タイトル: H2Aロケット打ち上げ成功 日韓の衛星を分離
初めて海外から受注した韓国の衛星を載せたH2Aロケット21号機が、18日午前1時39分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。相乗りした日韓の衛星を軌道に投入し、海外衛星の商用打ち上げに初めて成功した。
打ち上げ16分後、詳細な地上画像を撮る韓国航空宇宙研究院(KARI)の多目的衛星「アリラン3号」を分離。その7分後、地球上の水の動きを調べ、気象予報の精度向上に役立てる日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測衛星「しずく」を分離した。
H2Aの打ち上げ成功は15回連続で、通算20回目。今回の成功で、日本の長年の目標だった海外衛星の打ち上げ市場参入に第一歩を踏み出した。
H2Aの打ち上げは2007年の13号機から民営化され、三菱重工が請け負う。同社は海外機関と100件以上、交渉してきたが、受注できたのは今回だけ。もともと打ち上げる予定だった「しずく」に「アリラン3号」を追加し、料金を割り引くことで契約にこぎつけた。この成功を弾みにしたい考えだが、コストや成功回数で欧米に及ばず、今後の受注はまだない。
H2Aの打ち上げ費用は70億~100億円とされ、KARIとJAXAが三菱重工に払う。契約額は「国際競争上、不利になる」として明らかにしていない。
7月には、より大型のH2Bロケット3号機が打ち上げられる。成功すれば、H2B打ち上げも民営化され、三菱重工に移る。同社は「ロケットの選択肢が増え、打ち上げビジネスの売りになる」と期待する。
今回の21号機は、300ボルトの高電圧発電を試みる九州工業大(北九州市)の小型衛星「鳳龍弐(ほうりゅうに)号」、船の識別実験などをするJAXAの小型衛星も一緒に打ち上げた。(古城博隆)
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