思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

ドイツの釣り免許

2010-09-20 14:04:02 | その他の話題/Other Topics
ドイツ全国とオーストリアの幾つかの州では内水面の釣りをする為に必要なライセンスを取得する前提として「釣り免許」(Angelschein)を取得する必要があります。この釣り免許、取得するには一次試験の筆記(独・墺とも試験はドイツ語のみ)、ドイツでは更に二次試験で課せられる実技試験に通る必要があります。実技試験と言うと、「魚を釣ってみせるのですか?」と聞かれますが、さにあらず。与えられた課題魚にあった仕掛けを試験場に置いてある道具から選び15分で作るというものでした。

ドイツに最初に住んだ1989年、時はベルリンの壁が解放される直前ですが、その西ベルリンに住む事となり、鱒川は遠く西ドイツ本土まで行かなければならないため、東ドイツの釣魚連盟に釣りが出来るかどうか問い合わせの手紙を書きました。在東独日本大使館の方が東ドイツで釣りを楽しんでいたとの話を聞いたからです。西ベルリン在住の場合、東ベルリンは兎も角、東ドイツに入国するにはビザを一々申請して取得する必要がありましたが、まあ、ダメもとで手紙を出した訳です。



西ベルリンの日本人からの手紙に対し、きちんと回答を送って来たのが上の手紙。残念ながら、在東ドイツの外国人か無国籍者にしか、東ドイツでの釣りは認められないとの内容でした。そのため、西ベルリンに居た時分は、車で延々と走って行ったフィンランドの北極圏(ラップランド)とスウェーデン、そして、アルプスの山中はInnsbruck(インスブルック)の近郊のStubaitahl(シュトゥーバイタール)で釣りをしたのが唯一の経験となりました。



その後、一旦帰国し、2年後赴任したデュッセルドルフでドイツの釣り免許試験を受験し、無事合格、受け取った免許がこれです。10月初めデュッセルドルフ市役所に問い合わせ、10月末に釣り免許試験がある事を知り、ケルンの釣具屋で釣り免許筆記試験参考書を購入、週末一夜漬けで試験に臨み、一次試験の筆記は無事合格。実技試験で、日本の仕掛けと全然違うコイやフナに当たらない様に、祈った所、パイク仕掛けを作る問題を引き、最初ルアーとの間にワイヤーラインを入れるのを忘れましたが、思い出し、15分の制限時間内で無事仕上げ、合格しました。その後、答えを全て記載したものをデュッセルドルフの釣り好きの日本人の方(ドイツ語は不自由)に差し上げ、その方も見事合格されたとの吉報に接しました。
ドイツから帰国後、当時立ち寄っていた神保町の毛鉤釣り屋で、確かKDDの方がデュッセルドルフに赴任されるとの事を聞き、件の日本人の方を紹介致しました。その後風の便りに、その方も合格されたと聞きました。私の遺産は合格虎の巻として、その後、何人か日本人釣り師の駐在生活に潤いをもたらすささやかなお手伝いをさせて頂いたようです。

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