新たな応用分野を切り拓く量子計算機向けアルゴリズム
本稿では、量子計算機向けにNTTが考案した新しいアルゴリズムの論文(Verifiable Quantum Advantage without Structure)の概要を解説します。世界中で開発が進む量子計算機は、個別の問題を解くためのアルゴリズムの種類が現状では乏しく、このままでは応用先がごく限られる可能性があります。今回の新アルゴリズムは、この問題の突破口になり得るものです。「構造なしのNP探索問題」と呼ばれる種類の難問の1つを、量子計算機で超高速に回答できることを世界で初めて証明しました。量子計算機の新たな用途の発見につながる成果として、学会でも高く評価されています。