名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(137); 三間飛車に3歩突き捨て急戦

2016-04-27 | 大山将棋研究
昭和49年1月、中原先生と第12期十段戦第7局です。


大山先生の先手三間飛車。これに急戦は難しいのですが、端を受けさせたのが最初のポイントです。第3局では中原先生が棒銀で、ということもあり受けたのですが、少し居飛車が攻めやすくなりました。

加藤一二三先生考案の攻め方。突き捨てる順番が難しいのですが、定跡の結論はこの歩が最後ではないかということになっています。8,9,7の順番です。これは
先手三間飛車破り―急戦で仕掛ける攻略法を徹底解説
に詳しいです。その本にこの対局のことが書いてあって、中盤までは記憶がある手順です。

7,9,8の順番になりました。86同歩に95香同香76歩というのが狙いです。

86同角と取って、香車を上にかわすのが味の良い手です。85歩に対応しています。

ここで36歩だったのですが、68飛や76銀もあるところです。

これはおとなしい指し方。謝っておいて終盤に玉頭で勝負しようということです。

6筋を謝っても9筋を突破できればよいでしょう。攻めが無くなるので92歩と受けるわけにはいきません。実はここで94同香という手があり、同香85歩なら後手よしです。取れなくて95歩と打つなら居飛車が得なのです。

そんな定跡手順はあとでまとめられたものなので、実戦として見るならどちらも疑問手はありません。中原先生は88歩から桂馬を取り、大山先生が と金を捨てるのも手筋の応酬です。

飛車を切ってと金を使うのも味の良い手順です。

中原先生は桂香を得して、大山先生は と金を活用します。形勢は互角です。

69角から24桂は厳しい筋ですが

37玉の位置で踏ん張ります。桂馬で反撃して

どちらの玉もすごい格好で頑張ります。

大山先生は銀を引いて飛車取りを催促して

攻め合います。

銀をかわして使うのが大山流。

さらに57に引き寄せられました。

中原先生も中段玉で粘り、大山先生は角を追います。22桂成が実現すれば32角が厳しいですから逃げられません。このあたりでは大山先生がよくなったか。

中原先生は桂馬を捨てて迫ります。

3筋に歩を打たれたところで角を打つのが好手。持ち駒の銀を使わせて先手玉が少し安全になります。

37歩に同金引もありそうですが、玉で取って決めに行きます。

35歩は打たせて角を取り(32角成とするつもりがない)

これで投了です。34玉24金同玉23桂成34玉35香43玉33香成ですか。悩みました。
中原先生からタイトルを取るのは久しぶりではないでしょうか。


中原先生もこの急戦をやるのですね。定跡は必要があれば勉強してもらうとして、中終盤の応酬はみごたえがあります。22角が残ったままの終盤になると居飛車が勝ちにくく、26桂からは難しいながら振り飛車もちです。良い将棋でした。大山先生の中段玉から粘りの指し方はさすがです。

コメント
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