最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

NTT技術ジャーナル2021年3月号:特集「新原理コンピュータへの取り組み」より

2021年05月01日 21時33分09秒 | Weblog
NTT技術ジャーナル2021年3月号:特集「新原理コンピュータへの取り組み」より

組合せ最適化問題は、たくさんの選択肢の組の中から最適なものを見つけ出す問題で、従来のコンピュータが多くの場合効率良く解くことができない問題として知られています。近年、組合せ最適化問題を相互作用するスピンの理論モデル(イジングモデル)のエネルギー最小状態探索問題に変換し、スピンを模擬する物理システムを用いて実験で解くコンピュータ(イジング型コンピュータ)がさかんに研究されています。近年のイジング型コンピュータの先駆けとなったのが、超伝導量子ビットを人工スピンとして用いる量子アニーリングマシン(QA)で、すでにカナダのD-Wave社により数千の量子ビットを実装した計算システムがリリースされています(1)。コヒーレントイジングマシン(CIM)は、縮退光パラメトリック発振器(DOPO)を人工スピンとして用いるイジング型コンピュータであり(2)、(3)、NTTではCIMに基づく計算システム「LASOLV®」の研究開発を行っています(4)。本稿では、NTTが米国NASA、スタンフォード大学と共同で実施したCIMとD-Wave QAの性能比較実験について説明します(5)。
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