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思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

丸沼釣行(2019年8月23日〜24日)

2019-08-25 16:26:39 | 釣行記/Fishing Trips

この週末、群馬県は片品村の丸沼へ行ってまいりました。
8月23日、北千住発06:42のリバティ日光で東武日光へ行き、そこでレンタカーを借りました。実は日本でレンタカーを借りるのは初めてでしかも久しぶり過ぎて慣れない左側通行に右ハンドル。初レンタカーは日産のデイズという軽自動車。東武日光駅をおっかなびっくり09:00前には出発、まずは中禅寺湖方面へ走ります。
いろは坂を非力なエンジンで登り、中禅寺湖に到着そこから更に湯川が望める湯滝の駐車場へ。
本当はここで湯川を釣ることも考えていたのですが、如何せん、お腹の調子が悪く、まずは未知の丸沼への到着を優先、湯川での釣りは断念します。取り敢えず湯滝を見物に行くと、その雄大な滝の下には竹竿を振る釣り人。私の見ている中、40cmは優に超える結構な大物虹鱒を釣り上げられ、即座にリリースされておりました。

湯滝。写真では伝えられない雄大さを伝えられないのがもどかしい。

湯滝から湯川に向かう木製遊歩道。次回は是非。

湯滝の駐車場で一服した後はいざ、丸沼へ。出発後は登り道を金精峠までひたすら登ります。西園寺公一氏の「釣魚迷」に、昭和の初め、錚々たる紳士達が金精峠を超え丸沼に通った話が載っておりましたが、当時は本当の難儀な道中だったものが、今は立派な車道が続いております。金精峠を超えて下り坂を暫く走ると菅沼が現れ、それを過ぎて走ると丸沼温泉環湖荘への道標があり、右折します。丸沼に佇む温泉旅館。その標高は1430メートル。奇しくも、オーストリア・シュタイヤーマルク州ムーラウ(Murau)近くのエトラッハゼー(Etrachsee)(爆釣の湖)とほぼ同じ標高。

丸沼の紹介看板が湖畔への入り口にありました。

気温も下界の暑さからはかなり差があり清涼な爽快さ。山々も何となくオーストリアの僻地の湖を彷彿とさせます。
到着後、ボートを借りて早速釣りを開始。竿はLRH Dry Wet 9'3''。以前ノルマンディーのチョークストリーム、リール(Risle)川に連れて行ったこの竿はチュニジアに持参しすぐフェルールがスレッド共々取れてしまい、昨年機会を見つけて帰京した際、つるや釣具店さんで修理、再ラッピングをしてもらったもの。ノルマンディーの強風の中でのドライフライ釣りでは、この竿の胴調子は多少厳しいものがありましたが、力を入れなくても竿に任せれば糸が出て行ってくれるこの英国竿のアクションは何とも興趣に溢れます。

8月23日午後、ボートをいくら漕いで見回っても魚の姿は見えず、時折跳ねもありますが、小魚か何かのもの。宿の反対側に位置する一番遠いダムまで行き、引き返します。

色々な入り江にシルクラインを伸ばしてやりますが、水温は20度以上。魚は水深の深いところに行ってしまったようで、シンキングラインにヘビーウェイトのフライでなければ釣りにならないようです。竹竿にシルクライン、条件があれば英国・アイルランド風のロッホ流釣りでもとの目論見は木っ端微塵に粉砕され、現実の厳しさを突きつけられたのでした。

23日は余りの反応の無さに足先もダレてしまっているのが判ります。
金曜日は結局ボウズ。宿で良い湯を浴び、美味しい夕食を堪能し、早々に床に着きました。

翌24日も厳しく、全然魚のアタリが無く、日曜日は早朝出発して湯川で釣りでもするかな、と考えていた午後3時、漸くある入り江で魚を発見。湖上に大量に浮かぶトンボに似た毛針は無く、かつ、トンボを食べているか判らないので、困った時のシルバー・サルタン頼みと14番の黒い毛針を結び、その魚の進行方向へ投げ込みます。
糸フケを取ってさあアタリをとるぞと思った瞬間ガツンと来たので手首を返すと、竿が曲がり糸が出ます。長く苦しい時間を過ごした後の待望の魚信に多少慎重にやり取りし、愛用のテレスコピックタモに入った魚は尺も無い虹鱒さんでした。

腹は何を食べているのか、パンパンに張ってます。トンボか他の陸生昆虫でしょうか。

このSaltounという毛針は、黒いボディにスターリングのウィングというシンプルなものですが、オーストリアのグレイリング釣りで厳しい時に効果を発揮する等、最後の保険のような毛針。今回もこの毛針に救われました。

近影です。

夏の丸沼の厳しさは、エトラッハゼーに比べるととんでもないものがあり、心が折れそうな長い時間を過ごしましたが、取り敢えず一匹釣れたのでまずは良しでした。ここには幸田露伴、井伏鱒二、そして開高健が訪れ、特に開高は10数回訪れて釣りに明け暮れたそうです。虹鱒の泳ぐ水槽があるニジマス風呂は開高もお気に入りだった由。往時の釣りと同じ釣りが今も出来るのか私には判りませんが、初めての場所に行き、そこで釣りをして、その土地の言われを知る。それもまた楽しやと思いました次第。
日曜は湯川によらず東武日光へ直行。午後1時過ぎには帰宅出来ました。途中の山道・いろは坂は結構緊張しました。やはり自分で運転しない釣りに慣れてしまっているのでしょうか。これからは鉄道プラスレンタカーで射程を伸ばそうかと思っております。

養沢釣行(2019年8月10日)

2019-08-11 20:16:05 | 釣行記/Fishing Trips

三連休の初日、帰国してから初めての養沢に行ってきました。
電車の時間が多少変化し、以前は5時36分だったのが、今は5時32分に最寄り駅出発。登戸で南武線に乗り換え立川へ行き、そこで武蔵五日市線に乗り換え6時58分に武蔵五日市駅に到着。そこで上養沢行きのバスに飛び乗り、養沢の事務所に7時30分前に到着。

事務所に到着する前のバスの車内。

連日暑い日が続いていますが、当日も朝から日差しが強く、釣り人も少ないのか、普段なら7時30分くらいにくれば二桁なのが、4番目の入渓です。

暑い中準備をして川上に向かって歩きますが、汗が吹き出し偏光グラスを外して拭いてもすぐその後から吹き出してきます。遠藤前から入渓しましたが、暑さと汗で釣りに集中するどころではありません。帰国後に巻いたフランス・ハックルのドライフライにハーディー・マーベル7'6''で虹鱒をかけますが、水温も20度を超え魚の活性も低いのでしょう、後が全然続きません。ポンプ小屋で日差しがある場所の釣りは諦め、その上流に入りました。

上流でも汗は絶えず吹き出し、帽子、シャツはびしょ濡れ。ポツポツ虹鱒を釣りますが、気が遠くなりそうな暑さに、釣りに来て失敗したかなと多少後悔。

そう言えばと思い出したのが、堰堤。上流の堰堤なら涼しいかと思い堰堤前に佇むと、霧雨のような水に気温も低く汗もそれまでが嘘のように引いて行きます。
滝壺のプールには魚が水面近くに泳ぐ姿が見られ、川の他の場所より条件は良さそうです。
霧で偏光グラスが濡れて見えにくいですが、ドライフライを浮かべると今までよりも反応良く大型ヤマメも虹鱒も泣き尺ですがマーベルを引き絞ってくれました。

27cmのヤマメ。毛針の中でも、前回会津大川で大型虹鱒をかけたハニー・ダンのハックルのもの、ラスティー・ダンのものへの反応が良く、全体に白っぽいハニーへの反応は今ひとつでした。日陰ですと、ダン系統の毛ばりは遠目で見難く、何だかボンヤリした感じがあるのですが、日が差すところではそれが印象的に煌めきます。それがまた釣れそうな感じを与えてくれました。

7月の虹鱒に続きヤマメに遊んでもらったフランス・ハックルの毛針。多少ヨレてますが、未だ活躍してくれるのではないかと期待しております。

堰堤での釣りも12時までで止め、遠藤前で水分を補給、ゆっくり歩いて事務所に戻り漸く一息つきました。冒頭の写真は事務所のテレビの下にあるものですが、右の養沢創始者のブレイクモア氏が持つのが左のハーディー・マーベル7'6''。今回私が使ったマーベルと一緒の50年代製の様です。もう少し涼しくなったら、ブレイクモア氏も愛用したマーベルを持ってまた養沢に出向こうかと思います。

会津大川釣行(2019年7月13日)

2019-07-14 12:56:34 | 釣行記/Fishing Trips


4月末に帰国してからの2ヶ月以上、北アフリカのイスラム教国の悠久な時の流れと正反対の東京の仕事のサイクルへ再度慣れるための四苦八苦と週末の色々な都合、更に週末を狙ったかのような悪天候に釣りに行けない状況が続いておりました。
3連休の7月中旬、天気予報によれば7月13日土曜は釣りに行けそうだと決心し、事前にリバティ会津号の座席を予約、釣りに行くことにしました。
朝5時半に家を出て、地下鉄で北千住まで行き、そこで東武鉄道のリバティ会津101号に乗り9時43分会津田島駅に到着。片道4時間の旅です。
会津田島駅から徒歩10分程度のこめや釣具店で日釣り券1500円を購入、そこから更に徒歩で15分程歩き丹藤橋に到着。

橋の下でリュックサックから荷物を出し身支度します。天気は予報通り曇りですが日差しもありまずますの釣り日和。

最初は下流に移動し、ウェットフライを使う計画。何故、会津大川にきたかというと、以前入手して使っていなかったLoch Leven (Special) 10'の竿下ろしをするためで、それには大きな魚がいる場所でないと、ということでの選択。胴調子の長竿でウェットフライ用にデザインされたLoch Levenに会津大川で実績のあるRamsbottom's Favoriteを使い下流を攻めて見ます。

ところが、水量が少なく下流域に魚のいそうな雰囲気はありません。結果の出ないまま川を遡って行きます。最近釣りをしていなかったことも手伝ってか、以前は10'竿で感じたことのない手首の痛み、痺れも出て苦しい時間を過ごします。

Loch Leven 10'をMarvel 7'6''と比べますと。。。

グリップの大きさ、バット側の太さ、全てが全然違います。Marvelは軽すぎて箸の様。

お昼時になって、橋の近くで釣っていた多くの方がいなくなった後に入ります。ウェットフライが全然ダメなので、先日巻いたフランス・ハックルを使ったドライフライを使ってみることにしました。

川の水色も考えてハニーダンの毛針にし、10'の長竿に結びます。
それで橋の下の多少流れの緩い場所を何度か投げていると、いきなり大きな頭が水面に現れ、結構ゆっくりと小さな毛針を咥えこみます。
こういう時は慌てるとすっぽ抜けすると思い一呼吸置いて合わせると、強竿をグッと曲げ、フライラインが水面に突き刺さります。会津大川では大きな魚を過去も上げているので落ち着いてテンションを保つことが出来、ゆっくりとやりとりをすること暫し、魚は、まだ日本に届かない愛用タモの代わりに帰国後買ったテレスコピックタモに収まったのでした。

メジャーで測ったところ51cm。2017年に釣った魚よりは小さかったですが、小さなドライフライで釣れたので嬉しい一匹となりました。

更に良く見ると、魚にはサカナジラミが何匹かついております。養殖時についたものなのではないかと思いますが、初めて見ました。大西洋鮭ですと、海から川に遡上したばかりの証拠としてSea Liceは語られますが、日本のサカナジラミはちょっと頂けないですね。

橋の近くの流れの弱くなっている場所。

エラに水を通して休ませると魚はゆっくりと水底に帰って行きました。
朝10時半から15時までやって、今日はこの一匹だけ。でも、竿下ろしも出来て満足です。

釣りの後は駅ビル中のヴオーノさんで今回は冷やし中華を頂き、15時48分の下今市行き電車に乗り、下今市で更に華厳44号に乗り換え、北千住経由自宅には20時前に到着しました。クタクタでありますが、帰国後初釣行としてはまずますでありました。

会津大川釣行(2017年10月3日)

2017-10-03 12:42:21 | 釣行記/Fishing Trips

行ってきました。会津大川へ。
現在休暇一時帰国で東京滞在中ですが、家内からお許しを頂き会津大川へ行く事にしました。
都心を05:32出発し、北千住発06:42のリバティ会津号(?)に搭乗。

都心から栃木にかけては曇り気味でしたが、野岩鉄道に入った頃には晴天が広がって来ました。

昔は06:30北千住発の普通列車だったのが、特急のような快適な車両になりました。全席指定です。

09:45に会津田島に到着。歩いて10分弱のこめや釣具店で日釣り券1,500円を購入。そこから真っすぐ丹藤橋へ向かいます。10時過ぎには釣り場に到着し、Sawyer Nymph 8'10''にPerfect 3 3/8、DT5F、3Xリーダー、そしてウェットフライのRamsbottom's Favouriteを結びます。ドロッパーは取りあえず無し。
そして、橋より下流に広がる広い瀬に向かいます。今日はここでウェットフライを試そうという魂胆。

