社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
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古書から学ぶ未来へのヒント/城崎温泉は一押しです!!

2018-10-17 20:00:20 | 観光

2018年10月17日、火曜日。

日本交通公社の「たびとしょ cafe」に

西村幸夫先生の講演を聞きに行ってきた。

お話をきちんとまとめる時間もないので、とりあえず、記憶の範囲で。

メモレベルです。

タイトルは

「古書から学ぶ未来へのヒント ー 日本の観光の課題とこれから -」

副題に関する話はあまりなかったが、

 ◎現代之都市美(第1回都市美協議会研究報告 昭和12年)

 ◎日本都市風景(橡内 吉胤(とちない よしたね)著、時潮社1934年)

  ちなみに、この漢字「橡」、「とちのき」と読むようです。

 ◎史跡名勝天然記念物(史跡名勝天然記念物保存協会、1914-1944年まで発行)

この3冊の古書について本当に愛おしそうに、熱く語っていた。

※古書:ここでは戦前のものを古書として位置づけています。

先生は、歴史的街並み、風景、景観、街の記憶を

どのようにまちづくりに活かすかを研究するにあたって、

まず、古書をあたったそうです。

そこには、既に大正時代に、いまでも課題として上げられていることや、

計画論として語られていることが

既に古書に記されていたことに、驚いたそうです。

これらの古書の中では、

地方都市の良さ、その良さを大切にすべきこと等も記されていた。

例えば、奈良、金沢、高岡、三国市(福井県)、白石市(宮城県)、関宿(三重県)とか。

 

史蹟名勝保存法というのは、ドイツの郷土保存運動(1890-1900年代あたま)

に影響を受けたこと。

そして、この郷土保存運動は、ナチスを生む底流にもなったこと。

国粋主義、右傾化に走らせるような流れを生んだらしい。

 

それと、城崎温泉の話。これは古書とは関係ありません。

ここは、自分も一度、仕事で訪れたことがあり、とても気に入った温泉街ですが

先生も「ここは、いいところだ!!」、「まちづくりでも成功例だ」と話されいた。

城崎温泉は、かつて「北但大震災」(大正14年/関東大震災の2年後/震度6)にあって

復興にあたり、

 ◎川沿いの温泉街の街並みをきちんと作ったこと

 ◎もともと温泉の湧水量が少なかったことから、外湯を充実させたこと

  (各宿の温泉は小さくし、外湯めぐりを楽しんでもらう方式にしたこと)

がよかった。いまの城崎温泉があるのも、これによるところが大きい。

なるほど、ここの外湯はたしか7つあり、自分もここを巡りました。

途中、射的やスマートボールを楽しんだり、ラーメン食べながらビールを飲んだり。

観光客を旅館に囲わず、外でお金を落とす仕組みが作られていて、

かつ、浴衣を着て川沿いの温泉街の街並みを眺めながら

歩けるので雰囲気に酔えます。

城崎温泉、お薦めです。

一度は訪れたい温泉です。

 

※日本交通公社の「たびとしょ cafe」

日本交通公社の「旅の図書館」の中にあります。

https://www.jtb.or.jp/library

この旅の図書館は、かつて八重洲にあったのですが、

再開発で南青山(ホンダの裏側)に移ってきました。

非常に充実していますので、関心のある方は是非。

新築で建物もきれいです。

コメント
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