拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

散財がとまらん…

2009-10-24 08:45:50 | 音楽
2003年の、cali≠gariの活動休止直前ライブを収録したDVD『休』を買った。「ライブでやった曲全てを収録というわけではない」「それどころか、曲が途中でカットされてる」「イントロ部分しか収録されてない曲もある」「とにかく中途半端過ぎる」…などなど、ファンやamazonでの散々な評価はもちろんチェック済だが、彼らの数少ない映像作品の一つだからどーしても手に入れたくて。私のように旧作を買い漁ってる新規ファンってどれぐらいいるのかな?復活特需は起きているのかしら。起きてるといいねー。
で、早速見た。「君が咲く花」「発狂チャンネル」の無残なカットのされ方は確かにストレスがたまる(苦笑)。ステージ上で繰り広げられた桜井青の女装パフォーマンスを収録した「新宿ヱレキテル」は、女装中のBGMとして淡々と、そして延々とタイトな演奏とコーラスを続けるリズム隊含めて爆笑モノだったか、やっぱり途中でカットされて唐突に「エロトピア」へ…。でも、ライブに一度も足を運ぶことが出来なかった私にとっては貴重な映像のオンパレードであることは確かなので、十分楽しめたけどね。「ブルーフィルム」本当いい曲だなぁ。「発狂チャンネル」と同じバンドの楽曲とは思えん。私は青さんの女装よりも、石井さんの変な衣装と髪型の方が印象に残りましたよ。12月には今年行われた復活ライブのDVD『従』が出るそうで。もう、超楽しみにしております。
隠し映像の、cali≠gariの覆面ヴィジュアル系バンド「La' royque de zavy(ラ・ロイク・ド・ザビ)」のPV「MOON LIGHT 白昼夢」も笑った。ルナシー以降に現われまくっては散って行った数多のV系バンドに共通する疾走するツインギター、歌謡曲仕込みのメロディーと、マヌケな歌詞(タイトルからして意味不明)が印象的な完成度の高いバカ曲。黒服と濃いメイクに身を包んだcali≠gariメンバーはそれなりに美形集団に見えて、改めて化粧の凄さを思い知った。
そういえば、このDVD、たまたま一緒に母親が見てて。最近はラルクのパリライブのDVDを見せてと言ってくるなど、私の趣味に少しずつ共感し始めたような母親だが、やはりcali≠gariは理解不能だった模様。「あんたやっぱり変なの好きだねぇ…」と言われしまった。そんなこと全然無いんだけど。
一緒にDVD見ながら、母親に「このギターの人はリーダーで、新宿2丁目在住のゲイだよ。この後女装もするんだよ」「この変な格好してるボーカルは群馬生まれで80'sおたくの元ヤンらしいよ」「ベースの人は早稲田の大学院まで行った坊ちゃんだよ」などと説明してあげながら、「変な連中が集まってるバンドだなぁ…」としみじみ思った。なんで一緒にやってるんだろ?って感じだよね。


下は、2002年に新宿コマ劇場で行われたライブの模様。普通演歌のステージとかやる所だが…。大がかりな舞台装置と変な曲がとにかく楽しい感じを醸し出します。


「MOON LIGHT 白昼夢」

ジャルジャルin『しゃべくり007』

2009-10-19 23:35:55 | テレビ
ジャルジャルinしゃべくり007。この番組にははんにゃ、しずる、フルーツポンチ、柳原、ロッチ、我が家と、レッドシアター軍団が定期的にゲスト出演していたが、ついにジャルジャルも登場(残りは狩野だけですね)。レッドシアター軍団の中で今の所最もキャラが希薄で、トークでしゃべくりメンバーと絡む様子が想像できなかったジャルジャル。でも、しゃべくりメンバーの執拗な福徳に対する「芦屋イジリ」のおかげで、番組はなんとなく楽しい感じになっていた。さすがしゃべくりメンバーですね。どんなゲストが来てもきっちり盛り上げるプロ中のプロ集団。クールに見えて触れたら大やけどする、青い炎のような(?)後藤のキャラにスポット当てるには時間が無さ過ぎるし、とりあえず、無色透明なジャルジャル相手じゃ、福徳のセレブっぷりぐらいしかイジリようが無いよなぁ。一方をイジり倒し、もう一方を「お前はイイ奴だよな」と持ち上げる様は、M1優勝後にしゃべくり007に出演したノンスタの扱われ方を思いだす。
番組を盛り上げるには、福徳を徹底的にイジるしかないと判断したであろう、しゃべくり007のボランチ・くりぃむ有田によるスパルタ教育(a.k.a荒療治…か?)を受け、ディープキス顔を披露させられた福徳。目を閉じて舌をペロペロ出し、名倉師匠に叱られる、という流れで笑いをとっていたけど、ジャルジャルのコントを沢山チェックしてるらしい有田は、彼らの傑作コント「熱烈KISS」における、福徳の生理的不快感を煽りまくるキス顔を期待したんじゃないのかなー…。
個人的にはbase芸人の先輩チュートリアルとの絡みが見たかったなぁ。ジャルジャルが一気に頭角を現したオールザッツ漫才2006の思い出とか聞きたかった。ちなみに徳井曰く「うちの妹の彼氏がジャルジャルの後藤だったら、スマートなお笑いの遺伝子が残る可能性があるのに…」。そりゃ、Bコースのナベよりは後藤の方がストロングな笑いの遺伝子もってそうだよね。それにしてもジャルジャル、東京進出を狙ってるくせに「しゃべくり007をあまり見たことが無い」ってのはいかがなものかですよ。忙しくて時間無いだろうけどさ、間違いなく今最も勢いのあるバラエティ番組なんだし、チェックしとこーよ。番組独特の約束事の数々や、着地点不明の見切り発車コントに至る展開は勉強になると思うぜー。
そういえばジャルジャルって、もう黒Tシャツ&綿パンの姿でテレビに出ることは無いのかな?しゃべくり007でも普通に小奇麗な服着てたけど、あのシンプル極まりない格好で変なコントしてる二人こそが最高にカッコいいと感じる私は、全国ネットのテレビでもそれで通して欲しいと思ってやまない。 

東方神起のDVD

2009-10-17 23:37:28 | 音楽
母親が東方神起のライブDVD『4th LIVE TOUR 2009 -The Secret Code- FINAL in TOKYO DOME』を貸してくれたので観た。今年の夏に行われた初の東京ドーム公演を完全収録したDVD。彼らのライブ映像をちゃんと観たのはこれが初めて。始まった瞬間驚いたんだけど、客席一面真っ赤なペンライトで埋め尽くされてた。ツアーグッズかな。ライブ中ほぼずっと無数のペンライトが客席で光ってるから、真っ暗闇になる瞬間が無い。結構新鮮な風景だったなぁ。ライティングとかは、このペンライトの光のことも計算して設計してるんだろね。
それにしても東方神起、タフガイぞろいだ。CDで聴く歌声は結構繊細に聴こえるけど、ライブでは熱い。特にユチョン。彼の野太いシャウトに軽くシビれた。『しゃべくり007』でのバラエティ番組への順応ぶりといい、ライブでのタフっぷりといい、つくづく私の中での株を上げるなぁ、ユチョン。
独特の日本語の発音で、バラードからダンスチューンまでどんどん熱唱していく東方神起。エイベックスのR&Bレーベル「rhythme zone」所属なので、曲の雰囲気はどれも「あぁ、エイベックスだなぁ…」という感じ、それこそオケだけ聞いてたらエグザイルとかの曲と区別がつかないぐらいなんだけど、彼らの舌足らずな日本語ボーカルが乗るとなんとも言えない魅力が溢れてくる。ここで他グループとの差別化をしてるんだね。タ行、ダ行、ザ行を含む単語の発音が特にツボですね。で、歌も熱けりゃ演奏も熱い。アッパーなダンスチューンでの生ドラム最高だったな。スリリングなシンセの音色が足されてドラマチックになった「呪文」は、勝手にあのライブのハイライトの一つだと思ってる。
そして熱唱しつつバシバシ踊る。コーラスが大きな売りであるグループなので要所要所にバラード曲が配置されているため終始踊りっぱなしというわけではないが、ダンス曲でキレのあるダンスをビシバシ披露したり、東京ドームという広い会場全体にアピールするため、バラード以外の曲では花道をあっちこっち動きまわったり。ライブ終盤には5人とも滝のような汗をかき、息を切らしながらMCをしている。この、疲れてる彼らもまた良い。終盤の、ラフな服装で、ヘトヘトになりながらも笑顔で客を煽ったりするサービス精神溢れる姿って、歌って踊るアイドルグループが真に輝く瞬間なんじゃないかとすら思うほどだ。思い返せばスマップとかもそうだもんな。汗だくのスマップの5人が、Tシャツジーパン、首にはタオルにかけて花道をダラダラと歩き(そして軽く小走りもしつつ)客席煽ったり手をふったりタオル振り回したりしながら「SHAKE」を歌う姿は、ちゃんとした衣装着てビシっと「SHAKE」を歌う姿よりも、何故だか観ていて私の胸を熱くさせる。もちろん客席だって最っっ高にアガってるしね。ヘトヘトになりながらファンフサービスを続ける東方神起にも、それと似たようなものを感じた。
バックバンドやバックダンサーたちを丁寧に紹介したり(「せかいてきぎたりすとぉー!」と、思わず平仮名で書き起こしたくなるような発音で紹介するジュンスわろた)、サプライズでライブ演出のSAM(もちろんTRFの)をステージにあげたり、深々とおじぎをしたり、ぽろぽろ涙を流したり(ユチョンが一番素直に泣いており、また株上がる)。ファンならずともグっとくる瞬間がいっぱいあった、東方神起初のドーム公演のDVD。契約問題で事務所とモメたり、やりたくもないであろうドラマの主演をやらされたり(演技の下手さをネットで叩かれるわ低視聴率だわで散々らしい。母情報)、本国の韓国では逆風が吹きつつある彼らだが、日本ではまだ追い風吹いてると思う。

cali≠gariを好きになり過ぎた模様

2009-10-04 20:12:12 | 音楽
最近cali≠gariの旧譜をせっせと買い集めている。6年ぶりの新作『10』と7年前に出た『第七実験室』で完璧にハマってしまい、週一でタワレコ行っては一枚ずつ旧譜を買う、みたいな日々である。今持ってるのは上記の二枚の他、『第二実験室改訂版』、『第六実験室』、『8』、ベスト盤『グット、バイ』、『カリガリの世界』。インディーズ時代に出た『再教育』『ブルーフィルム』とかも是非欲しいんだけど、プレミア付いてるようだし入手は厳しそうだなぁ。
それにしても。聴いてると本当にクラクラするぜ…音楽性の幅広さに。なんでもありにも程がある。武器持ちすぎでしょ。メタル上がりの確かなテクを見せ付けるベースとタイトなドラムの上で、変態的才覚を持つギタリストとボーカリストが好き勝手暴れてるバンド…という感じか?ロック、パンク、ノイズ、エレジー、フォーク、歌謡曲、ジャズ、テクノポップ、4つ打ちディスコにエレクトロニカなどなど、あらゆるジャンルに果敢に身を投じた結果、80年代アングラバンドみたいなよくわかんない、ジャンル分け無用の異形の音楽が大量生産された感じだ。…書いてて自分でもよくわかんないなぁ。私は聴いてて電気グルーヴの前身バンド「人生」や、ラルクのプロデューサー岡野ハジメが在籍してた80年代のバンド「PINK」を思い出したな。でも別に奇怪な曲ばかりじゃなくて、ストレートなビートパンクとか、胸を掻きむしるような切ないフォークソングもあったりして。
そんな雑多な曲たちを見事にまとめあげるボーカルがまた味わい深い…石井秀仁の声、低音は甘くて男らしくて高音は少年のように爽やか。さらに「これぞcali≠gari!」な、異形指数の高い曲では素敵な奇声を聴かせてくれる。誰もが一聴して「あぁ、ビジュアル系だねぇ」と思うような声だけど、私はこの手の声、絶対嫌いにはなれません。むしろ好みだ。
このバンドのソングライターは、ギターの桜井青とボーカル石井秀仁。二人とも全く個性の違う曲を量産していて面白すぎる。バンドの世界の核となっているのは、リーダーでもある桜井青の世界である。高校時代に『聖闘士星矢』のやおい小説を執筆し、萩尾望都や竹宮恵子、ペヨトル工房発行の雑誌を愛読し、ゲイであることを公言するなんとも強烈な人。ノスタルジックなメロディーと狂気が交錯するこの人が作った曲は拒絶か病み付きか、どちらかに人をスパっと分けるだろう。歌詞は異世界へ誘う過激なものから涙腺を刺激するものまでこれまた幅広い作風。対して、洋邦ニューウェーブオタクらしい石井秀仁(嬉々としながらaunt sallyというバンドの曲をラジオでかけてるのをニコ動で聞いた。怖いよ)の曲はダンスミュージック街道まっしぐら…でもないけど、捻くれまくりセンスが光る踊れるポップスが多い。あぁ素敵。しまいにはこの人のソロユニット「GOATBED」のCDまで買い漁ってしまいそうだぜっ。ちなみにこの石井さん、パフュームあーちゃんの妹とテクノユニットやってて、ロマンポルシェなんかとイベントで競演したりしてるようですね。そのユニットは、ライムスター宇多丸のアイドル時評「マブ論」でも論じられてたからボーンヤリと知ってたけど、まさかcali≠gariと宇多丸に間接的な繋がりがあったなんて思わなかった。宇多丸師匠も聴いたりするんでしょーか、cali≠gari。

以下、好きな曲を貼っておくのでぜひぜひ。他にも名曲迷曲奇曲あるけどよぉ。

●発狂チャンネル
イチオシ曲。職業柄、聴いてるとなんとも言えない気持ちに。今年出たベスト盤のブックレットでは「羊水が腐ってしまったのですよ」という歌詞の「羊水」が伏字に。ナイス判断。


●せんちめんたる
ベースかっこいいギターロック。たっぷり落とすBメロと二段構えのサビがたまらん。


●エロトピア
ねっとりしつこい魅惑の名曲。


●禁色
タンゴ。


●ブルーフィルム
反則級にグっとくるギターロック


●スクールゾーン
朝、全く元気の無い子どもを見かけるとこの曲を思い出す。


●-踏-
あー良いなぁ(笑)