52金右~62銀~53銀の代わりに
42玉がどうか、というのが次の工夫です。先手は86歩同歩同飛と動きますが、同飛同角
これが王手になるというのが先手のねらいです。32玉84飛82歩77角
この図の評価値は+94、定跡本では先手が指せるとある通り。83歩と合わせて竜を作るねらいがのこります。
ということで後手は飛交換を拒否します。
88飛の後は駒組に戻りますが、32玉38玉62銀78金74歩22角成同銀77桂
73桂75歩同歩74歩
この図の評価値は+140、先手もちで良いでしょう。ただしこの手順は絶対ではありません。
AIに聞いてみると、88飛32玉38玉の時に77角成
77同桂は86歩85歩87角で後手良しです。77同銀57角
この角は66角と合わせれば消えるのですが、48銀84角成66角のほうが少し得で、同馬同歩67角
後手が手損しているだけのようですが、先手が攻めの形を作りにくいようです。78角か65角かになるのですが、評価値は0付近の互角です。
変化は他にもあって、86歩の時に77角成とすると (これは升田流向い飛車というべきか)
77同銀86歩同銀33角77角74歩
85銀77角成同桂の時に、AIに聞いてみると、44角68金73桂84銀65桂
という変化を選んで、評価値は0付近の互角です。
定跡本では
85銀に77角成同桂73桂84銀95角
派手な手が書いてあります。おそらく実戦例なのでしょう。先手の正着は83歩88角成82歩成88馬73銀不成・・・で互角のようですが、66角と打って、84飛同角77角成66角
後手はなぜか飛を取らず (88馬同角44桂は後手良し) 67馬11角成22銀打
ひねった手順を選んだので、22同馬同銀71飛成65桂58金左
この図の評価値は+467の先手有利です。
今日の話としては
ここで86歩から動くのは変化が多いですが、後手が最善を選べば互角です。
ところでもっと前の所からAIに聞いてみると、後手は52金右48玉62銀38玉74歩とするのが良いようです。
28玉42玉の時に86歩と動くと
77角成同銀86歩同銀73桂
この図の評価値は-178の後手良しです。後手はこの変化を想定して、右翼の駒を使えるようにしてから玉を移動すれば、先手の86歩からの動きには対応できるのでした。