さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

だいだいリートvol.7 その4~手紙の二重唱

2010-04-22 | 歌のおけいこ


これは、モーツアルト作曲のオペラ

「フィガロの結婚」

の ひとつのシーンで歌われる二重唱。


フィガロのフィアンセであるスザンナを
誘惑しようとしている伯爵をこらしめるために、

伯爵夫人が 召使いであるスザンナ自身に
伯爵を呼び出すための、ニセの手紙を書かせる。

伯爵夫人は
その文面を 思いつくままに
スザンナに語り、
スザンナはそれを 言われたとおりに
手紙に書いてゆく。。。

という場面で、

わたしにとっては
オペラの一場面に初チャレンジ である。


動きまわる役どころでないのが
救いといえば救い だが、

ドンと落ち着いて 優雅でなければならないというのが
また 困ったことで…

”伯爵夫人” それ ダレ??

。。。どうやら、わたしらしい。


落ち着きのない、おどおどしがちな自分を
ここでは 封印しなくては。


お相手は、はじめて一緒に歌っていただく
ともちゃん。

若い、フレッシュなソプラノさんで
その美声にほれぼれする。
オペラの重唱もアリアも 何度も経験されている。
わたしは その胸をおかりするつもりで
今回は 光栄な経験をさせていただける。

…が、

わたしのほうが ”エラそうにみえないといけない”

というのが、なんともハァ。


さて、わたしのうたう伯爵夫人…コンテッサ は、
声部でいうと 下パート。

ひとりずつ、かわるがわるに歌う部分と、
ふたりで歌うハーモニーの部分とがあるが、
ハーモニーのところは、
モーツアルトらしい、とてもきれいな和音で
なんといっても、そのハモる部分が すきだ。


しかし、

合唱でも 
これまで上パートを歌うことがほとんどだったので、
(しかも 楽譜読めないので)
下パートの音とるのが、超ニガテ。

時間もかかるし、
ようやくとれるつもりで 合わせれば
つられるし。

ともちゃんに弾いて録音していただいた、
下パートのピアノを聴きつつ ひとりで練習している時から
音をとるのに苦労苦労。


ぬっくさんとうたうときも、
下パートを歌ってみようとしては


  やっぱり アカンわ~
  音とるだけで、こんなに苦労してちゃあ…!
  つられて自分の音がうたえなくなるばかりなので、
  ハモる練習まで なかなかいきつかないよ!

  ひとりでうたうソロなら、
  いくら時間かけても ゆるされるけど
  お相手のいる重唱では それも程度があるし…


というにがい思いを 何度かしてきたので、
最初から とても不安だった。


でも、師匠の

  「慣れです 慣れ!」

  「練習すればできます。 練習しかないんです」

という言葉を信じて、とにかく 練習した。


自分の音を 自分のからだに吸いこみ
自分になじませる作業をすることでしか、
わたしは 歌えるようにならないので。


そして、それができるようになっても
いざ お相手と合わせると 
つられて自分の音が迷子になったりするし、
きれいにハモれているかどうか というのは
また さらなる難しさ…課題がある。

