最適化問題に対する超高速&安定計算

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Gurobi 5.0

2012年05月08日 00時28分07秒 | Weblog
Gurobi 5.0 がリリースされたそうです。主な変更点は以下の通りです。

【Gurobi 5.0での変更点】

2次制約への対応
既存機能のLP(線形計画法)、QP(2次の目的関数)、MIP(混合整数)に、QCP(2次制約)とMIQCP(混合整数2次制約)を加えました。これによって、
2次錐、回転2次錐、より一般的な凸2次制約が扱えます。さらに最良の実装を実現し、QCP、MIQCPともに、他のソルバーの2倍以上のパフォーマンスを実現しました。

◎MATLABとRのインターフェイス
C、 C++、Python、Java、 .NETのインターフェイスに加え、MATLABとRのインターフェイスを追加しました。これは、Rでの統計計算アプリケーション構築者にとって朗報であり、
MATLABユーザには、MATLABの標準ソルバーより機能が広範囲で高性能のソルバーへのアクセスを可能にします。MATLABにはサードパーティの優れたオープンソース インターフェイスがありますが、
Gurobiの新しいインターフェイスによって、より容易に、全てのプラットフォーム上で、Gurobiの技術サポートを利用しながら、Gurobiを使えます。

◎制約の逐次組込み(Lazy Constraints)
巡回セールスマン問題などでは、制約は事実上無数にあります。このことはモデル構築を、不可能ではないまでも、非常に困難にします。このような状況でGurobi 5.0は、
制約の逐次組込みを可能にしました。まず、主要な制約を使って操作可能なモデルを構築し、その後、見つかった解についての制約を加えながら、最適化を続けます。
制約の逐次組込みとGurobiの他の機能との整合性は確保されていますので、平行計算を止めたり、探索ツリーを操作する手順を変えたりする必要はありません。

◎実行不可能、非有界モデルの処理機能向上
以下の機能を追加しました。
・ 実行不可能問題のための、バリア均質アルゴリズム( a barrier homogeneous algorithm )
・ 制約違反最小解を見つける、FeasRelax手順
◎その他の追加機能
・ Presolveの高速化
・ 主双対解ベクトルからの、シンプレックス法でのウォーム スタート
・ LPモデルを解く時にマルチコアを使いやすくするために、同時最適化計算のユーザ コントロール機能を強化
・ 近似条件数アルゴリズムの採用によって、厳密解とほとんど同じ解を得る時間が大幅に短縮
・ ユーザが定義した名前で、変数と制約を検索する機能
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