【ワシントン小松健一】米航空宇宙局(NASA)は11日、シベリアの上空約790キロで米イリジウム社の通信衛星とロシアの通信衛星が10日に衝突し、大量の宇宙ごみが浮遊していることを明らかにした。米CBSテレビなどが報じた。通信衛星同士が衝突したのは初めてという。
衝突したのはイリジウム社が97年に打ち上げた衛星電話用の通信衛星(重さ約560キロ)と、ロシアが93年に打ち上げ約10年前から機能停止になっているとみられる通信衛星(重さ約900キロ)。
約400キロの高度を周回する国際宇宙ステーションや、若田光一宇宙飛行士らが搭乗し今月22日以降に打ち上げられるスペースシャトル「ディスカバリー」の飛行への影響は低いとみられる。NASAは、宇宙ごみの拡散状況の把握と宇宙ステーションなどへの最終的な安全確認を急いでいる。
◇軌道変化の予測は困難 衛星衝突
活動中の人工衛星の衝突事故は、96年に仏の軍事衛星がロケットの残骸(ざんがい)と衝突した例があるだけだ。ただ、地球の重力などの影響による軌道変化の予測が困難なうえ衛星の数も増えており、事故の可能性はゼロではない。また人工衛星など無人の飛行物体については、衝突の危険性を監視する体制がない。的川泰宣・宇宙航空研究開発機構(JAXA)技術参与は「人工衛星は軌道を急に変化させることが難しく、危険性が分かっても回避は難しいだろう」と話す。【永山悦子】
http://mainichi.jp/select/science/news/20090212k0000e040036000c.html
衝突したのはイリジウム社が97年に打ち上げた衛星電話用の通信衛星(重さ約560キロ)と、ロシアが93年に打ち上げ約10年前から機能停止になっているとみられる通信衛星(重さ約900キロ)。
約400キロの高度を周回する国際宇宙ステーションや、若田光一宇宙飛行士らが搭乗し今月22日以降に打ち上げられるスペースシャトル「ディスカバリー」の飛行への影響は低いとみられる。NASAは、宇宙ごみの拡散状況の把握と宇宙ステーションなどへの最終的な安全確認を急いでいる。
◇軌道変化の予測は困難 衛星衝突
活動中の人工衛星の衝突事故は、96年に仏の軍事衛星がロケットの残骸(ざんがい)と衝突した例があるだけだ。ただ、地球の重力などの影響による軌道変化の予測が困難なうえ衛星の数も増えており、事故の可能性はゼロではない。また人工衛星など無人の飛行物体については、衝突の危険性を監視する体制がない。的川泰宣・宇宙航空研究開発機構(JAXA)技術参与は「人工衛星は軌道を急に変化させることが難しく、危険性が分かっても回避は難しいだろう」と話す。【永山悦子】
http://mainichi.jp/select/science/news/20090212k0000e040036000c.html