下パートでうたうことに不慣れだという不安もある。


でも、

ハモる楽しさは、誰かと歌ってこそ なのだ。

そして、自分が自分の役割を果たしてこそ。


この、美しいモーツアルトのハーモニーを
ちゃんとつくりあげたい。


いまだに、音に不安がないわけではないけれど、
歌いながら、自分が自分の出す音に迷って
躊躇していては うまくいかないことがよくわかった。

これに関しても、

ピアノのM野先生が アドバイスを下さった。


  「相手の音なんて、
   相手によっても その日によっても変わるでしょう。

   でも、ピアノの和音は変わらないのだから、
   それに ふたりが合わせていくようにしたほうが
   うまくいくのよ」


  「自分で音を探らないで
   このへんに漂っている音をつかむの。

   ふたりで聴き合うより
   ピアノの和音を聴いて合わせるの」


なるほどな~。

これまで、正しい音、あるべき音を
自分のなかにばかり探していた…と思う。

ピアノに、相手に 合わせるというより
つられないことにばかり必死で。

それじゃ ダメなんだな。


まだできていないことが多くて
不安は残るけれど、

もっとピアノを聴いて
うたえるようにしたい。

さらには、迷いなく、歌いきれるように
もう一歩 かためて本番にのぞみたい。


で、音のこと以外にも 

特にオペラでは 
そのキャラクターになりきることが必要で…

これがまた わたしにとっては厄介な課題。


  「どっちがスザンナか わかれへん!」


とは、誰彼にも 何度言われることか。


つづきは次回に。


またまた M野先生大活躍??です。

名言が多くって!

こころのメモに たくさんとらせていただきました  





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だいだいリートvol.7 その3~ゆけわがそよ風

2010-04-22 | 歌のおけいこ


           ゆけわがそよ風

                       作曲:メンデルスゾーン



       わたしの愛をこめたかった
       すべての愛をひとつの言葉に
       それを軽やかな風にのせると
       嬉々として 飛んでゆくでしょう

       
       風は愛に満ちた言葉を
       いとしいひと、あなたにおくる
       するとあなたは それをいつも
       いたるところで耳にするでしょう


       そして 眠っている夜中でも
       ほとんど目を閉じられることなく
       わたしの姿は あなたの目にうかび
       どんな深い夢にも あらわれるわ




おなじみぬっくさんとの二重唱。 

この曲で、
はや4曲目になる。

ちなみに
うたってきたのは、
すべて メンデルスゾーンの二重唱曲。

正確には…そのなかで1曲だけはちがっていて、
メンデルスゾーンはメンデルスゾーンでも、
有名なほう(弟)ではない、
お姉さんである ファニー・メンデルスゾーンが作った曲だった。

で、あとの3曲は よく知られているメンデルスゾーン…
フェリックス・メンデルスゾーンの曲で、
これもそう。


あきれずに(あきれながらも??)
こんなわたしと デュエットして下さるぬっくさんには
感謝の思いばかり。

多大なフォローがあって
なんとか 成り立っているこのデュエット、
わたしが もっと成長しなくては。


お仲間うちでのぷち発表会や、
ピアノつきでのレッスンを 何度か受けて感じたのは、

それまでは この曲、
ただ さわやかに優しく流れていくイメージだったのが、

意外にも、というのか、
思っていたよりもちからづよく進んでゆく曲なんだ…

ということ。


大きなフレーズを感じてうたうこと、

フレーズごとにしぼまないで、
さらに前へ前へと流れるようにうたうこと、

3番の導入は、後半の盛りあがりに向けての
緊張感をもって…
特にユニゾンと、その次のフレーズに入るところ。

そのほかにも、

ずっとわたしが言われつづけている
子音やウムラウトの発音が
ちゃんとそうきこえるようにうたうための処理とか、
高音にうつるときに
ピョ~ンって そこだけとびださないように とか、

ふたりの母音の響き、
子音のタイミングを合わせること、
ハモリはもちろんで。。。


と、うたうにあたって注意すべき点は
いくつもいくつもあるのだが、

それらをふまえて、
本番では あまり考えすぎず

風の動きを感じさせて下さるピアノの演奏に乗って、
うたも 風のようにさわやかにちからづよく
流れてゆきたいところだ。


ピアノのM野先生いわく、

この曲のイメージは 

  ”ナウシカ”

