昭和48年12月、桐山先生と第3回早指し選手権です。
大山先生は四間飛車穴熊です。
桐山先生は急戦ではあるのですが、1筋の位を取ったのでこれでいいのか?という感じがあります。
64銀とは出ないで、65歩を狙います。
9筋の端の位も取って、47金を待って仕掛けます。
角を合わせればさらに67角から角を合わせて金銀が上ずります、59角と受けるほうが手堅いようですが
7筋の歩を交換すれば66歩が残るという狙いです。
その66歩を金を上がって受けたのですが、それでも66歩がありますね。66同銀は76飛で困り、66同金も同角同銀76飛で困っていると思うのですが。
早指しなので踏み込めなかったか。55歩66金で大山先生は安心です。
普通は53銀なのですが、歩切れでも我慢するのは桐山先生らしいです。
戦いは中央から右側に移ります。
と金を作るから攻めてきなさいという手ですが、穴熊相手なのでこれではかなり遅いです。34銀から35歩でした。
ダンスの歩に類似した手筋です。飛車先を重くさせて
55金と使うのが味が良いです。桐山先生は角を封じてまだこれから。
左の銀桂も使って大山先生が好調です。
金を交換した後で焦点の歩。22角の利きを止める好手です。
大山先生は手厚く金を打って飛角を封じようとすれば桐山先生は金を打ち込む一手。
飛金総交換、角をさばけば桐山先生も相当に見えますが
両取りを中合いで防ぐのは手筋ではありますが、敗因の失着です。64歩と突いて桂取りにすべきです。64同飛に54歩なら81の桂馬を取られません。
金打には千日手含みで金銀を打って粘ればまだわかりません。
それを回避して33金と引いて35角と出させたのは桐山先生のミスです。
34桂に43金打と頑張るのですが
露骨に53から打ち込みます。4枚の攻めですから切れません。
33銀と使わせて、62金と潜るとは肩透かしです。51香は守れない、と思ったら52香がありますね。それならまだ粘れそう。これを逃したのが桐山先生の敗着でしょうか。
穴熊で端を突かれて手抜くのはかなり珍しいのですが、穴熊の堅さにこだわらない大山先生らしい、ともいえます。52香に気が付いて、すかさず取ってしまったのでしょう。
大山先生は手順に香を2本入手。桐山先生としては16歩と打ちたいのですが、17には角も利いているので足りません。桂馬は怪しい勝負手です。
これも怪しい手ですね。秒読みでこんな手を指されるとわからなくなりそうです。
大山先生は銀を逃げたのでうっちゃりを食らいそうになります。この2手すきは受けにくそうです。
でもさすがに後手玉には詰めろがかかります。投了図。
桐山先生のかなり変わった仕掛けでした。両端の位を取って軽い仕掛けです。65歩には68飛が正しいのでしょう。取って悪くないように見えますが、後で66歩を食らったらつぶれている気がします。
中盤ではやや大山先生が有利だとは思うのですが、桐山先生の粘り強い指し手がたくさんありました。終盤も怪しい手が出てきますし、大山先生の将棋を勉強する(左の銀桂を使うあたり)というよりは、桐山ワールドを楽しんだ、という将棋です。
短い時間の将棋を並べると、時々あれ?という手が出てきます。それを自分なりに見つける、あら探しみたいなものもたまにはやっておくのもいいでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:桐山清澄7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 6七銀(78)
14 5三銀(62)
15 2八玉(38)
16 5二金(61)
17 5八金(69)
18 7四歩(73)
19 1八香(19)
20 4二銀(31)
21 1九玉(28)
22 1四歩(13)
23 2八銀(39)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 1五歩(14)
27 4六歩(47)
28 7二飛(82)
29 7八飛(68)
30 6四歩(63)
31 3六歩(37)
32 8二飛(72)
33 8八飛(78)
34 9四歩(93)
35 3九金(49)
36 9五歩(94)
37 4七金(58)
38 6五歩(64)
39 同 歩(66)
40 7七角成(22)
41 同 桂(89)
42 9六歩(95)
43 同 歩(97)
44 4四角打
45 5九角打
46 7二飛(82)
47 4五歩(46)
48 2二角(44)
49 7八飛(88)
50 7五歩(74)
51 同 歩(76)
52 同 飛(72)
53 7六歩打
54 7四飛(75)
55 5六金(47)
56 8四飛(74)
