さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

またまた 歌える幸せ

2007-10-04 | 歌のおけいこ
先日、ドイツリートの発表会。。。
(橘 茂 門下生発表会)

が、ぶじに終わった。


急に涼しさが訪れたその朝。


緊張は あってあたりまえのものだと思っていたが、
これが 想像以上だった。


第一部で 8名

第二部で 8名(うち1組が 二重唱) 

が 歌うなかで


私は 第一部で最初に歌うトップバッター。

リハーサルも、本番で歌う順に進行する。


リハーサル前に みんなで発声もしていたのに、
歌いだしのはじめから、声がちゃんと出ず ひっくりかえった。


  わ、私の緊張、ハンパじゃないわ  どっ どうしよう~…


歌いながら 自分でもビックリなほど
露骨に緊張が出ているのがわかった。


本番はいったいどうなっちゃうんだろうと、
気が気じゃなくて


時間が迫ってくるうちに


  私はこんなオソロシイことを
  なんで 好き好んでやろうと思ったんだろう 


な気分になってきて。。。



でも 

出番直前に 仲間のひとりが

ほんとは自分だって緊張しているだろうのに、

 
 「しあわせ~な歌なんだから、
  笑顔で 楽しく歌ったらいいのよー ホラ♪

  チャララララララ~ン 


と、私が歌う歌の前奏を歌い出し

(彼女も1曲は その同じ歌を歌うことになっていた)


それに合わせて 他の仲間たちも一緒に


  ちゃらららららら~ん 


と やりだした。


思わず笑ってしまって、
すうっと緊張がほぐれた。。。ような気がした。

すごく、助けられた。


リハーサルあとに先生も言ってたっけ。


 「本番では なにがあっても、気にせず楽しく歌えばいいんです!」


そうか。 そうだよね。
もう ここまできたら…それしかない。


ながいながい期間、
ときには苦しいばかりの練習を積むのは

本番で こう歌おうとか ここを気をつけなきゃとか
よぶんなことは考えずに 

ただただ無心に 楽しく歌うため も
あるのかも知れない。




本番。


先生が舞台に出て行く。

私の名前が読みあげられ、
歌の紹介が なされる。

いよいよだ。


ゆっくり息をして、
なるべくゆっくりと歩いて…


舞台の立つ位置に立つ。


教えられたように 一瞬前をみてから
お辞儀をして…

ゆっくり顔をあげる。


舞台と客席は 至近距離(!!)なので、

なんとなく 何人かの友人・知人の顔がわかる。



ピアノの前奏が はじまる。


緊張は、ゼロにはならないけれど、とにかくもう歌うだけ。


笑顔で (ひきつっているかも知れないけど)


楽しく歌う。 (声、ふるえているかも知れないけど)



  私のすきな歌を、

  いい歌だねえって 感じてくれる人がいたらいいな。。。 



天国で なんの憂いもなく楽しく
しあわせに過ごすのもいいけれど

この世で 愛する彼女が
自分に 優しくほほえみかけていてくれるなら、

彼女とともに この世に永遠にとどまろう


   そんな、現世での恋の幸福をうたう

   「至福」…Seligkeit.



なぜ 悲しいのか、
自分でもわからない 根拠のない苦痛。

けれど、涙のヴェールをとおして見える太陽の慈愛の光がある。
悩む鬱の状態をとおして 明るく澄んだよろこびが心によぎる。

世間の人々よ、
どうか私をこのままに。

親切や誘惑、世俗的な喜びで私を惑わさず、
私の感じる喜びや悩みを
そのままの姿で 私の心に味わわせて下さい!


   ちょっと内省的で 憂いのある
   けれど 深く燃えるような感情を秘めた

   「陰棲」…Verborgenheit.



うまく歌えたかどうかは わからない。


でも、歌い終えた今


人前で歌うたいへんさも

つぶされそうな緊張も感じたけれど、


それ以上に


  たくさんの人に支えられて 

  私は 自分がすきな歌を歌うことができたんだなあ。。。


と、そんな自分の幸せを しみじみとかみしめている。


私たちを 表でも 陰でも 
バックアップして下さる先生がたにも


一緒に歌っている仲間たちにも


かけつけてくれた友人たちにも


聴いて下さるお客さまにも


家族にも


支えられている自分の幸せを。





コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする