風邪はだいぶ良くなってきましたが、まだ外にいくには不安です。
今日読んだ「神童は大人になってどうなったのか(小林哲夫著、太田出版)」は私の予期した以上に、内容に深みがあった。
私の、「神童伝説の聞きかじり」は、高校時代、東大の入試発表をみにいったことからはじまる。
私は東京大学の入試発表を見に行ったことがある。50年前の大学入試は、一期校、2期校の区別があってた。私は、当然、東大に受かる力もなかったから、受けないで、千葉大を受けた。
しかし、大学の頂点であった東京大学の入試の発表の様子をみておくの勉強になると考えて、井の頭線で、駒場の入試発表を見に行った。
私の千葉大の入試発表は、関係者以外はだれも来なかったが、東京大学は違うのです。
そもそも発表場所が、東大のテニスコートで、発表時間が夜なのです。コートにはライトが付き、明るくなっていて、テレビライトで明るく照らされているのです。
そして、関係者だけでなく、新聞社、テレビ会社がはいり、一大イベントとなっていたのです。
一番ショックを受けたのは、井の頭線の電車の中で聞いた次の言葉でした。
「勉強して、東大に受かるのは当たり前だよな」
「本当に頭いいやつは、勉強しなくて受かるんだよ」
この言葉を聞いたとき、私は、「やぱり東大を受けなくてよかった」と心の底から思ったものでした。
それから、「勉強しなくても東大に受かるような人」って、どんな人がいるのか、関心はあったのですが、なかなか、分かりませんでした。
私が東大出て、一番よくはなした人とえば、仮説実験授業の開発者・板倉聖宣さんではないでしょうか。
この本には、私の知っている人が3人出てくる。
1人は、不破哲三氏です。日本共産党の幹部には東京大学での人がおおいことは有名であるが、私がある東大中退の国会議員に話を聞いたとき、「不破さんは別口」だからと言われました。
2人目は、副委員長していた上田耕一郎氏です。不破さんの兄貴です。彼は、カミオカンデでノーベル賞をうけた小柴昌俊氏と東大同期です。小柴氏は物理学、上田氏は文系ですが、著者は、上田氏を高く評価しています。
3人目は、日本共産党の今をつくる礎になった人・宮本顕治氏です。私も、この本に、でてきてびっくりしています。
宮本氏は山口県立徳山中学校から「飛び級」で第一高等学校に進学し、東大に進んだ方です。
ここには、「神童」と言われながら、期待外れに終わった人も、実名で沢山出てきます。
学歴の問題を考える上で、ぜひ、多くの人に読んでほしいと思いました。