57 8八飛(78)
58 5五歩(54)
59 6六金(56)
60 5四銀(53)
61 2六角(59)
62 6二歩打
63 8六歩(87)
64 4五銀(54)
65 8五歩(86)
66 5四飛(84)
67 4八飛(88)
68 3六銀(45)
69 6四歩(65)
70 3五歩(34)
71 3七歩打
72 2五銀(36)
73 3五角(26)
74 8六歩打
75 6三歩成(64)
76 同 金(52)
77 4四歩打
78 同 歩(43)
79 6五金(66)
80 5一飛(54)
81 6四歩打
82 5三金(63)
83 5五金(65)
84 3四銀(25)
85 2六角(35)
86 3八歩打
87 同 金(39)
88 3五歩打
89 4五歩打
90 同 歩(44)
91 5六銀(67)
92 4六歩(45)
93 6五桂(77)
94 5四金(53)
95 同 金(55)
96 同 飛(51)
97 4四歩打
98 同 飛(54)
99 5五金打
100 4七金打
101 4四金(55)
102 4八金(47)
103 同 金(38)
104 4四角(22)
105 6三歩成(64)
106 同 歩(62)
107 8四飛打
108 5四歩打
109 8一飛成(84)
110 6八飛打
111 4九歩打
112 9九角成(44)
113 4五金打
114 4三金打
115 3四金(45)
116 同 金(43)
117 4五銀打
118 3三金(34)
119 3五角(26)
120 5一香打
121 3四桂打
122 4三金打
123 4二桂成(34)
124 同 金(43)
125 5三銀打
126 4三金(33)
127 4二銀成(53)
128 同 金(43)
129 5三金打
130 3三銀打
131 6二金(53)
132 1六歩(15)
133 5一金(62)
134 同 金(41)
135 同 龍(81)
136 4一金打
137 9一龍(51)
138 1七歩成(16)
139 同 桂(29)
140 1六桂打
141 4四香打
142 3一歩打
143 3九銀(28)
144 4四銀(33)
145 同 銀(45)
146 3八香打
147 3四香打
148 2二玉(32)
149 4一龍(91)
150 投了
まで149手で先手の勝ち
大山先生は四間飛車穴熊です。
桐山先生は急戦ではあるのですが、1筋の位を取ったのでこれでいいのか?という感じがあります。
64銀とは出ないで、65歩を狙います。
9筋の端の位も取って、47金を待って仕掛けます。
角を合わせればさらに67角から角を合わせて金銀が上ずります、59角と受けるほうが手堅いようですが
7筋の歩を交換すれば66歩が残るという狙いです。
その66歩を金を上がって受けたのですが、それでも66歩がありますね。66同銀は76飛で困り、66同金も同角同銀76飛で困っていると思うのですが。
早指しなので踏み込めなかったか。55歩66金で大山先生は安心です。
普通は53銀なのですが、歩切れでも我慢するのは桐山先生らしいです。
戦いは中央から右側に移ります。
と金を作るから攻めてきなさいという手ですが、穴熊相手なのでこれではかなり遅いです。34銀から35歩でした。
ダンスの歩に類似した手筋です。飛車先を重くさせて
55金と使うのが味が良いです。桐山先生は角を封じてまだこれから。
左の銀桂も使って大山先生が好調です。
金を交換した後で焦点の歩。22角の利きを止める好手です。
大山先生は手厚く金を打って飛角を封じようとすれば桐山先生は金を打ち込む一手。
飛金総交換、角をさばけば桐山先生も相当に見えますが
両取りを中合いで防ぐのは手筋ではありますが、敗因の失着です。64歩と突いて桂取りにすべきです。64同飛に54歩なら81の桂馬を取られません。
金打には千日手含みで金銀を打って粘ればまだわかりません。
それを回避して33金と引いて35角と出させたのは桐山先生のミスです。
34桂に43金打と頑張るのですが
露骨に53から打ち込みます。4枚の攻めですから切れません。
33銀と使わせて、62金と潜るとは肩透かしです。51香は守れない、と思ったら52香がありますね。それならまだ粘れそう。これを逃したのが桐山先生の敗着でしょうか。
穴熊で端を突かれて手抜くのはかなり珍しいのですが、穴熊の堅さにこだわらない大山先生らしい、ともいえます。52香に気が付いて、すかさず取ってしまったのでしょう。
大山先生は手順に香を2本入手。桐山先生としては16歩と打ちたいのですが、17には角も利いているので足りません。桂馬は怪しい勝負手です。
