昭和48年11月、中原先生と第12期十段戦第2局です。

大山先生の中飛車で、中原先生は57金戦法、金立ち戦法とも呼ばれます。

中原先生が早く作戦を示したのに、大山先生は玉頭方面に手をかけます。お得意の袖飛車で対抗するのかと思ったのですが

中原先生の35歩に32金ではなく32飛。この組み合わせが問題です。55金と出られて、この金は下がれないのですから決戦は必至です。

42飛の一手に24歩から22歩。54歩なら44金同飛21歩成か、44金同角同角同飛53角62角44角成同角77銀22角24飛23金か、そのほうがよかった気がします。

22同角24飛の後54歩でした。34飛55歩か、22飛成同飛44金29飛成34金か、という読みだったのでしょう。

この歩で決まってしまいました。32同金は22飛成から53角~44金です。

32同飛44金に35銀でまだまだにも見えますが

飛車を切って両取り

両方を守れば香車を取られて

桂香を拾われてしまいました。28飛は唯一の反撃ですが

飛車を取るのが速くて、受け一方です。

後は寄せのセオリー通りに小さな駒で金をはがします。

48飛成は形づくりに近いのですが

58銀から銀を捨てて角を打つのは、あわよくば、という手です。素人なら慌てますね。

ここで後手玉は詰まないのでしょうか?中原先生は安全策で88の角を取って

先手玉は詰みませんから、手駒に角が増えて

61銀から51桂成の詰み筋です。

ここまで進めば私でもわかります。
大山先生は金立ちを見てから対策を取れたのですから、袖飛車をやめたのは作戦変更です。そのため55金からの攻めが生じました。中原先生は金を出た時には32歩に気が付いていた(読んでいた)のだと思いますが、大山先生は無警戒だったのでしょう、32歩で決まってしまいました。
大山先生は中原先生相手だと無理をしてしまうのが不思議です。中原先生は自然な手の組み合わせで、しっかり読んで勝ってしまうのです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:中原誠十段
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二銀(71)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5八金(49)
16 7一玉(62)
17 3六歩(37)
18 4三銀(42)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 5七金(58)
22 7四歩(73)
23 6八銀(79)
24 6四歩(63)
25 4六金(57)
26 6三銀(72)
27 3五歩(36)
28 3二飛(52)
29 3四歩(35)
30 同 銀(43)
31 5五金(46)
32 4二飛(32)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 2二歩打
36 同 角(33)
37 2四飛(28)
38 5四歩(53)
39 3二歩打
40 同 飛(42)
41 4四金(55)
42 3五銀(34)
43 2二飛成(24)
44 同 飛(32)
45 5四金(44)
46 6二飛(22)
47 6三金(54)
48 同 飛(62)
49 1一角成(88)
50 5二金(41)
51 2一馬(11)
52 2八飛打
53 5四馬(21)
54 5三金打
55 6三馬(54)
56 同 金(53)
57 3一飛打
58 5一歩打
59 5五香打
60 4八飛成(28)
61 5二香成(55)
62 同 金(61)
63 5五桂打
64 5八銀打
65 7九金(69)
66 6七銀成(58)
67 同 玉(78)
68 8八角打
69 6三桂(55)
70 7二玉(71)
71 8八金(79)
72 6六香打
73 7七玉(67)
74 6八龍(48)
75 8六玉(77)
76 8八龍(68)
77 6一銀打
78 同 玉(72)
79 5一桂成(63)
80 同 金(52)
81 6二歩打
82 同 玉(61)
83 7一角打
84 投了
まで83手で先手の勝ち

大山先生の中飛車で、中原先生は57金戦法、金立ち戦法とも呼ばれます。

中原先生が早く作戦を示したのに、大山先生は玉頭方面に手をかけます。お得意の袖飛車で対抗するのかと思ったのですが

中原先生の35歩に32金ではなく32飛。この組み合わせが問題です。55金と出られて、この金は下がれないのですから決戦は必至です。

42飛の一手に24歩から22歩。54歩なら44金同飛21歩成か、44金同角同角同飛53角62角44角成同角77銀22角24飛23金か、そのほうがよかった気がします。

22同角24飛の後54歩でした。34飛55歩か、22飛成同飛44金29飛成34金か、という読みだったのでしょう。

この歩で決まってしまいました。32同金は22飛成から53角~44金です。

32同飛44金に35銀でまだまだにも見えますが

飛車を切って両取り

両方を守れば香車を取られて

桂香を拾われてしまいました。28飛は唯一の反撃ですが

飛車を取るのが速くて、受け一方です。

後は寄せのセオリー通りに小さな駒で金をはがします。

48飛成は形づくりに近いのですが

58銀から銀を捨てて角を打つのは、あわよくば、という手です。素人なら慌てますね。

ここで後手玉は詰まないのでしょうか?中原先生は安全策で88の角を取って

先手玉は詰みませんから、手駒に角が増えて

61銀から51桂成の詰み筋です。

ここまで進めば私でもわかります。
大山先生は金立ちを見てから対策を取れたのですから、袖飛車をやめたのは作戦変更です。そのため55金からの攻めが生じました。中原先生は金を出た時には32歩に気が付いていた(読んでいた)のだと思いますが、大山先生は無警戒だったのでしょう、32歩で決まってしまいました。
大山先生は中原先生相手だと無理をしてしまうのが不思議です。中原先生は自然な手の組み合わせで、しっかり読んで勝ってしまうのです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:中原誠十段
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二銀(71)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5八金(49)
16 7一玉(62)
17 3六歩(37)
18 4三銀(42)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 5七金(58)
22 7四歩(73)
23 6八銀(79)
24 6四歩(63)
25 4六金(57)
26 6三銀(72)
27 3五歩(36)
28 3二飛(52)
29 3四歩(35)
30 同 銀(43)
31 5五金(46)
32 4二飛(32)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 2二歩打
36 同 角(33)
37 2四飛(28)
38 5四歩(53)
39 3二歩打
40 同 飛(42)
41 4四金(55)
42 3五銀(34)
43 2二飛成(24)
44 同 飛(32)
45 5四金(44)
46 6二飛(22)
47 6三金(54)
48 同 飛(62)
49 1一角成(88)
50 5二金(41)
51 2一馬(11)
52 2八飛打
53 5四馬(21)
54 5三金打
55 6三馬(54)
56 同 金(53)
57 3一飛打
58 5一歩打
59 5五香打
60 4八飛成(28)
61 5二香成(55)
62 同 金(61)
63 5五桂打
64 5八銀打
65 7九金(69)
66 6七銀成(58)
67 同 玉(78)
68 8八角打
69 6三桂(55)
70 7二玉(71)
71 8八金(79)
72 6六香打
73 7七玉(67)
74 6八龍(48)
75 8六玉(77)
76 8八龍(68)
77 6一銀打
78 同 玉(72)
79 5一桂成(63)
80 同 金(52)
81 6二歩打
82 同 玉(61)
83 7一角打
84 投了
まで83手で先手の勝ち