らしい。

  「…ヴン!って、風に乗るのよ」


リズム音痴なのが かなしいけど、
おおきな風に乗る…つもりで 歌おう。  







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だいだいリートvol.7 その2~Andenken

2010-04-16 | 歌のおけいこ


         Andenken  君を想う  

                          作曲:ベートーヴェン
                          作詩:マティソン


       杜の木の間をとおして
       小夜啼鳥の歌声が
       ひびいてくるとき、
       わたしは あなたを思う

       あなたは いつわたしを思ってくれるだろう


       たそがれの
       ほのかな光につつまれた
       木陰の泉のほとりで
       わたしは あなたを思う

       あなたは どこでわたしを思ってくれるだろう


       こころよい苦しみ、
       不安な憧れ、
       熱い涙をもって
       わたしは あなたを思う

       あなたは どのようにわたしを思ってくれるだろう


       よりよい星において
       結び合うまで、
       おお、わたしを思っていてほしい


       遠いかなたにあっても
       わたしはあなたを、
       あなただけを思っている




ベートーヴェンの歌曲、
あまり数多くは知らないのですが、
前々回のだいだいリートで歌った

  「Ich liebe dich」

とおなじく、

ドイツリートの会で習ってすきになり、
歌ってみたいと思って選びました。


どちらも、

ひとを想ううた ですね。。。


「Ich liebe dich」が、
身近にいる 愛するひとに向けたうただとしたら、

こちらは
遠くにいる想いびとへのうた。


どちらも、ひたむきな思いをうたっています。


愛するひとが すぐ身近にいても、

いまはもう 遠いかなたにいるのだとしても、

ほんとうに たいせつなひとであれば、

思いの深さは変わらないのでしょう。


想うひとが遠くにいるかなしさではなく、

いつか ふたたびよりよい世界で

(今生で であれ、来世であれ)

であい、結ばれることを信じ、

そのひとを変わらずに想いつづけていられるしあわせ、

ひたむきな思いを 明るく歌えたら、

と 思います。


ところで、

そのために クリアするべき問題は 山ほどあるわけでして。。。


発音が ちゃんとなってなくて
その言葉にきこえない とか、


  「denke の発音きこえてけーへんで。

   もう、漢字で ”伝家”(でんけ!) って書いとき!

   そうそう!

   そう読んだら、ちゃあんときこえたわ♪」


  「……」



音符の長さを無視してるとか(それ、アカンやろ!)


  「ちゃんとテンポどおりに入ってや~

   それじゃーピアニストさんは、弾きはじめがワカランで」


大のニガテである
装飾音符や フェルマータの処理が
へたくそ であるとか…


  「そりゃ、音ふやしすぎやろ!

   それやったら 演歌やって!」


  「フェルマータのあと、
 
   休んで よいしょーって入るのは ナシ!」。。。



これは 直すべき課題の、ほんの一例。


もう 本番までの日は迫っていますが、

まだまだ やるべきことがたくさんあるのです…

それも 最低限の内容で。

酔っぱらい大失敗の余波をひきずって
おちこんでいる場合ではないのでした。

もうひとがんばり、

できるだけのことを やります。


それにしても、

ベートーヴェンって、交響曲なんかでは
とても重厚で いかめしい??イメージがあるのに、

歌曲の旋律の なんと素朴で明るくて優しいこと。

そう思ってみると、
交響曲も ところどころ優しい旋律があったなと
納得できたり…


恋愛では なかなかしあわせにめぐまれなかったようですし、

気むずかしいお人だったとの話もありますが、

じっくりおつきあいしてみれば、
純朴で ひたむきで 情熱的で 愛すべきお人柄だったんじゃないかなあ…

と、思うわたしです。


「第九」

で、合唱をはじめたわたしですが、

その頃は、
ベートーヴェンさんが歌曲をつくっていることさえ
知らなかったし、

まさか それを自分が習い、うたう日が来るなんて
さらに 思いもしなかったことでした。


人生って すてきです。

音楽って すてきです。


音楽のある人生は、さらにすてきです 




    
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だいだいリートvol.7 その1

2010-04-16 | 歌のおけいこ


あと10日たらずとなりました。

おなじみ?橘 茂 門下生による発表会であるコンサート、
だいだいリート。


  「これからは!

