さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

だいだいリートvol.7 その5~キャラクターづくり

2010-05-07 | 歌のおけいこ


つづきが ずいぶん遅くなってしまいました。


これまでの記事を書いたあと、
だいだいリート本番を迎えまして、
先生がた お客さま お仲間さんたちのおかげで
今回も ぶじに終えることができましたが…

まだ 書けていないところがあって、
それが 前回までの記事のつづき です。


今回の記事の、またの副題は 

 「M野先生名言録」?? 


手紙の二重唱 ピアノつきレッスンのある日。

本番で弾いて下さるのは K岡先生だが、
この日のレッスンのピアノは M野先生。


はじめに1回通して歌ったあと、
のっけから わたしが言われたのは


  「本番で ソレやったら、コロすからねっ」 


…だった。


なにがいけなかったのかというと、

二重唱の冒頭、
わたしの歌う伯爵夫人…コンテッサの レチタティーヴォのところ。


   カンツォネッタ スーラーリア~♪

と歌う最後を ズリさげていたもので 


  「伯爵夫人でしょ? 絶対ソレやんないから。絶対ダメ!」


実は、こうなるまでには いろいろ苦難があったのでして。。。


レチタティーヴォって、
語りのように 
ある程度 自由に歌っていいとされているところだが、
もちろん なんでもすき勝手に歌っていいワケではない。

筋金入りリズム音痴のわたしは
これが とてもニガテで、
それまでのレッスンで
何回も ここばかり直されてきた。


で、手でリズムの動きをつけて 
ようやく それらしく歌えるようになった…

と思ったのもつかのま、

リズムを合わせようとするがあまり なのか、
タメ(間?)を つくろうとして の副作用なのか、

 (どっちも言い訳 なんですが 

ふだんの歌でなら やらないように…と注意している

 (合唱をはじめた時から 厳禁とされていた歌いかただったので)

ズリさげをやっちゃってたんですねえ。


それにはじまり、


  「伯爵夫人は まったく動かないつもりくらいでいい。

   相手を見ることすら、しなくていいくらいよ。

   むしろ、夫人の目の届くところに
   誰も彼もがやってくる立場の人なんだから。

   手をさしだせば、そこにジュースがのせられるような人なのよ」


  「きょろきょろしない! 

   どっちがスザンナか わかれへん。

   貴族から 庶民に落とすよっ。

   井戸の水くみにやらせるよっ」


  「ひいぃ~、はいっ」


歌う人間のキャラクターを、
きちんとこまかく考えて 本番にのぞみなさい、

とは、A野先生にもつい最近教えられたことだ。


A野先生とは 
友人を通じて 音楽とは無関係のことで知り合い、
のちに声楽家さんでもあると知り、歌を聴いてみれば

やわらかく優しいその声にほれぼれ。

性格は オトコマエ。

それでいて、女性らしいこまやかな気づかいもされる。


すぐ近所のカルチャーセンターで 
ヴォイスレッスンをされているのは
知り合ってしばらくしてから知ったが、

発声だけでも受講してみようか と腰をあげたのは
また さらに年数が過ぎた 
昨年の暮れ だった。

そのA野先生にも言われた。


  「たとえば、
   さあ 伯爵夫人になって歌う というときに舞台に立って、
   そこに さくらさんそのものでいてはアカンのよ」


オペラの役柄でうたうときに限らず、

歌曲であっても どんな立場でその歌をうたうのか

(つまり、詩を深くほりさげて 
 自分の解釈をこまかく具体的に、 
 イメージが絵で浮かぶように という意味でいいのかな?

 合唱のときにも それは必要なことだろう。
 いつも Kかちゃん先生が言われるように)


コンテッサは 何歳くらいで、
何いろがすきで、どんな食べ物がすきで
性格はどんな人なのか、
夫である伯爵とはどんな夫婦で、
スザンナとは 主従関係はあるとして どんな仲なのか…etc.


ソロで歌った 「Andenken」 も、

想っている相手と自分は 
かつていつごろどんな関係だったのか、
いまは どんな関係なのか、
このさき どうなりたいのか、
いま歌っているのは 独白なのか
誰かに語っている内容なのか、
どんな場所で 歌っているのか…etc.


歌のイメージを明確にすること。

うたう人間のキャラクターを 自分ならどうかたちづくるか。


本番もまぢかになって、
そこが 不十分だったと気づかされる。

「Andenken」のほうは 
まだ具体的なイメージがしやすかったのだが、
とくに 伯爵夫人に関しては
考えていたつもりでも 足りなかった。

だから、

わたしなりの
伯爵夫人のキャラクターづくりは、
ちょっと不十分な 中途半端なままで時間切れ、
本番を迎えてしまうことになった。

また機会にめぐまれたら、
コンテッサ伯爵夫人のキャラクターが
血のかよったものになるように考えて、
歌ってみたいと思う。


  まずは 自分が歌えるようになるだけでいっぱいいっぱいで…

  重唱だと、ハモリが きれいにできるか心配で…


というのもあるけれど、

内面的なアプローチも これからは
早いうちから おこたらずにやってみよう。


それにしても、

T師匠のレッスンでもいつも泣いてるから ↓

 
   「できません~」

   「あかん! やるの!」


   「わかりますか? わかりませんか??」

   「…わかりません…」 

   「困ったねえ~ コレをちゃんとわかるようになってほしいんですヨ」



。。。いまだに迷走状態で、
頭のなかは ??マークが飛びかいっぱなし。

それ以上に悩まされることは 
そうそう ないもんだと思っていたけれど…

まだまだ いっぱいありますね。


M野先生の 愛情ある毒舌も

だいすきですわ   


(そのリアルタイムでは もちろんドギマギしているのですが)


いろいろ たすけていただきました。


ソロの 「Andenken」 では、


  「ラブソング なんだからね~ 
 
   そこはフワッと優しく放して、ピアノに受け渡してくれたらいーのよ」


  「そんな、定規で測ったみたいに 息まで詰めて待たんでも…

   ピアノの響きの余韻を感じて入れば 入れるから」


拍をきちんと数えられないわたしは、

このアドバイスのおかげで 迷わず歌えるようになった箇所が

いくつかありました。


人前で歌うときの過度の緊張と
そのせいで息が流れない、
むだ息が多くて フレーズを歌いきれない…


リハーサル&本番で
レッスン時に近い状態で歌えるようになる
ことは、まだまだつづく課題 です。


それにしても、先生に


 「本番でソレやったら…


と言われるのは 効くかもなあ。 


コワイ けど。。。




コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする