20180927今日の一手
6月30日の名南将棋大会から、AさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
角桂と金の交換で馬と と金を作り合っています。銀を取ったとしても後手には馬があるので、少し先手の駒損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は53と と持ち駒飛金で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角金桂で3枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手は駒損で少し戦力が足りません。後手は と金を払う以外にも55馬(あるいは36桂同歩55馬)や99馬がありますから、先手としてはゆっくりはできません。
駒損を回復しつつ、後手玉を攻める手段を考えましょう。飛車を手持ちにしているので1段目に打って21飛成という順を入れて攻め駒を増やしたいです。
△か○ 自然な手は52と です。
52同飛41飛51歩53歩22飛51飛成61金31飛成
22飛には馬のひもがついているので難しい形勢です。
53歩を保留して21竜とすると36桂
を食らいそうです。36同歩55馬~65馬で21竜に当たるのは面白くないですから、36同銀同歩53歩同飛(横に逃げづらくなっている)62金
71銀同金同玉54銀打52飛53銀打
こんな展開ならまあまあ指せそうです。
○ ちょっとひねって62と
と金を潜ってみます。36桂同歩55馬46桂65馬
51飛61金同と同銀左75金43馬21飛成
先手玉に嫌味が少ない形で21桂を取れました。角銀と金金桂の交換で少し駒得です。先手有利になっています。
△ 54歩とつないでみると
36桂同歩55馬46金65馬44桂
桂をもらえば取りに取りを重ねる形ですが桂馬の両取りが生じます。49銀52桂成38銀成同玉
後手玉が詰めろなのでこの変化は先手優勢です。
後手は駒を渡さず99馬
が正しく、52と同飛41飛51歩42金
あるいは42金では21飛成かもしれません。54歩があるので後手の57飛成がないのは良いけれど、後手玉もまだまだ堅い(42同飛同飛成52金)ので難しいです。
△ 54銀と出ると
後の55馬が銀取りにならないので良い手に見えます。26歩同歩99馬に52と
52同飛41飛51歩53歩22飛51飛成61金31竜
このくらいで互角です。
○ 手筋に見えるのは44歩です。
44同馬ならば52と同飛41飛
馬取りで飛車を打てるのです。
と言って53銀43歩成
は 銀を取ってと金が残る形です。
後手は無視して36桂
36同歩55馬46桂65馬52と同飛43歩成
43同馬ならば41飛ですね。44歩は結構良さそうな手でした。
× 実戦は51飛で と金にひもを付けて21飛成をねらったのですが41金
で当てが外れてしまいました。52と51金同と 55馬56銀引36桂
二枚換えにしましたが後手玉への攻めが遠くなりました。先手玉に手がついて、36同銀のほうがまだ難しいのですが、39玉56馬同銀57角48金打28銀
あっという間に寄せられてしまいました。
× 23飛も同じような意味で
と金にひもを付けて21飛成をねらいます。だけど12角で困っていて、25飛成53銀
で失敗です。
△ 54飛ならば と金にひもを付けて55馬を防いでいます。
61銀左52歩
54飛は攻め駒としては弱いのでゆっくり攻めることになります。55桂56銀上46歩51歩成47金39金打
後手もゆっくり攻められるので千日手の権利あり、という変化がありました。
○ ひねった手ですが24飛なら
今度は12角というわけにはいきませんから53銀しかないでしょう。21飛成12飛71金
駒損ではありますが71金の俗手が結構うるさくて、84桂同歩72金同玉83銀というねらいがあるのです。後手も攻め方受け方が難しいです。
× 23金は重いですが
52と もあるので飛車は逃げきれません。55馬56銀引36桂
36同銀56馬47銀同馬同金26歩
後手に「両取り逃げるべからず」で強く寄せに出られて困っています。攻め駒4枚で49角を食らったら受けが無くなります。
△ 42金ならば
今度は52金が厳しいのです。53銀32金
までが必然です。駒損は消えたけれど32金がおかしな駒なので何とも言えません。攻め駒は2枚に減ってしまったのです。
☆ まとめ
一番自然な手は52と。52同飛とされて後手の飛車が働いてくるのが気になります。悪くはないけれどその先で工夫が必要でしょう。
54銀は守りの意味(銀を取られない)で自然ですが、攻めとしては少し遅くなっています。
手筋に見えるのは62と。と金は最低でも72銀と交換した方が良いし、金を打たせて交換する展開を期待できます。種駒を清算しない方が良いという例でしょう。
54歩も手筋でやはり種駒を清算しない方が良い例ですが、そのあとは52銀と交換することになりそうです。
44歩は と金を捨てても と金を作れます。効果は読んでみないとわかりませんが、馬で取らせると飛車を打ち込みやすくなっていました。
寄せのセオリーを準用すれば小さな駒から使う、金が次善策ということにはなりますが、小駒が後手玉の遠くに残ると攻めが遅くなります。
飛車を使うほうが速さを保てるのですが、打つ場所に落とし穴がありました。24飛が最善だとは予想できませんね。
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