後手番大山先生の手を考えます。
第1問
やむを得ずこんな将棋になりました。
A 55歩 B 42飛 C 62玉
第2問
桂を取られる前になんとかバランスを保ちます。
A 76歩 B 94歩 C 71飛
第3問
こう指して良いものかどうか。
A 94金 B 56歩 C 77桂成
第4問
後手玉の危険度を考えます。
A 28馬 B 83同銀 C 66桂
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
やむを得ずこんな将棋になりました。
A 55歩 B 42飛 C 62玉
第2問
桂を取られる前になんとかバランスを保ちます。
A 76歩 B 94歩 C 71飛
第3問
こう指して良いものかどうか。
A 94金 B 56歩 C 77桂成
第4問
後手玉の危険度を考えます。
A 28馬 B 83同銀 C 66桂
今日の棋譜20200701
昭和25年2月、升田幸三先生と第9期名人戦挑戦者決定戦第1局です。パラマス式の最後は三番勝負だったみたいです。
この少し前に流行した力戦中飛車のようなスタートで、55歩34飛52飛24飛56歩と進めば激しい変化です。塚田先生が名人を取ったときがこの戦型だったと思います。
大山先生はおとなしく23歩を打ちました。升田先生が飛を引けば相掛りになったのでしょうが、角を交換します。
先手が1手損ですが、後手は64歩を突いているから駒組に注意が必要です。
大山先生は4筋の位を取りました。52金~43金右~33桂というような組み方にするのかと思ったら
33銀と上がって矢倉を目指すのでしょう。升田先生は後手が飛先を伸ばさないので78玉型です。
後手が33桂ではないので、4筋の位を守りにくいです。升田先生は桂を跳ねて
4筋をねらえば、大山先生は四間飛車に。臨機の策です。
升田先生は4筋の歩を金で交換しに行きます。
4筋を押さえてまあまあの図です。ただ自然に57銀とはしにくいので、駒組が難しいのです。
大山先生は玉を右に移動し、升田先生は5筋の歩を交換します。
ここまでは良いとして、どう進めたものか。
57歩を打ってしまいました。右銀が動いて39角の筋を警戒したのです。これでは作戦勝ちとは言えません。
大山先生の24角は得ではないと思います。とりあえずは35歩で
35同歩に47銀とか、玉を固めていくような駒組を進めておけば指しやすかったか。本譜75歩は指し過ぎの感じがします。
7筋を攻めようというのですが、攻めは角銀だけ、24角が質駒ですが、うまくいかなさそうに見えます。
この自陣角を打ちたかったのですね。升田先生らしいです。遠くは41飛が射程に入っています。
ただ桂には逃げられるので
86歩から桂を殺すまでは手数がかかります。大山先生は飛を使って7筋から反撃です。
金銀交換ですが、7筋は後手が制しています。
77歩には36歩から
36同金47歩同銀まで入れて76歩。85歩77歩成同金57角成は後手よしでしょう。ただ85歩77歩成同桂76歩84歩というのはあったようです。
76同歩だったので、とりあえず横歩を取って桂は助かりました。
飛を追われて6段目から移動すると86歩から桂を取られます。だから飛を切るのでしょう。36飛同銀46金は駒が取れるけれど先手玉が堅いから
65飛56銀を入れて、飛を切りました。
55同銀は47歩成ですね。でも銀を取られるのも痛いので、升田先生は55同銀しかなかったように見えますが。
銀取りを放置して、82飛~84飛成です。85桂を取れば角が働きます。この次の手が大山先生らしいのですが
筋悪く94金82竜81歩、香も取らせてばからしいようでも、後手玉が安全になったのです。
56銀を取り25歩、角はどこへ行くかは悩ましいですが
15角は攻撃的で、16歩に47歩成とは? 35歩を打てば角金の取り合いで37桂がおまけなので後手有利だったでしょう。
角を取られても と金が2枚できました。
66金には37と同金54桂。次が王手になるので厳しい桂打ちです。
76金に(指しにくいけれど75金だったか)67銀88玉76銀成と剥がして
と金で攻めていきます。
清算されて攻め駒は減りましたが、両取りに角を打てるので切れることはありません。升田先生は受けていたも仕方ないので
75香73歩84桂。ただこの桂は食いちぎられるので1手遅くなります。
互いに攻め駒が豊富で、寄せ合いです。先手玉は28馬が詰めろになるかどうか微妙なところですが、3手すきくらい。後手玉はまだ堅そうですが
83歩成は2手すきにはなっていたでしょう。大山先生は66桂と跳ねて脱出路を作ってから28飛を取ります。
玉をかわして上に逃げ、66桂にひもが付いたので先手玉は詰めろになったようです。
升田先生の67銀は詰めろ逃れの詰めろ。ただ本来は57から打ちたかったところです。79飛の王手から
