後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これで手になるのです。
A 25歩 B 45歩 C 55歩
第2問
振り飛車党ならばノーヒントノータイムで。
A 26角 B 33桂 C 56歩
第2問
ここはこれしかなさそうです。
A 26角 B 42飛 C 31飛
第3問
両取り逃げるべからず。
A 66歩 B 49角 C 57歩成
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これで手になるのです。
A 25歩 B 45歩 C 55歩
第2問
振り飛車党ならばノーヒントノータイムで。
A 26角 B 33桂 C 56歩
第2問
ここはこれしかなさそうです。
A 26角 B 42飛 C 31飛
第3問
両取り逃げるべからず。
A 66歩 B 49角 C 57歩成
今日の棋譜20211017
昭和36年9月、丸田祐三先生と第2期王位戦第4局です。
大山先生の四間飛車です。この時期は54歩を突いてからのことが多いですが、
端を受けて美濃囲いです。(端を受けずに早囲いではないので)相手を見て決めているのか、居飛車の急戦に対しての自信が出てきたのか。
丸田先生は玉頭位取りは棋風ではないのでしょうか、66銀から5筋の歩交換へ。
43銀に57金というのが変わった手です。
金は56に出ましたから、57金戦法(金立ち戦法)の変種と見て良いでしょう。
45歩の攻めを見せて
54歩を打たせたら銀を引き戻します。銀の動きは手損ですが、この形は見たことがあります。ただ相手は(中飛車ではない)普通の四間飛車なので、その相性が良いかどうか。
丸田先生は今でいうエルモ囲いです。当時でも57金戦法ならば79金の形はあったでしょう。
攻める方は45歩ではなくて38飛でした。これを見て大山先生が動き出します。1筋を攻めてもうまくいかないはずですが、
24歩同歩15歩に45歩、角を交換して47角を打とうということなのでしょう。馬は作れますし、65桂と跳ねる筋もあります。してみると丸田先生の袖飛車がおかしかったのかな。
45同歩に88角成。今のエルモの定跡書を見ると、88同金と取れるから良い、と書いてあるのですが、壁金は壁銀よりも悪形ですよね。47角28飛65桂でまずいでしょう。
88同玉のほうが自然ですが、33角の王手。66角の合わせが無難なはずですが、交換せずに65歩とか55歩が嫌な感じです。
66歩65歩、放置して66歩同銀65歩77銀の形はあまり怖くないので、28飛とか78玉とか、有効な手で待ちたいですが。
丸田先生は44歩同角55歩
55同歩45金、こういう細かい歩の手筋が好きな先生です。でも56歩と突きだされて角は取れず、
56同銀66角77桂、嫌な形で受けるしかないです。
75歩67銀引76歩同銀75歩67銀、7筋に位を取られては先手不利です。
33角55歩で一息つきましたが、
74金89玉56歩、これは取れず
37飛85歩、まではわかります。でもこの76歩は何でしょうか。後手から66歩同銀76歩の攻め筋が見えているのに。しかも76同歩同銀75歩でも困ります。さっぱりわかりませんでしたが、76同歩同銀75歩65銀同桂同桂同金に53桂か74角の両取りで勝負しようということでした。それで良くなるとは思えませんが。
52銀だったので75歩同金76歩、7筋の位が消えたので持ち直しました。
74金に44歩同角32角。これで互角になったか。
26角41角成同銀。57歩成や66に駒を打ち込む筋があるので37飛と26角の交換は怖いけれど、その方が勝負になったかもしれません。逃げずに23飛とか54飛とかです。
27飛48角成44飛、これが両取りなので先手よし、には見えません。52角の受けもありますし、
86歩同歩49角、飛をどこに逃げても57歩成から銀を取られます。と言って74飛や41飛成では寄せ合い負けなので、
28飛(57歩成には48飛)39馬58銀というのは苦心の手順です。
飛角を取り合ってどうかですが、こんなことならば最初から37飛26角の形で取ってもらう方がましでした(が44から飛は打てなかった)。
57歩成同銀39馬で両取り。58銀28飛68金56歩も勝てる形ではないので、
48銀上48飛
68歩89歩成には同玉がましでしょう、金を逃げては大きな利かされです。
57飛成から二枚替え、
74金を取れば駒得ですが、56馬は両取りです。角合いしても仕方ないのでしょう、
87玉は金を取られて投了するくらいのつもりだったかもしれません。大山先生は84飛打からの王手が気になったか、83銀打と固めます。
44飛43歩同飛成52銀、竜を追って玉を固めます。54竜に45馬同竜88金97ふょく95歩で必至でしょうか。、先の83銀打も働いています。ここで投了でした。
中飛車以外にも57金戦法を使うことがあるのですが、この当時に急戦法が少なかったからかもしれません。中飛車向い飛車にはまあまあ有効、四間飛車三間飛車は軽いから失敗しやすい感じがします。もっとも金を攻めに使うと玉が薄いので優秀な戦法とは言えません。本譜のようにエルモ囲いになったら評価が変わるかもしれませんが。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1961/09/12
手合割:平手
先手:丸田祐三8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 5八金(49)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 5七銀(48)
20 7二銀(71)
21 6六銀(57)
22 6四歩(63)
23 5五歩(56)
24 4三銀(32)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 5七金(58)
28 5二金(41)
29 5六金(57)
30 5五歩(54)
31 同 銀(66)
32 6三金(52)
33 3六歩(37)
34 7四歩(73)
35 4六歩(47)
36 5四歩打
37 6六銀(55)
38 7三桂(81)
39 5七銀(66)
40 1四歩(13)
41 7九金(69)
42 4一飛(42)
43 1六歩(17)
44 8四歩(83)
45 3八飛(28)
46 1五歩(14)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 1五歩(16)
50 4五歩(44)
51 同 歩(46)
52 8八角成(33)
53 同 玉(78)
54 3三角打
55 6六歩(67)
56 6五歩(64)
57 4四歩(45)
58 同 角(33)
59 5五歩打
60 同 歩(54)
61 4五金(56)
62 5六歩(55)
63 同 銀(57)
64 6六角(44)
65 7七桂(89)
66 7五歩(74)
67 6七銀(56)
68 7六歩(75)
69 同 銀(67)
70 7五歩打
71 6七銀(76)
72 3三角(66)
73 5五歩打
74 7四金(63)
75 8九玉(88)
76 5六歩打
77 3七飛(38)
78 8五歩(84)
79 7六歩打
80 5二銀(43)
81 7五歩(76)
82 同 金(74)
83 7六歩打
84 7四金(75)
85 4四歩打
86 同 角(33)
87 3二角打
88 2六角(44)
89 4一角成(32)
90 同 銀(52)
91 2七飛(37)
92 4八角成(26)
93 4四飛打
94 8六歩(85)
95 同 歩(87)
96 4九角打
97 2八飛(27)
98 3九馬(48)
99 5八銀(67)
100 8八歩打
101 7八玉(89)
102 2八馬(39)
103 4九銀(58)
104 5七歩成(56)
105 同 銀(68)
106 3九馬(28)
107 4八銀(49)
108 5八飛打
109 6八歩打
110 8九歩成(88)
111 6九金(79)
112 5七飛成(58)
113 同 銀(48)
114 同 馬(39)
115 7四飛(44)
116 5六馬(57)
117 8七玉(78)
118 8三銀打
119 4四飛(74)
120 4三歩打
121 同 飛成(44)
122 5二銀(41)
123 投了
まで122手で後手の勝ち