拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

先生、「音通」の思い出を少し

2006-03-07 14:45:01 | 音楽
中学・高校時代、幼なじみの友人と毎日のように文通ならぬ「音通」をしていた。片面5分、両面合わせて10分のカセットテープに相手に聴かせたい自分の好きな曲を入れ、解説やら聴かせたい理由やらを書いた手紙をそえて渡す。渡された方は曲の感想を手紙に書き、テープには上から自分の好きな曲を録音してまた渡す、というのを繰り返していた。これがとにかく楽しくて、ほぼ毎日テープが行き交いしていたと思う。私が入れていたのはラルク関連、小沢健二、スマパン、GRAPEVINE、その他もろもろで、友人は主にミスチルやビリー・ジョエル等。これのおかげでミスチルにはかなり詳しくなり、ファンしか知らないであろう名カップリング曲まで知っているという状態になった。それは相手も同じである。また、偶然みつけた知る人ぞ知る新人の名曲なども入れていた。その中にはバンプ「ガラスのブルース」、レミオロメン「雨上がり」等、実際に大ブレイクしたアーティストの曲も多かった。
初めのうちはとにかく自分がおすすめしたい名曲を入れていたのだが、段々ネタがなくなってきて、別にそれほど好きじゃないアーティストの迷曲・珍曲などが占めるようになった。相手をどれだけ驚かせるか、笑わせるかに重きを置いていた。電気グルーヴやダウンタウンの珍曲を入れたりしていたな。電気グルーヴのアルバム『VOXXX』と『ダウンタウンのごっつええ感じ音楽全集』はネタの宝庫だった。音楽好きならどちらも必聴です。
片面5分といっても実質少し余裕があり、5分40秒は録音できた。普通の曲は大体5分前後なのでテープが余る。その余白に、「イントロだけが名曲」「Aメロ又はサビだけ名曲」といった、部分的に凄い曲を入れていた。テープに余白を残さず、いかに曲を入れて余白を埋めるかを考えるのもまた楽しかった。
これをやっていた頃は常に音楽に対しアンテナを張り、名曲や変な曲を捜していたが、やめてからはそれも全くしなくなった。単に時間がないからか、それとも今の音楽シーンはアンテナ張るほどのものじゃないって事なのか。それはわからない。