大山先生の四間飛車に米長先生は36歩がかなり早くて、急戦と思ったら66歩と止めました。
石田流を拒否して位を取って左美濃、という欲張った作戦のようです。
大山先生は銀を繰り出して
もう一回戻って千日手のような手順の後(現代将棋なら千日手にしますね)角を覗きます。
米長先生は57銀66銀の繰り返し。一人千日手と呼ばれます。
3回目の66からの銀移動です。
大山先生は65の歩を取って飛車交換を挑みます。54銀~43銀まで指してぶつければ無難だったのですが。
飛車交換になり
大山先生が先に桂馬を拾いました。米長先生は桂馬を跳ねるのは微妙な手です。大山先生なら74銀とするものだと思ったのですが。
54に引いたので端に手を付けられて
端を取り込ませるのもあったと思うのですが(謝って32金を52まで寄せていく)応接したので桂馬を使われてしまいました。これでは玉の堅さに差があり、米長先生がよくなりました。
飛車を下されて
この歩が痛いです。71飛成が生じそうで怖いですが、62同金しかなかったか。
手抜いて攻め合いは勢いですが、61の金を取るのは大きいです。
香車を取って
桂馬を取り返せば詰めろ。
84歩にも角を取れば詰めろで、65香は形つくりです。桂馬を打って
83玉に92角でぴったり詰みます。
米長先生の序盤がまずく、手損ばかりです。大山先生も合わせて手損しているところがあるので3手得くらいです。楽観して軽い気持ちで飛車交換を迫ったのかもしれませんが、金が離れていくので形勢は難しいです。77桂には74銀だと思いますし、端の応接も強気すぎました。金銀が玉から離れていくのは大山先生らしくない不出来な将棋だと思います。気の合わない米長先生相手でいつもと違う感じです。この将棋はさっと見ておけばいいです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長棋聖
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 3六歩(37)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(48)
18 8二玉(72)
19 6六歩(67)
20 1四歩(13)
21 5八金(49)
22 3二飛(42)
23 3八飛(28)
24 7二銀(71)
25 7七角(88)
26 5二金(41)
27 6五歩(66)
28 5四銀(43)
29 6六銀(57)
30 4五銀(54)
31 5七銀(66)
32 5四銀(45)
33 6六銀(57)
34 1三角(22)
35 5七銀(66)
36 4三金(52)
37 6六銀(57)
38 3五歩(34)
39 同 歩(36)
40 同 角(13)
41 4六歩(47)
42 4二金(43)
43 5七銀(66)
44 6五銀(54)
45 6七金(58)
46 2四角(35)
47 3二飛成(38)
48 同 金(42)
49 4四角(77)
50 2八飛打
51 6八金(69)
52 2九飛成(28)
53 7七桂(89)
54 5四銀(65)
55 1一角成(44)
56 3三桂(21)
57 9五歩(96)
58 同 歩(94)
59 9三歩打
60 同 香(91)
61 8五桂(77)
62 6五桂打
63 6六銀(57)
64 4六角(24)
65 4一飛打
66 4九龍(29)
67 5七香打
68 4四歩打
69 6二歩打
70 4五桂(33)
71 6一歩成(62)
72 5七桂成(45)
73 同 金(67)
74 同 桂成(65)
75 9三桂成(85)
76 同 玉(82)
77 8五桂打
78 8二玉(93)
79 5七銀(66)
80 8四歩(83)
81 4六銀(57)
82 6五香打
83 9四桂打
84 8三玉(82)
85 9二角打
86 9四玉(83)
87 9五香(99)
88 投了
まで87手で先手の勝ち