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いわき・うぶすな広場だより

セカンドライフの生き方を書いています。

認知症を考える・・・いわき明星大学公開講座より

2013-11-18 10:29:33 | いわきの講演会

講演中の田島先生。
難しいミクロの世界を
画像で分かりやすく説明いただきました。


通院患者数の中の認知症患者の占める割合について
・・・厚労省統計より


記憶では海馬(かいば)が大事。


神経細胞の年齢変化について。


認知症と加齢によるもの忘れの違い。


認知症の基準とは。

認知症を考える
アルツハイマー病研究の現状~

講師は
田島 祐久先生(いわき明星大学薬学部准教授)でした。

11月16日いわき明星大学公開講座より

130名を超える大勢の方々が聴講されました。
関心の高さを表しているようです。
レジメもP67で写真はカラーとわかりやすかった。

1部:認知と記憶

2部:アルツハイマー病治療薬の現状と展望

1部:

1)①認知症とは

②要介護者の原因疾患・・・平成22年度国民生活基礎調査より
③脳血管疾患(脳卒中)・・・24%
  認知症・・・・・・・・・・21%と高い。

④ 要介護5大要因の推移・・・脳血管疾患は下がりつつあるが認知症は増える傾向に。

⑤ 通院患者数の中の認知症患者の占める割合
  男性では40%、女性では60%を占める(70~79歳で)・・・厚労省統計で。

2)脳の構造と機能・・・動画も取り入れて

①脳について

②大脳皮質は4つに分けられる

③脳は部位によって働きが決まっている

④記憶と学習の中枢・・・海馬(かいば)

⑤記憶に必要な脳内部位

⑥神経の伝達

⑦神経とグリア

⑧神経は1本で働いているのではない
 神経を乗り換えるところで「シナプス」という構造を形成する。
 多くのシナプスの間では「神経伝達物質」が信号伝達の中心。

⑨主な神経伝達物質

⑩アセチルコリン
  記憶の中枢は海馬

海馬と前頭前野が記憶形成に重要である。
  記憶の形成に重要な神経伝達物質は
 コリン作動性神経から放出されるアセチルコリン。

3)記憶とは

 ①記憶の過程
  記名(符号化)→保持(貯蔵)→想起(検索)→忘却

 ②記憶の種類

 ③感覚記憶とは

 ④短期記憶

 ⑤長期記憶

を話され、結論として
記憶には感覚記憶、短期記憶、長期記憶が存在。
海馬から大脳皮質の経路、特に前頭葉への経路が重要。
その経路にはコリン作動神経(アセチルコリン)がかかわっている。

2部:

1)認知症とアルツハイマー病

 ①神経細胞の年齢変化
  海馬も前頭前野も加齢により神経や神経活動が減っている・・・残念だが。

 ②加齢によるもの忘れと認知症
  だれでも年を取ればもの忘れが多くなる。
   では、加齢による記憶障害と認知症とは何が違うのか?

 ③認知症の基準

 ④認知症と加齢によるもの忘れの違い
  ・記憶障害の他に認知機能障害(失語、失認、失行、実行機能障害)が?
  ・日常生活に支障が?
  ・悪化が見られない(年相応)
  
  少なくともこの3つが認められないと認知症とは診断されない。
  どれか一つでもあてはまらなかったら認知症ではない。
  すなわち加齢によるもの忘れとなる。

 ⑤認知症とは・・・アルツハイマー型認知症が46%を占めています。

 ⑥アルツハイマー病とは

  ⑦アルツハイマー病の現状

 ⑧認知症(アルツハイマー病)判定テスト・・・参加者に実験を。
  ここに参加される方は問題なかった。

 ⑨アルツハイマー病の病理学的所見・・・正常とアルツハイマー病を画像で。
  老人斑の出現、神経原線雑変化、脳の委縮が。

 ⑩家族性アルツハイマー病遺伝子の発病原因

 ⑪老人性アルツハイマー型認知症の原因・・・まだわかっていない
  危険因子としてあげられるもの

☆年齢とともに指数関数的に上昇する。
☆アポリタンパク質E4・・・脂質代謝に関係
 このたんぱく質を持つ人は」アルツハイマー病になる確率が3倍と。
☆高血圧・喫煙・高脂血症など。
☆食習慣・運動・知的活動など。

⑫アルツハイマー病の原因仮説
・・・現在までアルツハイマー病の原因はわかっていない。
☆コリン学説
☆アミロイド仮説

3)アルツハイマー病治療薬

現在使われているもの4種類

☆ドネペジル(アリセプト)・・・アセチルコリンエステラーゼ阻害剤
☆リバスチグリン(イクセロンパッッチ、リバスタッチ)・・・上記に同じ・
☆ガランタミン(レミニール)・・・上記に同じ。
☆メマンチン(メマリー)・・・グルタミン酸受容体阻害薬

 ②現在発売されている治療薬の欠点
   アセチルコリンエステラーゼ阻害剤のドネペジル(アリセプト)
   ・・・アセチルコリンエステラーゼ阻害剤のドネペジル・リバスチグリン・ガランタミンは

  生き残った神経のシグナルを強化することはできるが
  神経をが死んでいくことを止めない限り、アルツハイマー病の根治薬たり得ない!!


 

現在
βアミロイド仮説に基づいて多くの治療剤の開発がなされていると。

4)先生の研究
 アルツハイマー病に拮抗する因子の探索のお話。

既存薬では神経変死を止められないので
アルツハイマー病の根本的治療薬の開発には
神経細胞死の抑制が必要ではないとの考えで。

田島先生
専門的で難しいお話を
素人でもパワーポイントでミクロの世界が覘けた。
ありがとうございました。

これから誰にでも起こる問題。
理解を深めて危険因子の生活をしない工夫が必要です。

 

 

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