拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

ラルクとニューイヤーー/消費中

2010-10-30 10:43:49 | 活字全般
初めてプログを一カ月以上も放置してしまった。twitterではそこそこ呟いてるんだけど、こっちはどうしても長文書かなきゃいけない気がしてなかなか記事書けなかったなぁ。とりあえず近況をだらだら。

●来年の1月1日のラルクのライブ「20th L'Anniversary Starting Live“L'A HAPPY NEW YEAR !”」のチケットを無事ゲット。こんな素敵イベントに行けるなんて嬉しすぎる。でも今回のFC限定の一次先行予約、一人1枚しかチケット申し込めなかったので、連れの分がまだ確保できていない。もし二次で取れなかったら一人で幕張まで行くことに…。まぁ、大人なんだし、一人で幕張ぐらい行けないでどーすんのって感じだよな。年始をラルクと共に迎えられる喜びを味わえるのなら、一人幕張ぐらいなんのその、ですよ。あぁ、でも関東って行き慣れてないんだよなぁ…。関西方面はまだ良いけど、関東には本当に縁が無い。修学旅行で行ったのと、ディズニーランドに何度か行ったぐらい。年末年始の幕張を何度も経験済のGLAYファンの友人から情報を沢山入手せねば。

●友人の結婚式の二次会のビンゴの景品でお風呂グッズを沢山もらった。その中にバスピロー(風呂用枕?)が入ってたので、最近それを利用して長風呂している。長風呂のお供は本。おかげで、買ったけど読まずに積まれてた本をサクサク消費できている。「面白そう!」と思った本はすぐ買うけど、今まで全然読めてなかったのだ。以下、最近読んだ本の感想をtwitterからまるごと転載。

◆『「テクノ歌謡」ディスクガイド』。Perfumeブレイクで高まったテクノポップ再評価機運に乗って出た、70年代~現代までの国産テクノポップ曲のガイド本。2005年リリースのコンピレーションアルバム『イエローマジック歌謡』『テクノマジック歌謡』を聴きながら参照するための本。

◆恩藏茂著『FM雑誌と僕らの80年代―FMステーション青春期』。80年代、FMラジオから曲をテープに録音して楽しむエアチェックが盛んだったころの、FMラジオ専門誌の編集長の回想録。私も小学校の頃、NHKFM「ミュージックスクエア」から色々録音してたな。その時ラルクに出会ったんだ…。

◆半藤一利著『15歳の東京大空襲』。タイトル通り、15歳で東京大空襲を経験した著者による回想録。反戦的だった著者の父ですら神棚に深々と頭を下げるほど、日本中が大盛り上がりだった真珠湾攻撃から、終戦まで。

◆桂歌蔵著『前座修行-千の小言もなんのその』。売れないバンドマンから心機一転、桂歌丸に弟子入りし、落語の世界に飛び込んだ異色の経歴をもつ桂歌蔵の自伝的小説。リアルな恐怖エピソードの数々を読めば、自分も歌丸一門に入門したかのような疑似体験ができる。

以上、スルっと気楽に読める本ばかり。風呂入りながら難しげな本読みたくないもんな。そういった本を消化できるのはいつだろうか…。

学びたい(倫社と現国ではなく)

2007-04-25 02:08:45 | 活字全般
私は「名刺」というものを持っていない。しかし今なら岡田あーみんの漫画『ルナティック雑技団』とともに、「わたくしこういう(物を好む)者です」と、この本を名刺代わりに差し出すだろう。松尾スズキ著『この日本人に学びたい』。松尾スズキがその独自の観察眼で毎回一人の著名人を分析し、その生き様を通して強引に何かを「学ぶ」というコラム集である。飯島愛から「過去を清算する生き方」を、松本人志から「動物だったら死んでいる、人間ならではの生き方」を、知念里奈から「沖縄の少女の悲哀」を、坂井泉水(ZARDの人)から「過去の積み重ねで今がある」ということを、…なんか間違ってるかもしれないがとにかく。著名人たちを毒のある、しかし愛のこもった視線で見つめ、その生き様から学びどころを探し出し、賞賛していく傑作コラムなのである。その中でも、前述の松本人志の回と、97年に神戸で起き、世間を震撼させた児童連続殺傷事件の犯人であり14歳の少年・通称「酒鬼薔薇聖斗」の事を扱った回は秀逸である。
前者では、人間が生み出した文化を「勉強もスポーツも出来ない奴が輝ける唯一のシステム」と位置づけ、芸の道という、他の動物には無い、人間の世界にしか無い道を歩く人々を賞賛する。もしもヒト以外の動物に生まれたならば、獲物を捕らえる技術・体力、若しくは狩りを指揮する知力なども無く餓死する。しかし人間に生まれたということで、人間だけが持つ芸術の世界で己の才能を開花させることができた人々。子供の頃から勉強が得意ではなく、体も弱かったという松尾自身はもろにこのタイプの人間であり、「(人間に生まれたから)私もなんとか生きている」と宣言している。そして、同じく勉強・スポーツが苦手だったお笑いエンペラー・松本人志を「動物だったら死んでる業界のトップランナー」とし、ついでに『新世紀エヴァンゲリオン』の監督・庵野秀明氏を「動物だったら死んでる業界の重鎮」として讃えている。かなり笑える上に、松尾スズキの「芸術」に対する真摯な思いが伝わってくるようで胸が熱くなること必至。
後者では、連続殺傷事件の犯人が逮捕される前、松尾の大学の同級生で、「サカキバラセイト」という名前の親友を持つ青年にまつわる衝撃のエピソードを聞き、「そいつが『あの事件』の犯人じゃ!??」と当時本気で戦慄したことを回想している。しかし結果的に捕まったのはご存知の通り松尾の同級生とは全くもって関係の無い14歳の少年。同級生に聞いたエピソード、全くもって無関係。はっきり言って、そのエピソードに出てきた青年が捕まった方が物語性がきちんと成立しているのにも関わらず、無関係だった。松尾が聞いたエピソードの他に世間レベルでは当時、事件との関連性がささやかれた事象がバンバン浮かび上がった。「小学校周辺をうろついていた南京錠を持った男」「ゴミ袋を持った鋭い目つきの男」…事態はさらに飛び火し、「薔薇」つながりで、「犯行声明の引用元と思われる曲の歌詞を書いた『鬼薔薇』いうバンド」「『薔薇族』という雑誌」にまで関連性が囁かれる。しかし、犯人逮捕後、これらの噂はいつのまにやらすっ飛んでしまった。このことから、現実に起こること全てに関係性・意味性があるとは限らない、関係ありそうに見えて実は皆無であるということを松尾は学びとる。学びとるというか、松尾の表現の根底にあるものは多分それだ。そして、そんな関係ない「ノイズ」のようなものに溢れて混沌としている状態こそがリアルであり、意味の無い事象をカットすればするほど物事はリアルから離れていく、と説く。そして、自分はノイズ混じりである真のリアルを描く作家でありたい、と宣言する。

「つくづく、ドラマ作りとはリアルから『ノイズ』をカットしてすっきりさせる作業なのだなぁと考える」
「ノイジーな部分をカットするということは、事実を口当たりよく歪めることになる」

これらの発言は、己の作品でリアリズムを追求しようとする表現者―小説家でも漫画家でも劇作家でもなんでもいいんだけど、そういう表現者を目指す人にとってかなりのヒントになってる気がしないでもない。あ、ヒントにしちゃダメか?まぁとにかく、リアルというものを考える際の良い指針にはなると思う。
「この日本人に学びたい」、お得な文庫版も知恵の森文庫から出てるので、是非読んでみて欲しい。というか文庫版の方がおすすめ。文章中に大量に登場する固有名詞に細かい注釈がついているのだ。劇団大人計画に所属する宮崎吐夢氏によるその注釈、わかりやすい上に笑える。彼は昔、毎日「徹子の部屋」を見て絵日記をつけていただけあって芸能情報にかなり詳しいのだ。注釈まで笑える本…。以下秀逸だと思った注釈を引用して今日の記事を締めたいと思います。それぞれ、割愛したりせずそのまんま引用してます。

安室奈美恵…友人の結婚式にSAMの実弟が来ていたので、司会をしていた私(宮崎)が「『CAN YOU CELEBRATE?』を唄ってくれませんか」と頼んだらアッサリOK。あまりのガードの甘さと人柄の良さに驚きました。 
『うなぎ』…今村監督も、もっとスゴイの何本も撮ってるのにコレといい『樽山節考』といい……日本人にとってカンヌというものがわからなくなる、そんな一本。
『デビルマンレディー』…「なんでいまさら?」という疑問を、「なぜウーマンではなく『マンレディー』なの?文法的にはあってるの?」という大疑問でねじ伏せて、もはや内容までああだこうだと言うとこまではいかなかった、いかさなかった作品。
『ジュラシックパーク』…映画。数億年前、恐竜の血を吸って、そのまま琥珀に閉じ込められた蚊からDNAを取り出してクローン技術を駆使して恐竜を作ったら、アー!こんなハズじゃ……みたいな話。
庵野秀明…シーサー似。

元同級生が語るダウンタウン―実は「日本一面白い人」だった友達

2006-09-04 23:51:37 | 活字全般
ダウンタウンの松ちゃんと売れっ子放送作家高須氏による深夜ラジオ番組「放送室」。信頼のおける仕事仲間でありながら幼なじみでもある二人が毎週一時間ぶっ通しでのびのびとトークするこの番組では、度々故郷・兵庫県尼崎市で過ごした青春時代の思い出のエピソードが語られる。運命の相方・浜ちゃん、そして松ちゃんのもとに集った個性豊かな同級生たちと繰り広げた思い出話はどれも爆笑もの。面白い人の周りにはやはり面白い人が集うんだな、と思わず感心してしまう。もちろん笑いの街・関西という土地柄も影響しているのだろうけど。そんなラジオでのトークで頻繁にネタにされた同級生たちが、ダウンタウン―いや、まっつんとハマチョンとの思い出話を語った『放送室の裏』という書籍について今日はちょろっと紹介。
この本に登場する同級生は、ダウンタウンが初めて漫才のネタを披露した相手・和田君、松ちゃんの元相方の伊藤君、上京して芸能界を目指した経験を持つ松ちゃん曰く「奇人」・藤井君、そして松ちゃんの勧めで放送作家の世界に入り、今や人気番組をいくつも手がける売れっ子となった高須氏。同級生たちによって客観的に語られるダウンタウンの二人の過去。同級生の目から見てもやはり当時から際立っていたという彼らの笑いのセンス(特に松ちゃん。「笑いは松本にまかせとけ」的な風潮だったそうだ)についてのエピソードから、社会人となった現在の自分から見たダウンタウンの二人について語ったものまで、ダウンタウンをあらゆる方向から分析した画期的な企画本である。読んでいて一番興味深いのは伊藤君が語るダウンタウンの二人の思い出である。
松ちゃんのお笑いコンビの相方が伊藤君から浜ちゃんに変わった瞬間、つまりダウンタウンの結成の瞬間はこれまで本人たちが自著やあらゆる番組で語ってきた。吉本興業の膝元ということで、多くの子供達がお笑い番組を日常的に見て育ち、自分たちも見様見真似でネタをやっていたという関西地区。それらに漏れずに小学5年頃から松ちゃんも、当時仲の良かった伊藤君とコンビを組んでいた。修学旅行の余興で漫才ネタを披露し、同級生たちはもちろん、先生たちをも爆笑させた松ちゃんと伊藤君のコンビだったが、中学生になり、二人の間に浜ちゃんが入ってきて3人で遊ぶようになる。その時から既にアグレッシブなキャラだった浜ちゃんと急速に親しくなる松ちゃん。そんなある日、尼崎のキリンビール工場の前で、何かがキッカケで伊藤君と浜ちゃんがケンカを始めてしまう。殴り合いになり、だんだん激しくなるケンカにオロオロする松ちゃん。やがてなんとなくケンカが収まった瞬間、浜ちゃんは「まっつん、もう行こうや」と松ちゃんを呼び、家に帰ろうとする。浜ちゃんに呼ばれて迷いながらも、伊藤君を置いて思わず浜ちゃんについて行ってしまった松ちゃん。これがダウンタウン誕生の瞬間である。それ以降、3人で遊ぶことは無くなり、距離を置くようになった伊藤君。そして浜ちゃんとしか一緒に遊ばなくなる程仲良くなってしまった松ちゃん。伊藤君はその時の複雑な気持ちを赤裸々に語る…。自分が普通にサラリーマンになったのに対してどんどん大阪でスターになって行くダウンタウンを見て、「自分は何をやってるんだろう」とか、「悔しいから『そんなに売れるな!』と日々思ってた」とか…。
自分とダウンタウンの差に悩み、彼らの成功を素直に喜べず、しばらくは彼らの出ている番組も見れなかった伊藤君だが、現在はさすがに「松本の相方は浜田以外考えられない」と素直に分析している。松本のボケは、浜田の強烈なツッコミがなければ引き立たない。というか、基本的にシャイだった松本は相方が浜田でなければ吉本にすら入っていなかっただろう。小学生時代から既に「学校一おもろい」と言われ続けてきた松ちゃんが気が付けば「日本一おもろい」と言われる存在にまで上り詰めていた。そしてダウンタウンはお笑い界の重鎮となった。そんな人達とコンビ組んだり大喧嘩したり。そんな物凄い経験が出来て、今となってはとても幸せだと語る伊藤君。この本に登場していなくとも、小中学生時代にまっつんやハマチョンと学校でお笑い合戦を繰り広げた同級生たちもきっと同じ気持ちなのだろう。「そりゃ笑いで勝たれへんかったハズや。日本一おもろい奴らやってんもん」…そんな心境でテレビ見てるのかもしれないね。


名探偵は魔法少女がお好き―『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』 

2006-08-31 21:17:32 | 活字全般
数週間前に買っておいた小説『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(集英社)をやっと読んだ。漫画『DEATH NOTE』の外伝を西尾維新という人が小説化したもので、舞台はキラがこの世に現われる一年と数ヶ月前のロサンゼルス。この頃ロサンゼルスで起きた難事件解決におなじみの世界一の名探偵・Lと、『DEATH NOTE』の序盤にちょろっと出てきた女性FBI捜査官・南空ナオミが挑むというものである。タイトルにもある「ロサンゼルスBB連続殺人事件」は漫画単行本2巻にちらっとだけ出てくる。キラ事件解決に挑んでいるLの元に「南空ナオミ」という女性が行方不明になっているという情報が入り、「ロサンゼルスBB殺人事件で私の下で働いてくれた捜査官か…」とLが回想するシーンだ。この小説ではこの、おそらく読者の誰もが気にも留めていなかったであろう殺人事件の顛末を描いている。というわけで、『DEATH NOTE』の主人公・夜神月はもちろん出てこず。まだこの頃はデスノートなど手にしておらず、後の運命も全く知らずに東京で真面目に優等生をやっていたのだろう。ちなみにこの小説、『DEATH NOTE』の某主要人物がストーリーの語り手として設定されている。なぜコイツが…。
小説を書いているのが作者ではないので二次創作的と言ってしまえばそれまでだが、結構良く出来ている(もちろん作者オフィシャルの二次創作ですが)。Lの奇行がこと細かに描写されていたりとか。作者の漫画、及びLへの愛が存分に伝わってくるぞ。『DEATH NOTE』で一番好きなキャラはダントツでLで、彼の最期を連載中『少年ジャンプ』で読んだ瞬間その場で持ってる雑誌を下にズリ落としてずっこけそうになった(atコンビニ)私もこれには大満足だ。ラフすぎる格好、過剰な猫背、変な物の持ち方、甘い物への異常なまでの執着はもちろん、その他数々の奇行を小説でも披露するL。速読術も身につけてるらしく、300ページ強の小説を5分で読みきったりとか…。
どんな難事件も解決してきた世界一の名探偵・L。彼は、自分の呼びかけ一つでFBIをはじめ各国の捜査機関その他を手足のように動かせる権限を持っている。「そんな大物探偵なら、L本人は上から指示を出しているだけなのだろう」という世間のイメージを逆手にとって、時には素性を隠しつつも大胆に事件現場に繰り出す奇人・L。この小説でも「L」としてパソコン・電話越しに南空ナオミに指令を出す一方で「竜崎」という偽名を使い、実際に南空の前に現われ共に捜査をする。彼が奇行を重ねる度にドン引きの南空。もちろん目の前の奇人=Lだと言う事はつゆ知らず。『DEATH NOTE』本編でLを尊敬しているという旨の発言をしていた彼女だが、共に事件の捜査をしたあの奇人がLだと知ったらどんな顔しただろうか…(笑)。
そういえばこの小説読んでてかーなりびっくりしたことが。Lはかつて『りぼん』に連載されていた少女漫画『赤ずきんチャチャ』の大ファンらしいのだ。事件の謎を解く手がかりになったアイテムとしてなぜか突然出てきた『赤ずきんチャチャ』の単行本。いやーマジでびびったよ。私も大好きだもの、チャチャ。しいねちゃんとポピィ君、平八が好きだったなー。『りぼん』でも読んでたし、全巻持ってるもん。まさかLも好きとは…。いや、二次創作内のLだけどさ…。

L「彩花みん先生の歴史的な名作です。私は全話、連載で追っていました。しいねちゃんが可愛くってたまりませんでした。ただまあ漫画版同様アニメ版も好きでしたね。愛と勇気と希望でホーリーアップ―」
南空「竜崎さん。その話、長くなりますか?」

Lはアニメ版も好きらしいが、私は嫌いだ。ドタバタギャグ漫画のはずの『チャチャ』、アニメでは当時人気を博していた『セーラームーン』に対抗して戦う変身少女ものアニメにされてしまったのだ。漫画のノリが大好きだった私は辛かったぜー。チャチャが変身しちゃうんだもん…。でもなんでLの好きな漫画に『赤ずきんチャチャ』が選ばれたのだろう。著者自身がファンなのか?そういえばドラマ界の名探偵(刑事)古畑任三郎も『赤ずきんチャチャ』が好きだと発言していた。古畑がアイドル・SMAPの5人が起こした殺人事件解決に挑んだエピソードで、『チャチャ』のアニメでリーヤ役の声優をつとめていた香取慎吾に「『赤ずきんチャチャ』見てました。リーヤ役やられてましたよね?素晴らしい作品でした~」と声を掛けていた古畑。うーむ、マニアック…。
今回の小説ではLが過去に絡んだ事件を扱っているが、確か月も高校生時代、保険金殺人事件に助言し、事件を解決に導いたという経歴があったはず。それもいつか小説化されるだろうか。
画像は『チャチャ』単行本6巻。この表紙が一番好きだなー。

追記
またmixiに登録した。夏目漱石先生がらみのくだらない偽名で登録。ニックネームは私が一番好きな漱石文学のキャラクター名。私を発見した猛者は必ずご連絡を。


追記2
先日『ロックンロールミシン』という映画DVDを借りて、見て、さっき返しに行って来た。そしてなんとなく新聞を見てみたら、この映画、今日の深夜に放映されるらしい…な、なんだよそれー!で、なんでこの映画借りたかというと、TSUTAYAでふと目に付き、パッケージを手にとってみたら出演者に「SUGIZO」の文字が…。別にルナシー好きではないが、何故かかなり気になってしまい借りてしまったのだ…。

日本人は胃腸が弱い

2006-07-31 23:54:03 | 活字全般
■会社からいつもより早めに帰宅すると、裸の妻がベッドで見知らぬ男と抱き合っていた。こんな場合、各国の人々は一体どうするだろうか。
アメリカ人は、男を射殺した。
ドイツ人は、男にしかるべき法的処置をとらせてもらうと言った。
フランス人は、自分も服を脱ぎ始めた。
日本人?彼は、正式に紹介されるまで名刺を手にして待っていた。

これは、早坂隆著『世界の日本人ジョーク集』(中央公論社)からの引用である。世界を飛び回るルポライターである彼が、現地(主に欧米)で見聞きした「日本、及び日本のイメージをネタにしたジョーク」を紹介するという本。上記の文章は言うまでもなく、「堅物で勤勉な仕事人間」な日本人のイメージを揶揄したジョークである。うーん、痛いとこ突くねぇ(笑)。外国人が日本に対してどのようなイメージを持っているかは日本人である我々もなんとなくわかってはいるが、こうして明文化されると、「ほーら、じっくり見ろ、これが君達の姿だ!」と鏡を向けられてるような複雑な気分に。でも不思議と嫌な感じはしないな。逆にもっともっと教えて!と思わせる。日本人ってなんだかんだで他人から自分がどう見えているかを気にする民族だと思うから、このような「他人の目」をダイレクトに知ることができるジョーク集は喜ばれるんじゃないかな。もちろん「他人の目を気にする民族」という日本人像もギャグにされております。
この本では、外国の人が持つ多様な日本人像に出会える。冒頭の「堅物」や「他人の目を気にする」以外には、

ハイテク機器をつくる、まじめ、努力家、手先が器用、金持ち、金好き、優柔不断、個ではなく集団優先、遅刻しない、過労死、怒らない、笑わない、ユーモアが無い、宗教観を持たない、日出る国、美しいゲイシャ、寡黙なサムライ・ニンジャ、ヤクザ、アニメ大国…

などが挙がっている。これらのイメージを盛り込んだジョークはとにかく秀逸なモノが多いぞー。「おお、よくわかってんじゃん(笑)」と思わず関心してしまうほどだ。ジョークとともに著者の解説がついているのだがこれも興味深い。彼が海外で感じた「日本のイメージ」は笑えるものばかりだ。ルーマニア人と朝日を眺めている時、「あの太陽の下に君の国があるんだな…」と真顔で言われた、とか。
また、冒頭のジョークのように、日本人だけではなく、「アメリカ人なら~、フランス人なら~」というように他国の人のイメージも盛り込まれているので、それも楽しめる。ドイツ人はだいたい「規則的、堅物」みたいなイメージが多くて日本人にちょっと似てるかな、と思うけどどうなんでしょ。ちなみに、ドイツが舞台の浦沢直樹の漫画『MONSTER』を読んだドイツ人たちは、「俺たちはこんなに暗くない!」とムっとしたそうですが(笑)。
さて、最後に時事問題に関連した日本関連のジョークを二つ引用して今日の記事を締める。

■おかしな時代になったものだ。
世界一のラッパーが白人で、世界一のゴルファーが黒人で、世界一のバスケットボールプレーヤーが中国人。
政治の世界では、
日本がアメリカを助け、フランスがアメリカを傲慢だと非難し、ドイツが戦争に反対する。
本当におかしな時代になったものだ。

■「ヤスクニ」問題などで日本と中国の仲が最悪の状態だと聞いたパキスタン人が、日本の中華街を見て、驚いて言った。
「日本と中国の仲が悪いなんて嘘だ。パキスタンにインド人街があったら廃墟になっている」

【今日の数字】
28881
29747
14288
70162 

「君のことを知りたい どんな小さなことも」―なんちゃって

2006-07-20 19:41:37 | 活字全般
8月1日。私の誕生日である。あと十日余りでやってくるこの日だが、ここ数年誕生日にあまり良いことが起こらない。何も起きずにそのまま流れていくよりはマシかもしれないけど今年こそは何か楽しいことが起きる事を願おう。
8月1日生まれの著名人に、14年前に話題となった100歳の双子のおばあちゃん「きんさんぎんさん」がいる。この二人がメディアに登場しはじめ、誕生日が自分と同じということを知った時、私は自分も100歳まで長生きする運命にあるのだ、と思いこんだ。実際私はあまり病気をしない方だったので「8月1日生まれの人間は長生きできるんだ、ラッキー」と普通に思い、日々を暮らしていた。でも中学一年に肺炎になって以来、人の命には限界があることを身を持って知った…いや、そんな重い肺炎じゃなかったけども、普段が健康体すぎたもんだからちょっとした発作を起こしただけで「死ぬのか!?」と勘違いしたのです。肺炎だって悪化したら死にますしね。
『BIRTHDAY BOOK 8月1日』という本にも「普段は健康でも急な大病に要注意」と書いてある。この本は8月1日生まれ及び獅子座の人の星占い、8月1日の誕生花や誕生石にまつわるギリシャ神話、8月1日に起こった歴史的事件、この日生まれの著名人などを紹介した、誕生日プレゼントにぴったりの本。もちろん8月1日だけでなく366日分揃っている。今でも売ってるのかはわからないけど、自分の誕生日のものを持っているとかなり楽しい一冊だ。
この本によると私の誕生花はチョウセンアサガオという麻薬入りの花らしい(画像がそれ)。ギリシャの植物学者テオパルトスはこの花について著書に、「0.15オンスを与えると人は陽気になり、倍量を与えると気が変になり妄想を抱く。3倍を与えると永久に気が狂い、4倍量だと死亡する」と記したという。可愛いげのないアブネー花だ。江戸時代には麻酔にも使われたそうだが大丈夫だっただろうか。花言葉は「適度に」……自分に言われてるみたいですな…。
8月1日生まれ及び獅子座の人の星占いに基づく性格分析がこの本のメイン。身に覚えのあることから無いことまでいろいろ載っている。本によると、とにかくまあ獅子座の人間はおしなべて他人の上に立ちたがるぞと。他人が自分を見てくれるようにする術を本能的に知っている反面、もし相手が自分の方を向いてくれないとかなり不機嫌になる。褒めたり評価してくれないと機嫌を損ねるというプライドの高さ。つまり完全な「俺様主義」という迷惑極まりない存在。これらの行動力を上手くコントロールすることができれば立派なリーダーになれるという。勇敢に群れを率いるライオンのように。これらの人間性を活かした職業としては教師や政治家が挙げられていた。あと金銭に関しては、欲しいもののためなら湯水のようにお金を使い、気前の良さはかなりのもの。まぁ、良くも悪くも派手なことばかり書いてある。なんてったて百獣の王ですからねぇ、獅子は。どうじゃ、当たってるのでしょうか。
興味深いのは「ある意味演技派」という記述。日常生活に於いても態度が芝居がかりがちらしい。これ結構身に覚えがある。演技して本音を隠しているわけではないけど、口調とか話し方は時と場合によって変わってしまうのだ(最近特にその傾向が強いかもしれない)。そんな時この本のことを思いだす。そして「あ、今私ちょっと芝居がかってるな…仕方ない、獅子座に生まれた宿命なのさ」と自嘲。ちなみに同じ宿命を持つ(?)、この日生まれの芸能人はきんさんぎんさんの他に田村正和、米倉涼子、中田喜直、室生犀星、イヴ・サンローラン、などなど。この日に起こった主な歴史的事件は「1590年 徳川家康江戸城入城」「1774年 酸素発見」「1914年 第一次世界大戦開戦」などなど。
雑誌や朝のテレビ番組でよくある「今週の星占い」には全く興味がないけれど、『BIRTHDAY BOOK』に書かれていることは常に頭の片隅に置いてあるようだ。多分8月1日、そして獅子座に生まれたことが自分でも結構嬉しいんだと思う。イタリア映画に『獅子座』という作品があると知った時も「お、なんとなく特別扱い?」というように、妙に嬉しかった。やっぱり私にも少し俺様主義なところがあるのかもしれない。 

【今日の数字】
28677
28478
14212
70144

夏だ、雨月だ、梅児誉美だ

2006-07-19 22:32:46 | 活字全般
先日ゼミの先生に「夏休み中に近世(江戸時代)関連の本・論文を数十冊読み、卒論のテーマの方向性について考えrこと」という課題を出されてしまい一瞬呆然としてしまったが、他のゼミの人達もきっと先生に大変な課題を出されているハズさ、と思えばあまり苦にならない。でも今日、「夏休みの中盤に読書の状況を手紙で知らせること」という課題をさらに出された。「きちんとした形式の手紙を書くというのは社会人として常識なのでこれを機に『手紙の書き方』的な本を一冊買い、その本を参考にしながら課題の中間報告を手紙で知らせろ」と。うーむ。「きちんとした手紙を書く」というのもかなり面倒くさいが中間報告…いや、まぁ、これぐらいやんないと…。もちろんメールでの報告じゃいけません。パソコン使わず手書きです。味気ないもん!
というわけでとりあえず読む本を探しに行く。先日行われた先生との面談でうっかり「『雨月物語』と『春色梅児誉美』に非常に関心があります」と言ってしまった私。『雨月物語』はまだ講談社学術文庫から出てるやつの上巻しか持ってないのでとりあえず下巻を購入。『春色梅児誉美』はまだ半分も読まないうちに図書館の貸し出し期限が来てしまい、返却してしまった。また借りるか。せめてこの二作は読破して、論文も集めて…なんだ、結構楽しそうじゃねーか。忘れてた。好きな事について行動するのってどんな場合でも楽しいものだ。数十冊といわず三桁越えて読んでやるぜ(読み過ぎ)。
本屋で夏休み読む用の本をいろいろと探しているうちに、江戸時代の庶民の文化関連の本に目がいくようになる。近世文学をテーマに卒論書くなら時代背景を細々と知っといてもいいだろう。入門ということで、軽めの本を一冊購入。庶民の暮らしぶりを記述した杉浦日向子著『一日江戸人』。江戸っ子の住宅事情や恋愛事情から正月・夏のすごし方までが面白おかしく紹介されていてサクサク読める。新潮文庫というのもポイント高い一冊。これを足がかりに江戸っ子像にどんどん迫ってみようじゃないか。江戸っ子の間でベストセラーになった『春色梅児誉美』を研究しようとするならなおさらね。
また、先生に「こんなの読んでみたら」と言われて紹介されたのが小林信彦著『ちはやふる奥の細道』(新潮文庫)。これはアメリカ人の日本文化研究者ウィリアム・C・フラナガンという人が、「『奥の細道』の作者松尾芭蕉の人間像に迫る」をテーマに書いたエッセイを著者が翻訳したもの。アメリカ人ならではのとてつもない誤解とこじつけ、そして日本文化への愛が読者の笑いを誘う。近世の研究に役立つかどうかはわからないが、読んでて楽しすぎる一冊。最後まで読んだら記事でまた詳しく紹介しよっかな。

※画像は江戸時代の浮世絵師・菱川師宣の『見返り美人図』。後ろをチラ見するという構図は西洋の印象派の画家たちに影響を与えたと言われている。


【今日の数字】
28670
28470
14210
70142

今年もこの季節がやってきた/電池切れちゃやーよ

2006-07-11 21:35:03 | 活字全般
●夏になると、各出版社が主に夏休みを迎えた学生向けに「文庫本フェア」を催す。私の家の近所の本屋の一番目立つ場所には新潮社の「新潮文庫の100冊」の特設コーナーがどーんと設けられ、新潮社が「この夏ぜひぜひお読みなさい(つーかどれでもいいから買いなさい)」と推す文庫本100種類がずらりと並ぶ。全100冊のリストが載っている小冊子も平積みされている。この小冊子を手に取ることで「あぁ、夏が来たんだなぁ…」としみじみする。「読書の秋」とよく言うけれど、本が集中的に売れまくる&読まれまくる時期って今の時期だよな、はっきり言って。ちなみにこの2006年版の小冊子で一番最初のページに紹介されている本、それは我らが夏目漱石先生の『こころ』と『坊ちゃん』である。この冊子、『吾輩は主婦である』の主人公・みどりさんに見せてあげたいねー。新潮社は夏限定で、帯についているマークを二枚集めるとパンダグッズが貰えるというお手軽なキャンペーンを実施する。今年はパンダのマスコット人形らしい。貰うぜ、絶対。キャラクター物はあまり好まないタイプの私だが、新潮のパンダはどうやら特別らしい。
現在「新潮文庫の100冊」の特設サイトが催されていて、そこでは100冊全ての紹介文のほか、過去の「新潮文庫の100冊」リストを1976年まで遡って掲載している。これ結構面白いぞ。漱石先生の『こころ』は当たり前のように毎年リストアップされているが、年によっては『三四郎』や『吾輩は猫である』や『それから』も併せてリストに挙がっている。今年は『坊ちゃん』が選ばれたわけだが、せっかく『吾輩は主婦である』という昼ドラが放送されているんだから今年は『猫』をリストに入れればよかったのにニャー。
新潮社の文庫フェアコーナーの隣には、やや小さいスペースで集英社の夏の文庫フェア「ナツコミ」のコーナーがあった。毎年イメージキャラクターに若手の俳優を使う集英社。今年は蒼井優だった。イメージキャラといえば数年前に窪塚洋介が選ばれていたとき、彼の写真が沢山載った小冊子を即ゲットしたなぁ…懐かしいっす。
集英社文庫と新潮文庫がずらーっと並んでいるのを見て思ったのだが、漱石先生の作品の本のカバー絵のセンスは圧倒的に新潮社のものが良いと思う。いつか書店に行ったら見比べてほしい。その作品の素晴らしさをより引き立てるように思うのだ。新潮文庫の『吾輩は猫である』のカバー絵なんて最高ではないか。あのロイヤルな雰囲気の猫。小説の中の「猫」はあんなイメージじゃないけどさ。

●昔ある人に「携帯電話を充電すると電池の寿命を早めることになる」と忠告されたことがある。当時私はとりあえず電池の充電具合の表示が常に満タンになっていないと落ち着かず、家に帰ったら即充電していたのだが、そういう使い方はダメだと。だから最近は極力電池がカラッポになってから充電するようにしている。今朝携帯を見たら電池の残りがかなり少ないようだったが、「まぁ、一日なら…」と思いそのまま家を出た。そしたら午後、凄く微妙なタイミングで電池が切れた。もう…邪魔しないでよ電池のばかー。携帯の電池切れるとがっかりするよ。ちなみにipodの電池が切れたらがっかり通り越して動揺してしまうね。一人ぼっちの時は音楽が無いと私やばいもん。


【今日の数字】
28590
28412
14164
70124 

江戸の婦女子が好むもの

2006-07-10 20:43:55 | 活字全般
月曜日は共通テーマの日。今日のテーマは「ゼミ」。現在自分が大学で所属しているゼミについて思いつくままだらだらと書く。
私は近世、つまり江戸時代の文学を研究するゼミに所属している。江戸時代の文化について興味があったのでそのゼミを選んだ。大の酒好き&タモリ好きの先生の下で毎週一回近世の文学作品を読み、意見交換などをするという活動をしている。ゼミの先生は大学の授業では『奥の細道』や『雨月物語』など、近世を代表するメジャーな文学作品の演習を行っている。しかし少人数で行うゼミではマイナーなものを扱う。江戸の庶民の間で流行した俗っぽい読み物とか、下品で滑稽な笑い話などを読むのだ。後者のような作品を読む際、先生は「授業ではとても扱えない内容ですねぇ。でもこれこそゼミの醍醐味ですよ」みたいな事を言いながらニヤニヤしている。本当にね、ごくたまに下ネタすぎる挿絵の載ったお話を扱ったりするのですよ。そういう話は当時の江戸っ子たちのハートをがっちりつかんでたようです。
ゼミではたまに江戸の町並みの残る場所を尋ねたり、松尾芭蕉や井原西鶴の縁の地を訪ねたりする小旅行のようなものが催されるらしい。5月18日の日記にも書いたようなお散歩旅行(このときは名古屋市緑区・有松周辺の旧東海道をウロついた)。先生の解説つきで一通り散策した後は飲み会が待っている。大人数でにぎやかに酒を飲むのが好きなのだろうか。先生は酒に酔うと人格が変わる。一人称が「私」から「オレ」になる。我々ゼミ生の事は「あんた」又は「オマエ」と呼ぶようになる。そして個人的な話をいろいろとしてくれるようになる。娘の彼氏の話、『タモリ倶楽部』を毎週見ているという話、同僚の教員の様々な裏話…。最近は「娘は彼氏と別れたらしい」というどうでもいい話をしてくれた。でも同僚の教員の話は結構楽しい。○○先生は裏声で松田聖子を熱唱するとか、○○先生はエヴァマニアだとか…ね。そのようなくだけた会話が展開する。授業などで見せる普段の様子とは全く異なる雰囲気を醸し出す先生。
…なんだかゼミの話というよりは先生の話ばかりになってしまった。この記事を読まれる大多数の方には知ったこっちゃ無い話だ。この前のゼミの演習でのことでも書こうか。先日ゼミで『春色梅児誉美』という近世の恋愛小説を扱ったときの事。江戸の庶民・特に若い婦女子の間で大人気を博したこの作品。主人公・丹次郎が正妻と愛妾との間を行ったりきたりした挙句、最終的には正妻と妾双方を自宅に住まわせ三人仲良く暮らしてハッピーエンドという、強引に要約するとハッピーだかなんだかよくわからない物語である。この展開に対してある男の先輩が「このハーレム男の物語がなんで女子の間で人気だったのか?フラフラしまくりで女子的には腹立たないか?」という意見を出した。そしたらある女の子が「丹次郎はフラフラしててもかっこよく書かれてるから腹なんて立たない。江戸の女子も丹次郎のかっこよさに夢中になったのではないか」と。そして先生が「女性はかっこよくて女たらしな男性キャラが好きなんですよ。基本ですよ」「『源氏物語』も女性に大人気でしょ?私たまに卒論で『源氏』やるっていう女の子をからかうんですよ。『女遊びしまくりの源氏って女性から見てどうなのよ』って。でも大抵『かっこいいからいいんです!』って返ってくる」「私は男なんで、当然あまり理解できませんがねぇ、光源氏の魅力」と、色々と語った。すると先の男の先輩が「やっぱかっこよければ何でもいいんすねぇ、今も昔も」と言い、話はどんどん『春色梅児誉美』から恋愛の話へ脱線していった。
こんなゼミなのです。

【今日の数字】
28584
28401
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70123

リリーさんのたくらみ―『東京タワー』とその他の著作

2006-07-07 20:23:35 | 活字全般
リリー・フランキーの著作『東京タワー』が相変わらず売れている。ドラマ化・映画化も決まり、売り上げはさらに加速していくのが容易に想像がつく。2年前の「セカチューブーム」を思わせる売れっぷり・メディアミックスぶりだ。このブームをきっかけにしてリリーさんへの世間の認識は「『ココリコミラクルタイプ』で端っこの席に座り、小西真奈美を見つめながらニヤニヤしてるオッサン」から「泣ける小説を書く人気作家」に変化した。まさかこんなことになるとは、少なくとも二年前に彼の著作『マムシのanan』を読んだころには全く想像出来なかったよ…。
現在、『東京タワー』が「本屋が一番売りたいと思っている本」に贈られるというというよくわからない賞・「本屋大賞」を受賞したということで、全国各地のどこの本屋に行っても大なり小なり「リリー・フランキーの著作コーナー」みたいなものが作られている。大体の場合、リリーさんのイラストレーターとしての才能が炸裂した絵本作品『おでんくん』及びおでんくんの人形でデコレーションされている。そして過去にリリーさんが書いた数々の著書が並ぶ。処女小説『ボロボロになった人へ』、先述のフォトエッセイ『マムシのanan』、そしてかなり強烈エッセイ『誰も知らない名言集』『女子の生き様』『美女と野球』まで…い、いいのか?本屋さん、中身を確認してからコーナーに本を並べたほうがいいよ?でも『東京タワー』でリリーさん人気が高まってる今しかこれらのエッセイを売るチャンスってないよな…。それにしても本屋の中でもこんなに目立つところにリリーさんのエッセイが引きずり出されてるのって、物凄いまでの違和感がある。黎明期のCGみたいだ。
『東京タワー』に感動し、「他のリリーさんの本も読んでみたい」というノリで彼のエッセイを手に取らないほうがいい。余計なお世話かもしれないが、手に取る時は『東京タワー』とリリー・フランキーを切り離すべきだ。私はリリーさんのエッセイを『東京タワー』以前の数年前に普通に爆笑しつつ(本当に。電車じゃ読めません!)楽しく読んだが、『東京タワー』→エッセイ集の順に読むのはキツいだろう。それでも『美女と野球』は後の『東京タワー』に繋がる部分もあるので、読んだ方がある意味では楽しめるかもな…。あ、もしかしてリリーさんはこの状況を予測した上で『東京タワー』を出したのか?誰もが思わず泣いてしまう感動小説と、過去に書いた自身の毒舌エッセイが同列に並ぶこのシュールな図。リリーさんはこれを狙ってたのか?無駄に勘ぐってしまう…。
私の個人的なオススメリリー・フランキー作品は『マムシのanan』。女性誌『anan』に連載された作品で、1994年に同じく『anan』で連載・出版された小泉今日子のフォトエッセイ『パンダのanan』へのオマージュのようなエッセイ集である。タイトル、本の装丁、毎回のエッセイを本人撮影ポラロイド写真とともに掲載するという連載形式までをも小泉の著書を踏襲したエッセイ。本の帯には小泉今日子直筆の「私は絶対に読みません!」という推薦文が載っている。読んでいるうちに「なんでこの人は女性の生態をここまで熟知してんだ!?」という疑問が激しく湧き出てくる。恐るべき観察眼である。読んでて恥ずかしくなるけど、最後まで読むと気づけばスッキリしている快作エッセイ…やっぱ『東京タワー』とは切り離せないかも。

追記
映画『DEATH NOTE』を観た。感想は後日書く。一緒に行ったのはデスノートの事はなんとなく知ってはいるものの、単行本は一冊も読んでいないデスノート初心者の友人。彼女は映画を観たあと「映画観るまで月とLは同一人物だと思ってた。一人の人間から殺人犯の人格・月と探偵の人格・Lが現われる多重人格ものだと思いこんでた」と語ってくれた。違うから。


【今日の数字】
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