17:24 | 映画
宮藤官九郎が『少年メリケンサック』という映画を撮るらしい。宮崎あおい演じるロックに興味の無いレコード会社社員の女の子が、「少年メリケンサック」というオヤジばかりのパンクバンド(メンバーは佐藤浩市、木村祐一、ユースケ・サンタマリア)の全国ツアーに同行することになり…という、あらすじから既にドタバタコメディーの匂いがプンプン漂ってくる話である。
「少年メリケンサック」という映画タイトル&バンド名で私が思い出したのは、宮藤脚本の連続ドラマ『マンハッタンラブストーリー』に登場した「少年レントゲン」というヴィジュアル系バンドだった。塚本高史演じる喫茶店のウエイターがプライベートで組んでるバンドで、バンドのコンセプトは「人体実験された美少年」。曲は聖飢魔Ⅱ×初期Xみたいな、悪ふざけとハードコアの間を横断する変なバンドだった。ライブを「ギグ」ならぬ「オペ」と称し、「只今からオペを開始する!我々は、少年レントゲンだぁ!!」と絶叫してライブスタート。以下、歌詞を抜粋(もちろん作詞・クドカン)。

霧の立ち込む森の病院
ここは少年レントゲン室
夜が紅に染まる時
人体実験の儀式が始まる
さあ吸って吐いて息止めて(少年レントゲン)
お前の心写してやる
さあ吸って吐いて息止めて(少年レントゲン)
お前の全て壊してやる

ドラマが放送されたのは2003年の秋。当時は「うわ、今時ヴィジュアル系か…懐かしいなぁ(笑)」なんて言って笑ってた。2003年前後って、90年代に興ったヴィジュアル系ブームは完全に沈静化してたし、多くのバンドはアンダーグラウンドに潜り込んでいた。代わりに流行ってたのはブルーハーツリバイバルみたいなパンクやメロコア系バンド、バンプやアジカンのようなギターロック、それからヒップホップ勢で、ヴィジュアル系バンドの入る隙間は無かった。世間はヴィジュアル系の存在を忘れた、又は二度とオーバーグラウンドで受け入れられることは無いと思っていた。売れてないわけじゃないが、アングラで手堅くやってくんだろうな、と。現在のような「ネオヴィジュアル系ブーム」が興り、彼らにもう一度スポットライトが当たる日が来るなんて誰も思ってなかった。LUNA SEAやXが再結成するなんてことも、2003年当時は考えられなかった。このような「ヴィジュアル系・冬の時代」にラルクが活動休止してたり、Gacktが「ガックン」としてお茶の間でブレイクしてたりするのって、実は凄く興味深かったりして。
映画『少年メリケンサック』の制作発表を見た時、私は「オヤジパンクバンドかぁ…面白いんだろうけど、どーせバンドが出てくる物語だったら少年レントゲンみたいなヴィジュアル系を出して欲しかったな(笑)」なんて思ってしまった。だってオヤジもパンクも、クドカンと関係が深すぎる、というか既視感がありすぎるもん。若い女の子×オヤジ集団という組み合わせは同じクドカン作品で、田中麗奈がオヤジ達を率いてラクロスする『ドラッグストアガール』再び、という感じだし、みうらじゅん原作作品の脚本を担当した『アイデン&ティティ』はパンクバンドが苦悩する作品。さらにクドカンが俳優・脚本活動と平行してやっている、「君にジュースを買ってあげる」という曲で紅白出場まで果たしたバンド「グループ魂」はパンクバンド。…で、少年メリケンサックもパンクバンド。なんとなく新鮮味に欠ける…。
しかし、抜群のコメディセンスを持つクドカンが、彼の人生に全く縁が無かったであろうヴィジュアル系バンドを描く、とかだったら凄く興味がある。『マンハッタンラブストーリー』の「少年レントゲン」と宮崎あおいが絡むなんて超気になるじゃないか!……まぁ、ここでこんなこと書いてても仕方ないですが。対バン相手とかで奇妙なヴィジュアル系バンド出てきたりしないかなぁ…。 

STARLESS NIGHT

2008-04-25 09:03:06 | ライブ
4月23日。友人に誘われ、GLAYのライブ「HIGH COMMUNICATION TOUR」に行って来た。私は生粋のラルクファン故にGLAYは初体験。GLAY、代表曲ぐらいしか知らないし、行く前はちょっと心配だったが、いざライブが始まれば難無く楽しめた。やっぱこれくらいのバンドになると、よっぽど嫌いじゃなければ楽しめるライブが出来るのねぇ。ミスチルとかもそうだった。今回のライブ会場は1月にラルクがやった日本ガイシホール。一時期は同系統のバンドとして煽られていたGLAYとラルクだが、ライブの雰囲気は正反対と言っても良いぐらい違ってて、とても興味深かった。以下、所々でラルクと比較しつつライブの感想を。
開場前、ガイシホールの周囲に集まってた大量のGLAYファン。ファンの服装はラルクの時とそんなに変わらない…いや、ラルクの方が変なコスプレ多かったかな。年齢層はGLAYの方が幅広い。30代~40代くらいのファンも結構みかけたし、親子連れも多い。私の前の席には、孫に連れてこられたらしきおばあさんの姿も…。会場に入ると、BGMでハウスやテクノが鳴ってた。ビースティーズの「Fight for your right」のリミックスが何度も流れてたのが印象的。席はスタンドのPブロック。ステージの右側(TAKURO側)、ステージの右端がすぐ目の前にあった。機材とか丸見えだ。ステージセットは硬派…というか簡素。ラルクのようにシャンデリアが吊ってあったり、階段があったりビロードカーテンがあったりソファーがあったりはしない、シンプルなものだった。席に着いたら、私の後ろの席の子達がTERU、TAKUROとhydeの共演話で盛り上がっていた。「てっこ(TERUのあだ名らしい)が歌ったHONEY超上手かったよねー!」だってさ。
やがて客電が落ちてライブスタート。いきなりノリノリの客席。やべ、一曲目から知らない曲だ!というか今回のライブ、知ってる曲「誘惑」「HOWEVER」「サバイバル」「BEAUTIFUL DREAMER」だけだったんだよな(笑)。でも楽しかったけど。ノリノリの曲ばっかだったから取りあえず腰振って横ノリで踊ってた。「明らかに縦ノリだろ」って曲も、ラルクの時みたいにリズム隊に合わせて横ノリで。気持ち良かった~。あと、友人や周りの人をマネてGLAY名物(?)の手振りもやった。両手を掲げて前後に振るやつね。一曲目の時もサビでそれやったんだけど、GLAYのライブって、ノリの良い曲の時、サビ部分で必ず客席に明るい照明がブワーっ!て当たるのな。ラルクだとたまにしか客席に照明当たらないけど、GLAYは頻繁に明るくなる。で、明るい照明の中、見下ろしたアリーナ席の様子は…波打ってる!数千人の手が揃って波打っててびびったぜ。ちょっと恐かったぜ。
三曲目「誘惑」の時、友人の身にハプニングが。なんと席の横の階段を数段ズダダダダっと滑り落ちてしまったのだ。後で事情を聞くと「JIROばっかみてて足元見てなかった!!」とのこと。本物や、本物のGLAY狂や…。「誘惑」終わってTERUのMC。熱い。曲のテンションそのままに、熱いフレーズやファンへの感謝の言葉を連発するTERU。対してhydeはユル~いテンションで淡々と喋る。本当に対照的だなぁと思った。
MCの後は数曲バラードを披露。「HOWEVER」聴きながら、「この曲が『カラオケで女の子にウケる曲』として重宝された時代もあったんだよなぁ」なんて思った。ちょうど、今で言うEXILEみたいな(笑)。バラードが数曲披露された後、フワ~~っとシリアスなシンセが鳴り始め、それに乗せてTERUがまたMC。その第一声が凄かった。「1994年前…」……知らねえよそんな昔の事。GLAYのデビューが1994年だから、その頃の事を語ろうとしたわけだが、初っ端で噛んでしまった。「でた!TERUの天然発言!」と思ったが、雰囲気がシリアスだからおもいっきり笑えなくて歯痒かった…(笑)。
中盤には、コール&レスポンスをしまくるコーナーが。ライブ名が「HIGH COMMUNICATION」だけあって、客とGLAYが密度の濃いコミュニケーションをするのだ。これはラルクのライブじゃ有り得ない。TERUの呼び掛けに手を挙げてガンガン応えるオーディエンス。熱い…しかし私はだんだん疲れてきた。やばいぞ、二の腕痛い。しかし終わる気配の無いコミュニケーション…。やがてTERUが、ライブの定番っぽい「STARLESS NIGHT」という曲のフレーズを客席に歌わせる。知らない曲だったが、わかりやすいメロディーだったので一緒に歌う…腕を振りながら。
以降はノリノリの曲連発。会場のテンションは上がる一方だが、私の体力は普通にヤバかった。あぁ、みんな元気だな。ずっと踊り続けてるのに。「そ、そろそろバラードでクールダウンしたいなぁ」なんて思っても、次々にノリノリナンバーが…。ラルクのライブだとここまでテンション高い時間は続かないもんな。適度にバラードやミディアムやヌルいMCが挿入されるもん。あぁ、腰と二の腕と足がぁ……すると、「お前ら!自分の限界を自分で決めるなー!」とTERUがシャウト。…サ、サーセン…。結局中盤のバラードのパート以降、走りっぱなしだったと思う。ラルクで言えば、「Driver's High」と「Killing me」と「Pretty girl」がずっと繰り返される感じかな?

というわけで、とにかく大盛り上がりのライブだった。終演後、時計見たら3時間経っていた。…そりゃクタクタにもなるよな。でも楽しかった。ラルクファンのくせに、友人やファンにつられてメンバーの名前叫んじゃったりしましたし。「HISASHI~!」みたいな。かっこよかったよ。あと発音しやすいのよ、ヒサシって。ライブ後、外に出たら雨が降ってて、「あ、本当にSTARLESS NIGHTだ」と思った。

メンタルタフネス

2008-04-19 22:29:40 | 音楽
宇多田ヒカルが表紙のロッキングオンジャパンを買った。この雑誌買うの2年ぶりだ…。いやぁ、かなり面白かったな、宇多田。新作『HEART STATION』のインタビューの中でダントツの濃さ。とにかくインタビュアーの兵庫慎司、本当にグッジョブであった。鹿野淳のインタビューの10倍ぐらい興味深かったし、何より宇多田ヒカルの実像に、より近くことができていたと思う。

「くよくよしてちゃ敵が喜ぶ」(「Fight the Blues」)
「儚く過ぎていく日々の中で 気分のムラは仕方ないね」(「Beautiful World」)
「悲しいことは きっとこの先にもいっぱいあるわ」(「Stay gold」)
「上手くいかなくたって まあいいんじゃない」(「Kiss&Cry」)
「気になるあの子が突然留学」(「虹色バス」)

『HEART STATION』収録曲の歌詞は、ネガティブな事がそこらじゅうに転がっている事を軽やかに告げる。失敗なんてして当たり前だぜ、と。むしろしない方が変だぜ、と。世の中は悲しみで溢れているから、それらを避けて通ろうとしても無理。幸せになれると信じて歩んだ道も、不幸へと続く道かもしれない…残念ながらこれは全く不自然な事ではなく、普通の事だぜ、と。このような態度-ネガティブな事に対し、「まぁこんなもんでしょ」と受け流す態勢が万全な気持ち-で日々の生活を送る事が出来れば、非常にラクだろう。でもそれは普通なかなか出来る事ではない。人は誰しも悲しい事や嫌な事、面倒な事が起きないよう、無意識の内に願いながら生きてるはずだし、いざ事が起きたら「まぁ、しょうがない」では済ませられない。
しかし、幼い頃から奔放な母親に振り回され続け(離婚→復縁の繰り返し、せわしない東京とニューヨークの往復生活、「あの人は鬼だ!」と急に言い出す母親…etc)、自身のCDデビュー直後からはさらに激動の日々を過ごしてきた宇多田ヒカルは、何が起きても動じない強靭な精神力を身につけ、ついにその精神の集大成のようなアルバム『HEART STATION』を完成させた。ロッキングオンジャパンのインタビューでは、そんな変人・宇多田に対し「なんでそんなにタフなんだアンタ」ということを、凡人代表のインタビュアーがあらゆる角度から切り込み、宇多田が具体例をポンポン盛り込みながら説明していく、というやり取りが延々続く。相変わらずの頭の回転の速さに加え、離婚の顛末や「あれ?ぼくのティンティン……」という迷言までサラリと飛び出す無防備さは、さすが…。
ただ、こういった宇多田の精神世界について切り込んだ内容より画期的だったのが、インタビュー前半の、「なぜ自分でアレンジを始めたのか?」「そもそも、どうやってアレンジをしていく事を覚えたのか?」について。ずーっと謎だったのだ。作詞作曲に加えアレンジまで自ら手掛けるようになった宇多田に対し、どうして誰も彼女の音作りについて聞かないのか…。この点で今回のインタビュアー・兵庫はグッジョブなのだ。ロッキングオンという雑誌自体、ミュージシャンに対して歌詞の意味や精神性を問うインタビューばかりで、「編集部の人って具体的な音楽制作の知識一切無いのか?音楽雑誌なのに…」と常々思ってたが、今回は良かった。「特定のジャンルに属した音楽は作らない」という宇多田の曲作りの行程やこだわりが窺い知れた。本当に不思議だったのだ。キャリアを重ねる度に「これはR&B」「これはハウス」「これはファンク」等と定義出来なくなっていく、どんどん独自性を高めていく宇多田の音楽的変貌が。宇多田が「remix」とか「サウンドレコーディング」とかに出ててくれればアレンジについて色々語るだろうが、まぁ、登場しないしね。
宇多田ヒカルがアレンジを始めたきっかけは、『First Love』レコーディング中、プロのアレンジャーが自分の曲をいじってるのを見ながら、恐る恐る「もっとここはこうした方が…」みたいに突っ込みを入れるのに疲れたから、らしい。「15、16の小娘に、ある程度名の通ってるアレンジャーの人が、あーでもないこーでもない言われたら…」という気遣いに疲れ、全部自分でやることにした、と。これ読んで、『First love』には誰が参加してたのか、あまり聴かないこのアルバムを引っ張り出してきたらびっくり。「Automatic」は西平彰かよ!「Movin'on without you」は村山晋一郎か…。二人とも、エイベックス系を除けば、関わった事のないミュージシャンは居ないんじゃねーかぐらいの人…。そーか、こんな邦楽界の大物が関わってたのか、あのアルバムには。言うまでもないが、私は宇多田自身が制作の主導権を握り始めた3rd『DEEP RIVER』以降が好きですわ。

あ、今回のジャパンのもうひとつの目玉がhideラストインタビュー再録。再録なので当時のをそのまま載せただけだったが、「ピンクスパイダー」の表記がわざわざ「PINK SPIDER」に直してあった。なぜ。英語が正しいのかな?まぁ、必見ですよこれは。最近X JAPAN及びhideに興味持った人にとっては目からウロコだと思う。

Be Kind Rewind

2008-04-15 19:28:16 | 映画
『Be kind rewind』という映画が気になる。アメリカでは公開されるやいなや大好評。一日も早い日本公開が待たれる映画として一部で話題騒然の映画だ。
日本未公開だが、あらすじは既に明かされている。舞台はとあるビデオレンタル店。ある日、電磁波の影響で、店内に置いてある全てのビデオソフトの映像が消えるという大惨事が発生。これじゃ商売にならない!!困った店員たちはなんと、自力で有名な映画のパロディーのようなものを撮り、そのビデオを店に並べるという暴挙に出てこのピンチを乗り切ろうとする。映画の撮り方など全く知らず、予算だって全く無い店員が生み出す名作映画の「リメイク」の数々は抱腹絶倒。アルミホイルで作ったようなショボい衣装を身に纏った『ゴーストバスターズ』、小学生の工作並の仮装でウロウロする『ロボコップ』、段ボールで作った紙芝居みたいな『ライオンキング』………
YOUTUBEで、この『Be kind rewind』の北米版の予告を見る事が出来る。素人が必死で作った低予算リメイク映画の面白さ、バカバカしさは予告編で充分窺い知る事が可能。この映画は、「CGに金をかけまくっただけの映画の何が面白いんだ?」ということをストレートに描いた作品なのだろう。映像技術の劇的な発達で、もはやCGで表現出来ないものなど何も無いと言われている。しかしながら、技術の進歩と映画の面白さは比例しない。迫力あるCG以外に褒める所が見当たらない映画は沢山あるし(『300』もCGが凄い映画だったが、あの映画のエンターテイメント性の本質はCGではなく、鍛え抜かれたスパルタ男子達の肉体と狂った精神力にある。誤解の無いよう注意されたし…って我ながらウゼー)、逆に今から見れば相当ショボい映像であるSF映画『猿の惑星』や『未知との遭遇』だが、作品自体の魅力は全く薄れてはいない。また、アクションシーンにCGを使わず生身の人間に委ねた『アポカリプト』も傑作だった。生身。生身の人間が繰り出す動きは、見せ方次第でCGを凌駕するのだ。いやぁ、予告編何度見ても笑える。なにあのショボすぎるロボコップ。作りはコント以下だけど、キレ味とインパクト抜群だ。
素人パワーの脅威、というのもこの映画のテーマだろうか。youtubeのおかげで、自作の映像を全世界に発信することが誰にでも可能になった時代である。ブログが流行りだした頃、「誰もが情報を発信する側、メディア側になれる時代」みたいなことを言われてたが、それよりもさらに発展している。youtubeに大量にアップされてる自作映像は、アニメの素材を編集して作った所謂MADやら、曲と曲を勝手に合体させたマッシュアップもの(モー娘×ライムスの「アマチュアリズムレボリューション」は名作!)、コピーバンドの映像など、素人の自己主張が爆発した珍品がずらりと並んでいる。大半はくだらないものなのかもしれないが、それでもたまに、キラリと光るセンスの持ち主に出会えたりもする(宇多田や安室、浜崎などの曲を英語に訳してカバーするアメリカ人、ソプラノリコーダーでラルク吹くブラジル人…)。そういった素人表現者たちのパワーが、『Be kind rewind』にも溢れてるはずなのだ。
主演は『スクールオブロック』がヒットしたジャックブラック。あの映画日本でもかなりヒットしたし、『Be kind rewind』の日本公開もそう遠くないかもな。

Be Kind Rewind trailer



これは過去最高の名作DVDかも

2008-04-12 10:33:15 | L'Arc-en-Ciel
ラルクのDVD『Are you ready?2007 またハートに火をつけろ!in OKINAWA』とシングル「DRINK IT DOWN」を購入。今回はDVDが2000円引きだったのでAmazonで買った。8000円が6000円になるのはデカい。
DVDは去年の夏のツアーの最終日・沖縄公演を収録したものと、ツアー中の名場面その他を集めた「全国津々浦々名場面集」の二枚組。最近のラルク、特に15周年ライブ以降のラルクは、ファンが喜びそうなポイントを熟知してて、そこを容赦無く突いてくる感じだ。特に名場面集はクオリティが高い。ツアー中に各地で起きたハプニングはファンの間で常に話題になってたが、そういうのが軒並み収録されてる。「すいません、ここまでやってくれたら文句無いです、服従します、はい」みたいな。あぁ、なにもかもがキラキラしている。
DVD見て、あらためてホールツアーの凄みを感じる。客席近い!ステージ狭い!今まで映像化されたラルクのライブの殆どがアリーナかドームのものだったからかなり新鮮。しかしステージが狭くても、それを彩るセットは、私が見た3階席からじゃ確認出来なかった細部までいつも通りゴージャス。床一面に敷き詰められたピンク×黒のチェッカーフラッグ(スピーカーなどの機材にまで被せてある)、天井からぶら下がる二つのシャンデリア、名物の階段セット、クラブのVIPルームにありそうな黒いソファー…狭くて濃い、極上のエンターテイメント空間。
今回見ていて衝撃だったのがhydeの腰フリ。「SEVENTH HEAVEN」や「Pretty girl」など、横ノリでガンガン踊れる曲で、ここぞとばかりくねっくね踊っている。ビヨンセ?ブリトニー?ファーギー?今まではスタンドマイクにしがみつくようにして歌う事が多かったhydeだが、今回からはスタンドを取っ払ってハンドマイクで歌っているため自由にくねくねできるのだろう。時に客席を、時にステージ袖のスタッフを、挑発するように、舌をレロレロさせながら悩ましげにくねくね。38歳(当時)とは思えぬパフォーマンス。ラルクをよく知らない人は「え、hydeってこういうことするのか…」と驚くかもね。
ツアー「またハートに火をつけろ!」では、アルバム『KISS』収録曲が発売に先駆けてバンバン披露された。私が行った時は「DAYBREAK'S BELL」や「雪の足跡」「砂時計」などが披露された。当たり前だが初めて聴く曲だったから自然と棒立ちになって、曲の全貌を捉らえるのに必死だった。DVD化された沖縄ライブの観客たちも同様。アルバムリリース直後の冬ツアー「THEATER OF KISS」ではイントロのピアノが一音だけポーンとなっただけで大盛り上がりだったハードロックチューン「THE BLACK ROSE」の時も皆シーンとしてて凄く新鮮だ。
それにしてもhyde、本当に良い声だ。15周年ライブ以降、歌を丁寧に歌うことを心がけ始めたというhyde。「い、今頃かよ!!」という感じだが、そのおかげで歌唱力が頗る安定している。ライブでは常にキーを下げて歌われてた「NEW WORLD」も余裕で原キーで歌ってるし。正直、もう過去のDVDとか見る気にならないな、こんな素敵な歌を聴かされたら。困るのは、いち早く披露された『KISS』収録曲たちが、CDの数倍かっこよく叙情的に歌われてるということ。CDの音源じゃ物足りなくなりそうだ。
あー、とにかく本当に良いDVDだ。ラルクのかっこよさ、面白さ、ひねくれっぷり、もう彼らの魅力が惜し気もなく詰め込まれてる。ただ、残念な所が無いわけでもないけど。沖縄ライブ、完全収録じゃなくて。まだCD化されてない新曲「SHINE」「Bye Bye」がさりげなくスルーされてる。でもまぁ、今回はラルク名物のツアーグッズのCMが珍しく収録されてるから良いか。今回のDVD見れば、ラルクのライブがどんなものなのか完璧にわかるだろう。あと、名場面集、チャプター無くてびっくりした。60分もあるのに…適当な所で切ろうよ!この名場面集の感想はまた後日書こう。

 

Mステとか

2008-04-07 00:06:21 | テレビ
先日のMステ3時間。ラルクと宇多田ヒカルが出てたんでばっちり見た。ラルク最近3時間スペシャルの常連だな。毎回見てる気がするもんな、Mステ。多分4回連続で出てる。今回のスペシャルは、アーティスト達の初登場シーンを彼らの出身地別に分けて紹介する、という謎の企画が組まれていた。前は初登場シーンを50音順で紹介とかいうのやってたな。似たようなことやりすぎ…。最初、「出身地…?ラルクどうすんだ?ファンなら例えばhyde→和歌山生まれとか認知してるけど公式では一応メンバー全員出身地明かしてないし…」と思ったが、無難に結成した地・大阪出身として紹介されていた。…誰一人大阪生まれ居ないけど(笑)。以下箇条書で感想。

●電気グルーヴの初登場は「カメライフ」だったのか。「No」だと思ってた。昔電気が「スーパージョッキー」に出て「No」披露した時、歌ってる卓球の横でろくろ回して陶芸してた瀧が忘れられない。

●福岡出身のはずの浜崎あゆみがスルーされていた。過去の映像は封印してんのか?諸事情とかで。昔の方が可愛いよね、あゆ。ドラマ『未成年』のころとか特にね。

●私が住んでる愛知県生まれのアーティストは、Mステで紹介されたシーモ、スキマスイッチ、玉木宏、松平健、加藤ミリヤの他にノーバディノウズ、HOME MAID家族、THE ARROWSなど。地味だな。

●YUI、なかなか男前な顔をしてて吹いた。か、かっこいいぞ…。アイドル視されることもしばしばなYUIだが、いやいや、彼女はキリっとした男前な人だよね。

●GLAYのMステ初登場シーンは鉄板だ。TERUとTAKUROの髪形で必ず笑いが起こる。笑いと言えば嵐とSMAPも何度見ても面白いな。驚異のシースルー衣装の嵐、モロ光GEMJIフォロワーだったSMAP。

●ラルクの初登場は1995年の「Vivid colors」。まだhydeの髪が長くて女の子みたいだった頃だ。松任谷由実に「女の子より綺麗ねー」とか言われてた頃だ。映像見て「うわ、恥ずかしっ」みたいな反応してたhydeだが、tetsuとkenに比べれば全然良いですよ…。

●そのラルクの新曲「DRINK IT DOWN」最高ですな。アルバム『KISS』が非常に華やかでポップでカラフルな作風だったのと対照的に、新曲は結構ダーク。ダークな雰囲気を一気に切り裂く豪快なサビがまた良いんだこれが。

●ラルクのトークの時、hydeのマイクの調子がおかしくなり、裏方スタッフが慌ててる声が聞こえてきて笑えた。始末書だな。

●宇多田ヒカルが歌ったのはアルバム曲の「Prisoner of Love」。キー下げて歌ってたのが残念だなー。ドラマチックなメロディーの魅力が4割減くらいになっちゃってた気が。ていうかアルバム、これより良い曲あるのになー。ドラマタイアップが決まったから「Prisoner~」を歌ったんだろうけど、どーせなら「Fight the Blues」か「Celebrate」か「虹色バス」が聴きたかった。特にラルクの前で「虹色バス」歌うってのが、見てみたかったぜ。


■この日の深夜に放送された「音楽戦士」も見た。電気グルーヴとラルクが出たので(キューンレコードの2トップ…(笑))。「3分でわかる電気グルーヴ」という、ラルクの時と同じ、バンドの歩みを振り返る企画をやっていた。活動歴の長いバンドなら絶対面白くなるこの企画。ラルクも今回の電気グルーヴも、知ってるエピソードが多かったにも関わらずかなり笑えた。あれだ、ミュージシャン版「すべらない話」だ、これ。話術に長ける電気ならなおさら(本家「すべ話」に参戦してほしいなー)。番組後半には石野卓球が未だに大好きだというダンディ坂野が乱入し、「ゲッツ!」を披露して去っていくという珍場面も。生ゲッツを見て大はしゃぎしてる卓球、冷めた目で見つめる瀧…。 

「活字の電気は、こんなにも手に負えない」(帯より)

2008-04-04 00:09:58 | 音楽
電気グルーヴがロッキングオンジャパンで毎月やってる連載『メロン牧場』の単行本の新刊が先日発売された。2001年に第一弾が出て以来、7年ぶりの新刊は二冊同時発売。この連載は、電気の二人とジャパン編集長・山崎洋一郎が毎月くだらない世間話を延々するというシンプルな放談スタイルで、1997年1月から現在も続いている長寿モノ。…うわ、もう11年間続いてるってことか!1997年といえばまだ電気には「まりん」こと砂原義徳が在籍していて3人組だった。ピエール瀧はまだポンキッキーズのメンバーだった。「Shangri-La」が大ヒットしたのも、その勢いで出したアルバム『A』が50万枚を突破する大ヒットを記録したのも1997年。電気も出演者に名を連ねた第一回フジロックフェスティバルが、悪天候に見舞われ地獄絵図と化したのも1997年。あー、懐かしい。その頃からずっと続いてるんだねぇ。
2001年に出た『メロン牧場』第一弾は、1997年~2001年春までの連載+未公開放談が収録されていた。電気グルーヴの放談ゆえに死ぬほど笑えるのは当たり前。もう、2ページごとぐらいで笑えるので電車で読むのは超危険。瀧が出演した「世界ウルルン滞在記」裏話(インドネシアの山奥に行かされた)、卓球の暗黒の高校生活(超校則の厳しい私立男子校)、まりん見知らぬおばあちゃんを助ける、インタビュアー山崎洋一郎の前科話(薬物所持)、ヴィジュアル系バンド議論、第一回フジロックフェスティバルの裏話、第二回フジロックフェスには出演せず同じ日に開催されたポンキッキーズのイベントに出演した瀧の裏話、人の性格は「狩猟民族タイプ」と「食虫植物タイプ」の二つに分けられる件(瀧は狩猟民族、卓球と山崎は食虫植物。要は外交的に攻めるタイプかひたすら待つタイプか)…とにかく爆笑エピソード満載で、電気ファンでなくても十分楽しめる怒涛の内容。「ロッキングオンジャパンを買ったらまずメロン牧場をチェックする」という人も多いという。私も毎月立ち読みで「メロン牧場」をチェックしてます。

そんな人気連載の待望の続刊は2001年夏~2008年春までの連載分を上巻・下巻に分けて収録。爆笑エピソードだらけだが、今回の新刊で最大の見所はなんといっても上巻の「ピエール瀧、小室哲哉の結婚式に招待される」だろう。2002年の秋に大々的に行われた小室とglobeのKEIKOの結婚披露宴。出席者約1000人、テレビでも中継された豪華披露宴に何故か瀧が招待されたのだ(卓球は仕事で欠席)。瀧はネタ作りのつもりで、軽い気持ちで出席し、衝撃を受けた。広い会場にずらーっと並ぶテーブルの中で、彼が案内されたテーブルは会場のど真ん中。そしてそのテーブルには、globeのメンバーであるマークパンサーが居たのだ。さらに南こうせつ、KONISHIKIが同じテーブルという不可解な配席。焦る瀧。ダラダラと披露宴を見物するつもりが、そんな大物揃いのテーブルに座らされたおかげで終始テレビカメラが近寄ってきて恐縮してしまう。ふと横のテーブルを見ると、そこには安室やSAM、TRFなど小室ファミリーがずらり。…なぜマークパンサーはそっちじゃないんだ?後ろのテーブルはヤクルト古田や大魔神・佐々木などの野球選手がずらり。しかし何故か同じテーブルには芸人であるオール阪神・巨人の姿が…野球つながり?この披露宴を仕切ったのは吉本興業らしいし、シャレをきかせて席を決めたのかもしれない。しばらくすると会場が急にザワつく。人だかりの方に目をやると………YOSHIKIキター!しかもマークパンサーの隣に座った。YOSHIKI、南こうせつ、マークパンサー、KONISHIKI……ピエール瀧(笑)。数々の伝説を持つYOSHIKIと同じテーブルになりビビる瀧(ちなみにYOSHIKIは瀧より年上)。マークパンサーとYOSHIKIはなにやらワイワイ喋っているが、さすがの瀧もそこには入り込めない。するとYOSHIKIが「電気グルーヴのピエール瀧さんですよね?」と声をかけてきた!「お、俺の事知ってる!怖ぇ~!!」。なんか、電気グルーヴって芸歴も長くてもはや邦楽界の重鎮みたいな雰囲気すら漂うユニットだし(気のせい?)、二人のキャラも飄々としてて「怖いものなし、むしろ周りから恐れられてる」みたいな人たちだと思う。そんな中で、瀧がこういう恐怖体験(?)をするってエピソードはかなり貴重だと思う。さらに「僕電気グルーヴ結構好きなんです」……以降、まだまだ続く披露宴エピソード。この回は本当にクラシックだ。立ち読みの価値あり。でも笑いすぎ注意…。

掟ポルシェ a.k.a DJ YOSHIKI

2008-04-02 00:08:33 | 音楽
もう何日か経っちゃったが、Xのライブ、なんだか本当に凄いことになってたみたいだ。初日は開場及びライブ開始が二時間押し&YOSHIKI失神でエンド、だったけど、最終日は定刻スタート&かつてないくらいのストロングスタイルでガッツリライブをやり遂げる、という、チケット代は同じにも関わらず驚くべきクオリティの差があったという凄まじい復活劇。予定されてたセットリストが失神によって完遂されず、中途ハンパに終わってしまった初日の「破壊の夜」にしか行けなかった人(「破壊組」と呼ばれてるらしい。なんか、幼稚園時代からの幼馴染だったらしいYOSHIKIとTOSHIが在籍してたクラス?って感じね)は、最終日「創造の夜」の超豪華セットリストを見るたびに胸を痛めるのだろう。「同じチケット代(1万オーバー)なのに…格差社会…「破壊の夜」に破壊されたのは私の心…」。私のような外野の人間は「さすがX、やることなすことスケール違うねぇ!」とか笑ってられるけど、破壊組本当に気の毒だー。「10年ぶりの復活」の瞬間に立ち会えたことは凄く貴重だと思いますが。
もうしばらくたつと、各音楽雑誌がこぞってX復活ライブの特集記事を組むだろう。ヴィジュアル系専門誌はもちろん、ワッツインやCDでーたなどの情報誌系や、ロッキングオンジャパンでも特集が組まれるはずだ。これらの記事でも、おそらく初日の顛末は「いろいろ問題あったけど、まぁ、このムチャクチャぶりがXだよね」みたいな切り口で語られることだろう。メディアの人々には関係者席が用意されるから高額なチケット代なんて払ってないだろうし。逆に「二時間押しとはいかがなものか!」なんて糾弾する記事書いたら「わかってないなぁお前」って感じなのだろう。ロッキングオンが運営してる「RO69」というサイトには、いち早く二日目「無謀な夜」のライブレポートが掲載されてるが、それも「これがXっしょ!」みたいな記事だ。破壊組からすれば「ふざけんなよ!」って感じなのかな?うーん…。何しろチケット代がなぁ…普通に外タレクラスだもんなぁ。
そうそう、ロッキングオンといえば、4月19日発売号(表紙は宇多田ヒカル)に、今からちょうど10年前の春にロスで行われたhideのインタビューが再録されるらしい。「ピンクスパイダー」「ever free」リリースのプロモーションで行われたインタビュー。このインタビューが行われてまもなくhideが亡くなったためラストインタビューになってしまった、というものだ。hideが亡くなってすぐに発売された、彼が表紙のロッキングオンジャパン6月号。私は2年前に運よく中古で見つけて買ったけど、入手は未だ困難だろう。でもまたあの記事が日の目を見る。ロスでの近況、自信作「ピンクスパイダー」の解説、洋楽コンプレックスとの折り合いの付け方、今後の野望・展望、X解散とこれから…インタビュアーの山崎洋一郎相手に、物凄く楽しそうに語りまくっているよ。
何はともあれ、Xのライブは大盛況だった。Xファンも部外者も盛り上がった。Xとは全く関係ない、ヴィジュアル系とは何の縁もないライムスター宇多丸のラジオでも、J-POPだけをバンバンかけていくDJ MIXコーナーでXネタ炸裂だったもんな。ゲストの掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)が、DJしながら(=大好きなアイドルソングをかけまくりながら)上半身裸で高速エアドラム→失神というパフォーマンス(見えないのに…)。あー、バカ。
 

おそらく。多分。

2008-04-01 09:51:45 | 漫画
今週も面白かったな『HUNTER×HUNTER』。ゴン、凄く良い感じです。感情をコントロール出来ずに暴走してる感じが素晴らしい。ヒソカが見たらさぞ喜ぶだろう。「そうか、ゴンにとって大切な人を傷つければ彼は全力以上の力を出すのか◆」なんて味をしめるかもしれないけど…。なんか今週号読んでて『ドラゴンボール』のセル編のクライマックスの悟飯を思い出したなぁ。覚醒して父・悟空やセルを超える力を身につけた悟飯。悟空の「セルにとどめをさせ!」という指示をかわし、「まだまだこいつをこらしめてやらなくちゃ」という、かつて「良い子」だったのが嘘みたいなドS発言でストーリーを盛り上げた悟飯。あの時の彼の顔は作中No.1の好戦家・ベジータみたいになってたが、今回のゴンも通常モードとは掛け離れた顔をしていた。
人間を散々食い物にしてきた輩が、ある理由で人間の命を懸命に救おうとしている。ゴンが発した「ずるいよ」は、「お前最低な奴のハズなのになんでそんな善行してんだよ。遠慮無く戦いを挑めるように、もっとわかりやすい悪人でいてくれよ」という意味なのだろう。もの凄く勝手な発想。だが、かつてメレオロンと出会った時、「俺が裏切ってたらどうする?」という問いにシレっと「そしたら遠慮なく倒せる」と答えてたゴンだから仕方ない。この「遠慮なく倒せる」は、裏を返せば「悪人じゃなきゃ手は出さない」という事だろう。ゴンはおそらく生まれて初めて葛藤する。「コイツ絶対倒す!」「でもコイツ、今凄く良い事してるみたい…」…攻撃的な発言や身に纏うオーラの暴走は、後者の考えを必死で打ち消そうとする所から来てるのだろう。でも打ち消せない。じゃなきゃとっくに手が出てる。「畜生…」なんて言う前に殴ってるよ。…「おそらく」とか「だろう」とか「きっと」とか多いな。ゴンに怒られそうだ。
そんなゴン。「いくらなんでも暴走し過ぎだろ」「キルアに暴言吐き過ぎだろ」と読者に袋叩きにされてるようだが、ゴンはまだ子供だってこと忘れてんのかな。念能力は大人顔負けだが年齢的には思春期に突入したばっかり。そんな子が、頭にフッと浮かべるだけでオーラを増強出来るような仇敵と対面したら…ね。「子供だったら何やっても良いのかよ」とつっこまれそうだが、良いんだよ主人公なんだから。あの状況でピトーの要求やキルアの意見をすんなり受け入れる優等生・ゴンなんて逆に見たくないぜ。百戦錬磨のゼノやネテロとは違うんだから、ゴンは。さすがにキルアは少し可哀相だったけど。今回の件が無事に済んだら、二人共一気に大人になったりするのかな(精神的に)。グリードアイランドでは極悪人のゲンスルー達に「大天使の息吹」を使い、読者の共感を得難いリベラルな態度を見せたゴンだが、仲間が被害受けてる今回の場合はどうなるんでしょうねぇ。
そいえばキルアは今週号で意味深な表情をしていた。宮殿突入前、シュートに「消え入りそうな」と言われていたのとよく似た表情。「あの悲しげ無な表情…まさか死亡フラグ?」と当時騒がれてたけど、どうもそうじゃなさそうだな…。


追記
映画『靖国』、上映中止だって。どんな内容であろうと、上映してどんなトラブルが起きる事が予想されようと、「上映中止」だけはあってはならないよねぇ…。