これも怪しい手ですね。秒読みでこんな手を指されるとわからなくなりそうです。
大山先生は銀を逃げたのでうっちゃりを食らいそうになります。この2手すきは受けにくそうです。
でもさすがに後手玉には詰めろがかかります。投了図。
桐山先生のかなり変わった仕掛けでした。両端の位を取って軽い仕掛けです。65歩には68飛が正しいのでしょう。取って悪くないように見えますが、後で66歩を食らったらつぶれている気がします。
中盤ではやや大山先生が有利だとは思うのですが、桐山先生の粘り強い指し手がたくさんありました。終盤も怪しい手が出てきますし、大山先生の将棋を勉強する(左の銀桂を使うあたり)というよりは、桐山ワールドを楽しんだ、という将棋です。
短い時間の将棋を並べると、時々あれ?という手が出てきます。それを自分なりに見つける、あら探しみたいなものもたまにはやっておくのもいいでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:桐山清澄7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 6七銀(78)
14 5三銀(62)
15 2八玉(38)
16 5二金(61)
17 5八金(69)
18 7四歩(73)
19 1八香(19)
20 4二銀(31)
21 1九玉(28)
22 1四歩(13)
23 2八銀(39)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 1五歩(14)
27 4六歩(47)
28 7二飛(82)
29 7八飛(68)
30 6四歩(63)
31 3六歩(37)
32 8二飛(72)
33 8八飛(78)
34 9四歩(93)
35 3九金(49)
36 9五歩(94)
37 4七金(58)
38 6五歩(64)
39 同 歩(66)
40 7七角成(22)
41 同 桂(89)
42 9六歩(95)
43 同 歩(97)
44 4四角打
45 5九角打
46 7二飛(82)
47 4五歩(46)
48 2二角(44)
49 7八飛(88)
50 7五歩(74)
51 同 歩(76)
52 同 飛(72)
53 7六歩打
54 7四飛(75)
55 5六金(47)
56 8四飛(74)
57 8八飛(78)
58 5五歩(54)
59 6六金(56)
60 5四銀(53)
61 2六角(59)
62 6二歩打
63 8六歩(87)
64 4五銀(54)
65 8五歩(86)
66 5四飛(84)
67 4八飛(88)
68 3六銀(45)
69 6四歩(65)
70 3五歩(34)
71 3七歩打
72 2五銀(36)
73 3五角(26)
74 8六歩打
75 6三歩成(64)
76 同 金(52)
77 4四歩打
78 同 歩(43)
79 6五金(66)
80 5一飛(54)
81 6四歩打
82 5三金(63)
83 5五金(65)
84 3四銀(25)
85 2六角(35)
86 3八歩打
87 同 金(39)
88 3五歩打
89 4五歩打
90 同 歩(44)
91 5六銀(67)
92 4六歩(45)
93 6五桂(77)
94 5四金(53)
95 同 金(55)
96 同 飛(51)
97 4四歩打
98 同 飛(54)
99 5五金打
100 4七金打
101 4四金(55)
102 4八金(47)
103 同 金(38)
104 4四角(22)
105 6三歩成(64)
106 同 歩(62)
107 8四飛打
108 5四歩打
109 8一飛成(84)
110 6八飛打
111 4九歩打
112 9九角成(44)
113 4五金打
114 4三金打
115 3四金(45)
116 同 金(43)
117 4五銀打
118 3三金(34)
119 3五角(26)
120 5一香打
121 3四桂打
122 4三金打
123 4二桂成(34)
124 同 金(43)
125 5三銀打
126 4三金(33)
127 4二銀成(53)
128 同 金(43)
129 5三金打
130 3三銀打
131 6二金(53)
132 1六歩(15)
133 5一金(62)
134 同 金(41)
135 同 龍(81)
136 4一金打
137 9一龍(51)
138 1七歩成(16)
139 同 桂(29)
140 1六桂打
141 4四香打
142 3一歩打
143 3九銀(28)
144 4四銀(33)
145 同 銀(45)
146 3八香打
147 3四香打
148 2二玉(32)
149 4一龍(91)
150 投了
まで149手で先手の勝ち