最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

RAMP2007

2007年10月31日 01時14分19秒 | Weblog
数理計画シンポジウム RAMP2007 に始めから終わりまで参加して全部の発表を聞いた。
1: 会場は非常に素晴らしいところで(広く、奇麗で場所も良い)、懇親会も良かったらしい(私は参加していないが)。実行委員会の方には大変感謝している。
2: 理論系の研究でも応用面を重視し、反対に事例でも最適化手法などについても新しいものを取り入れていこうという姿勢が見られるので、良い傾向ではないかと思われる。企業系の参加者が増えているので、今後は離散系でも連続系でもあまりにも理論的すぎるものはシンポジウムの雰囲気にそぐわない感じもしてきた。
3: 計算量が指数オーダーの NP 困難な問題でも規模がそれほど大きくなければ最適に解けてしまうし、反対に計算量が多項式でも問題の規模が大きくなれば結局解けない。計算量の本を鵜呑みしていると危険。
4: 量子コンピュータがもし実現できれば NP complete(NP 完全)な問題も多項式で解ける可能性はあるが、量子コンピュータを使っても多項式時間では解決できない QMA complete という、さらに恐怖の問題のクラスがある。

SDP も12年前に研究を始めたときには、一部の人のマニアックな世界という感じだったが、最近では国内外で商用ソルバーなどにも組み込まれることになって随分と変わってきた印象を受ける。今では行列のサイズや制約式の数が数百ぐらいの SDP ならば LP 並みの気軽さで解いてしまっても構わない。SDPA 7 や Online Solver も少し宣伝することができた。
コメント
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