水量が少ない、余り良い状況ではありませんが、まず最下流から始めて、多少水深と水流のある場所まで遡上し、葦の密生する川岸ギリギリに毛針を流せるように斜め上流に毛針を投げます。

毛針が真横を過ぎ、ドラッグがかかり始めたところで、コツコツとアタリ。そこで手を返して合わせるといきなり竿先がもって行かれます。兎に角余ったラインを大急ぎでリールに巻き込み鱒と対峙する体勢を整えます。ラインを巻き取りPerfectリールのドラムを手で抑えてプレッシャーをかけると、それを嫌う鱒はギュイーンとラインを引き出し大遁走。ジャンプはしないまでも、尾びれを水面に出しバッタンバッタンと抵抗します。鱒の頭を水面に出せば弱ると思うのですが、頭を出すところまでは至らず、力比べは続きます。それでもSawyer Nymphと3Xリーダー、それに10番の鈎という頼もしい組み合わせですので、慌てることはありません。鱒は遁走を繰り返しますが、段々と疲れが出て来て、遂に頭を水面に出しました。ここまでくれば後はもう少し。魚は遂に抵抗を諦め岸に寄せられました。それを何とかテレスコピックタモに入れゲームセットです。それにしてもPerfectリールはその構造上、回転するドラムを直接手で抑え追加のドラグを自在にかけられる優れたリール。大物鱒とのやり取りではその力を発揮します。
虹鱒は57cmで、口にはRamsbottom's Favouriteがしっかりとかかっておりました。

ホテルの部屋の照明で暗いのですが、今日鱒の口を捉えた毛針。結構散けてますが、マラードの下から赤、青、黄色のフェザーが覗いており、良い感じです。

下手な写真を撮って、出来るだけ早く回復出来るように水に戻し、鰓に水を通してあげると、暫くして川の真ん中に泳いで戻って行きました。

釣りを始めたのが10時半ちょっと過ぎ。鱒を釣ったのが11時過ぎ。その後は全然アタリが無く、川を遡上して行きます。
橋の一寸上流のところでチビ虹鱒を2匹釣りましたが、15:43発の電車で帰りたいので、14時過ぎには釣りを終了。まあ、大きな鱒をしょっぱなで釣ったのでもういいやという感です。電車釣行の何時ものスタイル、バックパックに竿袋。

実は楽しみにしていた釣行後のチャーシューラーメン。駅ビルの中のヴォーノさんで頂きます。イスラム教国では食べられない豚肉の滋味が口に広がり幸せを噛み締めます。

会津田島駅のマスコットでしょうか。赤ベコも健在です。

15:43発の下今市行きに乗り、下今市で17:32発のスペーシアに乗り換え。19時過ぎに浅草到着、更に地下鉄に載って20時近くに漸くホテルに到着しました。往復だけで8時間超の会津大川釣行。いやはや疲れましたが、良い思い出がまた出来ました。
因に、Sawyer Nymph竿ですが、今年のノルマンディー釣行2回、オーストリア釣行3回を経て、今回の会津大川釣行で、新品の固さが大分取れてきて、段々と特徴的なアクションが出て来たように感じました。竹竿は釣行を重ねることで調子が馴染むというか、角が取れるというか、良い相棒になったなという印象です。

養沢釣行(2017年3月17日・18日)

2017-04-01 09:34:25 | 釣行記/Fishing Trips
3月中旬、所用があり一時帰国致しました。
用事も何とか片付け、週末のチュニス帰路までの間、3月17日(金)・3月18日(土)の二日間養沢へ行って参りました。2017年の初釣りです。
未だ気温も10度程度、水温は7度と寒く、ドライフライでは出ないだろうなとは思いましたが、スーツケースに斜めに入れられる竿はHardy Marvel 7'6''三本継だけなので、それを持参。淡い期待を胸に都心から電車・バスで川へ向かいます。

3月17日は平日なので、電車のダイヤの都合上、養沢には8時半過ぎにしか到着出来なかったのですが、既に17番という番号。相当人が入っていたようです。それで、この時期でも魚の動きが期待出来そうな遠藤前を目指し歩いて行きました。

