拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

破壊・無謀・創造

2008-03-28 16:27:31 | 音楽
「は?なにこれ、5時間半もあるじゃん…」…3月28日、X JAPAN10年ぶりの復活ライブ「破壊の夜」を録画しようと思い、テレビ欄をチェックしたときの驚き。WOWOWがX復活ライブのために用意した時間は18時半~0時、なんと5時間半…これ、TBSが春と秋にやる感謝祭と同じじゃん。TBS感謝祭はタレントが大勢出演する企画満載の番組だけど、WOWOWには当然Xしか出ない。暴挙に出たなぁ。スケール違うなぁ、やっぱ。WOWOWで大物アーティストのライブを生中継するのはよくあることだけど(1997年、X解散ライブの一週間前に同じ東京ドームで行われたラルク復活ライブも生中継された。最高だった)、放送時間5時間半は凄い。サザン及び桑田佳祐クラス、いやそれ以上?やっぱ伝説のバンドなんだな…。
放送時間が5時間以上とはいっても、その間ずーっとライブが行われるなんてことはまずありえないだろう。Xのライブが定刻通り18時半に始まるなんて多分ファンですら誰も思ってない。「YOSHIKI待ち」で相当開演時間は押すに決まっている。いくらYOSHIKIでも今日のような超重要なライブに遅刻してくるとは思わないが(や、遅刻するかもな)、楽屋に篭って精神統一とかしてそうじゃない。で、ドアの前で大勢のスタッフが不安そうにスタンバってる、みたいな。百万が一「YOSHIKI待ち」が無くても、ファンが定刻通りに会場に入り切らずに時間が押すだろうしね。東京ドームライブならよくあること。昨年末のルナシー復活では、ファンの入場待ちで一時間近く押したらしい(本人確認が必要なVIP席へ案内するスタッフの手際が悪すぎたとのこと)。
まぁ開演は押すとして、それでもWOWOWの中継は定刻通りスタートするのである。開演待ちの間は、ライブが始まる前の緊張感に満たされたドームの様子、開演を待ち焦がれる熱いファン達の様子などが中継されたりするのかな?それはそれで面白い。で、20時過ぎても出て来なくて、5万人のファンがキレ出したらなお良い。何てったって放送時間は0時まで用意されている。仮にライブが2時間押しても、ライブの中継が尻切れトンボになることは無い…。
とにかく、遂に今日だ。hideのソロは好きだけどバンドにはあまり興味を持っていない私ですら録画してしまったわけだし(ていうかhideのパートSUGIZOがやるってマジ?2006年末から流れてた怪情報がマジに実現しちゃうわけ?)、世間の注目はかなり高いであろう復活ライブ「破壊の夜」。ヴィジュアル系の原点のようなバンドだが、それ以外のジャンルのアーティスト達も多かれ少なかれ影響受けてるようだし、「とりあえずバンドやってる奴は注目」みたいなライブだろう。関係者めちゃくちゃ多いだろうな。
それにしても、3月末という、プロ野球開幕シーズンに東京ドームを三日間押さえるって凄すぎるな。プロ野球開幕戦の時期に東京ドームで野球じゃないことやってるって珍しいかも。野球といえば、YOSHIKIの母校、安房高校選抜初出場(笑)!二回戦はダメだったけど、彼の母校が出るって聞いた時「YOSHIKI、運良すぎ…」と唖然とした。YOSHIKI先輩、1000万円寄附したそうで。ブラバンが「紅」を演奏してくれてて感動したそうで(「紅」は応援の定番だね)。X復活のタイミングで母校が選抜初出場。なにこのわけのわからないおめでたい感じ(笑)。スターは違うね、やっぱ。まぁとにかく楽しみ。感想は後日。

『HEART STATION』/宇多田ヒカル

2008-03-27 19:03:48 | アルバムレビュー
1. Fight The Blues ★★★
喜太郎のような、朝の目覚めのようなオリエンタルなシンセが印象的。「鬱に負けるな」という力強いメッセージを持つ曲だが、音は非常にフワフワと柔らかい。この柔らかな楽曲の中で、唯一低音が効いていてパワフルなBメロがこの曲のキモか。

2. HEART STATION ★★★★
裏メロを奏でるキーボードと本人の声が自由自在に歌うメロディアスなミディアム曲。聴き手を選ばない、というかスルーされそうなほど薄味のサラっとしたポップスに仕上がっているが、本人すら辛そうなかなり無理のあるメロディーラインと、奔放に動きまわるコーラスが地味に異彩を放つ。2番Bメロのコーラスラインが特に面白い。インストとコーラスだけのカラオケバージョンを聴いてみたくなる。

3. Beautiful World ★★★★
この曲も「HEART STATION」同様、キーボード・コーラスとボーカルの絡み合いが聴き所か。無茶なメロディーと、それに呼応するような悲しげなキーボードの共存。「残酷な天使のテーゼ」も良いが、アスカ登場前で明るい要素が殆ど何も無く、暗く閉じた世界観を持つ物語前半を映画化した「ヱヴァンゲリヲン 序」とこの曲のシンクロ率はとても高かったように思う。エヴァヲタのアーティストは宇多田以外にも沢山居るが、ここまで客観的にエヴァを見つめて曲に出来る人は少ないのでは。

4. Flavor Of Life -Ballad Version- ★★☆
「人生の味」という、酸いも甘いも味わいつくした泉谷しげるのようなおやじシンガーソングライターがつけそうな渋く枯れたタイトルがついたヒット曲。売り上げ的に低迷していた宇多田だが、その気になれば世間を喜ばせるバラード作るのはお手の物であることをこの曲で証明した。「せつない」「苦い」「Life」「したい」「ない」「じゃない」「未来」など、徹底的にaとiで脚韻を踏んでいる歌詞。本人なりの綿密な計算があるのだろう。

5. Stay Gold ★★★☆
軽やかでしなやかなメロディを鳴らす高音のピアノ、微かに鳴ってるキック、幻聴のような歌声。まるで夢の中で聴いているような浮遊感のあるバラード。この浮遊感と対称的なのがドーンと沈み込んでいくような低音のピアノ、かなり高い所で「チッチッチッ……」と鳴る電子音、「大好きだから ずっと」というインパクトのある歌詞。夢と現実を行き来するかのような不思議な曲。

6. Kiss & Cry ★★★★
パオーン!という大胆なシンセヒットを盛り込んだテンションの高いミディアム曲。「随所に面白い音を盛り込みまくってやろう」という悪ノリを感じる。日本民謡のようなAメロから早口なBメロに転がり落ちる無理やりな展開が楽しい。「今日は日清カップヌードル」というバカな歌詞も悪ノリの賜物だろうが、その裏には「チャレンジには失敗がつきもの。ていうか失敗の可能性方が高い。いちいち失敗に傷ついて立ち止まってたら身が持たない」というシビアなメッセージが隠れている(多分…)。

7. Gentle Beast Interlude
次曲につながるインスト。タイトルは次曲の歌詞「優しい瞳をもつ化け物が目を覚ます」からきていると思われる。

8. Celebrate ★★★★★
ラテン風味のギターのカッティングが響く4つ打ちハウス。2001年ごろのコーネリアスが作りそうな、オーガニックな雰囲気のトラックに、全盛期の小沢健二のような、恋愛の楽しさを謳歌するようなポップな歌詞が乗る。まるで「フリッパーズギターが今、突如再結成したらこうなるかも?」な曲(超こじつけ)。「おまえがナンバーワンだぜ」という、『ドラゴンボール』のベジータのような男気ある歌詞が印象的。

9. Prisoner Of Love ★★★★
バカ売れした初期のアルバムに入っていそうなマイナー調のミディアムバラード。かなりキレ味のあるスリリングなストリングスが曲を豪華に彩る。少しずつテンションを上げていくBメロはベタだが圧巻。まだこういう曲作れるんだなぁという感じ。歌詞の内容は非常にエモーショナルで、浜崎あゆみの勝負バラードのようだが、発音したときに歯切れが良い単語ばかりがずらりと並んでおり浜崎のようなヘヴィーな雰囲気にはなっていない。

10. テイク 5 ★★★☆
幻想的なシンセと幽霊のように聴き手を幻惑するファンタジックなコーラスが絡み合うバラード。唐突なエンディングは賛否両論だろうが、人里離れた寂しい場所に聴き手を誘わんとするような、どんどん孤独を煽っていくようなアレンジと歌詞をもつこの曲の直後に「ぼくはくま」のイントロが来ると個人的にはかなり安心できる。

11. ぼくはくま ★★★☆
「みんなのうた」だっただけあり、発売時この曲で盛り上がってたのは小さい子供及びその親ぐらいだろう。自分もアルバム収録をきっかけに初めてちゃんと耳を傾けた。温もりと広がりのあるピアノと、ゆるやかな鼓動のようなキック音が耳に優しいほのぼのとしたバラード。でも終盤の「夜はおやすみまくらさん 朝はおはようまくらさん」のリフレインと、ラストの「ぼくはくま 九九 くま ママ くま くま」という単純な言葉遊びのようなフレーズが何故かシリアスに響く。

12. 虹色バス ★★★★★
レトロなアメリカンポップスのような曲。ゆったり揺れるリズムに、いつものふんわりとしたシンセが絡み付いてくる。「韻を踏まなきゃ歌詞として認めない」ぐらいの気分で書いていそうなリズミカルな歌詞も手伝い、聴き心地抜群。途中までは「ぼくはくま」的なほのぼのポップスだが、後半の「誰もいない世界へ私を連れて行って」以降はトリップポップのような趣。歌詞と曲調の世界観の一致ぶりが見事。

13. Flavor Of Life(Bonus Track) ★★★☆
別アレンジのボーナストラック。生のストリングスがキーだったバラード版とは全く違い、いつものようにフワフワとしたシンセ主体で作られた打ち込みのポップス。バラード版には無かったBメロの「Don't be afraid」というコーラスが綺麗。

総評★★★★☆
作詞作曲に加えアレンジも本人が手がけ、ゲストミュージシャンの参加も三曲のみ(4,8,9)。ひたすらキーボードやパソコンに向き合って作られたようなアルバム。安易にジャンル分けをされるのを拒むような言葉で説明し辛い楽曲がずらりと並んでいる。こう書くと閉塞感漂う内省的なアルバムのようにも思えるが(実際前作はそういうものだった)、音数は少なめでヌケの良い、開かれたサウンドに仕上がっている。アレンジをし始めた頃の楽曲は音の洪水のようで耳障りに感じることもしばしばだったが(全米デビュー盤)、今作では余分な音をそぎ落とすことを覚えたのだろう。「ぼくはくま」なんてシンプルの極みである。部屋やカーステで垂れ流してても邪魔にならないぐらい空間に溶け込んでくれるが、ヘッドフォンをして、宇多田によるアレンジを穿り返すように聴いて楽しむことも出来る。デビュー時にR&Bの歌姫として煽られていた頃が遠い昔に思えるほど、音楽性は変わり続けてきたが、今作には原点回帰したような曲もいくつか入っており、過去に宇多田の曲を好きになったことがある人ならとりあえず数曲はお気に入りを見つけられるだろう。
歌詞については「Stay Gold」の「悲しいことはずっとこの先にもいっぱいあるわ」と「Kiss&Cry」の「恥をかいたってかまわない」、「Fight the Blues」の「男も女もタフじゃなきゃね」というフレーズがこのアルバムの全てを言い表しているような気がする。



約4年半ぶりの再会。ゴンとネフェルピトー

2008-03-25 19:42:15 | 漫画
「仲間思いの奴がいたらどうするんだ…?」(「HUNTER×HUNTER」19巻)


思えば「HUNTER×HUNTER」に、ガチでタイマン張るような戦闘シーンは今まで殆ど皆無だった。ルール無しで己の全てを賭けて戦う、みたいなシーンが極端に少なかった。序盤のハンター試験編は試験ごとに明確な課題があり、それをクリアしていく物語だったし、最終試験のトーナメントでのタイマンも「まいったと言わせれば勝ち」「相手を殺したら失格」という鉄の掟があった。天空闘技場での戦いは審判によるポイント制だった。ヨークシン編は旅団が強過ぎてゴンとキルアはまともに戦う機会すら得られず、旅団員とのスリリングなやりとりが物語の中心。その旅団とまともに戦えるキルアの家族で暗殺者・ゼノとシルバも「依頼主が死んだから」という理由で試合放棄。ガチで旅団員と戦い、決着をつけたのはクラピカだけだった。グリードアイランド編はゲーム内に入る物語だけあって、己の念能力だけでなくゲーム特有のルールも駆使して強敵に立ち向かっていた。爆弾魔を完膚なきまでに打ち負かす実力を持ってたのはビスケだけだったから、ゴンとキルアは事前に策を張り巡らせてミスリードを誘うような戦い方をした。
このような「ガチで戦うシーンの少なさ」が「HUNTER×HUNTER」の魅力の一つだった。乗り越え難い大ピンチにいかに頭使って立ち向かっていくかが大事。誰よりも強い奴が勝つのではなく、相手を一泡吹かせた奴が勝つ。ゴンVSゲンスルー戦のように。
しかしキメラアント編に突入してからこの傾向は変わった。キメラアント達が猛威を奮うNGLでは、策を練るより問答無用で敵に立ち向かうこと、ガチで戦うことが推奨された。カイトはゴンとキルアに「(蟻を)迷わず殺せ」と命令。「ピトーには勝てない。勝ち目がない」と判断し逃げてきたキルアはモラウに「100%勝つ気で闘る。これが念使いの気概ってもんさ」と一蹴される。さらにナックルとシュートに勝つための作戦を練ろうとゴンに提案したキルアはゴンに「下準備が必要な勝ち方なんて意味がないよ」と返される。考え過ぎるな、戦え、と。策なんて練らずとも正攻法で敵を捻り潰せるような無敵の力を身につけなければならない、と(そいえば幻影旅団がザザン隊と対決した時、シャルナークが「正面突破で」とか行ってたな…)。子供の頃から策を練り、確実に敵をしとめる戦法を、ある意味「HUNTER×HUNTER」の醍醐味のような戦いを教え込まれたキルアはキメラアント編でそれを全否定されるが、やがて自らの殻を破り変貌を遂げた(脳みそに刺さってた針を抜くシーンは屈指の名場面!)。一方ゴンも、変わり果てた姿となったカイトと再会したことで、憎きピトーとガチバトルする決意を固めた。
キメラアント編では、王の宮殿に乗り込み護衛軍と王を分断するための綿密な作戦会議をハンターチーム内でしていたようだが、分断後に護衛軍とどう戦うか詳しく策を練ることは無かった。相手は化け物揃いだし、能力も全くわからないし、捨て身で立ち向かうしか無いからだ。当然ゴンも同様だ。ゴンが、力の差がかなりある相手と無策で命を賭けて戦うなんて今まで無かったから、ゴンVSピトーの描かれ方が全く想像出来ず、ずっと楽しみにしていた。そしたら今週の「斜め上を行く」(byクラフト隊長)展開。無防備なピトーがすぐそばにいるのに戦う事なんて出来ないという、序盤のカイトのモノローグが伏線として活きまくってる、地獄のようなシチュエーション。やっぱり冨樫はこの漫画では、ガチの戦闘シーンを描かないのだろうか。
や、別に描かなくても良いんだけど。面白ければなんでも良いんだけどね。今週本当素晴らしかったよ。かつてビスケが「まさにダイヤモンド」と例えたような固い意志と、キルアが「お前は光だ」と感じたような、誰の心も解かすような熱いハートを持つゴンが、今回すっごい顔してたもんね!旅団と対峙してるクラピカ並、いやそれ以上の迫力(そいえばクラピカの宿敵幻影旅団もただの残虐非道集団じゃなかったね)。何てったってあのピトーが焦ってたからね。それにしても、あんな状況でも相変わらず脳みそフル回転のキルアって…。数秒で全てを理解してるよね、あれ…。 

三日目・四日目

2008-03-22 01:23:40 | 日記
3月18日
■「沖縄を訪れる観光客が絶対行く場所」らしい、海洋博公園内にある美ら海(ちゅらうみ)水族館へ。館内はジンベエザメやマンタや、その他南国っぽい海の生き物と、それらを見に来た大量の観光客でごった返す。特に印象的だったのが、外国人の子供の集団。遠足かな?可愛かったけど超テンション高かった。サメみて「シャーク!!!」を絶叫&連呼。も、もうわかったから…。彼らから離れてもハシャギ声が聞こえてくるし(笑)。

■昼食とった後、海洋博公園内にあるエメラルドビーチを散歩。なるほど、自ら「エメラルド」を名乗るだけあり、透き通った緑色をしている。あぁ、晴れてたらもっと綺麗なんだろうなぁ。ふと海を見ると、飼い犬らしき犬がワタワタと犬かきで泳いでいる。飼い主家族が海で遊ばせてるみたいだ。カワユス。

■この日泊まるホテルは那覇市内なので、海洋博公園から市街地へ一気に戻る。途中、名護市のコンビニでジャンプ立ち読み。無事HUTER×HUNTERを読むことが出来た!ついにゴンとピトーが対面!!ひょ~~!ていうかゴン、ピトーに「カイトを取り戻しに来た!」って宣言してて意外。「お前を殺しに来た!」とか言ってほしかったなー。果たしてピトーはゴンを覚えているのか…。この回は「沖縄で読んだ部分」として、特別なものとして記憶に残るだろう。多分。

■北谷(ちゃたん)にある美浜アメリカンビレッジに行く。その名の通り、アメリカンな佇まいのお店がずらーっと並ぶ大型娯楽&ショッピング施設。一日中遊べるだろうな、コレは。沖縄出身バンド・HYが昔ここでライブしてたとかなんとか。そばにはサンセットビーチがあり、一通りお店を見て廻った後そこを散策。買い物できて遊べて夏には海水浴も出来て。なんでもできるな、北谷。

■宜野湾市にある沖縄コンベンション劇場を通りすぎる。去年の夏のラルクのツアーのファイナルだった会場だぜー。

■ホテルに行く前に那覇市内の居酒屋で晩御飯。レジにトルシエ元サッカー日本代表監督のサインが飾ってあった。そっか、今沖縄のクラブチームの監督やってるんだっけ…。

■ホテル着。住宅街のど真ん中にある高層ホテル。沖縄県民の大半が那覇市内に集中して住んでるらしく、住宅の密集ぶりが凄い。

3月19日(最終日)
■ホテルのすぐそばにある超有名観光スポット・首里城へ行く。ここも沖縄旅行の際は必ず立ち寄るような定番スポットだけあって凄い人・人・人。1992年に復元されたばかりだけあってとても綺麗。どうでもいいことだが、城内にある玉座の間を見てHUNTER×HUNTERのキメラアントの王思い出してしまった。首里城の近くにはガレッジセール・ゴリの母校らしい高校があった。

■沖縄最大の繁華街、国際通りへ行く。観光客と地元民で平日昼間なのに人で溢れまくり。通り沿いにあったファッションビルに入ってたタワレコで宇多田ヒカルの最新アルバム『HEART STATION』購入。「沖縄感」がまるで無い買い物だが、ぶっちゃけ旅行中に購入したものの中で一番愛おしい存在である。ずーっと楽しみにしてたからさー。

■国際通りを歩いてどっと疲れちゃったけど空港に戻るにはまだ時間ある、ということで、近くにあった波の上ビーチに行く。住宅街のすぐ裏にある、地元民御用達っぽいビーチ。色黒の高校生集団が筋トレしてました。

■空港で、沖縄のみで展開してるファーストフード店・A&Wに入る。アメリカンな味付け・サイズのハンバーガーが食べられるお店。濃い。そして大きい。こんなんばっか食べてたらメタボになるでぇー。

…というわけで、大したことは書いてないが沖縄旅行概要でした。今は那覇のタワレコで買った宇多田のアルバム聴きながらおみやげで買った「塩ちんすこう」食べてます。あぁぁぁぁ~名曲すぎるぜ「虹色バス」!!この感動、ぜひブログに記さねば。


一日目・二日目

2008-03-20 18:10:10 | 日記
昨日沖縄から帰ってきた。とりあえず旅行の思い出を箇条書きで書きなぐります。

3月16日
■那覇空港を出た瞬間、生温い風に吹かれる。わかってはいたけどやはりかなり暖かい。さらに名古屋より日が長い気がする。17時半過ぎなのにまだかなり明るい。

■空港近くでレンタカーを借りて出発。といっても私はペーパー歴二年なので運転は任せっぱなし。道路沿いにはヤシの木がずらっと植えてあり南国ムード全開。しかし少し経つとブックオフやらゲオやらジャスコやら、本土でも見慣れた風景が…。それでも歩道を歩いてる人からは沖縄ムードが感じられる。薄着だし、日焼けしてるし。

■「とりあえず沖縄といえばソーキそばでしょ」ということで那覇市内の飲食店に入りソーキそばとフーチャンプルーを食べる。チャンプルーと言えばゴーヤだが、苦いの苦手だから「ふ」が入ったやつにしたのさ。美味しかった。店を出る直前、たまたま見えた隣の店の看板に驚き、慌てて写真を撮る。

■国道58号線沿いを走り泊まるホテルに向かいながら気付いたこと
・コンビニはファミリーマート・ローソン・ココストアの三種類しかない。
・サンシャインというパチンコ屋チェーン店がたくさん。
・歩道沿いに座り込む若者多数。

■読谷村のホテル日航アリビラに到着。素敵な雰囲気であることは間違いなさそうだが暗くてよくわからない。フロントマンや荷物を運んでくれたスタッフなど、男性スタッフの顔が軒並み濃い。小島よしお系の濃い顔。さすが南国。

