さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

万霊節

2009-05-27 | 歌のおけいこ


Allerseelen。。。万霊節(ばんれいせつ)


リヒャルト・シュトラウスが作曲した歌曲のなかでも
とくに有名な、名曲のひとつ。


わたしもこれ以外に習ったのは1曲だけで、
あまり知らないんだけど 

先日のぷち発表会で歌った1曲が、これ。



    テーブルのうえに 香り高いもくせい草を飾って
    遅咲きの赤いアスターの花を添えましょう
    そしてわたしたちは ふたたび愛について語りましょう
    かつて5月に そうしたように。


    手をさしだして、わたしにそっと握らせてください
    ひとが見ていようとかまいません
    あなたの優しい瞳で、わたしを見つめてください
    かつて5月に そうしたように。


    今日はどの墓にも花が置かれ、香りが漂っています
    年にいちどの 死者たちの自由の日、
    わたしのこころを訪れて、
    ふたたびわたしのものになってください
    かつて5月に そうしたように

    かつて5月に そうしたように。。。



万霊節とは 11月2日、
死者を想うカトリックの祭日なんだそうです。

日本でいうお盆みたいな感じでしょうか。


わたしはこの歌、
以前から 多くのかたが歌われるのをよく聴いていて
すきだったのだが、

最初の頃 

  曲名なんだっけ??

とド忘れしたとき、よく

  「ほらっ あの、お盆の歌よ!」

と くちばしっていた 


その、死者たちの魂がもどってくるという日に
いまは亡き愛するひとを想い、

  わたしのそばに来てほしい

  あなたをもういちど感じさせてほしい

  かつて5月に愛を語り合ったように。。。

と祈る気持ちの歌だ。


男性が歌っても 女性が歌っても
しっくりなじむ。

こころに沁みる歌声で 表現で歌われるのを聴いて


  このひとは本当に、
  恋人を亡くしたことがあるのかな。。。


と 思ってしまったこともある。


こころに沁みる表現で、と書いたが、

なにも感情表現いっぱいに という意味でなく

淡々と ほとんど直立不動で歌っても
その想いが より伝わることもあるもので、

そんな歌の表現も たくさん聴いた。


この歌、

第一節・第二節・第三節を
おのおの独立してとりだしても 
それぞれの特色と味わいがあるのだが、

そのつながりがまた自然で、 
最後は 盛りあがって
そして きちんとまとまる感じ。


曲調の変化とともに、
自然に気持ちも 盛りあがってゆくし、
むりなく感情移入できる と思える歌。


 (でも、あまり 情感たっぷりという感じではなくて
  どちらかというと、
  そこは秘めて 一見淡々と歌いたい??)


  ↑ できそうにもない、かなりむずかしいことを言っている  


ピアノ伴奏がまたドラマチックで、ほれぼれする 

シュトラウス すごいなあ…!

偉大な音楽家のひとりだと、尊敬の思いがわきあがってくる。


わたしは 第二節の

  あなたの優しい瞳で…というところの
  「優しい、甘い」
  の意味をあらわす sussen  という語句の

  su… の音が たまらなくすきで、

  これ以外の音は考えられないほど ぴったりだと感じる。

  この一音を、うっとりと 夢みるように歌いたい


というのが、この曲にたいするわたしの思い入れ(目標)のひとつ。


それから、なんどもくりかえされる


  かつて5月に そうしたように

  。。。wie einst in Mai


というフレーズの表情の色わけ…かな。


これに関しては、

  「自分なりには 明確にこうだ! こうしたいねん」

と説明できる言葉は持たないまま、
今回は ばくぜんとしたイメージで
自然に出てくるままに歌ったけれど、

もし次回 きちんととりくむ機会があれば、
自分なりのイメージも もっと深くほりさげて
表現を 考えて歌ってみたいと思う。


それにしても、

もくせい草に アスターって。。。

日本では お盆に飾られるかといえば、

一般的にはあまりないですよね。


こういう日に飾る花も、

それぞれの国により いろいろちがうんだろうなあ

と、そんなところも興味ぶかかったりして。

 



コメント (2)
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