CubeSat設計会議

プロジェクトの難しさを一言でいうならば、仲間たちのモチベーションを高め、与えられた課題に対して常に大きな使命感をもって取り組めるような環境を提供することにある。他人がやっているのを批判するのは簡単だが、自分でやってみると予想以上に難しいことがわかる。

今回の設計会議の目的は、CubeSat開発の全作業工程を提示することにより、担当者の責任の重さを再確認していただき、それを各自が使命感と感じるところまで昇華できるかどうかを見極めることにあった。結果としてかなり正確に伝わった手ごたえが感じられた。

この作業工程表はCubeSatプロジェクトでは現在私の右腕となっている4年生のN君と共に議論しながら作ったものだ。実はN君の隠れた才能を発見したのは、ちょっとお坊さんの雰囲気のあるU君（M1）だった。

CubeSatの開発を通して学生たちがプロのエンジニアから直接指導して頂く機会が増えてきた。親切に教えてくれるからといって、自分は学生だからと甘えてもいられない。そのあたりの緊張感は担当の学生でも薄々肌で感じているはずだ。不安に耐えながら努力する人間には大きく道が開かれるが、自分が出来ない口実を並べ上げる人間は自ら居場所を失うものだ。上司は環境を提供できるが、それを掴みきれるかどうかは本人次第であり、厳しく言えば本人の人生観（本人のひとつひとつの選択）が決めている。