みなとみらい21地区の石造りドッグに停泊している4檣バーク型帆船の「日本丸」。定員は138名、全長97m、総トン数は2278t、総帆数は29枚(畳1,245枚分、最高マストの高さは水面から46m。1930年に商船学校の訓練帆船として建造され、「日本の海の王者にふさわしい船にしたい」という我が国の海運に寄せる期待を込めて「日本丸」と命名された。約半世紀にわたって海の若人を育ててきた。地球を5.4周もする活躍をして、この帆船も数多くの実習生と共に様々な歴史を背負ってきた。正確な記録の残る昭和27年(1952)4月1日以降でも162次の航海を行い、6,509名の実習生を育て、約127万kmの航海を完遂した「日本丸」がほぼ現役時代の雄姿のままで保存・展示されている。桜木町駅から、ランドマーク傍から見ることができるが、今は静かにこの横浜の地を見守っているようである。(1804)
横浜市中区大桟橋通と日本大通に挟まれた場所に昭和6年(1931)英国工務省の設計&建築の「英国総領事館」であった「横浜開港資料館旧館」はある。この建物は鉄筋コンクリート造3階建で一部地下造り、銅版屋根をもつ邸館風健築で古典主義建築である。「英国総領事館」は1階は執務室、2階は事務官2世帯の住宅、3階は使用人の住居という設計で建てられた。しかし昭和47年(1981)に横浜における業務が終了昭和56年(1990)に「横浜開港資料館」として開館した。海岸通りに面した部分には商館倉庫風デザインの新館が建っており、中庭を挟んだ奥に壮麗で優雅な旧館がある。旧館東側(通用口)の壁面にはツタの葉が一面を覆っている。横浜開港資料館旧館は横浜の歴史に関する資料を収集し閲覧・展示・出版など公開する施設として横浜の歩んできた歴史を資料を通して次世代に伝えていく「近代横浜の記憶装置」の役割を担っているようである。(1804)