RapidEyeはドイツの農業リモートセンシング衛星だったが経営不振のため昨年倒産してしまった。
確か衛星開発費は30億円ぐらいだったと思う。昨日ある資料に日本のリモートセンシング市場は50億円と書いてあったので、パイが小さすぎるのだろう。衛星画像を自治体に売り込むビジネスとは別にスマートフォンへのコンテンツを提供するサービスと結びつけないとマーケットは広がらないのではないか。2003年頃にFさんと北海道衛星プロジェクトを立ち上げた際にアイディアなのだが、宇宙からのハイビジョンの動画を癒しのコンテンツとして配信したり、実際の宇宙の映像を背景とした超リアルな「対戦ゲーム」のコンテンツを提供するサービスがあったら面白いと思う。
ドラッカー流にいえば、今の宇宙産業に必要なのは「顧客の創造」なのだ。
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2011-09-03 カナダ企業、RapidEye買収
倒産したドイツの地球画像企業、ラピッドアイ(RapidEye)を、カナダの光学衛星画像販売会社が買収することになった。ラビッドアイの負債を失くして身軽にすること民間地球観測市場で大手の一角に加わることを狙っている。
買収する側のカナダ、アルバータ、レスブリッジのアイオンクタスジオマチック社(Iunctus Geomatics Corp.)は、現在、フランスのスポット光学衛星データでカナダの独占販売も事業の一つとしている。ラビッドアイの買収額は1千3百万ユーロ(20億円規模)程度と言われている。
買収後の新会社は、ラビッドアイ・カナダ(RapidEye Canada)となる。この企業は、現在地球低軌道を周回している150kgのラビッドアイ衛星5機の運用を引き受ける。これらの衛星は2008年以来飛行を続けている。これまでの売上は、ラビッドアイ社の予測による、2010年には1千4百万ユーロで、2011年には1千8百万ユーロ以上が期待されている。
アイオンクタス社社長のリアン・ジョンソン氏によると、販売価格は述べなかったが、2011年の一回の販売額が買収額に匹敵するとしている。ラピッドアイの事業は2010年と比べて2011年は概して上向くと見ている。2010年は期待はずれであった。
9月2日のインタビューでは、ジョンソンはラビッドアイを驚異的な可能性を秘めている企業であると述べている。衛星システムは1日に4百万平方キロメートルの画像を撮影し、再撮影時間も他の衛星よりももっと短時間で撮影可能であるとを強調した。そして地球観測データ市場は難しい市場ではあるが、すでに事業として生き延びており、事業が拡大すことは目に見えているとも。
ラビッドアイは予想に反して2009年と2010年の売上が低調に終わり、負債の返済で苦闘し新たな出資がない中で難しい事業運営を強いられてきた。そして返済ローンが不履行となり、今年5月に破産法の適用となって会社更生法により実質倒産した。
しかしドイツの破産法によると、米国のように最終的に企業を解体するのではなく、むしろ債務者が破滅したとしても存続企業として事業を継続させる方向に誘導するようになっている。
ラピッドアイの債権者は主にドイツ銀行であるが、6月下旬に30万ユーロの資金提供を決定したため、140名の社員は作業を継続できることになった。
破産管理人の一人はインタビューに答え、ラビッドアイの買収には当初は20社以上が興味を表明したが、最終的には3社が残り、買収の競争入札を行った。8月29日にアイオンクタスが落札した。
ラビッドアイ衛星5機は順調に機能しており、2018年までは運用可能な状態である。衛星の寿命サイクルから見て、新会社は2014年ごろまでに次の衛星の打ち上げを決断する必要があるし、事業規模を再評価するためには2年以上が必要となる。
現在のラピッドアイ代表は辞職し、共同設立者の一人のクリシュク氏が企業に復帰することになる。
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