新しいテーマです。定跡本としては、田中悠一先生の「角道オープン向かい飛車徹底ガイド」をもとに検討していきます。なお私の年代ならば、「升田流向い飛車」というほうがピンとくる戦型のことです。初手から76歩84歩56歩
76歩に84歩は最初の前提です。後手が本格居飛車党ならば突くでしょう。56歩84歩76歩でも合流するのですが、初手56歩には34歩と応じられる方が普通だという気はします。次の前提は、この図から85歩77角54歩
85歩を先にするのは、先手の矢倉模様を回避するためですが、今は後手の急戦手段も多いから、決めないで54歩を突くものかもしれません。また34歩55歩と進んで中央位取り中飛車に進むのもあるでしょうか。ともかく2つの前提があるので、先手はこの戦法だけ知っていれば良いというわけにはいきません。この図になれば88飛62銀86歩
先手はいきなり仕掛けることもできます。86同歩には同角のほうを採用するのですが、86同飛同飛95角
王手飛車の筋がありますね。でも85飛打86角同飛71金82歩
この図の評価値は+1295、先手優勢です。
後手の王手飛車ねらいは無理なので、この図に戻ります。
86同歩同角には、85歩77角64歩
とするのが無難な手順です。この64歩は、42玉とすると86歩同歩同角から王手飛車になるのを避けた手ですね。48玉42玉66角
駒組に戻るかと思えば、先手はさらに動くのです。74歩77桂73桂84歩
65歩には同桂同桂85飛
激しい攻防が始まります。57桂打83歩成34歩
22角成同銀82と49桂成同玉57桂不成
38玉49角28玉69桂成81飛
ここまで進んで、評価値は+620のはっきり先手有利です。
後手としては何か工夫が必要です。
この図からAIに聞いてみると、65歩75角 (王手) 32玉
84歩74歩31角成同角83銀
83同飛同歩成86歩
角飛の交換+と金で駒得の先手有利に見えるのですが、評価値は+103しかありません。最善手順を見ると、78銀44角77銀85銀
後手は76銀をねらって、かなり難しい図です。
初回はここまで。派手な手が多い戦法です。
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