先手番大山先生の手を考えます。
第1問
この当時の常識は25歩でした。
A 38飛 B 37銀 C 66銀
第2問
3筋から反撃されました。少し読まねばなりません。
A 38飛 B 25歩 C 37桂
第3問
厳しい攻めですが、後手玉は堅くないです。
A 55歩 B 55銀 C 44歩
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
この当時の常識は25歩でした。
A 38飛 B 37銀 C 66銀
第2問
3筋から反撃されました。少し読まねばなりません。
A 38飛 B 25歩 C 37桂
第3問
厳しい攻めですが、後手玉は堅くないです。
A 55歩 B 55銀 C 44歩
今日の棋譜20200726
昭和25年10月、高島一岐代先生と第1回王将戦です。新しい棋戦ができましたが、第1回とされるのはまだタイトルではないから。来年第1期でタイトル戦になります。それでもこの年はA級上位5人でリーグ戦、木村名人と7番勝負をしたようです。
大山先生の先手矢倉が続きます。
高島先生の32金~41玉は3手で四手角ねらいですね。銀矢倉と組み合わせるようです。大山先生は飛先不突ですが、
26歩で止めておいて、銀を使います。高島先生は22銀~51角~33銀には3手かかるので、46銀~35歩には間に合っていません。つまり63銀を保留して組まねばならなかったということなのです。
早繰り銀には腰掛銀ですが
45歩を突いて追い返しても
34歩の取り込みを利かされています。34歩は取り返さねばなりませんが、42銀~43銀~34銀とするのが自然です。
ところが43金~32飛。先手の3筋攻めを逆用しようと動きました。
ならばこの38飛に対して、34金35歩同金とできなければおかしいのですが、35同銀同角68銀は嫌な形ですし、35同銀同飛同飛同角68銀でも悪いでしょう。
ということで34飛でしたが、3筋を押さえられては失敗です。
66銀~55銀という攻めも見えるので
65歩~62飛としますが
後手陣は32銀43金が逆形ですし、44角も目標にされそうで、作戦負けです。
大山先生は79玉~68金右と固めずに、46歩から動きます。46同歩同角92飛は先手十分ですから
高島先生は75歩同角46歩、複雑に受けておくしかないでしょう。
46歩は成り捨てて
右桂を跳ねましたが、46角は桂取りで
飛を浮いて受けたので、のんびりしていると75歩~74歩と責められます(76歩88銀は入りますが)。37角の利きを止められるように45銀としておいて、後手玉を固めて待つのが最善でしょう。
でも高島先生は攻めの棋風ですから、86歩同歩88歩
88同金に66歩同銀65銀。飛角銀桂が働きそうですから、攻めとしては十分です。でも後手玉は薄いので
44歩に同金は仕方ないのでしょう。44同角(に55銀)とは指しにくいです。
銀桂をさばきましたが、香を取られるのは痛いです。
45金と角筋を通しても66香、のんびりしていると34銀を打たれるので
57銀と打ち込みましたが、玉をかわされて
駒損でも66銀成から角をさばいてみました。攻めとしてはまあまあですが、飛は詰まされています。
角を切って桂を捨てるのは非常手段です。
飛を成り込みましたが、かなりの駒損です。78銀と打たれてもだめですが
42歩の王手に51玉?感覚的には31玉34桂33銀なのですが、危ないほうに逃げた感じはあります。
96角の竜取りに、66金88玉87歩
87同角78歩同角、歩の手筋で角を下がらせましたが、この39竜は飛にひもがついているので厳しくないのです。
34桂は詰めろではないのですが、62金としたのは銀を取りに行ったのでしょう。
63銀打に72金同銀不成として
77歩同桂76金の形つくり、63銀不成の詰めろで投了でした。
大山先生が25歩を急がなかったというのは当時の常識からは外れています。3筋の動きが速くなり、作戦勝ちになりました。作戦負けになると攻め将棋なのに玉の薄い高島先生は難しいです。攻めたのは負けを早めたかもしれませんが、それも仕方ないのでしょう。駒得で受けているときの大山先生は強いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/10/29
手合割:平手
先手:大山九段
後手:高島一岐代8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 3二金(41)
7 4八銀(39)
8 4一玉(51)
9 7八金(69)
10 6二銀(71)
11 6九玉(59)
12 6四歩(63)
13 2六歩(27)
14 3三角(22)
15 3六歩(37)
16 6三銀(62)
17 3七銀(48)
18 5四銀(63)
19 4六銀(37)
20 4四歩(43)
21 3五歩(36)
22 4五歩(44)
23 3四歩(35)
24 4四角(33)
25 3七銀(46)
26 4三金(32)
27 3六銀(37)
28 3二飛(82)
29 3八飛(28)
30 3四飛(32)
31 3五歩打
32 3二飛(34)
33 5六歩(57)
34 6五歩(64)
35 7九角(88)
36 6二飛(32)
37 5七角(79)
38 8五歩(84)
39 2五歩(26)
40 3二銀(31)
41 5八金(49)
42 5二金(61)
43 2八飛(38)
44 3三角(44)
45 1六歩(17)
46 7四歩(73)
47 4六歩(47)
48 7五歩(74)
49 同 角(57)
50 4六歩(45)
51 5七角(75)
52 4七歩成(46)
53 同 銀(36)
54 7三桂(81)
55 4六角(57)
56 6三飛(62)
57 3七角(46)
58 8六歩(85)
59 同 歩(87)
60 8八歩打
61 同 金(78)
62 6六歩(65)
63 同 銀(77)
64 6五銀(54)
65 4四歩打
66 同 金(43)
67 6五銀(66)
68 同 桂(73)
69 9一角成(37)
70 4五金(44)
71 6六香打
72 5七銀打
73 7八玉(69)
74 6六銀成(57)
75 同 歩(67)
76 同 角(33)
77 7二銀打
78 8八角成(66)
79 同 玉(78)
80 7七桂成(65)
81 同 玉(88)
82 6九飛成(63)
83 4二歩打
84 5一玉(41)
85 9六角打
86 6六金打
87 8八玉(77)
88 8七歩打
89 同 角(96)
90 7八歩打
91 同 角(87)
92 3九龍(69)
93 3四桂打
94 6二金(52)
95 6三銀打
96 7二金(62)
97 同 銀(63)
98 7七歩打
99 同 桂(89)
100 7六金(66)
101 6三銀(72)
102 投了
まで101手で先手の勝ち