ワールドカップでの日本チームの活躍の興奮の陰にかくれて、モリカケ疑惑の方が忘れられがちだが、27日の日本共産党・志位委員長と安部首相の党首討論は、聞くに値する内容があった。
自民党の小泉進次郎氏らは「スキャンダルばかりでは国会審議がすすまない」として、「スキャンダルは、それはそれとして、別の形で追及?」し、議案審議を進めるような提案をしている。なんとなく、「それも耳を傾ける価値がある」と思わせる節がある。
しかし、問題は、そこではない。執行部が、資料を改ざんし、ウソ答弁をし、討論の前提である「きちんと事実を語って、論議をする」という民主主義の根幹が壊されているのである。だから、審議がすすまなくなっているのである。
小泉進次郎氏が、自民党に提言するなら、「うそはいけません。資料をごまかしてはいけません」と進言すべきものです。
さて、党首討論の核心に入ります。
総理の腹心の友が経営する学園が、総理の名を使い、巨額の補助金をかすめ取っていたという認識はありますか。
志位委員長
6月19日、加計孝太郎氏が記者会見を行ない、国会に提出された愛媛県文書に明記されている”2015年2月25日に安倍総理と加計理事長との面談がおこなわれ、その席で獣医学部の新設について総理が「そういう新しい獣医学部の新設はいいね」と言った”ことについて、「事を前に進めるため」の学園職員のつくり話」だったと釈明しました。
とうてい信じがたい釈明ですが、総理の名を使ったのは「事を前に進めるため」だったという言明は、きわめて重大であります。
現実にどういう「事」が前に進んだ」か。国家戦略特区への獣医学部新設の認可がすすんだだけではありません。愛媛県と今治市の加計学園への補助金が大幅に増えている。
2015年の愛媛県文書では、今治市の発言として加計学園文書では、「50億円の支援と用地の無償提供が限界」「県としても厳しいとの話を受けている」とのべたと明記されています。
ところが、その後、総理秘書官から、「自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件」と強く迫れました。
この面会も、「事をすすめるため」に総理の名が使われているのです。
その結果、今治市の補助金は、「50億円から、63億円」になりました。「厳しいといっていた愛媛県からも31億円の補助金を出すことになりました。合わせて、93億円に補助金は膨れ上がりました。
そこで総理に伺いますが、総理の腹心の友が経営する学園が、「事を前に進めるために、総理の名をたびたび使い、総理秘書官が深く関与し巨額の補助金をかすめとっていたことではないか。
総理にそういう認識はありますか。
安部首相
愛媛県、今治市の補助金について、私はあずかり知らない
注)これだけ、志位委員長の事実をあげた質問にも、安部首相はなにも答えられないのです。