遠藤前は水が少なく流れは通常よりゆっくり。この難条件下でドライフライを投げましたが、一回魚が出たものの、痛恨の合わせ切れ。そこから先は音信不通になりましたため、スナイプ アンド パープルを結びました。この毛針、紫色のタイイングシルクのボディにスナイプのフェザーという簡単極まるものですが、水温が低い条件下、過去数々の魚を掛けてきた実績のある鈎。養沢に来る前も、ニンフを使うのは嫌なので、多分これでなければダメだろうなと思っていたものです。上の写真の鈎は魚を掛けてシルクがボロボロになったもの。

ティペットはそのままにして、リーダーにはグリースを塗り良く浮かぶようにします。毛針は唾で濡らして沈み易く下準備をした上でアップストリームに投げ込みます。光の関係で見難い場合もありますが、水面に浮かぶリーダーの動きと魚の動き、そしてblind man's sixth senseという言葉がピッタリの第六感でアタリを待ちます。写真の流れではリーダーの動きだけでアタリが良くわかり、おかげさまで沢山の虹鱒に遊んでもらいました。

翌3月18日も、都心に居てもやる事はなし、代々木上原駅まではタクシーで、そこで5時36分の小田原行き急行にのり南武線経由立川で武蔵五日市線へ乗り換え、7時半前には養沢に到着です。前日よりも陽光が暖かい中、同じ場所で同じ毛針を振ります。暖かさが気持ち良く、また、金曜日よりも人が少なかったためもあり快適な釣りになりました。

虹鱒の口の右側にはスナイプ アンド パープルがしっかりかかっております。昔の達人の様に目印のようなものは付けずに竿先の感覚とリーダーの動きを中心にアタリを取って行く技を磨くにはこの手の釣り方は多分入門し易いものではないでしょうか。流石にMarvel 7'6''の短竿では竿先の感覚でというのはフライラインの処理に難があり、養沢ではリーダーの動きでのアタリ取りが中心になりましたが。

昼過ぎには帰りのバスに乗りたいので、午前中で遠藤前の流れにお別れし、事務所下でちょっと遊ぶことにしました。

事務所下では毛針のスローリトリーブに虹鱒・山女魚がアタックしてくれ、根を詰めない気楽な釣りが出来ました。でも釣れるヤマメは全て脂ビレがちゃんと付いている魚。私は養沢の標識山女魚を未だ釣った事がありません。

そんな釣りの最中、水面にカゲロウが流されて来るのを見ました。羽化に失敗してもがいているので可哀想に思い石の上に置きます。和名でマエグロヒメフタオカゲロウ、欧州の釣り師は簡単にマーチブラウンと呼ぶカゲロウ。サイズは13番くらいでしょうか。後少ししたらドライフライで楽しめるかなと思う次第です。
欧州の釣り場は未だ未だ釣りになりませんが、4月末以降フランス・ノルマンディーだったら大丈夫かなと期待しております。

大水害の後の会津大川(2015年11月3日)

2015-12-19 13:45:17 | 釣行記/Fishing Trips
先の11月初、一週間程日本へ出張する機会がありました。
11月3日は祝日で何の予定もありません。そこで、スーツケースに釣りの道具を忍ばせて一時帰国する事と致しました。
竹竿でスーツケースの対角線にギリギリはまるHardy Marvel 7'6'' 3pcsを持参しての東京行き。養沢に行こうかと思ったところ、シーズンは10月末で終わり、特別営業もまだ始まっていないタイミング。他に行く所は無いかと思案しましたが、会津田島があるではないかと思い当たりました。
しかし今年9月の大水害で多分魚は根こそぎ流されたと思われます。でも、北アフリカ暮らしでそうそう竿を振る機会がないので、釣りにならない確率が高くとも兎に角行ってみる事にしました。
水害で一部電気が通じていないところがありディーゼル機関車と乗り換えが必要だったりと、昔のように会津田島に9時45分に到着する事は出来ませんが、11時過ぎには何とか到着しこめや釣具店で入漁券を購入し川に向かいました。

川はその姿を大きく変えており、昔は大きな魚が集まっていた橋の下の淵もその姿は無く、魚の姿も全く見えません。そこで、堰堤の方に向かってみる事にしました。堰堤直下のコンクリートのところに適当な深さの流れがありましたので、まずはSnipe and Purpleを一投してみます。このS&Pは昨年の11月も40cm級、35cm級の虹鱒を会津大川で上げている実績のある毛針。


すると直にリーダーが引き込まれ、合わせて上げたのは小さいながらも虹鱒でした。大水害を何とか乗り切った多分ご当地生まれの虹鱒。時間はかかるとは思いますが、会津大川の再生の可能性に嬉しくなります。


その後同じ場所でまたアタリ。合わせると今度はウグイでした。


暫く何の手応えも無く過ぎ、その後上流の方にも行ってみましたが何の手応えもなし。通い慣れた様な釣り人がいたので伺うと、水害後大きな魚を放したそうですが、そうした魚は水の動かない大きな水たまりのような場所に固まっているそうで、かなり派手で大きな毛針でないと反応しないそうです。そこで上流は諦めまた最初の場所に戻って毛針を投げると漸くまたアタリがありました。
上げてみるとこれが小さなイワナ。放流物でない地元産の魚にこの川の再生の可能性をまたまた見る事が出来ました。




そうこうしている間にも天気は悪化し小雨も降り始め寒くなってきましたので納竿しました。帰りには虹も顔を出してくれました。


会津田島駅には蒸気機関車が展示されているのをご存知ですか。C11というタイプのようです。




東京方面に向かう電車を待つ間、駅の二階の喫茶店・レストラン ヴオーノでラーメンを注文、頂きました。イスラム圏では食べられない豚肉の脂の味が染み入ります。

17時に会津田島を出発し、東京都心の繁華街のホテルに21時くらいにようやく帰着です。いつも通り魚に恵まれない釣行でしたが、竿を振れただけ良しと致しましょう。


チュニスに帰って来て、味わった会津田島地元の国権酒造のお酒。爽やかな味は南会津を懐かしく思い出させてくれました。

養沢釣行(2015年9月19日)

2015-10-03 17:22:27 | 釣行記/Fishing Trips
先月一時帰国した際、Hardy Marvelを日本から落ち帰ったと申し上げましたが、そのチュニジアに持ち帰るその竿を供に久しぶりの養沢に行って参りました。帰任予定9月20日の一日前、9月19日土曜日です。


平和橋の上流の様子。


昨年と変わらず、代々木上原駅5時36分初の小田原行き急行に乗り、登戸、立川で夫々乗り換え、7時には武蔵五日市の駅に到着、そこから小走りにバス停に向かうと上養沢行きのバスは既に来ておりました。
そのバスに揺られて20数分で養沢毛針釣り場に到着です。


8番というのは、結構人が少ないようですね。


さて、竿は7'6''のHardy Marvel 1967年製です。プラスチックのフライライン使用を前提に設計されているものなのでKaizerの1番(AFTM 3-4程度)のシルクラインは軽すぎるかと思いましたが、リールがSt. George Jr.なので、プラスチックラインの4番を巻くのは無理。1990年代からの歴戦のシルクラインを巻き込みました。


竿が短いドライフライ竿なので、使う毛針もドライフライに限定。チュニジアに来てからまだドライフライは巻いておりませんので、日本で巻きためたPartridgeのドライフライ鈎にFrank Elder氏のHoney Dunを使った毛針で楽しむことにします。
今回、重いもの、かさばるものは持参出来なかったので、ニーブーツを履いての釣り。従い、川を上流に遡行する本来のドライフライの釣りは出来ません。どうしても限られた場所での釣りにならざるを得ず、増水した水を前に苦戦です。
それでもHoney Dunを巻き込んだTup's Indispensableには虹鱒も思わず出てしまいます。また、Marvelは、こんな小さな魚でもビックリするくらい曲がるので楽しませてもらいました。


このサイズの虹鱒君がそこそこ相手をしてくれました。短い滞在でしたが、今年も養沢に来れたし、良い思い出になりました。


今回は時間がなくお邪魔出来ませんでしたが、木の小屋さん。懐かしいですね。


名糖ホモビタ牛乳。これ昭和40年代とかのものではないでしょうか。


東京に早く戻らなければならないので、13時30分くらいのバスに乗るべく、12時ちょっと過ぎには釣りを止め、管理事務所まで歩いて帰ります。


バスがやって来ました。日本にいる時何度も見た光景ですが、北アフリカからはるばる来た身には感慨深いものがありました。


今、本稿を書いているその刹那の窓から見える地中海。故郷は遠くにありて思うもの、という言葉がしみじみ心に染みます。

今年最後の釣行(12月13日養沢)

2014-12-14 13:55:18 | 釣行記/Fishing Trips
行ってきました。養沢に。
先週の寒さも記憶に残る中、釣れないのが分かっていてもこのまま翌年まで釣りを待つ前にもう一度という事で行ってきました。
今回は、1995年にドイツでRolf Baginski氏に作ってもらったHorizon 7'6''を持参しました。こんな短竿を使うのはドイツはデュッセルドルフ駐在から帰って数年、1997年か98年以来です。


何時ものバスで到着したので、8時の開館まで30分以上待つ事になりましたが、お陰で先週同様1番をもらえました。
Baginski竿にリールはPerfect 3 3/8。


先週同様下弁天へ入りました。先週より水は少なく水面には川の流れは感じられません。バーブァーのSolway Zipperを着ても寒気が背中にしみ込んできました。ハッチもなく、水面に毛針を置いても仕方ないのは分かります。そこでPhesant Tailを結び投げ始めました。


まだ日がささず寒い中、何投かすると漸くリーダーが引き込まれ、合わせると魚の躍動が竿先から手元に伝わります。岸に魚を寄せその虹鱒を水へ返しました。このHorizonというBaginski竿は強い竿先を持ちながらも手元にまで降りてくるアクションを持っていてある程度の距離を投げると楽しい竿です。グリップは先細になっており、ゲベーツロイター流のインデックスフィンガーグリップも適してます。


十数年振りの短竿での釣り。投げる時は何時もの長い竿よりも多少早めに振る様に意識しました。また短竿なのでメンディングや魚を寄せる時には長い竿よりハンディキャップがあるように感じました。ドイツ語で短竿の事を"Watrute"とも言いますが、これはウェーディングをする釣りで使う竿という意味。短竿はウェーディングしながらアップストリームに投げて釣り上がって行く渓流遡行用の竿との印象を改めて持ちました。
その後、Snipe & Purple、Orange & Partridge等も試しましたが、魚は反応を見せず、Grey Gooseも反応なく、結局魚の反応があったのはPTのみでした。


昼を過ぎると下弁天は日陰になります。もうこれが潮時と引き上げました。


昼時にはかなりの人が入って賑わってました。皆さん今年最後の釣りをしに来られているのでしょう。






養沢事務所の薪ストーブの暖かさが手にしみいります。


13:34のバスに乗るため暖かい事務所に別れを告げました。来年までさようなら。

養沢釣行(2014年12月6日)

2014-12-07 15:56:53 | 釣行記/Fishing Trips
冬の寒さの中、養沢に行って参りました。
昨年から始まった冬季の特別営業。今年は12月14日まで区間限定で行われております。
5:36の小田急線に乗り登戸、立川経由で武蔵五日市、そこからバスに乗り7:30ちょっと前に到着です。
営業は8:00からなのでマイナス2度の寒さの中、外で30分程待ちます。


養沢のテラスからの眺め。マイナス2度は寒いです。


窓口の方が到着して事務所を開けられたので入ります。もらった番号は1番。昨年台風一過の時もらって以来です。



今日は1995年にハーディーに発注して作ってもらったCC de France 8'にPerfect 3 3/8。このCC de Franceのインスクリプションですが、「Sept. 1995 for Mr. (私の名前)」というのを竿をぐるりと回る様にハーディーに入れてもらいました。中古で売りたくても私以外で買う人はいない一本です。

寒いので日差しが一番早くさし、午前中多分一番暖かい弁天下に入りました。
さすがにドライフライは諦めてスナイプアンドパープルを結びます。リーダーにミューシリンを塗り、ティペットだけが沈む様にし底にへばりついている魚の上流に毛針を投げます。
冷たい水の中で魚はあまり動きません。しつこさが必要です。日がさして来て、流したリーダーがすっと引き込まれます。合わせをくれて、魚の動きがCC de Franceに伝わります。大きな魚でなくとも魚をかけるのは嬉しいものです。特にこのCC de Franceは本当に久しぶりに使うのでなおさらです。


Snipe & Purpleで釣った一匹。

その後、PTに換え日だまりの中で釣りをします。太陽の光が当たると着込んだBarbourのSolway Zipperを通じ暖かさが伝わってきます。


PTで釣った一匹。

ところが、11時を回った頃から雲が出て来て、雪まで降り始めました。周りにいた人も釣りを止め多分暖を取りに事務所に引き上げました。そこで暫く釣りを続けましたが、12時過ぎにはもう上がる事にし、道具を片付け事務所で暖を取ります。


13:34のバスにのり、武蔵五日市駅へ向かい、16:00前には自宅到着。早速お風呂を沸かし飛び込みました。

会津大川釣行(11月22日&23日)

2014-11-23 22:17:05 | 釣行記/Fishing Trips
11月最後の連休となった11月22日会津大川に行って参りました。
気温も上がるとの予報に片道4時間の鉄路の旅を面倒に思う怠け心も克服し、最寄り駅を05:49分出発しました。
それから4時間弱後の09:45会津田島駅に到着。そこから歩いてこめや釣具店へ伺い、遊魚券を購入しました。川には10時ちょっと過ぎに到着し、手早く準備をして川へ降ります。橋のところは既に大勢の釣り人がおりまた川の上流の赤岩周辺にも釣り人が何人もいます。そこで広く空いている橋の下流へ向かいました。

水はかなり減水し、魚の姿も見えません。釣り人の姿が見えない訳です。


それでも流れと水深のある所を探してドライフライを投げて行きます。当日の水温は10度。ドライでは厳しいとは思いますが、Frank Elder氏のHackleで巻いた毛針で釣り上げたいのでウェットフライはお預けです。


その中でも流れが強くその向こうに深く水が動かないところがありました。
毛針ですが、最初から全く替えずにFrank Elder氏のハニーダンNo.123を使ったドライフライを使いました。


釣りを始めて一時間半くらい、上記の場所に投げたドライフライがスッと引き込まれました。
「かかった!!」合わせをくれるとPhantom 9'を伝わって手応えが手に伝わってきます。昨年は魚とのやり取りに相当な時間と体力を使いましたので身構えましたが、然程引きは強くなく魚を寄せる事に成功しました。愛用のSharpe'sのTelescopicタモに魚を誘導して、ほら捕まえた!!


魚は35cm。大きさだけで見るとノルマンディーの魚と同じ大きさかな?


Phantom 9'にFrank Elder氏のハックルNo. 123(ハニーダン)で作った14番のドライフライ。自分のイメージ通りの釣りが出来てもう満足。


その後上流の橋の近くに戻ります。常々思うのですが、釣り人は何故直に水に入りたがるのか?まずは足下を見ないと。会津大川の橋の下流では右岸が深くなっていて魚が泳ぎに来るのですが、無思慮な釣り人が立ちこむせいで魚をわざわざ散らしています。昨日も魚が泳ぎに来ているのを発見しました。私のいる場所から5mも離れてません。出来るだけ動きを止めます。魚は水面下で口を動かしてます。何か食べているようですが微細過ぎて私には分かりません。PT、Killer Bug等ニンフ系は完全に無視されました。ではどうするか?ここはNorth Country Fliesの出番です。まずはパートリッジアンドオレンジを流しますが、魚の心に多少の動揺があったのみで結果が出ません。それでも心の動揺だけで十分。次にスナイプアンドパープルを結び魚の上流に投げ込みます。このスナイプアンドパープルは14番。肉眼では見えません。そこで魚の動きを注視します。
多分毛針が魚の近くを通過しているよね、と思われた時、魚が数回白い口の中を見せました。反射的に合わせをくれると、竿先がギュっと引き込まれ魚が逃げます。やったかかった。慎重にやり取りして愛用のタモに収まったのは45cmの虹鱒でした。


もう2時を回り、釣りはもういいかと、上流を見に行きます。結果人が多く竿を出す気にならなったのですが、それも良し。納竿して駅に戻る事にしました。


今日は宿が空いていたら泊まるのもいいかと思い、駅のそばの宿に空室を聞くと有りとの事。一泊することとしました。


夜は駅から近い居酒屋さんで一杯です。国権酒造の純米吟醸酒てふが良いというので生ビール二杯の後に頂きます。300mlを2本。釣りの疲れと相まって心地よく酔いました。




11月23日は生憎曇って時々雨が降る天気。それでもライズする魚に昔オーストリアはムーラウでグレーリング釣りで使ったスナイプアンドパープルを流し込むと、コツンと手応え。すかさず合わせると虹鱒がかかりました。慎重にやり取りして、35cmの魚がSharpe'sのタモに収まりました。




12時30分まで粘りましたが、ばらした魚があったものの一匹で終了。寒くて戦意喪失したので、東京に帰る事にしました。


帰り際昨年もお会いした監視員の老人が来てました。わざわざ東京から電車で来るというのは聞いた事がナイっぺ。とおっしゃってました。さすがに今年はもう行く事もないでしょう。会津田島の皆様ありがとうございました。