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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-19 居飛車穴熊に43銀型四間飛車(5)

2024-07-23 | 基本定跡の研究

次はこの図から

79金84歩35歩同歩46銀

歩を突き捨ててから銀を出てみます。ここで36歩は後回しにして、34銀38飛45歩

このほうが自然でしょうか。35銀同銀同飛46歩に65歩

一気に決戦です。なお先手が78金の形も考えられますが、激しくなるならば79金のほうが堅いはずです。77角成同金65桂31飛成

77桂成同銀51金打34角62金引21竜

この図の評価値は+32、わずかに先手に振れていますが、互角です。先手番の対振り飛車としてはつまらない数字ですが、攻め駒の数はあるので、どちらを持ちたいかは意見が分かれることでしょう。

後手の選択肢としては

ここで36歩と逃げておくのもあります。強気の35銀には15角

26銀に32飛

15銀37飛成68飛14歩

この図の評価値は-38、少し後手に振れています。

また戻って

36歩に38飛だと45歩

また分岐ですが、35銀は85桂86角54銀

65歩を見て後手が指しやすいようで、評価値は-166です。

ちょっと戻って

45同銀は54銀同銀同歩46銀85桂86角96歩

銀歩を持っているので、端を攻めて後手有利のようです。評価値は-344

ということでまた戻って

ここでの最善手は57銀ということになり、32飛36飛22角

この図の評価値は0近辺の互角です。32同飛成、37飛、35歩が候補ですが、どれも互角でしょう。


SS1-19 居飛車穴熊に43銀型四間飛車(4)

2024-07-22 | 基本定跡の研究

一昨日見たように

79金型で46歩45歩の時に、57銀と戻って、54銀24歩同歩35歩同歩65歩

というのも確認しておきましょう。78金か79金かの違いです。先手が2手損なので、後手が良くなりそうですが。77角成同桂46歩

46同歩だと49角68金引 (68銀もある) 75歩

54銀型で見たように、先手の桂頭を攻めるのですが、63金と84歩の2手が働いているから後手良しです。評価値は-182

AIの評価値で見ると、46同歩の前に64歩同金を入れておいた方が難しいようです。また68金引よりも68銀のほうがベターなようで、この形です。( 2つ前の図から、64歩同金46歩49角68銀75歩)

24飛76歩74歩同金21飛成

67角成同銀77歩成同銀96歩

端歩は取ると97歩同香85桂以下後手が良くなるので、86桂63銀引74桂同銀75歩83銀引

攻防に55角を打ち、97歩成同香同香成98歩87成香

後手の攻めが切れることはないので、先手の勝負手としては61竜同銀73角成同玉51角

王手飛車をかけます。62桂42角成65桂

この65桂が攻防で、後手有利になり、評価値は-491です。

先手が最善を尽くすと面倒なようですが、それでも79金型は65歩から角交換の攻め筋には向いていません。

 

 


SS1-19 居飛車穴熊に43銀型四間飛車(3)

2024-07-21 | 基本定跡の研究

一昨日の変化と比べたいのは

78金ではなくて、79金84歩46歩45歩

先手としてはどちらの金が浮き駒になるかという違いですが、どうやらこの79金型の、右金が浮いている方が優るようです。45同銀54銀同銀同歩46銀

ここまでは同じですが、65歩から角交換されても69角を打たれることにはなりません。後手としては85桂86角43飛37桂42角

待っているのが正解のようです。この図の評価値は0近辺の互角です。互いの指し手も広いのですが、AIの進行例を1つ拾うと、68金引35歩同歩97桂成同銀36歩

45桂37歩成同銀に45飛ではなくて33桂とぶつけて

33同桂成同角46銀66角88銀39角成

この図の評価値は-22、わずかにマイナスで、後手に振れています。駒損だけど銀を手持ちにしているので攻撃力はあるから難しいのでしょう。

 

 


SS1-19 居飛車穴熊に43銀型四間飛車(2)

2024-07-20 | 基本定跡の研究

また基本図に戻ります。

先手の別の手段を考えてみますが、後手が45歩を突かないので、78金84歩に46銀はどうでしょうか。後手は45歩とすぐに反発します。

45同銀には54銀とぶつけて同銀同歩。

47飛成を防ぐのが案外に難しく、57金65歩では後手が指しやすそう。先手が46銀と打つのは仕方がないようですが、後手は65歩。

65同歩は77角成、取り方が悩ましいですが77同銀69角64歩62金

この図の評価値は-127の後手ペースです。48飛には58銀があるので、47角成を防ぎにくいです。

ということで先手が変化を考えねばなりませんが、ひとつ前の図に戻って

55歩同歩65歩と応じてみます。

65同桂86角41飛66歩

後手は桂を殺されますが、85歩68角45歩37銀51飛65歩56歩

角銀を追い払って中央から攻めます。66歩が厳しいので桂を埋めるのですが、単純に66桂は55銀で受けにくいです。55歩同角66桂を選びますが、73銀打が良い手です。

これで66角同金57歩成77角67歩という筋、57銀同金同歩成同角37角成同桂57飛成の筋を見ています。この図の評価値は-314の後手有利。

ということでもっと前の図まで戻ります。46銀に45歩の所で

45同銀は後手が指しやすくなるようです。銀交換してもすぐに46銀と打たされるのではつまりません。57銀と引いて54銀というのは

先手が2手損しています。あとは54銀型四間飛車の項目に準じて後手が指しやすいはずですが、難敵だった24歩同歩35歩同歩65歩の攻め筋だけ確認しておきましょう。

77角成同桂65桂同桂同歩

24飛33角21飛成22飛同竜同角

後手の桂損ですが、28飛と打てば桂はすぐに取り返せます。この図の評価値は-137の後手ペース。どこかで62歩には71金とかわしておきますが、55桂には28飛68銀96歩同歩97歩同香85桂

金を逃げずに端に手を付けて後手良し、評価値は-290と傾きます。

 


SS1-19 居飛車穴熊に43銀型四間飛車(1)

2024-07-19 | 基本定跡の研究

石井先生の本の検討は終わりましたが、54銀型と32銀型があって、43銀型がないのです。AIを使って調べてみましょう。序盤の駒組手順は32銀型と同じで

45歩や54歩の代わりに43銀とします。78金84歩に68銀

とりあえずは先手から65歩から角交換の筋はないから、銀を引いて松尾流穴熊を目指してみます。85桂86角45歩

38飛54銀57銀は妥当なところでしょうか。先手は銀の動きで2手損しています。後手は24歩

2筋から攻めてみます。28飛 (これで4手損) 22飛24歩同飛25歩

飛交換は78金が浮いているし、57角成と切れる形なのです。先手の25歩は仕方なさそう。22飛59角44角86歩

角の動きでまた手損していますが、桂は殺せます。27歩同飛97桂成同銀26歩

持ち歩の数が間に合いました。28飛25飛37桂

先手も一度は2筋を受けることができるのですが、22飛25歩33桂77角25桂

25同桂同飛68飛27歩成

この図の評価値は0付近の互角です。歩歩と桂の交換でも と金を作られて駒損。2筋は破られて、飛を侵入されるまでに反撃しないといけない状況です。後手のほうがわかりやすいのでは。

 

というのが最初に調べた変化です。先手が手損しているので、後手がうまくやっている感じはあります。変化によって54銀型で調べたものと合流するでしょう。先手の65歩から角交換の筋がないのが利点です。

 


SS1-18 居飛車穴熊に32銀型四間飛車(3)

2024-07-18 | 基本定跡の研究

後手の工夫で、45歩を保留したらどうか。54歩を先にします。

78金14歩16歩43銀68銀

先手は松尾流穴熊への組み換えが有力です。後手は何か動きたいので、52飛58飛22飛

千日手含みで飛を動かします。37桂には15歩同歩同香

15同香同角18飛14歩15飛同歩

先手はシンプルに飛角交換を選びました。石井先生は難解だと解説しているのですが、この図の評価値は+352で先手有利です。79銀右と固めてから、77角を使えばよくなります。

別の変化としては、52飛に58飛ではなくて79銀右。

55歩同歩45歩

58飛85桂86角55角に

あっさりと55同飛同飛56歩を選び

52飛に65歩69飛64歩73金

石井先生は良い勝負というのですが、この図の評価値は+562ではっきり先手有利です。進行例で66角12飛63歩成同金31角成13桂

石井先生は難解だというのですが、評価値は+1133の先手優勢です。AIの読みは86歩29飛成85歩52銀75歩

というところ。駒の損得はほぼなく、先手玉が堅く、攻め駒は3対2です。評価値が高いのは、後手玉が見た目よりももろいということなのでしょう。

変化を2つ調べましたが、54歩を先にする指し方では先手有利になります。飛角交換は先手の飛がさばけた、というくらいの感覚で見ておくのでしょう。

石井健太郎先生の「四間飛車の逆襲」はこれで終わりにします。取り上げていない変化もあるのですが、先手有利になるのに、それ以上別の形を調べても仕方ないですから。9年前に出版された本ですが、石井先生の局面の評価が、AIとはおおきくずれているところがあります。AIの登場によって、常識が変わっているのでしょう。