   ”発表会”とは なるべく言わないようにしましょう。

   お客さまに楽しんでいただける ”コンサート”と考えて

   がんばっていきましょう 


と、師匠は言われたが。。。

そして、そのように考えて 
歌も自分自身も向上していかなくてはならないとは
思っているのだが。。。


  「ねえねえ、今度の 発表会 さあ…♪」


なあ~んて、やはりくちをついてしまうし、

意識もなかなか 言われるように変えてゆけない。


なにしろ、
自分に なかなか進歩がみられなくて。。。


師匠は ぶきっちょなわたしにも
一生懸命教えて下さるし、

お仲間さんたちはみんなどんどんうまくなっていかれるのだが、

どうもわたしは

なにかもうひとつぬけだせないものがあるような感じで、

いつもおなじことを注意されては
うろうろ、おろおろしている。


発声も、歌い方も 
自分のもっているヘンなくせが 
なかなかぬけないし、
緊張して カチカチになってしまうあたりも
成長がみられず…


自分がまるはだかになってしまうソロでは
そういうところが もろに出てしまうし、

二重唱は といえば、
お相手に フォローされっぱなし 


それでも 歌えることは、 
苦しいながらもうれしくてしあわせなので、

おちこむことしょっちゅうでも、

もうあかんと思っても、

とにかく 続けていくことにする。


歌と同様に、
ちっともうまくならない川柳も!?

とにかく やめずにほそぼそとでも
続けていくつもりだ。


そんな あいかわらずのわたしだが、

今回の発表会、もとい だいだいリートで
歌わせていただく曲について、

そして

それにまつわる思い、
レッスン&練習の悲喜こもごも…について

またちょっと 書いてみよう。


すでにもう本番まぢかなので
どの程度書けるか わかりませんが。。。


ふだんから 書こうといつも思っているのに、

いつも こんな時期になってしまうなあ 


まあ、これまでかなりばたばたの日々が続いて
歌いに行くのもやっと という感じだったので、
書ける時間ができただけ よかったとしようかな!
 




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失敗つづき

2010-04-12 | たわごと・できごと


このところ、
お酒での失敗が 続いている。


電車を乗り過ごして、
信じられない遠方から タクシー飛ばして帰るはめになったり、

荷物を置き忘れたり、

(それも、その日 友人からいただいたものを!
 さいわい翌日 駅に問い合わせたら、戻ってきはしたのだが)

吐くまでのんで ひとに迷惑をかけたり、

心配して泊めてくれるという知人の制止もきかず
むりやり帰ろうと乗ったタクシーに 
携帯を忘れたことがわかるまで、
どこでなくしたのかと しばらく身動きもとれずの状態になったり…

あげく、
翌日の歌のレッスンは 
ようやく嵐が去ったというばかりの、
行くのがやっと という失礼な状態でのぞむことになったりしたが、

どれもこれも、自業自得。


これまでだって 何度もくりかえしている
猛反省と自己嫌悪。

こんなはずではなかった。。。


つい先日は 
酒蔵見学につれて行っていただく機会にめぐまれて、

こんなに愛情と 手間ひまをかけてつくられたお酒とは、
じっくり味わって たいせつにのむべきもの

楽しくなって 調子にのって
かぱかぱとねうちのないのみかたをして、
味もわからなくなったあげく 吐くなんて
バチあたりなことをしてはいけないのだ!

という思いをあらたにしたところだったのに。

この学習能力のなさよ!

さらに、
どうもわたしは、
緊張と 弛緩のコントロールがうまくないようだ。

そんなつもりはないのだが、
結果として
なにかにつけて、
極端から極端に走ってしまう。

なにごとにおいても、
ちょうどいい
中庸の位置に 自分をたもてない。

だからなのだろう、
呼吸も感情もコントロールがヘタだから、
(もちろん 問題はそれだけじゃないけれど)

歌も、
お酒での不調は関係なく
体調が万全なときでも、
いつもおなじことを注意されては うろうろしている。

それでなくても、
音楽の基礎がないというのに。

(言い訳でなく、これは事実として)

自分の直りにくい、
最大の欠点がみえなくなるくらいになるには
よけいなことを考える前に、
ひといちばい 練習が必要なのだろう。
それしか ないのだろう。


とにかく、いいトシをしたオトナとして
お酒にのまれてひとに迷惑をかけることだけは
今後 ナシにしなくては。

お酒を愛する資格も、
一緒にのんでもらう資格もないような
近ごろの自分を、深く反省しよう。


迷惑をかけた多くのみなさん ごめんなさい。



コメント (4)
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