最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

Cell の価格と性能

2006年05月10日 01時51分10秒 | Weblog
PlayStation3 の価格が発表されて標準モデルで 6万2790円(税込み)になった。HDD 60G などの上位モデルもあり、こちらは 7 万円ぐらいかといった予想もある。いずれにしても大方の予想は高すぎるといったところであり売れ行きを心配する声も多い。ただスペックを見れば 6 万円ぐらいの価格は仕方がないといった気もする(Cell, XDR の RAM, Blu-Ray のドライブなど)。おそらく任天堂の Wii の方は低価格、中性能路線で来るので高くて買えないという人はこちらに移動するだろう。確かに高いとは言え、1991 年に PC Engine Duo は 59,800 円もしたし、PC Engine Core グラフィック + CD-ロムロム + スーパーシステムカードと買い足していった私は 6 万円なんか軽く超えていたと思う。ただ最近はほとんどゲームもしないし、他人のプログラムで遊んでいるよりも、自分でプログラムを書いて動かしている方が楽しいので、正直 PlayStaion3 がどんな風に評価されてもあまり気にならない。
個人的には Cell 搭載で 6 万円ぐらいで出てくることが気になる。さらに PlayStation3 の発売で Cell の増産によるコストダウンが期待できる。Cell はメインとサブの複数の計算ユニットを内蔵したいわゆるヘテロなマルチコアの CPU である(PS3 用は 1個のPPE と 8個のSPE)。ただ全ての計算ユニットで頻繁にデータの出し入れをするとメインメモリのバンド幅が追いつかないので、各計算ユニットのキャッシュメモリの使用頻度が高くなるように計算を行う必要がある。この辺はコンパイラの腕の見せ所である。我々の最適化アルゴリズムではベクトルの内積計算(つまり積和計算)が多いので、倍精度でもある程度の性能が出て欲しいと思う。倍精度の方は単精度の 1/10 と言われるが、それでも Pentium 4 よりは大分速い。
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