■宇多田ヒカルが『新堂本兄弟』に出演してたので見る。堂本光一と妙にフィーリングが合う宇多田。その後ニュースを挟み、何故か『恋のから騒ぎ』が。沖縄では日曜日深夜に放送されてるらしい。

3月17日
■一夜明け、カーテンを開けると綺麗な海が広がっていた。天気は曇り気味で太陽が出たり隠れたりと不安定だったが、それでも海は綺麗。晴れてたらどんだけ綺麗なんだ…!?生温い風が心地良いが曇りだし、海に入るには寒いので浜辺をウロウロと散歩。昨夜真っ暗で何も見えなかったが、朝になって見たホテルの外観は、白い壁と赤茶色の屋根の、ヨーロピアンスタイルな素敵な雰囲気。あぁ…別世界だ…。

■せっかく水着持ってきたのに海には入れそうにないなんてなぁ……ということで温水プールに入る。ここのプールの雰囲気も良い。真ん中に噴水があってスペインの公園みたいだ。自然光に照らされながらダラダラと泳ぐ。

■プールを上がり、民族衣装のコスプレをするためだけに沖縄文化体験施設・琉球村へ。コスプレして写真を撮った後、売店で、沖縄のみで展開してるらしい「アメリカ生まれ沖縄育ち」のチェーン店「ブルーシールアイスクリーム」のアイスを買う。サトウキビ味。ビビッドな甘さにアメリカを感じる。

■次に名護市のパイナップルパークへ向かう途中、雨がザーッと降ってきてしまう。しかし地元民らしき人々は傘もささず平然と歩いてる……ガイドブックに載ってた「沖縄人は傘をささない」はマジだった。

■パイナップルパーク着。入場料を払うと妙な自動運転カートに乗せられ、パイナップル園内をぐるっと一式。カート内で音声ガイドをつとめる「パイナップル君」のテンションの高さが笑える。その後パイナップルワイン試飲、パイナップル菓子試食など。

■夜に飲む酒のつまみを買いにコンビニに入る。が、一目散に見に行ったのは雑誌コーナー。月曜日だし、ジャンプでHUNTER×HUNTERチェックしなきゃ…しかし、無い。そうか、沖縄は離島だから発売日遅れるのか…!那覇市内は知らないけど、少なくともリゾートホテルがあるような田舎では月曜日にジャンプ読めません。

■ホテル着。広大な敷地内にコテージ風の部屋が点在している、プライベート感溢れるホテル。室内の栗色の家具が超好みであった。夜中までフジテレビをつけっぱなしで酒など飲む。
 

テレビのシンガー

2008-03-15 14:37:12 | 音楽
「最近、『あー、私と同じような人だ』って思ったのが中川翔子ちゃん。テレビ出てる時のあの浮き具合?周りからちょっと浮いてて、なんかテンパっててまばたきも多くて目も泳いでて、声がうわずっちゃってんの(中略)周りに気つかってて、言うこととかもすごい考えてて、その居心地悪そうにしてる感じが『あー同じだぁ』って。きっとこのコ、変な汗かいてるよって」

ラジオで宇多田ヒカルの新曲を初めて聴いた瞬間は、大体「あわわ、名曲だわこりゃ」と盛り上がる。でもテレビで本人が新曲を歌ってるのを聴くと、大体「歌いこなせないならそんな難しい曲作るなよ…」と盛り下がる。宇多田ヒカルの生歌、聴いてて本当にヒヤヒヤする。彼女の作る曲はメロディーを構成する音の一つ一つに高低差が異常にあり、そのおかげでありきたりではない、借り物ではないメロディーが、独自の浮遊感が生まれている。でもそれを完璧に歌い上げるのは本人すら難しいらしい。テレビで彼女が歌うのを見ながら、「次のフレーズ結構高いけど大丈夫か!?」と心配してしまう。切なく震えるあの声質は非常に魅力的だけど、他のアーティストに比べると安定感が無さ過ぎる。安心して見ていられない。昨日「これから宇多田が沢山テレビに出る、嬉しい」みたいな記事書いたけどさ…。
テレビで、こわばった表情で殆ど棒立ちで彼女が歌うのを見る度に、「この人にはエンターテイナーの血が殆ど流れてないんだなぁ…」と思う。素晴らしい音楽を作り続け、CDに作品として残す才能には恵まれてるけど、それを生でパフォーマンスする才能にはあまり恵まれていない。もちろん、彼女が披露した生歌の中には心を打たれたものもあったけど、やっぱり不安定な時が圧倒的に多い。
デビュー10周年を迎えても、常に地に足が着いていないかのような安定感の無い振る舞いは10年前と変わらない。歌だけでなく、トークの時もぎこちないままだ。多分、「音楽を作る」という本業以外での彼女は常に一般人と同じ感覚で生きているのだろう。一般人だから、何度MステやHEY!HEY!HEY!に出演してタモリやダウンタウンと共演しても、その絡みはぎこちない(唯一、うたばんで庶民派アイドルの中居君と喋ってる時は結構馴染んでいる気がする)。スタジオ裏でも「おい、一般人が紛れ込んでるぞ………あ、よく見ると宇多田さんじゃないか!」とスタッフに騒がれる事が少なくないらしい(本人談)。輝かしい実績の割にオーラが無いアーティスト、宇多田ヒカル。ミュージックステーションのような、一度に沢山のアーティストが出る番組などに出演してる時の宇多田の「その場に溶け込めてない感じ」。宇多田より全然キャリアの短いYUIとかの方が溶け込んでるもんなぁ、Mステに。もう何度も出てるハズなのにいまだに慣れないんだね…。
そのことは、本人も理解している様子。冒頭の言葉は音楽雑誌で、テレビ番組に出てる自分を自己分析した発言である。 宇多田が言うようにテレビに出てるしょこたんも本当に浮いている。挙動不審だ。キョドりすぎて行方不明の人を死人扱いするという失敗もしてしまった。個人的に、テレビ慣れした宇多田やしょこたんなんて見たくないから、適度にキョドったままで居てほしいとおもう。

日々

2008-03-14 21:29:33 | 日記
日々の出来事などをつらつらと。最近更新滞ってるな。

●4月4日のMステ3時間スペシャルにラルクと宇多田ヒカルが出る。久々の共演だ。嬉しすぎる、多分8月に共演したときも書いたけど、私が好きなアーティスト1位と2位だから。しかも3位以下を大きく引き離しての1位と2位ね。ラルクは新曲「Drink it down」を歌うんだろうけど、宇多田は何を?アルバム『HEART STATION』の収録曲かな?宇多田は『HEART STATION』のプロモーションのため、16日の「新堂本兄弟」以降、あらゆるテレビ番組に出まくるっぽい。今年の春はプチ宇多田祭だ。

●16日から沖縄旅行に行く。3泊4日。行ったことのない土地なので超楽しみ。海に入れるかどうかは微妙らしいが、きれいな海を見られるだけで嬉しいな。1月に和歌山に行ったときに見た海も、見ただけでかなりテンション上がった。沖縄の海なんて見たら…東シナ海なんて見たら…泣くかなぁ。日焼けに注意しながら満喫しまくろうと思う。ただ気になることが。旅行期間中に『HUNTER×HUNTER』を読む暇があるかどうかと、19日に出る宇多田のアルバム『HEART STATION』を18日に沖縄でフラゲできるかどうか。これは大きな問題だ!!……せっかくリゾート地に行くんだからそんなこと忘れて楽しめよって感じだね。でも、何か、良いじゃない。沖縄のコンビニで立ち読みするジャンプ。沖縄で買う宇多田のCD。なんだかトロピカルでメモリアルじゃない。CDと言えば、向こうでレンタカー借りたときにカーステで聴くCD何を持っていこうかねぇ。海=サザンなイメージあるけどサザンなんて一枚も持ってないから普通に好きなやつ持っていこうかね。やっぱラルクかね。沖縄で最新アルバム『KISS』収録曲の「Pretty girl」聴いたら楽しいでしょうね。あのアルバム「海辺」って曲も入ってるし、必携だな(「海辺」超暗い曲だけどね)。初夏のような沖縄の空の下で「雪の足跡」や「Hurry Xmas」を聴くというのも悪くなーい。

●沖縄旅行、当然飛行機で行くのだが、3年前にオープンしたばかりの中部国際空港に初めて行くのでワクワクしている。愛知万博と、ほぼ同時期にオープンした中部国際空港、別名「セントレア」。この空港が出来た街を「南セントレア市」に改めるか否かでもめた、なんてこともありましたね。

  

嘘も真実も駆け引きさえも

2008-03-09 02:07:50 | L'Arc-en-Ciel
あぁぁぁ…。もう何度でも観てしまう。昨年末のラルクの所属事務所主催のイベント「JACK IN THE BOX」での伝説のライブ。hydeとGLAYのTERU・TAKUROが共演し、事務所の後輩バンドのメンバーを従え「誘惑」「HONEY」を披露した、あのライブ。武道館で一日限りで行われたライブだったのでこの超レアライブを目撃出来たファンはごくごくわずかで、「どーにかして観れないものか」とずっとモヤモヤしていた。が、先日、この模様が日テレで深夜についに放送されたのだ!番組の放送は関東のみ。数年前なら悔し泣きしてたところだが、今はニコニコ動画やYou Tubeがある…早速うpられてましたよ、ニコ動に。即効で保存しましたよ、勿論。

誘惑/HONEY

hydeがメインボーカルをとったGLAY「誘惑」とTERUがメインボーカルをとったラルク「HONEY」のライブ映像。土曜日の午前中にうpられて以降、再生回数は伸びまくり、ついにはランキング7位にまで登りつめてしまっていたあの動画。すげー、ラルク関連の動画でここまで盛り上がるのって珍しい。近年稀にみるお祭り動画だもんな。私はラルクファンだから、やっぱりhydeが歌う「誘惑」に興味シンシンだったんだけど、いざ映像見てみたら「HONEY」の方が気に入ってしまった。ギターソロとかはちょっと残念なことになってる気がするけど、TERUの豪快な歌いっぷりは「HONEY」にとてもよくハマってると思う。サビのファルセット「I want to fly~」もばっちり歌ってたしね。さらに、hydeによる高音コーラスがこれまた豪快で。最近のhydeの声の具合はマジに絶好調なんだなぁ…と感動。あ、もちろん「誘惑」も良かったけどね。勢いにまかせて突っ走るサビも良いが、低音でじっくり歌うAメロがより素晴らしかった。なんか憂いが漂ってて「さすがhydeだなぁ」みたいな。でも歌詞間違えすぎかな(笑)。途中、「ヤベ、次の歌詞なんだっけ!」みたいな顔して急いで衣装の袖に忍ばせたカンペらしきものをチラ見してるhydeがモロに映ってたりもする。最後は歌詞が完全に頭から抜けたのか、歌を放棄してTERUにまかせて客席煽ってるし。面白い人だ。

別にこの二組のバンドのファンでなくても、両者が全盛期だった1998年~2000年ごろに思春期を過ごした人なら誰もが「おっ?」っと立ち止まるような組み合わせだと思う。世紀末を象徴する二大ロックバンドっつーか…。ファンじゃなくても、彼らの全盛期を知ってる人には是非見てもらいたいなぁ…。私は彼らの全盛期が中学三年間とモロにカブってるから、別にGLAYのファンではないけど当時のヒット曲なら多分全部わかる。あんまり詳しくないけど好きな曲もいくつかある。当時ラルクとGLAYはなんとなくライバルっぽく煽られてて、ファン同士もなんとなく敵対してるような感じだったけど、今は別にそんなに、ね。あの動画の盛り上がりっぷりを見ると両方のファンも殆ど歓迎ムードなんじゃないかな。「誘惑」「HONEY」がリリースされて今年でちょうど10年。1998年当時、10年後にこんな奇跡みたいな競演が見られるなんて誰が予想できただろうか。当時の自分に教えてあげたらどんな反応するだろう。ていうか私、10年前と中身変わってないかも?相変わらずラルクと『HUNTER×HUNTER』が大好きだし…ふ。

誘惑/HONEY(いつ消されるかわかんないからもう一つ同じ動画をw)
◆昨年末にこのイベントについて書いた本ブログの記事
 

『The Best of L'Arc~en~Ciel c/w』/ L'Arc~en~Ciel

2008-03-08 01:30:45 | アルバムレビュー
『The Best of L'Arc~en~Ciel c/w』/ L'Arc~en~Ciel


1. Brilliant Years ★★★
哀愁を漂わせながらひたすら疾走するアコギが印象的な曲。隙間無くギターが詰め込まれており、当時(12年前)と現在のバンド内に於けるkenのスタンスの違いを感じさせる。間奏がシングル曲「flower」にとても似ている。「flower」の構成をシンプルにして、疾走感を1.5倍にしたような、当時のバンドの魅力が濃縮されたような、そんな曲。

2. あなたのために ★★
一曲目とよく似た系統の疾走系ギターロック。冒頭の「ウィ~~~~~~♪」という、奇妙すぎるhydeのコーラスは聴くものをいきなりビビらせる。「只のギターロックだと思うなよ?」というラルクから聴き手への牽制だろうか。まぁ、気持ち悪いさ。

3. I'm so happy ★★★☆
ビートルズのような乾いた音像と一音一音がズッシリと響くドラムが印象的な異色曲。ベースがおとなしくて、ギターが大活躍していて、ドラムの音がザックリしていて…。ドラマーがyukihiroに変わって以降のラルクとは違う、妙に熱気ある演奏を聞かせる。ラスト、「I love you」を絶叫連呼するhydeのテンションは凄まじい。若気の至り?

4. さようなら ★
油断しているとあっさり通り過ぎて行ってしまう、いかにもカップリング向きな曲。Bメロかと思って聴いていたらサビであった。後半には盛り上がりどころもちゃんと用意されているのだが、水のように掴みどころの無い曲なので本当にあっという間に終わる。

5. 賽は投げられた★★★
爆走するベースラインがラルク中期の代表曲「Driver's High」を思わせるギターロック。爽やかでノリも耳触りも良い曲だが、「世間なんて一切信用してません!」と必死に主張するような、被害妄想一歩手前な歌詞が異彩を放つ。

6. THE GHOST IN MY ROOM ★★★★
この曲からドラマーがsakuraからyukihiroへ変わる。いきなりブレイクビーツが耳に飛び込んで来る、少しファンクの香りがする曲。yukihiro加入以前と以後に明確な線が引かれていることを再確認。不穏な暗闇のような冒頭から、サッと光が射してくるようなサビ、そしてまた暗闇へ…というように曲の表情が次々と変化していく。終盤ではhydeによる妙なスキャットが聴ける。

7. metoropolis ★★★★
不器用な頑張って演奏しているような鉄琴の音が可愛らしい、ニューウェーブ風味の曲。hydeのしっぽり濡れた歌声とリズムのループ、ギターのカッティングが心地よい。そしてバックで「ピロロロヨ~~ン」と鳴る電子音。これとギターが絡みあうクライマックスはヘッドホンで聴いてると逝きそうになる程なめらか。サビで「今にも溢れそうな性器を癒して」と訴える、文字通りびしょ濡れな一曲。

8. Peeping Tom ★★★☆
流れるようなアコーディオンの音色が美しい曲。昼寝のBGMに最適な、かなりまったりとした曲調。真昼間から酒を飲んで酔っ払うような背徳的なムードが漂う。「ディープ昼下がり」といったところだろうか。ラルク屈指の穏やかな曲だが歌詞ではひたすら己の不快感を訴える。

9. a swell in the sun ★★
ラルクは大抵ニューウェーブに、ハードロックやメタル、歌謡曲の要素を組み込んだ楽曲を作ることが多いが、この曲は80年代英国暗黒ニューウェーブの世界をそのまま再現したようなダークな曲。地獄の底で歌ってるようなhydeの低音が味わい深い。

10. 花葬 -1014mix- ★★
シングル曲のリミックス。原曲にあった妖艶さ、ねちっこさを排除し、ひたすらクールにリミックス。「ラルクって不気味だなぁ…」と思った人もこれなら聴けるかもしれない。

11. hole ★★★
映画「リング0」にも使われた、スリリングな弦楽器とブレイクビーツが絡み合ったインスト。なぜかワイドショーでショッキングなニュースを特集するときにかなりの確率で使われてるので知らず知らずのうちに耳にしているかもしれない曲。「実はラルクの曲なんですよ、これ」みたいな。

12. get out from the shell ★★
アルバム『REAL』収録曲の日本語詞版。ブレイクビーツ炸裂のハードコア曲。英語版と日本語版、どちらを先に作ったのかは知らないが、こちらの日本語版、言葉の乗せ方がどうにもしっくりこない。サビで英語になる部分は異様にかっこいいのに。


総評★★★☆
カップリングベスト。シングルにするには地味過ぎて、アルバムに入れるには個性が薄くて。かといって曲としてはそんなに悪くない、むしろ佳作多し…そんな曲を集めたアルバムである。ラルクの代表曲から感じられる派手さ、勢い、ねちっこさなどは弱め。BGMとして聴いてると驚くほどサラっと流れていってしまい、味気ないものに感じられるだろうが、じっくり耳を傾けてみると、どの曲にも「ん?」と不思議に思うようなフックがあることに気づく。コーラスが変だったりアレンジが不思議だったり歌詞が狂っていたり…。聴きやすい割にバンドの個性がよく出ているアルバムなので、ラルクが苦手な人(特に、シングル曲などを聴いて苦手意識を持った人)におすすめかもしれない。でも、そんな人はラルク自体聴こうと思わないだろうけども。



60s70s80s

2008-03-02 22:02:37 | 音楽
安室奈美恵とヴィダル・サスーンとのコラボ企画「60s70s80s」がかなり素敵な事になっている。60年代、70年代、80年代を代表するポップスクラシックを現代風にリメイクし、その楽曲のPVをヴィダルのCMに使用、というコラボ。安室の超一級のエンターテイナーとしての才能とエイベックスの巨大な資本が見事なタッグを組んだ企画。本当、バカに出来ませんよあの会社…。今日はこの「60s70s80s」の中から、60sと80sについての感想などを。……70sはあんまりピンとこなかったんだ、実は。
60sは、シュープリームスの「BABY LOVE」のリメイク「NEW LOOK」。かなりポップで可愛いミディアムテンポの曲。曲名も変わってるし、何も知らずに一聴しただけではリメイクだと気付かない曲である。メロディーもアレンジしてるし、原曲をわかりやすく引用してる部分はコーラスの「♪Baby love~」くらい。でもアレンジはかなりレトロで、古き良きアメリカンポップスの香がふんだんに漂う。小刻みに奏でられる少しくすんだ音のピアノと鮮明なキックのバランスが、古くなりすぎず、新しすぎずで見事。
歌詞には60年代を生きる、流行のファッションを追うのが好きな女の子な日常が描かれる。日本にミニスカートブームを巻き起こした映画女優に憧れたり、雑誌やお店で常に新しい洋服をチェックしてたり、パリコレのモデルを真似てウォーキングするのが好きだったり…そんな子。こういう子は60年代だけじゃなく現代にも沢山いるけど、「NEW LOOK」の女の子は妙に楽しそうで、キラキラ輝いている。60年代と言えば日本経済は右肩上がり。「明日は今日より素敵な日になる」と本気で信じられた時代……って生まれてないからわかんないけど、なんかそんなイメージがある。60年代のポジティブでワクワクするような空気感を込めたような、そんな曲。可愛いなぁ。
80sは映画『Flush Dance』のテーマ曲「WHAT A FEELING」のリメイク。ディスコブームを巻き起こした、誰もが知ってるあの曲である。やっぱ「80年代」っていうとこういうイケイケなダンスミュージックが浮かぶなぁ。80年代=刹那的快楽、バブル、サーファーディスコ…みたいなイメージ。当時のシンセのサウンドを現代の機材で表現したような、エレクトロニカな手触りの歌謡ディスコチューン。頭の悪そうなケバケバしいシンセが笑いを誘う。終盤のブレイク部分、まるで野球の応援のような間延びしたメロディーが「もう踊り過ぎて頭真っ白!カラッポ!」みたいなバカバカしさが感じられて最高である。
歌詞はとにかく「ダンスが楽しい!!」、これに尽きる。安室が作詞したわけではないが、彼女の生き様が透けて見えるかのような歌詞になっている(気がする)。スターを目指して、とにかく踊りまくる女の子。誰もいない真夜中のオフィス街、ビルの窓を鏡代わりにして朝まで踊りまくる。これ、安室本人も経験があるらしい。ブレイクまでの下積み時代が長い事で知られる安室。歌詞にあるように、「抜け出すため 昇りつめるため」「誰よりも輝けるように 誰の心も照らせるように」踊り続けた結果(もちろん歌のレッスンも)、スターになった安室。彼女のブレイク以降、彼女が所属していた沖縄アクターズスクールにスポットが当たり、出身者たちが次々と鳴り物でデビューしては消えていった。つまり沖縄アクターズスクールが凄いのではなく、安室の努力が飛びぬけて凄まじかったのだ。アクターズスクール出身者で今、最前線で活躍している人が安室のみであることがそれを証明している。今だに全盛期のようにスリムな体型でキレのあるパフォーマンスが出来るのは、スターになった今も日々の努力を怠らないからであろう。ルックスや才能や運に恵まれただけじゃない。誰にも負けない血の滲むような努力の積み重ねが、今の安室の地位を作ったのだ。
……とまぁ、なんというか、安室のプロ根性というか 芸能魂みたいなのが滲み出てるような、そんな曲だなぁと思ったわけです、80sは。三曲中で一番好きです。 だから動画貼っておきます。



Namie Amuro-WHAT A FEELING