玉を潜られて、詰めろが続きません。
攻防の83角成に、大山先生は94桂。馬を取れば勝ちでしょう。
95玉に85金と捨てて追いかけ、83馬の利きが止まりました。
この82桂が決め手です。82同と は63金、82同馬は84金なので
82同竜同歩93馬としましたが
87飛に対して受けがないのですね。57金37玉で升田先生は投了です。
升田先生の仕掛けは少し無理をしているのでしょう。それでも難しい中盤でしたが、少し大山先生のほうが良いようです。玉が上に逃げだす勝ちパターンで終わりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/02/12
手合割:平手
先手:升田幸三8段
後手:大山8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 5四歩(53)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2二角成(88)
12 同 銀(31)
13 2八飛(24)
14 6二銀(71)
15 6八銀(79)
16 5三銀(62)
17 7七銀(68)
18 4四歩(43)
19 4八銀(39)
20 4五歩(44)
21 5六歩(57)
22 3三銀(22)
23 6八玉(59)
24 5二金(61)
25 7八玉(68)
26 7四歩(73)
27 6八金(69)
28 6四歩(63)
29 3六歩(37)
30 6三金(52)
31 3七桂(29)
32 4四銀(53)
33 5八金(49)
34 4二飛(82)
35 4六歩(47)
36 同 歩(45)
37 5七金(58)
38 7三桂(81)
39 4五歩打
40 5三銀(44)
41 4六金(57)
42 6二玉(51)
43 5五歩(56)
44 同 歩(54)
45 同 金(46)
46 5四歩打
47 5六金(55)
48 4一飛(42)
49 4六金(56)
50 4二銀(33)
51 6六歩(67)
52 4三銀(42)
53 5七歩打
54 2四角打
55 3五歩(36)
56 同 歩(34)
57 7五歩(76)
58 同 歩(74)
59 8六銀(77)
60 5二銀(43)
61 9六角打
62 8四歩(83)
63 7四歩打
64 8五桂(73)
65 7五銀(86)
66 7一飛(41)
67 8六歩(87)
68 7四金(63)
69 同 銀(75)
70 同 飛(71)
71 7七歩打
72 3六歩(35)
73 同 金(46)
74 4七歩打
75 同 銀(48)
76 7六歩打
77 同 歩(77)
78 同 飛(74)
79 7七歩打
80 8六飛(76)
81 8七歩打
82 6六飛(86)
83 6七金打
84 4六歩打
85 5六銀(47)
86 6七飛成(66)
87 同 金(68)
88 5五歩(54)
89 8二飛打
90 7二銀打
91 8四飛成(82)
92 9四金打
93 8二龍(84)
94 8一歩打
95 9一龍(82)
96 5六歩(55)
97 2五歩打
98 1五角(24)
99 1六歩(17)
100 4七歩成(46)
101 1五歩(16)
102 5七歩成(56)
103 6六金(67)
104 3七と(47)
105 同 金(36)
106 5四桂打
107 7六金(66)
108 6七銀打
109 8八玉(78)
110 7六銀成(67)
111 同 歩(77)
112 6七と(57)
113 8六歩(87)
114 7七歩打
115 8五歩(86)
116 7八歩成(77)
117 同 角(96)
118 同 と(67)
119 同 玉(88)
120 5五角打
121 7五香打
122 7三歩打
123 8四桂打
124 同 金(94)
125 同 歩(85)
126 3七角成(55)
127 8三歩成(84)
128 6六桂(54)
129 7七玉(78)
130 2八馬(37)
131 7二と(83)
132 6三玉(62)
133 7三と(72)
134 5四玉(63)
135 7二角打
136 5五玉(54)
137 6七銀打
138 7九飛打
139 8六玉(77)
140 8九飛成(79)
141 8七歩打
142 4六玉(55)
143 8三角成(72)
144 9四桂打
145 9五玉(86)
146 8五金打
147 同 玉(95)
148 8七龍(89)
149 8六歩打
150 同 龍(87)
151 7四玉(85)
152 3八馬(28)
153 5六歩打
154 8二桂打
155 同 龍(91)
156 同 歩(81)
157 9三馬(83)
158 8七飛打
159 5七金打
160 3七玉(46)
161 投了
まで160手で後手の勝ち