居飛車穴熊は理解しにくい戦法ですね。プロが指しているからと言って、アマチュア(有段者)が指すべき戦法ではないです。でも振り飛車党ならば対応策を身に着けていないといけません。

 


SS1-18 居飛車穴熊に32銀型四間飛車(2)

2024-07-17 | 基本定跡の研究

先手から工夫することもできて

ここで24歩同歩が入っていれば、46歩同歩同銀65歩55歩同角同銀49飛成46銀19竜に24飛

石井先生は24飛ではなくて29歩とされて後手苦戦としているのですが、飛をさばく方が簡単です。評価値は+625ではっきり先手有利。

なので

ここで24歩には同角しかありません。先手は48銀と引いて

逆モーションなのですが、後手は角交換を避けにくいです。石井先生は22飛77角12飛

57銀35歩26飛32飛65歩

65同桂11角成57桂成同金36歩

24飛同歩21馬

35飛と逃げた図で後手ペースとしているのですが、AIの評価値では+316で先手有利です。44桂が厳しくて

銀を逃げると先手の攻めが続くから、37歩成52桂成同金43銀

61銀打52銀不成同銀54馬同金62金

71角が厳しいから、31飛66桂63銀打54桂

ここで35角が攻防なのですが、67金寄53銀71角

71同飛同金同玉31飛

形勢は先手が良くなるばかりで、評価値は+440、間違いはなさそうです。

戻って

ここは38飛79香42飛と受ければ

評価値は+30しかなく、互角です。

さらに戻って

ここで後手は22飛と受けたのですが、AIに聞いてみると、24角同歩45桂44歩31角

32飛53角成には45歩が最善で

63馬同銀左24飛

先手は駒損ですが、後手は歩切れなので2筋を受けにくいです。33角21飛成22飛31竜

42角打22竜同角32飛33角左43金

28飛33金48飛成68金引

先手の駒損は消えて、評価値は+268の先手良しです。

ということで後手としてはもっと戻って

ここで22飛の受けは最善ではありません。35歩26飛36歩同飛35歩

35同角に46歩

24角同歩31飛成41飛

この辺りは評価値で見ると互角です。32竜47歩成34角43角

41竜34角21竜48と

互角の攻防です、で切り上げても良いところなのですが、もう少し見てみると31飛69角79金58角成

34飛成67馬44桂

後手は53金と受けてもじり貧なので、78銀同金同馬79銀打同馬同銀69金88銀79銀

厳しく迫ると、先手は52桂成と見切ってしまいます。これはもう1枚銀を渡すと後手玉が詰めろになる仕組みです。88銀成同玉85桂(詰めろ逃れの詰めろ)35角

79銀同角同金同玉58と35角

2回攻防の角を打って、評価値は+562の先手有利です。この変化を確認して、最初の35歩を突いた辺りからのAIの評価値は先手良しに修正しているようなのです。

なお、序盤で後手が14歩を突かないで84歩だと、この結果はひっくり返って後手良しになります。

79銀同金寄に71角や71銀としても詰まないから後手の勝ち。

でも昨日調べた2筋を突き捨てない形は、13歩84歩としてあっても、結論が変わりません。なのでこの銀を繰り替える形は後手が悪いです。


SS1-18 居飛車穴熊に32銀型四間飛車(1)

2024-07-16 | 基本定跡の研究

次も後手の左銀の位置が変わります。初手から76歩34歩26歩44歩25歩33角48銀42飛68玉72銀78玉94歩56歩52金左58金右32銀57銀62玉

先手の右46銀急戦を警戒しているのでしょう、ここで後手玉を移動しています。77角64歩88玉74歩66歩

73桂や54銀とされる前に、先手が66歩と角筋を止めているのもちょっと変な手順だという気はしますが、73桂98香71玉99玉63金

後手は左銀を32に置いたままの駒組です。88銀95歩67金82玉36歩45歩

35歩同歩38飛あるいは46銀の攻め筋を避けるために45歩を突きます。78金54歩16歩14歩37桂

先手は65歩から角交換ではうまくいかなさそうで、右桂を使うのが自然でしょうか。ここで41銀68角52銀

下から左銀を移動して52へ。後手玉が堅くなりました。46歩同歩同銀65歩

軽く反撃をして、55歩には同角同銀49飛成

この攻め筋は見たことがあります。46銀19竜48飛66歩同銀64香

石井先生は良い勝負だとしています。AIの評価値は+317で先手有利。もう少し先を見てみると、22角の受けがあって、後手は角の利きを止められないから66香同角成

角金交換は対穴熊だと駒損ではない場合がありますが、馬は手厚いので後手有利のほうが正しいでしょう。65金57馬55歩

ここは49歩や79香の受けでも良いようですが、86角66歩31角成

2枚目の馬を作り、64歩や64香が生じるので後手の65金は動かしにくいです。評価値は+447に上がっているので、後手有利は間違いありません。


SS1-17 居飛車穴熊に54銀型四間飛車(16)

2024-07-15 | 基本定跡の研究

後手の工夫が必要です。83銀ではだめだったので95歩。

65歩には77角成同桂65桂同桂同銀

24歩に64角を打てるというのが

63歩の形の長所なわけですが、実は27飛と逃げて、19角成23歩成でも、24歩同飛22歩66ぐ54銀31角でも先手有利です。石井先生は26飛にしていますが、AIの27飛でも同じことで、96歩同歩97歩同香85桂89桂19角成23歩成92香打で後手良しだと。でも32と の局面は

評価値+711のはっきり先手有利なのです。

戻って

解説では37角同角成同桂64角

ここも23歩成37角成24飛としても、27飛24歩同飛22歩66歩54銀31角としても先手有利です。解説では55角同角同歩ですが、49角68金引に35歩

と桂頭を攻めれば、23歩成には27歩があるので、評価値は-177の後手良し。それを35歩ではなくて、46歩同歩76角成23歩成96歩同歩97歩同香66銀

という実戦例があるのでしょう。難しいとされているのですが、66同銀同馬57銀

後手の飛のさばきを抑えて、32とから攻めれば先手有利。評価値は+320あります。

ということでこの変化についてはいろいろ間違いがあるのですが、先手良しです。

戻って

65歩には (本には書いていないのですが) 同桂しかなさそうです。33角成同桂68銀

73角は後で75歩を突かれるのが気になるから、64角18飛46歩同歩同飛

ここで66歩は評価値+22の互角です。22角を選んで45桂11角成49飛成

55歩同角同馬同銀38角

38同竜同飛49角18飛48歩

後手がうまく攻めているようですが、41飛57角成同銀57桂成22角

これで67銀は助かります。取り合いが最善で、67成桂55角成64銀45馬68金69香

先手の駒得が生きて、評価値は+134の先手ペース。

ということで

この形も後手が指せないことはないけれど、互角までは届かないというところです。63歩のままという工夫は今一つでした。石井先生の本にはもう少し違う変化も書いてあるのですが、この形はこれくらいで切り上げます。

 

 


SS1-17 居飛車穴熊に54銀型四間飛車(15)

2024-07-14 | 基本定跡の研究

今度は後手の工夫で

54銀として居飛車穴熊を目指す先手に66歩を突かせます。このまま64歩を突かずに、74歩99玉73桂

端攻めをねらう、というのではなくて、88銀84歩36歩45歩79金83銀、銀冠を急ごうという指し方のようです。先手が65歩を突くとどうか。

なお24歩同歩35歩同歩を入れると、後手は歩がぶつかっていないので、77角成同桂33角などと我慢しやすいという意味もあるのでしょう。77角成同桂33角

突き捨てが入っていない形ですが、6筋の歩がぶつかっていないから収めやすいという趣旨のようです。石井先生の解説では、37角72金66銀

先手も自陣角を打って、長い戦いにしています。これならば互角でしょう。62金左55歩43銀75歩同歩同銀74歩66銀44銀

これで一局の将棋だとされていて、評価値は+62、細かい攻防が続くのでしょう。

戻って

後手が自陣角を打つまでは最善のようですが、先手は持ち角を生かしたいところです。AIに聞いてみると、24歩同歩55歩

55同角24飛は先手が良いでしょう。55同銀35歩同歩23角

馬作りは防げません。(先手は24歩同歩35歩同歩65歩の手順でもこの形に誘導できそう。) 46歩同歩同銀68銀

55銀に22歩

飛の空成りは怖くないので、後手は22同飛が最善です。34角成72金37桂

43歩45桂42角35馬

こんな進行例で、評価値は+221、先手良しです。馬が作れて持ち歩ができ、右桂を使えています。

なので後手としては

この図は避けなければいけません。